とんでもスキルでダンジョン放浪メシをするのは間違っているだろうか?   作:有頂天皇帝

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まえがき
しばらくの間ベルくんダンジョンに戻らずオラリオの地上で活動します


第2話 ベルくん、初めての屋台

────ヘスティアとアミッドに異世界の甘味を満足するまで提供したベルは2人から【異世界通販(ネットスーパー)】のことは他の神や冒険者達には絶対に秘密にするように言われた。それから2人が甘味を堪能し終えてからアミッドがヘスティアファミリアに依頼(クエスト)を出しに来たことをヘスティアに伝えるが現在ヘスティアファミリアの団員たちはダンジョンに遠征に行っているため詳しい話は彼らが帰ってきてからということになった。それに合わせてベルもまたダンジョンへの挑戦はまだ先になることをヘスティアに伝えられたのでベルはネットスーパーで買い物をするためのお金稼ぎと好きなことを兼ねて屋台料理を出す許可を貰った。

 

「よし!」

 

屋台を引きながらオラリオの広場に着いたベルは早速準備に取り掛かることにした。異世界にてムコーダの手伝いで色々な料理を作ったために屋台に出せる料理も色々と作った。今回ベルが屋台で出す料理は焼き鳥を選んだ。選んだ理由としては今の時間帯は夕暮れ時に近いために酒に合うものの方が売れるだろうと予想してのものだ。

 

「まずは火をつけるところから始めないと・・・」

 

ベルは屋台の上に設置している焼き台に以前ムコーダに購入してもらってそのまま貰った備長炭の詰め合わせから幾つかの備長炭を取りだして並べるとキャンプ用の着火剤に火をつけて団扇で風を扇ぎ備長炭に火をつけていく。十分熱くなったところで事前に串に指しておいたネギマ、モモ、皮、砂肝、ぼんじり、つくねなど色んな種類の焼き鳥をタレと塩に分けて焼いていく。

 

「やっぱり焼き鳥は炭火で焼くのが1番だよね・・・」

 

ベルは焼き加減にムラがないように団扇を使って炭火の火力を調整しながら遠火の強火で焼きながら頻繁に何度も引っくり返す。

 

「うん、いい感じに焼けてきたね」

 

余分な脂が程よく落ちてこんがり焼けたのを確認するとムコーダさんから教えてもらった焼き鳥のタレのレシピ通りに作った醤油・みりん・酒・ザラメ・水を煮詰めたタレに焼き鳥を潜らせ少し焦げ目がつくまで焼いていく。塩の方は事前に焼く前に塩胡椒をふりかけているために追加の味付けは不要である。

 

ジューッ。

 

『おい、なんだこの匂いは・・・』

 

『わ、分からねぇ・・・わかんねぇけどこれ絶対ウメェヤツだ・・・』

 

焼き鳥の香ばしい香りが周囲に立ち込めたことにより近くを歩いている人々が思わず足を止めてしまい、その匂いの発生源に向けてフラフラと足が進んでしまう。なおベルは焼き鳥を焼くことに夢中になっていてそのことに気づいていない。

 

「よし!第1弾焼き上がりぃっ!?」

 

ベルは焼きあがったのをさらに持って棚の上に置いて次の分を焼こうとしたところで屋台の前にたくさんの人が集まっていることに気づき、思わず上擦った声を上げてしまう。そんなベルに気づかず焼き鳥に視線が釘付けになっている人々は唾を飲み込みながらベルに焼き鳥について質問する。

 

「ぼ、坊主・・・。ソイツは売り物なのか・・・?」

 

「は、はい・・・。1本5ヴァリスです・・・」

 

「ならオススメを5本くれ」

 

「ありがとうございます!!」

 

早速のお客さんに喜んだベルは焼きたての焼き鳥からタレと塩を半分ずつ紙袋に入れてお客さんに提供する。

 

「お待たせしました!ネギマ、皮、つくねをタレで、もも、砂肝が塩になります」

 

「あ、あぁ・・・。それじゃあ25ヴァリスだ」

 

「はいちょうどお預かりしますね」

 

ベルから焼き鳥が入った紙袋を受け取った客は屋台から少し離れたところで1本取り出すと早速食した。他の人々も始めてみる料理がどんなものが気になるのか反応を見守る。恐る恐る一口食したかと思えばそのままガツガツ食い始めた。

 

「な、何だこの肉は!?鶏肉ってのはわかるがこんな柔らかい肉は生まれて初めて食ったぞ!?こっちの塩の方はシンプルな味付けな分肉の美味さがよりわかるが、こっちのタレの方も甘辛くて美味い!!」

 

男は夢中になって次々と買った焼き鳥を食べていきあっという間に5本の焼き鳥を食べ尽くしてしまった。

 

この世界で魔物肉以外の肉といえば豚、羊、兎、牛、馬、鶏の6種類だ。その中で一番人気があって手に入りやすいのが豚だ。羊と兎も、当然美味い。問題は牛と馬、鶏で、これは本来の用途に適さなくなった家畜を潰した時にのみ出回る。牛や馬は乗り物であり、農具であり、財産だ。なかなか出回らない。そして、鶏。卵を産まなくなった廃鶏の肉が市場には並んでいる。が、そういった鶏の肉はとにかく肉が硬い。胸肉も腿肉も、年老いた鶏の肉は、硬くて不味いのが相場だ。

 

しかしベルが今回使用したのは異世界の日本と呼ばれる国で食べる為だけに育てられた若鶏の肉を使った焼き鳥であるために年老いた鶏とは違い肉がとても柔らかく濃厚な肉汁が口の中に広がるなどその美味さは年老いた鶏と比べれば格別と言ってもいいだろう。

 

「くっ!もうなくなっちまった・・・!!坊主!!追加で皮とネギマって奴をタレで、ももとタンを塩でくれ!!」

 

「は、はい!!」

 

ベルは男の鬼気迫る態度にビクついて上擦った声を上げながら追加の焼き鳥を焼きながら追加注文を紙袋に詰めていく。そして男の美味そうに食う姿に影響され他の人々もまた砂糖に群がるアリのように屋台の前にくる。

 

「お、俺もネギマって奴をタレと塩で2本ずつ頼む!!」

 

「私はももとつくねを塩で、ぼんじりと手羽先をタレでちょうだい!!」

 

「ワシはにんにく、軟骨、ハツを塩で3本ずつじゃ!!」

 

「は、はい~~~!!」

 

次々とくる注文を前にベルは新しいのを焼きながらお客様に焼きあがった分を提供していく。途中からベルの大変さを見てられなくなったほかの屋台の人が手助けしてくれたり、焼き鳥を食べてこれは酒が合うと気づいたものがベルの焼き鳥を利用して酒の販売をする者もいたりと気づけば広場は小規模な祭りレベルで盛り上がる結果となった。

 

途中からベル一人で捌ききれなくなってしまい見かねた他の屋台の店主たちや醤油の匂いに釣られてきたタケミカヅチとその眷属に賄いとして串にさせない大きさの鶏肉を使った焼き鳥丼を出すことを条件にして手伝ってもらったり、酒好きのまな板女神(ロキ)にだる絡みされながらも焼き鳥を次々と購入してもらったり、正義と秩序を司る女神アストレアにベルが見惚れていたらアストレアの眷属であるアリーゼ・ローヴェルとゴジョウノ・輝夜からプロポーズ(毎日私のためにご飯を作ってください的な)をされて小騒動になったり、噂を聞いてやってきたアーディとシャクティが主神であるガネーシャ共にやってきたのでベルがご馳走したりなど色々な客が来店してきた。

 

そのためにベルが屋台を開いて二時間も経たないうちにベルが事前に用意していた焼き鳥はあっという間になくなってしまい、代わりとしてとうもろこしや豚串などほかの屋台の店主たちから貰った焼き物を炭火焼きで焼き、醤油や塩などネットスーパーで購入した調味料で味付けしたものを次々と焼いて販売した。結果、ベルは深夜近くまで延々と焼きまくったおかげでオラリオ初めての商売でベルは15000ヴァリスとLv.1.冒険者の1日の平均収入の約3倍も稼いだのだった。

 

これにはホクホク顔で嬉しそうに今日の収入を伝えたベルの前でオラリオに下界したばかりの頃に時給30ヴァリスでジャガ丸くんの屋台でアルバイトをした経験のあるヘスティアは引きつった顔をするしか無かったのだった・・・。





あとがき
今回ベルくんに屋台でなにかやらしてみようと考えた結果焼き鳥になりました。最初はビールなどのお酒の販売も考えてたんですが屋台で一緒にするにはスペースの確保も難しそうなのとアイテムボックスとかも使わざるを得なくなり早々に厄介事に巻き込まれそうなので断念しました。お酒はまた別の機会で出します。その時はロキやガレスなどの酒好きキャラたちに振る舞えたらなと思います。他の小説にもそろそろ手を出さなきゃなんで更新がちょっと遅れると思いますがどうかよろしくお願いします

番外編候補

  • イレギュラー・オラトリア
  • アナザー・オラトリア
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