硝子筆と無記教典   作:蒼月柊

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04_一つの選択の果て

     一

 

 

 ミコの決意を見たシキと青年医師が保健室を出ていくと、ツヅリとミコは二人で言葉を交わす。

 ツヅリの思いに、ミコが疑問を問いかけ、より純度の高い想いへ変えて言葉を綴る。

 

「聞いてもいいですか」

 

 ミコの声に、ツヅリはミコの瞳を見つめる。ミコははにかみながら尋ねた。

 

「そもそもミカさんはどうしてこのようなことをしているのでしょうか」

 

「わからないんです」

 

 今になってもわからないミカの動機に、ツヅリは落ちこむ。それでも、わからないままでもミカを救いたいとツヅリはずっと思っていた。

 

「私はなんとなくわかる気がするんです。私の絶望はミカさんの絶望に近いんだと思います」

 

「教えてくれませんか」

 

「自分の人生に意味がないって思っているのかもしれません。きっと、生きる理由みたいなものがないと、虚しいんです。虚しくて寂しくて、辛くて、苦しくなってしまうんです。自分に生きている価値がないんだって思いはじめて、申し訳なさが余計に胸を締めつけるんです」

 

 笑顔で語るミコの言葉に、ツヅリは何かを飲みこんで「なるほど」とこぼす。

 

「やっぱりツヅリさんはなんでも受け入れようとしてくれるんですね。でも、ごめんなさい。この気持ちはやっぱり実感いただいた方がいいと思うんです。だから、もう一つ質問をさせてください。どうしてガラスペンに頼らないのですか」

 

「それは、歌のほうがいいって」

 

「どなたに言われたんですか」

 

 ぎゅっとツヅリの手をにぎって、ミコは待つが答えあぐねていることを見て察すると、もう一歩踏みこむ。

 

「その人にツヅリさんの言葉よりも歌のほうがいいって言われたとき、悔しいとか思いませんでしたか」

 

「……そんなこと、思わなかったんです」

 

「私は、ツヅリさんの言葉を歌えて嬉しいって思います。でも、ツヅリさんの言葉だけでは届かないなんて信じられない気持ちと、私が歌うだけで伝わるのかなって気持ちもあるんです」

 

 そう言うミコの表情は不安そうに見えなかった。変わらず笑みが咲いている顔に、ツヅリはミコとは対照的に不安そうに尋ねる。

 

「どうしてそのような表情ができるのですか」

 

「ツヅリさんを信じているからです。それに、助力を申し出たほうが不安げにしてもいけないでしょう」

 

 ミコの振る舞いを目にしながらも、ツヅリは不安げな表情を隠せない。より強く握られた手を見て、ミコを見る。

 

「ツヅリさんは優しくて、ほかの人のためには揺るがないものがあって、でも自分がいつまでも足らないと悩んでいるんだなって、あの日いただいた手紙や先生からの話で感じました。それでも私が死んでしまいたいと思ってしまうような苦しみに曲がらずに耐えることができる、強い人だと思います」

 

「僕はそんな、強い人じゃないですよ。情けないですけれど」

 

「たとえ、役割だとしても、想いを貫けることは強いことだと思います。私にとっては眩しいくらいなんです。あなたの強さに救われているからこそ、あなたの言葉にはすごい力があるって知っているからこそ、私の歌がいいって言われたときに悔しいって思ってもいいんじゃないかって思ったんです」

 

 ミコの言葉に、ツヅリは何かを言いかけてすぐに口を閉じる。ミコは笑った。

 

「もう誰かの言葉で死んでしまいたくなることはありませんから、言いたいことがあれば言ってください。きっと必要なことですから」

 

 ツヅリの瞳から人生で初めて、心の澱がこぼれた。

 

「僕の言葉なんて、意味なんかないんですよ。言いたいことを言っただけで、受け止めてくれないと言葉に意味なんか宿らないんです。なのにどうして、僕の言葉に意味があるのですか」

 

「……それはあなたが発した言葉だからですよ。あなたは言葉で、もしくは行動で誰かのためを想っていると、私も、きっとミカさんも知っています」

 

「ミコさんはどうしてそんなに優しくしてくれるんですか」

 

「私はあなたに救われたんです。救ってくれた人を好きにならないわけがありません。好きな人を愛してしまうのは当然のことだと思います」

 

 直球な好意に、ツヅリのほうが恥ずかしくなったのか目をそらす。

 ツヅリの様子にミコも顔を赤くして、両手で顔を覆った。

 

「ご、ごめんなさい。つい、言葉が。いえ、なんというか」

 

 そんな言葉を残して、ミコは保健室から走り去ってしまう。

 見送るほかになかったツヅリだったが、しばらくして意味が飲みこめたのか、一言だけこぼして、保健室から出ていく。

 

「ありがとうございます」

 

 

     二

 

 

 家に戻り、一人きりの食事を済ます。生きるための作業をこなし、床に就く。

 最後にガラスペンをなでるが、もうただの筆記具にしかツヅリには思えなかった。

 それでもこの道具を使って、これまで勤めを果たしてきた。

 やれたことは少なくても。まだ自分を受け入れることができなくても。

 ミコの言葉がツヅリの心に沁みこんだ。

 事実として、誰かを救う言葉を綴ることができていたのなら、嬉しい。

 そして、ツヅリは再び女神に会う。

 

「ここは」

 

「先ほどは取り乱してすまないな」

 

 雑にまとめられた長髪の女性は、今度は青く灯る草の原っぱに立っていた。

 

「女神様」

 

「歌姫とは話ができたかい」

 

「ひとまずは歌詞を作っているところです」

 

「そうか」

 

「女神様」

 

「なんだい」

 

「どうして歌ではないといけないのですか」

 

 ツヅリの言葉に、女神は少し考える。

 

「別に君の言葉が悪いとかじゃないんだ。ガラスペンのログを見ても、よくやってくれていると本当に思う」

 

 言葉を切り、一度言葉を考えてからもう一度口を開く。

 

「ただ声に出したときの言葉と歌の言葉、どちらが伝わるかという観点でしかないんだ。私は研究者だ。私にとって、言葉はデータの数字と同じ価値しかおいていないから、ガラスペンに頼る方法が思いつかなかった」

 

「どうして、歌は想いが伝わると知っているのですか」

 

「歌というより音楽が好きなんだ。音楽を聴いていると、感情を揺さぶられる。感情を揺さぶられるから、作曲家や演奏者、批評家たちの文章に想いを馳せさせることができる」

 

「なるほど」

 

「君はミカになんて伝えるつもりなんだい」

 

「それは生きていてほしいと」

 

 ツヅリの言葉を聴いて、女神は相槌を打つも言葉を発しなかった。ツヅリも女神が何かを言いたそうにしていることを察してか、黙っていた。

 

「そもそもどうして生きてほしいんだ」

 

「死んでしまうことは悲しいことだからです」

 

「たしかにそうだと思う。でも、生きていてほしいと願った結果、苦しませてしまうと思うことはないかい」

 

「それは」

 

 言葉をつまらせるツヅリの頭に、女神はポンと手を置いた。

 

「私は、私の選択で君たちを苦しませているのではないかと思うよ。松木の役割を決めたのも私とあいつだし、たくさん悩みを受け止めることになる以上は相談相手になれるように準備をしていたとしても」

 

「そういえば、女神様はまだ生きておられるのですか」

 

「いや、もうとっくに死んでいるよ。今、話をしているのは私の思考の癖を学習したAIだ。せっかくだからもう少しこの世界のことについて話をしておこう。私の選択がどういうもので、どうしてその選択をしたのか」

 

 そうして、女神は話し始める。ツヅリはじっと話を聴く。

 

「私が生きていた時代はすでにある技術を使って生きていた。AIがあらゆる技術革新を進めた結果、人類が理解できる範疇を越していたんだ。だからAIがどこからか悪質な情報を得てしまうと一瞬にして科学の産物は崩壊してしまう。そんな事態が起こってしまった」

 

「……」

 

「もちろん研究や創作が好きな人類もいた。AIが発表した研究結果も含めて、自分の活動に取り入れていた奴らのおかげで、科学の産物が崩壊し始めても完全に朽ちるまでは時間があった。その結果、地球上の各地にAIの影響が及ばない場所にコミュニティを形成した。ここはその一つというわけだ」

 

「その歴史は僕も知りません」

 

「そうなるように、私のコミュニティは予防接種と称してあるナノマシンを投与した。一度、接種すれば遺伝するように作られたものだ。そのナノマシンを通して、AIの産物と至った歴史を思い出そうとすれば、より正確にいえば記憶を元にした感情がイメージされた際に、別の感情を想起するようになっていた。そして、万が一、ナノマシンの働きがうまくいかないときを想定して、私は手帳とガラスペンを製作した。この二つは、ナノマシンに働きかけることで対象の人物の精神的な安定をもたらす機能を持つ」

 

「じゃあ、僕が伝えようとしていた言葉は」

 

「意味がなかったなんてないさ。でも、信じられはしないんだろうな」

 

 図星のツヅリは言葉をつまらせた。

 

「少し横道にそれるが聞いてほしい。私の持論ではあるんだが、この世界にあるのは因果だけだ。だから、突然何かが生じるなんてことはそうない。ファンタジーな出来事は一つの例外を除いて起こり得ない。その例外が人間が作り出す、音楽や絵画、言葉なんだよ。これらは受け取った人に因果を超えて影響を与える。ナノマシンは決まった結果を出すが、言葉は決まった結果がない。だから、一人でも人を救った言葉があるのなら、意味があったんだよ。あくまでナノマシンによる精神の安定は薬と同じで瞬間的なものでしかないのだから」

 

「僕の言葉に意味はあったんですか」

 

「あったさ。ただの言葉で、相手が意味を受け取れるように君は意味のある選択をしてきた」

 

「……ありがとうございます」

 

 ツヅリが少し感極まる様子を見て、女神は少し間をあけてから話を続ける。

 

「私の選択は、二度と人類が滅びかけないように、一定の水準以上の理想を持たせないことだった。ナノマシンによってある程度、感情の操作ができるようになったことで、人々に足るを知ることを強制できるようになった。欲求の制限ができるようになったといったほうがわかりやすいだろうか」

 

「それが女神様が苦しませてしまっているのではないかという理由ですか」

 

「誰かに操作された人生に意味を見出すことができる存在なんて、いないと思っている。そもそも、欲求があるから人生に意味を感じられるのではないかと思うんだ。そう思ったからこそ、コミュニティにいる人々の願いは叶えるようにしてきた。限られたものとはいえ、幸せであることを祈ったんだ」

 

「……」

 

「きっとあいつはその姿を見て、私に女神なんてレッテルを貼ったんだろう。ナノマシンの調律をするために、どうしても立場が上になる存在が必要だったのは事実だ」

 

 自嘲するような笑みを女神は浮かべて、話を続ける。

 

「私の子孫とあいつの子孫にもナノマシンを接種させている。そうしなければ歴史を抹消することができなかったからだ。しかし、ナノマシンの調律のために一つだけ仕掛けをした」

 

「それはどういう?」

 

「藤波か松木か、どちらかの遺伝情報を手帳かガラスペンかが認識すれば、ナノマシンを調律する演算機の特権権限へアクセスできる。それが手帳とガラスペンが発信機といった理由だ」

 

 ツヅリは少しの間口を閉じて、情報を整理しているようだった。女神もツヅリの整理を待つ。

 

「そういえば、どうやって遺伝情報を認識しているのですか」

 

「藤波と松木のナノマシンは、受信するだけではなく発信する機能も持っているんだ。体内に宿ったナノマシンから発信されたシグナルで、手帳とガラスペンは動作する。あとは藤波や松木の人が考えることで生じた電気信号をナノマシンが読み取って、手帳やガラスペンへ伝える。伝えられた手帳やガラスペンが演算機の特権権限へアクセスして、演算機がどのような信号を送れば、藤波や松木の考えた事象がコミュニティの人々が接種したナノマシンによって発生させられるかを計算する。計算した結果をコミュニティの人々のナノマシンへ発信する。そんなフローになっている」

 

「そうであれば、ガラスペンでミカを止めることができるのではないでしょうか」

 

「そうだな……」

 

 女神は考えるそぶりを見せると、すぐに首を横に振った。

 

「ガラスペンでナノマシンを調律する方法は、おそらく意味がない」

 

「それはどういう?」

 

「ナノマシンによる精神の安定は、理詰めで行動している人間には効果が薄いんだ。少なくとも即効性はない。じわじわと洗脳していくような方法は取れるかもしれないが、そこまでの時間はないだろう」

 

「ミカは感情的にはなっていないのですか」

 

 女神はうなずく。

 

「感情的な動きであれば、ナノマシンでことが起こる前にどうにかなっている。今もミカのバイタルを見ているが、特に興奮しているような様子はないね」

 

「では計算されての行動ということですか」

 

「ああ。その計算の根底にあるものがわかれば、君の言葉でミカを止めることができるかもしれない」

 

「そのためには、ミカに話を聞いてもらう必要があるということですね」

 

「そうだ。となると、提案しておいて申し訳ないが、歌姫に協力してもらうのも悪手なのかもしれないな」

 

「どういうことですか」

 

「一般的な価値観で考えてほしいんだが、女性に会いにいくのに、別の女性と一緒に行ったらあまり気分はよくないだろう」

 

 ツヅリは少し想像してみて、うなずいた。

 

「そう、かもしれません」

 

「ミカが君にどういう感情を抱いているのかは知らないが、殺してほしいというくらいだ。きっと特別な気持ちを抱いているのだと思う」

 

「いや、まさか」

 

 ツヅリはミカが好意を抱いていると考えて、すぐに首を振った。

 

「確かに、ミカはいつも僕を助けてくれましたが好きと思ってくれているのでしょうか」

 

「少なくとも愛してはいると思う」

 

「……直接言葉にされると、少しドキドキしますね」

 

 紅潮した頬をしつつ気まずそうに、ツヅリは女神から目をそらす。

 

「君は誰かに愛されるに足る人だよ」

 

「恥ずかしいです」

 

 だんだん小さくなっていく言葉に、女神は笑った。

 

「さて、そろそろ目をさます時間なんだろう。最後に決めておかないといけないことがある」

 

「それはどういう」

 

「ミカを殺さずに済んだ後の話だ」

 

「これまで通りにはいきませんものね」

 

 ツヅリの言葉に、女神はうなずく。

 

「ミカの行動はこのままではコミュニティに生きる人々の記憶に残ったままだ。ナノマシンによって消すこともできるが、それでいいかい」

 

 ツヅリは考える。

 

「僕はこれからもミカと生きていたいです。と同時に、みなさんともこれまで通りに生きていたいと思います。でも、記憶の操作ではぎこちなさが出てしまうのではないでしょうか」

 

「デメリットも説明しないとフェアじゃないか」

 

 女神はつぶやき、少しの間目を閉じた。

 

「まず間違いなく、歌姫から歌は一旦なくなるだろう。どうして、歌姫が歌を得ることができたのかわからない以上、永遠に失われてしまうかもしれない。それに、ミカが同じことをする可能性は残るだろう。もちろん、君やミカの記憶だけ残すこともできるが」

 

「それは、きっとミカが無意味に苦しむのでしょう」

 

「そうかもしれないな」

 

「なら、ミカの記憶を残すことはできないです」

 

 ツヅリは再び考えこみ、女神は次の言葉を待つ。それからしばらくして、青く灯っていた草原も収まりはじめ、代わりに日が射しはじめる。

 

「もう時間がないですかね」

 

 女神のうなずきを見て、ツヅリは女神の瞳をしっかりと見た。

 

「ミカの根底にある気持ちを絶対に聞いてみます。その上で、決めさせてください」

 

「わかった。そのときはガラスペンを握ればいい。あとは演算機がいいようにしてくれる」

 

「はい」

 

「それじゃあ、後悔をしない選択を祈っているよ」

 

 

     三

 

 

 ツヅリが目をさますと、日の光が目元にあたっていた。眩しそうに目をこすり、起き上がる。

 中途半端になってしまったミコとの打ち合わせを青年医師を通して断る。女神と会ったことは誰にもいえない以上、ミカとの会話は一人で行うほかにないと思っての行動だった。

 案の定、ミコから直接、電話がくる。

 

「先生から直接伺っての電話で申し訳ございませんが、私の歌は必要ないということですか」

 

 切実な声に、ツヅリは申し訳なさが募る。

 

「ミコさんの歌は僕を救ってくれたんです。だから、必要ないなんてことはありません」

 

「ではどうして」

 

「やはり、僕は僕の言葉でミカに伝えたいことがあるんです」

 

「そうなんですね……」

 

 ミコの呟きがあっても電話は続く。ミコから電話を切られない限り、ツヅリは電話を続けるつもりだった。

 

「……ツヅリさんはひどい人ですね。私を救ってくれて、好きにならないはずがないのに、どこかへ行ってしまう。私が届かない場所へ一緒に連れていってはくれないんです」

 

「ごめんなさい」

 

「それでも、ミカさんが大切なんですよね。わかっています。これは私の独りよがりな感傷です。だから、私一人でどうにかしないといけない感情なんです」

 

「……」

 

 空白のときが生じる。かすかに鼻をすする音が聞こえた。それでも声は聞こえない。

 そのありようが、ミコという女の子の強さを物語っている。

 

「ツヅリさん」

 

「はい」

 

「私はあなたが好きです。昨日はつい恥ずかしくなってしまいましたが、やっぱり本当の気持ちを恥ずかしがる必要はないなって思うので、ちゃんと言います」

 

 一呼吸おいて、ミコは好きという気持ちだけを伝える。

 媚びずに、恥ずかしがらずに、ありったけの好意を絞り切った言葉は、ツヅリの胸に響いて息をのませた。

 

「……ありがとうございます」

 

「こちらこそ、ありがとうございました」

 

 そして、通話は切れる。

 電子音が続くスマートフォンをツヅリは長く耳に当てていた。

 一度、息を吸って吐き出して上を向いて、ようやくスマートフォンをポケットにしまう。

 優しい心臓の音に手をそえて、もう一度ミコに向けて届かない言葉をこぼした。

 

「本当にありがとう」

 

 目をつぶって、目を開く。そうしてようやくツヅリは準備を進められるようになる。

 どんな言葉をミカに言うべきか、考えながら朝食を済ませて、一通のメッセージをミカへ送る。

 わかった、という返信が届き、ツヅリは禊も済ませてガラスペンを見つめる。

 触れている部分は温かく、そこに女神がいてくれるような安心感があった。

 実際にはそんな神秘的なものではなく、機械的なものであったとしてもツヅリにとっては、その温かさが見守られていると実感できるものだった。

 もうすぐ時間になる。ミカがやってくれば、すべてが終わる。

 どんなに考えてもミカの心がわからないが、ツヅリの覚悟は決まっていた。

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