転生したら竜だった件   作:暁悠

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閑話 未来の夢

 夢を見た。

 それは、風景の連続だ。

 まず、最初。目の前にいるのは……流れる白髪の美少女。これは、ナーガか?

 一輪の花を持ったナーガが、俺に儚げな笑顔を向けている。正直言って、かなり可愛い。こんな家族を持てて幸せだと、そう思った。

 

 次に映ったのは、夜闇を駆る(カラス)だ。闇銀色の翼を広げ、雄大な夜の闇の中を駆け抜けている。三本足で、前世では見た事もないような容貌だ。

 その姿は、闇銀色の翼を生やした傾国の美女に変わる。その美女は妖艶に微笑み、こちらを見つめていた。

 

 その次は、巨大な大男。群青色の髪と金色の瞳を併せ持つ、二メートルはあろうかという大男だ。その大男の大拳に、エネルギーが収束する。それを振るうと、凄まじい衝撃波が起きた。

 その後、その姿は三十メートル程の巨躯にまで巨大化する。そこから繰り出される拳撃は、他を圧倒する凄まじい威力を秘めていた。

 敵と思しき存在達を薙ぎ払った大男は、俺に向かって微笑みかけた。

 

 次は、何やら知らない場所だ。真っ白い壁に、紺碧の柱。キレイなステンドグラスに、たくさんの先尖屋根。

 この白亜の城の名は、〝────(       )〟。

 

 次は、多種多様な動物達だ。

 特に目につくのは、二体。

 獅子の体に龍の頭、毒蛇の尾を持つ、三メートルはあろうかという漆黒の獣。

 雌雄同体、双頭の大鳥。鷲のような(スタイル)に孔雀の尾を持つ、緋色の鳥。

 その他にも、様々な動物達が暮らしているのが見える。俺の姿を見ると、皆が駆け寄ってきて我先にと、『遊ぼう』『遊んで』という思念を送ってくる。

 俺は微笑ましい気持ちになって、みんなと一緒に歩くのだ。

 

 次に映ったのは、またナーガだ。潤ったキレイな海色(マリンブルー)の瞳から、一筋の涙が零れている。泣いてる……? どうして、泣いてるんだ? でも、その表情は儚げで、嬉しそうで……幸せそうだった。それなら、いいんだ。それなら。俺は、グリン姉さんにも、ナーガを大切にすると誓ったのだから。

 

 次に見たのは黒き稲妻。黒く、禍々しい雷が、俺が展開した結界すら貫いて、動物達を穿つ。邪悪な雷に穿たれた動物達は凶暴・巨大化し、この────から外界に溢れ出した。

 俺とナーガ、闇銀色の翼の美女、群青色の髪の大男は動物達を追って外界に飛び出した。

 

 次に見たのは、ナニカだ。

 そこに誇張はない。正真正銘、得体のしれない〝ナニカ〟が目の前にいる。俺はソレと戦っているようだが、どうにもトドメを刺せないようだった。

 そのナニカは、不可思議な挙動をしている。ゆらゆらと揺らめいている、というのが一番近い表現だろうか。

『ヒャハハハハハハハハハハハハハハ──っ♪』

 その光景の中で最後に聞こえたのは、ソレが発した、狂気じみた子供の笑い声のような、強力な『思念』だった。

 

 次に見えたのは、横たわる仲間達だ。

 今までの光景の中でも、度々登場していた彼ら。

 流れるような白髪に、海色(マリンブルー)の瞳を持つ美少女、ナーガ。

 闇銀色の翼と髪、(こき)(はなだ)(いろ)の瞳を持つ傾国の美女、────。

 群青色の髪に金色の瞳を持つ二メートルはあろうかという大男、─────。

 彼らが今は、俺の目の前に横たわっている。全員が全員、強力な存在だというのに、今はもう生気を感じない。

 そして、俺の視線の先には、禍々しく、悍ましく変容した〝ナニカ〟。

 俺の心は、真っ黒な絶望で塗り上げられている。

 ナニカが俺に向かって放った光線(モノ)を見て、思う。

 ああ、俺、死ぬな────

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