大地よテニスの王子様に勝て!   作:ディア

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第2話

「それじゃ、ミット打ちだ」

大志はミットを構え、大地にそういい放つ。

「伯父さん、これとテニス何の関係があるんですか?」

大地は大志とは違い小学生からテニスをやっており、実力も備わっている。

「パワーと対応力を鍛えるんだよ。お前は俺に似てパワーを生かすことも出来るし、対応力があればテニスにも応用出来る。分かったらやれ!」

大志はそう言って右手に嵌めたミットを前に出す。

「はあっ!」

乾いた音がジムの中に響き、大地はその音を聞いて快感を覚える。

「よしいいパンチだ! ほら次行くぞ!」

大志が左手に嵌めたミットを前に出す。

「…!」

大地はそれから黙々とやるようになり、5回目になると大志が逆の手で大地を殴りに行った。

「うわっ! 危な!」

大地はそれを避けて抗議しようとするが…大志が口を開いた。

「対応力も鍛えるんだからこういうことは予測しておけ! ほら次だ!」

時折、大地は大志のミット殴りを避けながらミット打ちを続けた。

 

「そこまで!」

それから10分程経ち、大地は汗を滝のように流し息もかなり乱れていた。

「はぁーっ……ぜぇーっ……」

大地は深呼吸を行い息を整えた。

「それじゃ飯だ。しっかり食っておけ!」

大志はそういって朝食の支度をし始めた…ボクサーならば自分の栄養管理をしなくてはならないのでどんなものを摂取するか考えなければならない。それを考えながら時間を過ごすのは面倒なので大志は料理をし始めるようになったのだ。

 

そして2人は朝食を食べ終え一時間後…大志は大地に壁を背にするように指示して自身は大量にテニスボールが入ったカゴを5箱持ってきた。

「今度はこのテニスボールを素手で掴め」

大志はそう言ってトレーニングの説明を始めた。

「この練習方法は反射神経や下半身を鍛えるトレーニングだ。掴んだボールは向こうのネットに投げろ…行くぞ」

そう言って大志は大地の右手方向に出す。

「はっ!」

大地はそれを掴み、ネットに投げた。

「……」

それから大志は無言で100球投げた…すると大地はすでに息切れしていた。

「伯父さんもう限界です……」

大地が弱気なセリフを吐くと大志は真顔になる。

「根性で粘れ! 諦めたら自分の努力を裏切ることになるんだぞ!」

「くっ……!!」

苦しみの表情を出しながらも大地は粘りつつボールを掴んでは投げ、掴んでは投げ、その繰り返しを250球まで粘る

「くそ…諦めてたまるか…!」

そして大地はついにぶっ倒れ気絶した。

「250球まで粘ったか…始めてにしちゃ大したもんだな。」

流石の大志と言えどもこの量をこなすのは無理だと思ったくらいで本来の目的は反射神経や下半身強化でもない。

「お前の根性見せてもらったぞ」

そう根性だ。接戦した時に重要なのは苦しんだ時の足掻き。つまり根性が重要だとされている。

 

「う…」

大地に水がかけられ、大地は目覚める。

「起きたか。10分間休憩にするが身体はほぐしておけよ」

「はい。」

なお現在はまだ8時である。特訓の時間はまだまだ長い…

 

大地は身体をほぐす為にゆっくりと柔軟体操を行った。柔軟体操はゆっくりと行うことで身体はほぐれるし、身体も適切なくらいに温まる。

冷えた身体で運動すると怪我をする危険があるので大地はこの方法を覚えていた。

 

そして次に使う道具はボクシンググローブとヘッドに、ボクシングの指導書の本だった。

「え…?」

大地はそれを渡されて顔が引きつる……何故テニスの道具でないのか? 等様々な疑問が大地の頭を巡る。

「スパーリングを行うぞ」

大志はスパーリング…つまりボクシングの実戦練習を行うと言っているのだ。

「伯父さん! スパーリングはちょっと問題ありませんか!?」

「まあ聞け……スパーリングと言っても3分間の間にお前が俺に一発当てるだけだ。もちろん俺の攻撃を避けてな。これはスポーツの世界で攻撃的なスタイルを身につける方法だ。だから全力で攻撃してこい!」

大志はそう言ってボクシンググローブのみをつけた。

「伯父さん。歳をとっているのに俺のパンチ受けても大丈夫なんですか?」

「何、構わねえよ。どうせ当てることすら出来ねえんだからな。それにお前のヘナチョコパンチを受けてもなんともない」

その言葉に大地はキレた。

 

「本当にいいんですね……?」

低い声で大地はそう言ってヘッドを被った。

「準備は終わったし、とっとと来やがれ」

大志がそう言った瞬間、大地は一瞬で大志に詰め寄る。

「甘え!」

逆にパンチを貰ってしまい、大地は少しヨレる。

「ぼけっとすんな!」

大志はパンチを連打して大地を殴る。

「くっ……」

大地は先ほどのパンチを貰って上手くガードした。

「防御しているだけじゃダメだ! 攻撃もしろ! 攻撃しなきゃお前の勝ちにはならねえんだ!」

大志はそう言って防御を崩し、頭にジャブを一発入れた。

「がっ……っ!!」

大地は頭に一発入れられてしまいダウンした。

「いいか……大地。お前に足りないのは基本だ。基本であるジャブを出さずに右ストレートなんか出したらそりゃカウンターされる。テニスも一緒だ。ジャブから始めろ」

大志は大地にそう言ってロープに寄りかかり…カウントを始めた。

「1、2……」

そして2の段階で大地は体勢を整えた。

「大地……さっき言ったことを実戦してみろ!」

大地はそう言われるとジャブを繰り返した。

「そうだ、相手に隙を与えるな! 相手のミスを待つんじゃねえ、作るんだ! テニスもボクシングも攻撃こそが最大の防御だ!」

そして大志は避け続けると笑みを浮かべ指導する。

「余程のことがない限り基本がいかに上手いかでそいつの強さが決まる。俺のように圧倒的に強い場合は基本を使わずとも勝てるから注意が必要だから気をつけな」

大志は強引にジャブを振り切り、右ストレートを放ち、大地を気絶させた。

「初めてにしちゃ上出来だったぞ」

大志は大地の肩を担いでリングから降り…横にさせた。

 

「ぐっ……!」

大地が起きたのはそれから数分後で周りには誰もいなかった。

「むちゃくちゃやるな…伯父さんは」

大地はそう言って起き上がると紙を見つけそこにはメモが書かれていた。

「何々……?『買い物に出かける。もしジム関係で困ったら連絡しろ。電話番号は(以下省略)』……身体だけは少し動かすか」

そう思っているとジムの外から誰かが入ってきた。

「あれ? 古賀会長は?」

その男はバンダム級~フェザー級の成人男性にしてはやや小柄な体格の男だった。

「古賀大志会長なら買い物に出かけてますよ。」

「古賀会長の関係者か?」

「会長の甥にあたる古賀大地と言います。両親は海外に行っており伯父さんにお世話になっています。」

大地は偽りなく男性にそう告げ、頭を下げる。

「そう紹介されちゃ仕方ねえな…俺の名前は星野和也。スーパーバンダム級のランカーだ。よろしく」

「星野さん。よろしく」

そう言って二人は握手した。

 

しばらくすると大志が帰ってきた。

「帰ったぞ!」

そう言ってジムのドアを開くと大地と和也は話し合っていたが星野が大志に近づいてきた。

「古賀会長、聞いてないぜ。甥っ子が来るなんてな」

「ちょっとしたサプライズだ。ジムいる奴らの驚く顔が見たくてな」

そう言って大志は悪い顔になる。

「全く……相変わらずだな。会長」

星野は苦笑いして呆れた声をだした。

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