転生したら竜だった件   作:暁悠

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第十六話 緋色の拳

 さて、新しい仲間も増えた所で──

「ワードルト、その大翼毒蛇(ニーズヘッグ)って、どこにいるんだ?」

「おお、せやったな。教えるの、嬉しくてすっかり忘れてしもうとったわ! で、ニーズヘッグはんの居所は──不毛の大地……〝聖虚(せいきょ)〟ダマルガニアの周辺のどっかやな」

 そりゃまた大雑把な説明というか、ふわっとしてるというか……。てか、ダマルガニアって?

 

《解。中央大陸の最西端に位置する、巨人族(ジャイアント)の国です》

 

 巨人!? 巨人だって……?

 巨人の国、ねぇ……。

「周辺、って。不毛の大地がどれだけ広いと思ってんだよ」

「そりゃ百も承知や! けどな、おれの幻獣特化の『探知』能力じゃ、これが限界やねん。後はヴェルアーブ様方に頑張ってもらうしかないんよ……。だから、ホンマにすまん!」

 これが誠心誠意の謝罪だとばかりに、ワードルトは頭を垂れて奏上した。

「ああ、頭を上げ──……(おもて)を上げよ!」

「──ッ!?」

 こういうのは初めてだが……噛まずに言えるかな。

「コホン。お主の言い分も理解出来るし、(もっと)もだ。限界を尽くしてくれたと言うなら、それだけでもう良いんだよ。肩の力抜いてさ、もっと気楽に行こうぜ?」

 そう言って背中をさすると、ワードルトは。

「……あ、ありがたき幸せや……あんさんみたいなヒトを主に出来たこと……永遠の誇りやで!! 了解しやした。おれは、これからもおれの全力を貴方様に捧げる所存です!」

「うむ。良きにはからえ」

 ちょっとはモチベーション回復したかな?

 

《是。完璧です》

 

 なんと、『案内者』さんに太鼓判まで押して貰った。効果は間違いないだろう。

 ま、それでもな。

「……不毛の大地か」

 魔素に汚染された砂嵐が吹き荒れる、文字通りの不毛の大地。〝大地の怒り(アースクエイク)〟の異名を持つ魔王ダグリュールの支配領域らしいが……はてさて、どうなるかな? 案外、魔王ダグリュールも現れたニーズヘッグに頭を悩ませていたりな? まあ、ないか。ないない。

 あ、そうだ。

「俺が持ってる装備しか〝魔化〟した幻獣には通用しないみたいだし、一応渡しとくよ」

 俺はそう言って、ナーガに〝石碑〟の欠片を手渡した。

「もし俺やレイヴン、お前自身がピンチになったら、それを使ってここに帰ってこい。流石のワードルトでも俺達の状況までは把握出来ないだろうから、その時はお前が頼りだ。ディゴルネやファードヴェルに状況を伝えてくれ。多分ディゴルネと幻獣達は、この〝欠片〟が無くても下界とここを行き来出来るだろうからな」

『ふん、そういう事までバレておるか……お主も大概切れ者よな』

「そうかぁ?」

『どうじゃろうな』

 挑発的だな、ディゴルネは。

「ま、ピンチになったら、多分お前とファードヴェルが頼りだ。その時は頼んだぜ、ディゴルネ。信じてるよ」

 そう伝えると、ディゴルネは──

『なっ……うっ、コホン。ま、まあな? ピンチになったら、幾らでも頼るが良い。(わらわ)も、お主に死なれては困るからな』

 コイツに赤面という概念があるのかは謎だが、人間で考えるならそんな感じだろう。所謂、ツンデレ……。ちょっと可愛く思えるようになったな、コイツの事。

「はいはい。それじゃ、行くか」

 そう言って俺達は──最寄りの転移座標であるルベリオスの、あの教会に『転移』したのだった。

 

   ◇◇◇

 

 よし、と。

「デルケさんに挨拶してきますね」

 ナーガが率先して行ってくれた。俺はそこまで親しく話したわけでもないので、最低半日ぐらい一緒にいたナーガならば安心だろう。少しすると、デルケさんを伴って外に出てきた。

「お久しぶりですね、アーブさん。あれから、もう体調は大丈夫なんですか?」

「お久しぶりです。その節はどうも。もう、大丈夫ですよ」

 それは良かった──と言葉を交わすが、そんな事をしている場合ではないのを思い出した。

「俺達、これから不毛の大地に行くんですよ」

「えっ!? あの、不毛の大地に?」

「は、はい。野暮用があって……」

「や、野暮用って……」

 デルケさんも困惑している。

「まぁまぁ、気にしないでくださいよ。例によって例の如く、出鱈目(デタラメ)な事しようとしてるだけですから」

 これは嘘じゃない。

 これを聞いたデルケさんは、少し呆れた様子で「そうですか」と言った。

「一応、神聖魔法による〝神の加護〟を」

「あ、ありがとうございます」

 神の加護って言うと、そこそこ高難易度な神聖魔法じゃないっけ? 確か、信仰対象による〝加護〟を、自分を介して対象に与えるものだったような。

「それでは、御武運を」

「死にはしませんから、御安心を」

 それだけ言ってその場を後にしたが、後ろから「安心出来ないんですよね……」という呟きが聞こえたのは、多分幻聴だろう。

 ………

 ……

 …

 そうしてから、人目につかない所での『飛翔』も交えて移動している。最初は、この不毛の大地の最西端、〝聖虚(せいきょ)〟ダマルガニアの周囲を(しらみ)(つぶ)しに探さないといけないのか──なんて思っていたが、いやはや、なんというか。

「──そうだな。やっぱり、こっから真っ直ぐ言った方みたいだ」

 俺の〝天頂の聖剣(チャンピオンソード)〟──そして、究極授与(アルティメットエンチャント)幻獣之王(モナーク)』は、幻獣に反応するようになっていた。『探知』の面で言えばワードルトの能力に軍配が上がるのだが、接近出来たならコチラの方が頼りになるのだ。

 というか、視界が悪過ぎないか?

 魔素に汚染された砂嵐は、俺含む全員を『次元天蓋』で覆う事で被害を抑えられている。しかしやはり、絶望的に視界が悪い。

「これ、ヤバくないか?」

「ヤバイ、ですね」

 ナーガもそう言っている。こうなったら……。

「方角はわかるから、このまま西に真っ直ぐ進むしかないな。海に出たら止まるとして、全速力で進もう」

「流石に、力技に頼らざるを得ないですか……」

「こういう時のアーブ様は頼りになりますわ。こういう時のアーブ様は、ね」

 むむっ、なんだか失礼な事を言われたような……。

「何か言ったか、レイヴン?」

「あら。いえいえ、何も言っていませんわよ」

 それなら良かった。

 

   ◇◇◇

 

 そうして、西に向かって全速前進していた所で──

「──む?」

 気になるものを発見した。軽く人工衛星くらいの大きさの天空浮遊城(ヘブンホールド)程ではないにしろ、巨大な──四角錐状の建築物? それこそ、ピラミッドみたいな……。

「あれ、何だろうな?」

 反射的に飛行を止めて、二人に問いかけた。

「さあ? というか、私達に聞いて普通に答えが返ってくると思ったんですか?」

 また辛口な──とは思ったが、確かに。前世での知識もある俺は別として、レイヴンはともかくナーガはまだ生まれて三年弱ぐらいだ。知らなくても当然か。

 それなら、レイヴンは?

「……私を頼られても。私だって、外の世界の事には詳しくないのですわよ」

 まぁ、閉じ込められてたそうだからな。知らなくたっておかしくない。

「うーん、幻獣の事もあるけど……って、結構端まで来てないか?」

 ワードルトに、思念を介して『世界地図』を送ってもらい、移動距離から照らし合わせ、『案内者』が脳内に投影した現在地で見てみると……そこそこ端っこまで来ていた。ここから南に真っ直ぐ進めば、問題なく〝聖虚(せいきょ)〟ダマルガニアへと到着するだろう。まあ、今回用があるのはダマルガニアではないので、また時間がある時にでも。

『それじゃあ、結構近そうだな、ニーズヘッグの位置は』

『せやな。ヴェルアーブ様が送って下さった位置情報から鑑みても、そろそろ接触する頃やと思ってん』

『少しの寄り道は許されるよな?』

『それは……どうやろか。おれの独断で許可を出すわけにはいかへんな……。でも、ええんとちゃうか? もしかすると、その中におるかもしれへんしな』

 よし、入ろう──と、俺の中で遺跡探索が本格的に決定した瞬間だった。

 

「入口は……うーん、無い感じかな……。あんま、破壊とかはしたくないんだよね」

 そんなことを言いつつ、色々と探っている。って、本当に入口らしきものが見当たらない……。遺跡のくせに、どういう事だよ! ……流石に八つ当たり過ぎるか。

 

《止まってください》

 

「んえ?」

 そう言われてしまったので、急ブレーキ。

 え、ええっと?

 

《そこに入口があります。魔法で認識阻害が施されていたようです》

 

 ほ、ほう。

 そこに触れてみると、確かに壁なんて存在しなかった。やはり凄いな、『案内者』は。

 

《フッ》

 

 え? 今、ドヤった?

 

《気のせいです》

 

 最近、なんか『案内者』から自我を感じるんだけど……ないな、ないない。純然たるスキルである『案内者』に、自我なんて。

「アーブ様? それは……」

「どうやら、魔法で『認識阻害』の効果が付与されていたようだ。気付けるわけないと思うから、別にヘコまなくていいぞ」

 気付けるわけないよね。俺も、『案内者』がいなかったら気付けなかった。

「早速入ってみようか」

「いつになく興味津々ですよ、アーブ様」

「ええ。少し可愛いですわね」

 悪寒がするような会話はヤメてくれ、頼むから!

 そんな事を思いながら……俺達は、遺跡探検を開始する。

 

  ─────────

 

 薄っすらと、(まぶた)を上げる。

 全く眩しくない。光は入って来ず、ただ魔素を発して行う『魔力感知』で周囲の様子がわかるだけだった。会話どころか、発声や『念話』すらも不可能。もはや食事すら必要のない神秘の肉体を持つ自分は、何もする事がない。退屈極まりない。

(……これから、オレは──)

 どう生きていくんだ──という自問を精神の奥深くに封じ込めて、ただ耐える。

 いつか、名も知らぬ何者かが、自分を助けてくれると知っているから。

 その者、名もなき巨人は、群青色の短髪と、金色の聖なる瞳を兼ね備えた──神秘の巨人だ。

 

  ─────────

 

 このピラミッドは、一辺が一キロメートルの正四角錐という巨大なモノだった。それ故に内部構造も複雑で、ある種のダンジョンのようになっている。

 

 〜砂漠の迷宮(デザートダンジョン):第一階層〜

 

 第一階層。一番下だろうからと、少し舐めてかかっていた。

「ちょ、これはキツイな……」

「強いと言うより、()()ですわね」

 最初に現れたのは、亡霊の骸騎士(ファントムデュラハン)。首の無い、死せる騎士の亡霊。瘴気に染まった大剣を振るう、英霊の騎士だ。

 レイヴンが言った通り……コイツは強いとかではなく、どちらかというと()()のだ。斬撃の出が早く、彼自身も機敏に動く。この迷宮は通路が狭いので相手にとっても煩わしいだろうが、それはこっちだって同じだ。回避可能な場所や回避行動が著しく制限されるので、攻撃を躱すだけでも紙一重、至難の業である。

 しかし──ここで、ナーガが動く。

「──(ケン)()(コク)(ショウ)』──白閃崩拳(はくせんほうけん)

 黒なのに〝白閃〟とは──と思ったが、次の瞬間にはその違和感も消し飛んでいた。

 俺達の中でも、レイヴンや俺以上の速度特化がナーガだ。レイヴンは〝深い夜闇(ディープナイト)〟の発動中は光速すら超える事が出来るが、それは『夜闇』と一体化する事で自信という存在を欺瞞する事による物だった。素の速度では、俺達〝(すい)(きょう)〟の中では最も速いのがナーガだ。

 音速すら超えて、速度による慣性を上乗せした掌底をファントムデュラハンの腹部に叩き込む。同時に、その拳に溜めていた〝(ケン)()〟をファントムデュラハンの体内に浸透させる。その一撃は、名の通り〝白閃〟の如く。

 ファントムデュラハンが動きを止めた。否、止まった。今のファントムデュラハンの体内には、ナーガが練り上げた破壊効果を持つ〝(ケン)()〟が浸透している最中なのだろう。間を置いて──亡霊の骸騎士(ファントムデュラハン)は、成仏しきれなかったその〝魂〟ごと破壊されたのだった。

「流石に凄まじいな……」

 思わずそう呟くと、ナーガが嬉しそうに振り返った。

「えへへ……アーブ様の御役に立てて嬉しいですっ!」

 可愛い。もうホント可愛い。

「……アーブ様、見惚れ過ぎですわよ」

 おっと、危ない危ない。

「う、うん。それじゃ、進むか」

 それでも……ナーガが味方で本当に良かったと、心の底から思うのだった。だって、生体神格化(アポテオーシス)した状態同士ならまだしも、制限をかけた状態では、俺はナーガに、〝速度〟で圧倒的に負けているだろうから。

 

 〜砂漠の迷宮(デザートダンジョン):第二階層〜

 

 第二階層はある意味ボーナスタイムだった。配置されていたのは、下の階層のような強者ではなく、B+ランク程度の魔獣が数十匹だけだったから。

 現れた魔獣は、吸血蝙蝠(ジャイアントバット)大きな蜘蛛(ブラックスパイダー)が数十匹ずつ。これくらいなら、サクサクっと倒せそうである。

「──光輪斬破(フォトンウィール)

暗刺突羽(アサシンフェザー)

「──拳気『(セキ)(ショウ)』──()(えん)

 俺は、高速回転する光の刃で。

 レイヴンは、小さな絶死の細剣(レイピア)と化した闇銀色の羽根で。

 ナーガは、舞うように拳気の華を咲かせて。それぞれ、魔獣を葬っていく。いやはや、下階層の亡霊の骸騎士(ファントムデュラハン)と比べたら楽々だね。

 

 〜砂漠の迷宮(デザートダンジョン):第三階層〜

 

 第三階層。ここのボスは──

「……? また、亡霊の骸騎士(ファントムデュラハン)か?」

 そう、第一階層と同じくしてファントムデュラハンだ。首がなかったり、その状態で騎士の鎧を纏っているのは変わらない。しかし、その手に握られているのは──邪気と瘴気を孕んだ、鋭利な細剣(レイピア)だ。

 ──仮に、骸騎士細剣(スペクターレイピア)とでも呼ぼうか。

 コイツは──下階層のファントムデュラハンを凌駕した。

「──ッ!?」

 俺の頬を、骸騎士細剣(スペクターレイピア)が掠める。油断して『思考加速』の倍率を下げていたのもあるが、それでも倍率は通常の千倍だ。それを凌駕してくるなんて──

「コイツ、ヤバイッ!?」

「──拳気『(コク)(ショウ)』──白閃崩拳(はくせんほうけん)ッ!!」

 ナーガも最初から本気だ。しかしそれも──

「なっ、躱されたッ!?」

 そう、躱されたのだ。敵ながら、見事な身のこなしだと思う。

「……御二人共、下がっていてください」

「え?」

「武人としての誇りです。この方は、私だけの力で突破してみせる」

 自身の奥義が躱された事がショックなのだろうか。

「ああ、わかった」

 速度最強のナーガの周りにいちゃ、あの子の邪魔だろうからな。

「……どうなると思います?」

 レイヴンもそれを承知なのか、何も言わず後ろに下がった。そして、俺に問いかける。

「俺に聞くんじゃねーし。でもまあ、一つ言える事があるとすれば……ナーガは強い、って事かな」

 それくらいしか言う事はないだろう。

 それから、戦いは熾烈を極めた。

「拳気『(セキ)(ショウ)』──()(えん)!」

 炎の華とでも言うべき拳気による殴打の乱れ打ち。それをファントムデュラハン──いいや、それを凌駕している彼だ。言うなれば──亡霊聖堂騎士(ファントム・パラディン)とでも言うべきだろう。そんな亡霊聖堂騎士(ファントム・パラディン)は、その乱れ打ちを全て骸騎士細剣(スペクターレイピア)で受けつつも、その細剣(レイピア)が壊れないように威力を流す。相当な技量だ。ナーガとも、問題なく拮抗しているように見える。

「──()(ばな)

 今度は、速度特化の炎の(つぼみ)。相手が速度に特化した細剣なので、こちらも──だろうか。それを亡霊聖堂騎士(ファントム・パラディン)は受け流し、細剣(レイピア)による神速の突き技を打ち込もうとする。それをナーガは躱して──

「赤」

 右手に、赤い拳気。

「黒」

 左手に、黒い拳気。

「足して、緋色」

 それを合わせるようにして──

「──混合拳気『火緋(ヒヒ)(イロ)』──()彩千(さいせん)楊柳(やなぎ)

 続けて繰り出された連続の刺突や斬撃を、傷一つ受けずに全て受け流し、弾いた。

「──()(さい)八重(やえ)(ざくら)

 神速の八連殴打が亡霊聖堂騎士(ファントム・パラディン)の両肩と四肢、鳩尾(みぞおち)、胸を穿ち──ナーガは、亡霊聖堂騎士(ファントム・パラディン)との戦いに勝利したのだった。

 

「凄いじゃないか、ナーガ! 俺も見惚れるぐらい素晴らしい戦いだったよ!」

「えへへ……褒められちゃったな〜」

「私も素直に褒め称えますわ。素晴らしいですわね、ナーガ」

「えへへ、レイヴンの権能は凄まじい強さですが、私も負けていられませんから!」

 レイヴンとナーガは、互いを認め合っているようだった。というか、認め合っている。

「というか、凄いな、あの連撃。確か、〝()彩千(さいせん)柳楊(やなぎ)〟と〝()(さい)八重(やえ)(ざくら)〟だっけ」

「あ、はい。私独自の流派で……名前を付けるなら、やっぱり〝()(さい)(りゅう)〟でしょうか」

 これが、後にナーガを源流として受け継がれる〝()(さい)(りゅう)〟誕生の瞬間だった。

 ナーガ曰く、まだ披露出来ていない業もあるのだとか。せっかくなので、教えてもらった。

()(さい)(はな)吹雪(ふぶき)〟は、花弁のような拳気を、相手を惑わすヴェールとして展開するもの。

()(さい)(ほむら)柘榴(ざくろ)〟は、溜め込んだ混合拳気『火緋(ヒヒ)(イロ)』を、気弾として放つ遠距離技。

()(さい)(うめ)(つぼみ)〟は、()(ばな)の発展系。その速度は()(ばな)のそれを軽く凌駕し、現時点では出も速度も最速の(ぬき)()技だ。

 そして、現時点での最高威力の最強奥義が──〝()(さい)(はく)(りゅう)(せん)〟だ。これは、全身に『火緋(ヒヒ)(イロ)』を循環させ、自身の内包魔素と融合・強化させてから掌に溜め込み、それを掌底として叩き込む──大きなタメが必要だが、それ故に威力も折り紙付きな技。白閃崩拳(はくせんほうけん)の強化版らしいので、強いのも納得だった。

「いやこれ、本当に凄いよ。これを独自で編み出したんだろ? 俺じゃ到底出来ない事だし、本当に凄いな」

 そう素直に褒めて、ナーガの頭を撫でる。するとナーガは、嬉しそうにニッコリと微笑(わら)った。

「えへへ……頑張ったんです」

 この三年弱で、ナーガの性格も随分変わった。最初はあんなに堅苦しかったのに、今では……チーム〝(すい)(きょう)〟の、癒し枠にまでなっているのだから。いやはや、このドラゴン生(?)、何が起きて何が変わるかわからないものである。




 更新が遅れてしまい、申し訳ありませんでした!!
 書く気が湧かず、アイデアも出ず……な状態だったのもあり、手が止まっておりました。ですがある時、音楽を聴いていたら急に書く気が湧いてきたので書きました。かなりのびのび書けたように思います。
 どうか楽しんでいただけたら……幸いです。

 ナーガちゃんは超努力家。
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