とんでもスキルでダンジョン放浪メシをするのは間違っているだろうか? 作:有頂天皇帝
はいお久しぶりです。今回ヘスティアファミリアに色々と他作品キャラが団員として登場していますが彼女らは18階層での出来事が落ち着いたらしばらく登場しません。数話以内にリヴィラの騒動終わらせたいなぁ・・・
────ヘスティアファミリア。現在オラリオに数多くあるファミリアの中でも長い歴史を持つファミリアの1つにして、かつてオラリオに滞在していた世界最強であるゼウス・ヘラファミリアのストッパーとしても活躍していた探索系ファミリア。数少ないハイエルフの冒険者にして、大地の大精霊【ユグドラシル】と契約を結んだLv.10の特級冒険者【カリウス・リヨス・アールヴ】、Lv.10の特級冒険者にして古代の英雄【エピメテウス】の双璧が有名であり、他にも現在は引退・行方不明となっているものの特級冒険者として名を馳せた冒険者だけでもかなりの数が所属していた。
故に、かつての眷属たちが全てヘスティアファミリアに集結すれば、今あるオラリオの強豪を薙ぎ払い、その頂点の座に君臨することも不可能では無い。
そして今、行方不明だったヘスティアファミリアの団員たち────Lv.7【
「すごい・・・」
レフィーヤは目の前に広がる光景を前に魔法を詠唱することも忘れ立ち尽くしてしまっていた。だがそれを攻めるものは誰もいない。何故ならばレフィーヤだけでなくリヴィラの住人たち全員が同じように立ち尽くしていたのだから・・・。
「換装!【天輪の鎧】!!」
長い赤髪の美女────エルザ・スカーレットの身体が光で包まれたかと思えば背中に四つの翼があり、大きなロングスカートの鎧【天輪の鎧】を装備し、鎧の周りに舞っている剣たちを飛ばして腐食液がかからないほどの超スピードで次々と
さらに本人もまたその両手に握る剣でウダイオス寄生種の身体を削るように切り裂いていく。
「女神の安寧を邪魔する愚物・・・!!その罪、その身でとくと味わうがいい・・・!!」
褐色肌に赤い瞳、そして顔の中心にバツの傷跡がある男────スカーはその剛腕を振るい、右腕に刻まれた特殊な魔法式を発動させウダイオス寄生種の身体を少しずつ分解していく。
「オラオラァ!!図体がデケェだけのノロマが何時までも調子に乗ってんじゃねぇよ!!」
スキルの影響によって全身が黒く染まっている凶悪な面をした男────グリードはウダイオス寄生種の攻撃をモロに受けでも気にせず拳や蹴りを叩きつけウダイオス寄生種の身体を抉っていく。
たった3人だと言うのに下手な強豪ファミリアのパーティよりも圧倒的な力を見せつけて推定Lv.6はあろうウダイオス寄生種を圧倒していた。
さらに攻撃の余波だけで周囲に集まっていたモンスター達を殲滅しているのだからその凄まじさは語る必要はないだろう。現にレフィーヤたちが何もせずエルザたちの動きを見ることができるほどの余裕があるのだから・・・
「【レア・ラーヴァテイン】!!」
エルザたちの戦いに魅入っていたレフィーヤたちの耳にリヴェリアの超長文詠唱魔法による爆発音が響いたことで自分たちの役割を思い出しそれぞれが動き出し始める。
それを確認したリヴェリアは後でレフィーヤには説教することを思いながらウダイオス寄生種とは別の戦場に目を向ける。
「なんなんだあの女は・・・」
リヴェリアはLv.7であるティラン、Lv.5のアイズとクラピカの3人を同時に相手しながら未だ倒れていないレヴィスと名乗った女に戦慄していた。
「オラァ!!」
「フッ!!」
ティランは自身の魔法である超短文詠唱の炎属性の攻撃魔法【ラヴァ・ブレイズ】を口からブレスのように吐いてレヴィスを焼き殺そうとしたが、レヴィスは近くにいたモンスターを盾にしてそれを回避。さらにモンスターを焼いた際に生じた煙を利用してその中に紛れながらティランに接近し、
鎖を巻き付けた人物──クラピカは魔法によって強化された鎖を両手で握り、そのままレヴィスを地面に引きずり落とそうとするが、それよりも早くレヴィスは自身の鎖が巻き付けられている右足を切り落として拘束から免れる。
「なっ!?」
予想外の手段で拘束から逃れたレヴィスに驚き目を見開くクラピカだが、すぐさま鎖を操り今度はレヴィスを拘束などという生ぬるいことはせず絞め殺す気で5本の鎖を飛ばす。
それに合わせてアイズもまたレヴィスを倒すために溜めていた魔力を一気に解放して攻撃を仕掛ける。
「【リル・ラファーガ】!!」
アイズの風の魔法【エアリアル】と自身の剣技を合わせて放った突き技は凄まじい加速をしながらレヴィスに迫り、クラピカの鎖もまたレヴィスの四肢と首に迫る。回避する暇など与えないと言わんばかりの攻撃を前にレヴィスはネイチャー・ウェポンを構えて迎撃体勢を取る。
3人の攻撃がそれぞれ衝突すると思われたその瞬間、どこからともなく現れた飛竜がレヴィスを攫いアイズとクラピカの攻撃は不発となってしまった。
「ちぃっ!!
苛立ち混じりの舌打ちをしながらティランはレヴィスを捕まえている飛竜────イル・ワイヴァーンに対して魔法を放つが、詠唱中に距離を取られていたこともありティランの魔法は僅かにイル・ワイヴァーンに届かなかった。
それに対してティランは舌打ちしながら背中から翼を生やし逃げようとするレヴィスたちを飛んで追おうとする。
「クラピカ!俺はあの女を追う!!お前はエルザたちのフォローに────」
「なに、あれ・・・」
「あぁ?」
ティランが最後まで言い切る前に目を見開きながら呆然としているアイズが視界に入り、ティランは何があったと言わんばかりにアイズの向いている方に視線を向け、そしてティランもまた目の前の光景におもわず呆気に取られてしまった。
────どこからともなく降り注いだ三条の光がゴライアス漆黒種、ウダイオス煉獄種、ウダイオス寄生種に降り注いだかと思えば3体の【
それが何らかの魔法かあるいはスキルに類によるものなのか皆目見当もつかないが、冒険者の勘としてアレを放置してはならないと即座に感じ取ったティランはレヴィスを追うのを止め、ウダイオス寄生種たちの対処に動こうとしたこところでゴライアス漆黒種たちは動き始めた。
ゴライアス漆黒種は息を大きく吸い込み始め、ウダイオス煉獄種は5本残っている腕の内の1本を自ら折って腕を4本にしてバランスを整えながら折った腕を取り込み4本の腕に黒い炎を纏った大剣を持ち、ウダイオス寄生種は地面に腕を突っ込みそこから緑肉に覆われた黒い骨の大剣を取り出し上段に構える。
一連の動作を見ていた冒険者の誰もがアレは危険だと言わんばかりに魔法による長距離射撃で行動を妨害しようとするが、そのどれもが当たっていてもゴライアス漆黒種たちを揺るがすことはない。故に親指の疼きを感じたフィンと冒険者の勘が警鐘を鳴らしていたティランはそれぞれリヴェリアとレフィーヤ、エルザに吠える。
「リヴェリア!!レフィーヤ!!」
「エルザ!!」
「「っ!!【舞い踊れ大気の精よ、光の主よ。森の守り手と契を結び、大地の歌をもって我等を包め。】」
「全員私の後ろに下がれ!!換装!【金剛の鎧】!!」
フィンとティランの言いたいことを即座に理解したリヴェリアとそれに少し遅れる形だがレフィーヤは2人は結界魔法の詠唱を始め、エルザもまた攻撃を防ぐために天輪の鎧から自身の持つ鎧の中で最硬の防御力を持つ【金剛の鎧】へと換装し、両手に持つ身の丈以上ある巨大な盾を構える。
その間にフィンたちとボールスたちリヴィラの冒険者たちはリヴェリア、レフィーヤ、エルザたちの後ろに避難した。
「【我等を囲え大いなる森光の障壁となって我等を守れ――我が名はアールヴ】!!【ヴィア・シルヘイム】!!」
詠唱は紡がれリヴェリアとレフィーヤを中心にドーム状の緑光領域が冒険者の全てを包む。物理、魔法攻撃すべてを遮断する結界魔法。込められるだけの魔力を込めた魔法の展開と同時に、ウダイオス煉獄種たちは行動を起こす。
『『『────────────っ!!!!』』』
ゴライアス漆黒種による魔力を帯びた
続いて襲いかかったのはウダイオス寄生種の振り下ろした大剣による衝撃波。砕け散った岩や木などの欠片やモンスターの死骸が混ざった土石流と一緒になった衝撃波がリヴェリアたちを襲うが、これも何とか耐えることができたがその代償としてリヴェリアの結界魔法はかなり消耗してしまった。
────そして本命の一撃だと言わんばかりのウダイオス煉獄種の4本の黒い炎に覆われた大剣が今まさに振り下ろされんとしていた。
(マズい────っ!?)
ゴライアス漆黒種とウダイオス寄生種による連続波状攻撃を耐えたリヴェリアだが、次にくるウダイオス煉獄種による四連続攻撃は自身の消耗した結界魔法だけでなくレフィーヤとエルザの防御も超えてこの場にいる全員に襲い来るだろうという確信があった。
第一級冒険者である自分たちならばまだ耐えられるだろうが、殆どがLv.1、2のリヴィラの冒険者たちには少なくない犠牲が出てしまうと確信が持ててしまった。故にリヴェリアは犠牲を避けるために何か打てる手はないかと頭を必死に巡らせていると、ウダイオス煉獄種に近づく白い影の存在に気がついた。
「────【
ウダイオス煉獄種に近づいていたベルはその両腕に装備しているギルタ・ブリル二世による一撃を勢いよくウダイオス煉獄種の左上腕に叩き込んだ。
初代ギルタ・ブリルと遜色のない性能を誇るギルタ・ブリル二世にも初代同様必殺の一撃を持っており、それは溜め込んだ魔力をを全て破壊力ダメージに転換し排出(右拳に仕込まれた針を敵に刺して「水晶化」エネルギーを流し込み、内側から大爆発させる)。
その一撃はウダイオス煉獄種の左腕1本だけでなくもう一本、さらに左肩ごと粉々に砕くことに成功し、ウダイオス煉獄種を仰け反らせることに成功した。
誰もが目を見開いてベルの成し遂げた出来事に驚愕している中、またしても腕をベルによって砕かれたウダイオス煉獄種はその瞳を怒りで燃やし地面に叩きつけるはずだった残りの右腕二本による大剣の一撃を全てベルに叩きつけた。
「ぐっ!?」
超過機構:超排撃による反動で動きの鈍っていたベルにその攻撃を交わすことなどできる訳もなく、ベルは受け止めるために向こうの異世界で作成してもらった大盾で攻撃を防ぎながらフェルに教えてもらった結界と自信が覚えている身体強化魔法を重ねがけして耐えようとする。
それを無視してウダイオス煉獄種はそのまま大剣をベルごと地面に叩き潰し、凄まじい衝撃波と黒い炎の波が18階層全体を襲った。
「あちゃあ・・・コレはもう終わりかな?」
18階層での映像を見ているタナトスは、ウダイオス煉獄種の一撃によって叩き落とされたベルとそれによって発生した衝撃波と黒い炎に呑まれた冒険者たちを見て、残念そうに呟く。
イシュタルがなんらかの手を使った事で強化されたウダイオス煉獄種たちの放った一撃は凄まじく、遠く離れているはずなのにタナトスのいた場所が揺れるほどの衝撃が発生していたことからその凄まじさがよくわかるというものだ。
「アレがイシュタルの言っていたヘスティアたちに対する切り札の1つかな?アレだけじゃあヘスティアの
ヘスティアとの抗争に向けて揃えているイシュタルの切り札の1つを管理しているタナトスはその2つを含めた複数の切り札が上手く作用し合えば或いは・・・と考えるが、ヘスティア最強の眷属2人のことを思い出し『やっぱ厳しいかなぁ・・・』とか思ってたりする。
「あっ、あのウダイオス。ゴライアスともう一体のウダイオスを襲い始めちゃった」
タナトスが思案している間にウダイオス煉獄種が動き出したかと思えば吹き飛んだ。冒険者ではなくその吹き飛んだ冒険者を襲おうとしているゴライアス漆黒種とウダイオス寄生種を襲い始めた。
突然のことにゴライアス漆黒種もウダイオス寄生種も対応できずそのまま胸元にある魔石と極彩色の魔石を取り出しそのままその2つの魔石を捕食した。
「うわぁ~タダでさえ化け物だったのにより手がつけられなくなっちゃったね。この調子で地上にでも出ちゃったらかなりの被害を出しちゃうかもねぇ?」
タナトスは魔石の味を覚えて強化種となったウダイオス煉獄種がこの調子で地上へと進み、その道中のモンスターたちの魔石を取り込んでいけばかなりの冒険者を殺せるだろうと思い笑みを浮かべる。
無論、タナトスとていくらあのウダイオス煉獄種がいくら成長しても地上にいるオーディンやアトラスを始めとした強豪ファミリアたちの特級冒険者たちが相手では倒されることは目に見えている。
しかし、倒されるまでの間にかなりの数の冒険者たちを殺してくれることは間違いないだろう。そうなれば
「流石にあの攻撃をまともに受けちゃったらいくらゼウスとヘラの子供でも死んじゃってるだろうし攻撃の余波で
タナトスは今頃イシュタルが高らかに笑い声を上げているだろうなと思いながら映像を切ろうかと眷属に声をかけようとしたところでそれに気づいた。
「────嘘でしょ?」
タナトスは口元をひくつかせながらそれを見る。映像の向こう側で、荒れ果て黒い炎が至る所で燃え上がっている18階層の大地の上で頭から血を流しながらも大剣を支えに立ち上がるベル・クラネルの姿がそこにはあった。
その瞳は絶望によって濁っておらずまだ戦えると言わんばかりに力強く輝いていた。
「えぇ・・・。あんなボロボロになっても立ち上がるとかマジかぁ・・・。やっぱゼウスとヘラの眷属の血を継ぐ子供ヤバいなぁ・・・」
まだ戦う気のベルに対してドン引きするタナトスだが、その目はどこかベルがこの後何をしてくれるのかという期待が僅かに籠っていた。
「っあ・・・」
体の至る所が痛むのを感じながら少しの間気絶していたアイズはゆっくりと目を開けながら立ち上がり周囲を見渡す。
リヴェリアとレフィーヤの魔法、エルザの鎧のおかげで死者は出ていないものの全員がかなりの傷を負っていた。
それに対してウダイオス煉獄種はゴライアス漆黒種とウダイオス寄生種の魔石を取り込んだことによってベルが負わせたダメージが回復され腕が4本に戻っただけでなくそれぞれの腕には黒炎を纏った大剣を装備し、足元からはスパルトイたちが次々と生み出されていた。
(どう、すれば・・・)
今この場にはアイズを初めとした第一級冒険者がそれなりの数揃っているはいるが全員が先程の攻撃で負傷。敵は推定Lv.7或いは8のウダイオス煉獄種に無尽蔵に湧き出るスパルトイの群れ。
アイズたちだけならば何とかなったかもしれないが、レベルの低いリヴィラの冒険者たちを守りながらでは流石に厳しいものがあるし例え仮に彼らも戦闘に参加すると言ったところで第二級冒険者たちの彼らにできることなど無駄死にするしかなかった。
どうすればいいのかとアイズがフィンに視線を向けようとしたところで鐘の音と詠唱が聞こえた。
「────【主よ、我が願いを聞き届けください】」
「この、詠唱は・・・!?」
聞こえてきた詠唱を耳にしたリヴェリアは驚愕を顕にしながら詠唱を唱えている人物がいる方向に顔を向ける。
それはリヴェリアだけでなくフィンやティランを始めとした15年前までオラリオ最強のファミリアの1つ、ヘラファミリアにいた要塞と呼ばれるほどの鉄壁と呪いすら癒して見せたヘラファミリアの護り手【
「【この身は弱く、この身は脆く。されど、守るべきものたちがここにいる】」
傷だらけでありながらその手に握る聖旗を振るいながら詠唱を繋げるベルが思い浮かべるのはこの魔法の本来の使い手である聖女──ジャンヌ・ダルクだった。
「【我が手に剣を。我が手に旗を。
我が魂を盾とせよ】」
同じファミリアの仲間であるヘラファミリアだけでなくゼウスやアスクレピオス、カーリーなど多くのファミリアの団員たちを守るために聖旗を振るうその姿はベルの憧れる英雄たちと同じくとても素敵なものだった。
「【我は退かない。我は屈しない】」
故にベルは彼女の魔法を使いながら彼女に恥じない姿を振る舞うことを誓いながら旗を振るう姿はどこか気品と美しさを感じさせるものであり、アイズたちは危機的状況であるというのにその舞うようなベルの姿に魅入っていた。
「【我が身ある限り、誰一人として傷つけさせない!!】」
そして詠唱を完了させようとしているベルは聖旗の石突を地面に勢いよく叩きつけるとベルを中心に
「【神はここに在り────】【リュミノジテ・エテルネッル】!!」
そして超長文詠唱魔法を唱え終えると同時にベルの持つ聖旗を中心に光り輝き、その光を浴びたマジックサークル内にいたものたちの傷を癒していく。
突然傷が癒えていくことにリヴィラの冒険者たちが動揺している中、ベルの声が18階層に響いた。
「────立ってください」
傷だらけでありながらも力強さを微塵も失っていない声と瞳を前に誰もが声を発せなかった。
ゴォォン、ゴォォンと鳴り響く大鐘楼の鐘の音は意図せずこの場にいる者たちの心を落ち着かせ、鐘の音に合わさってベルの声もよく響いていた。
「立ち上がって、剣を取り、杖を握り、槍を降り、斧で断ち、拳で全てを砕いてください────」
段々と大きくなる少年の声に合わせて冒険者たちは無意識にそれぞれの武器を握る手に力がこもる。
気づけばこの場にいる誰もがベルに視線を惹き付けられていた。
「────僕が全てを癒し、あらゆる障害を砕きましょう」
───宣言する。もしくは、約束だろうか。
否定する者はいない。
だって、もうすでに証明されている。
───彼が、戦場の癒し手に、そして最前線で戦う強者になり得ることを、大鐘楼とこの光が証明する。
「あなたたちの傷を癒しましょう。あなたたちが奮い立てるよう抗えるだけの力を証明しましょう。あなたたちが心折れようとそれを癒し、火種をつけ、再び奮い立たせましょう────」
ベルは閉じていた目をゆっくりと開き、冒険者たちを見る。
そこには、『覚悟』を決めた少年がいた。目をつり上げ、敵を睨みつけ、必ず討ち果たすと決めた顔が。
しかし、次には、まるで『挑発』をするかのように、軽薄な笑み──下手くそ──を浮かべた。
「それとも」
聖旗を地面に突き刺し、大剣を肩で担ぐように構える。
幼い少年の見た目をしていながら歴戦の冒険者と錯覚してしまうほど威風堂々たるその姿に誰もが魅入ってしまう。
「────ここに来たばかりの新人。それも、つい最近ランクアップしたばかり──恩恵を得たばかりの僕にできて。あなたたちには出来ませんか?」
─────瞬間。
ブチッ、という、青筋が立てられた音が聞こえた。
───明らかな年下。それも、彼のことを──ランクアップや『最速英雄』──知る者たちにとって、その『挑発』は効く。
───効きすぎてしまう。
「ふざけんな!お前にできて、俺たちにできねぇわけねえだろうが!」「粋がっただけのルーキーが、調子に乗ってんじゃねえ!」「白髪ショタはぁはぁ」「こっちを見てぇぇ!!」「あんな啖呵を切ったんだ、ちゃんと治せよ!!」「ベルゥゥゥ!!これが終わったら子作りしましょう!!」
「────いいでしょう。あなたたちに『覚悟』があるのなら、僕もあなたたちを、傷つくことがわかりきっている『戦場』へと送り続けましょう」
やがて少年は、チラリと冒険者たちの先頭を見る。
そこには、フィン・ディムナがいた。
(お借りします)
そう心で言った彼は、『勇者』の言葉を借りる。
「あなたたちに、『勇気』を問いましょう」
少年の言葉が響いた瞬間。
冒険者たちが武器を手に、スパルトイへと飛び掛かる。
───反撃の始まりだった。
あとがき
ヘスティアファミリアの過去話とかイレギュラーオラトリアとかやりたいと思う話は色々あるけど文章がまとまらないのとほかの小説もあってネタがまとまらない現状ですが頑張って不定期でも更新は続けます。
時々新しく書き直すかとか血迷った考えが頭によぎるけどそのどれもが途中で終わりそうなので大人しくこちらの続きを書いていくことにしました。
今回ほかの作者さんのを参考にベルがフィンみたいに冒険者たちを激励しました。
ベル君はそういうキャラじゃないんだけど書いているうちにちょっとやってみたくなったのでやらせてもらいました。
次回か次次回にはウダイオスとの戦闘を終わらせたいなと思ってます。そろそろ先の展開を進めたいしリリやヴェルフなどほかの原作キャラたちも出したいですし・・・
ベルの魔法リクエスト
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ウィストリアのウィルの魔剣(ウィース)
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原作のファイヤボルト
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完全オリジナル
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アイズのエアリアルの雷版
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Fateの投影魔術