転生したら竜だった件   作:暁悠

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幕間 勝利の余韻

 オイオイマジかよ──というのが、俺の偽らざる本音である。

 グリン姉さんを相手取り、勝利した。しかも、新たなユニークスキルを獲得し、それを進化させて究極能力(アルティメットスキル)流転之王(ヴァルナ)』を獲得……といった感じで、もの凄くトントン拍子に上手く行ったから、嬉しさよりも「マジかよ……」という感想が出てしまうのだ。

「ま、まさか勝っちゃうとはな……」

 嫌味に聞こえるだろうが、本当に信じられないのである。まさかここまで上手く行くとは……。

「私も驚きだわ」

 ボロボロだったグリン姉さんも、今はもうケロッとしている。グリン姉さんの回復力にも驚きだ。

「あんなにボロボロだったのに、もうすっかり元気ですね」

「馬鹿を言いなさい、内面はボロボロよ。まさか、戦いの最中であんなに強くなるとはね」

 そう言って、グリン姉さんは俺の頭を撫でた。

 ムフフ、悪くない──なんて考えているが、それよりも気になるのは『流転之王(ヴァルナ)』についてだ。具体的に言えば、その能力を知りたい。

 

《了。情報を開示します──》

 

 究極能力(アルティメットスキル)流転之王(ヴァルナ)』の権能は『性質支配・無限再生・存在修復・空間支配・多重結界・流転世界』という、なんともヤバそうな感じだ。特に『性質支配』と『流転世界』の二つがヤバイ。

『性質支配』は、この権能の〝本質〟とも言える能力だ。その根幹は『変質』の能力で、物質のエネルギー状態や内包量、エネルギーの上限値を自由に変質させたりできるようだ。

 そして特にヤバイ『流転世界』だが、その効果はえげつないものだ。一定範囲内に支配領域となる『独自世界』を構築し、その内部を自由自在に流転……つまり、変化させるというもの。精神生命体には意思の力によって抵抗(レジスト)されてしまう場合があるらしいが、並大抵の生命体は自由にエネルギーへと変換できるらしい。

 そして最も凶悪なのは、その効果範囲や効果そのものは俺の想像力によって如何様にも変動するということ。つまるところ、俺が想像した通りに戦場を変化させることができるのだ。

 メカニズムは少し難しいが、使いこなすことができれば文字通り無敵に慣れそうだ。ちなみに、俺が使った〝天焦がす破滅の光(フォトンアナイアレーション)〟にも、無意識だったが『流転世界』を使用していたそうだ。だからこそ、自身を破滅の光に変換なんて芸当ができたんだろうな。

 いやはや何より、究極能力(アルティメットスキル)とは凄まじいものである。

 

  ─────────

 

 ヴェルグリンドの『別身体』がルドラに報告する。

「──そう、か。究極の力に目覚めたか」

「ええ。不味いわよ、ルドラ。こうなったら、あなたでも簡単に支配できなくなる」

「わかっている。しかし、どうしたものか。困りものよな。余の駒の一つにできればと考えていたが、そう上手くはいかないらしい」

 まったく、〝竜種〟というのは厄介なものだ──と、ルドラは吐き捨てるように呟いた。

「……今のところはこちら側にいるけれど、どう転ぶと思う?」

「今の状況では測りかねるな。どう動いてもおかしくはない。──まさか、こんなところで壁にぶつかるとはな。余も想定外だ」

 それを聞いて、ヴェルグリンドは歯痒く思った。

 皇帝ルドラがある人物と行っている〝ゲーム〟に勝つためには、ヴェルドラをこちら側に引き込む必要があった。だが、ヴェルドラは失踪した。しかし、ヴェルアーブが現れた上に、ヴェルグリンドに懐いた。

 なのに、ここまで来て壁にぶつかるなんて──と、ヴェルグリンドは焦りを浮かべる。

「案ずるな、ヴェルグリンドよ。余は必ず勝つ。勝って余は成し遂げるのだ。約束を果たしてみせる」

「ええ、ええ。わかっているわ。そのためにも、早くヴェルアーブを引き込まなくてはね」

 それに頷いたルドラの瞳の奥は、既に虚ろになっていた。




STATUS
ヴェルアーブ
種族:最上位聖魔霊──〝竜種〟
庇護:水鏡の庇護
称号:水鏡竜
魔法:Unknown
能力:固有能力『万能感知・竜霊覇気・万能変化・千変万化(カレイドスコープ)
   究極能力(アルティメットスキル)流転之王(ヴァルナ)
   ユニークスキル『案内者(ミチビクモノ)
   ユニークスキル『願望者(カナエルモノ)
耐性:物理攻撃無効、精神攻撃無効、状態異常無効、
   自然影響無効、聖魔攻撃耐性
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