笑術廻戦~もしも竈門炭治郎が五条悟だったら~ 作:モッチー7
私はとある芸術家。
名を玉壺。
この見目麗しき厳かなる壺に身を潜めている。
「まあ、なんて美しい壺」
などと油断して近付いて来た人間を襲うのが大得意。
「『鬼舞辻無惨被害者の会』に止めを刺してこい」
と言う上司の命により、今日は、奴らのアジトに潜入し、ヒヨッコの鬼狩り(女子希望)を待ち構える事にした。
……の、だが……
「よ。遊びに来たよー♪」
「お久しゅうございます。
なんか、ゴッツい女が来た!
……女だよな?こいつ。
思ってたんと違うの来た。
どうせ出涸らし残りカスの様な連中だって聴いていたのに、なんか、やたら強そうなの来た。
しかも何だ?この気配。
これは、サマーオイルが言っていた特級じゃないか……
特級呪術師じゃないかこいつ!?
……凄く楽しそうだな。
しかし好都合!
このまま隠れていれば、特級呪術師ならではの有益な情報を話すかもしれぬ。
ヒョッ♪
それに、この女、ハンガーラックの材料としても好都合だ。
スタンドは仙骨・尾骨を残した寛骨をベースに、加工した大腿骨で安定させる。
背骨は腰椎・胸椎・頸椎まで使う。
長さは……
そうだな……
神代楠が良いな。
ヒヨッコの鬼狩り(女子希望)の背骨を使って交互に入れ込む事で長さを出す。
全体のバランスを見ながら……
棘突起や横突起を延長してラックにする。
これもヒヨッコの鬼狩り(女子希望)の背骨を使って接ぎ木の様にな。
色合い次第では、脳でなめした皮を被せるのも良し。
あの女を殺すのが今から楽しみになってきたぞ。
ヒョッ♪
「―――でさ」
お?危うく聴き逃すところでした。
危ない危ない。
「このあいだ借りたあの本だけど」
本の話か。指南書か?
「君、なかなかいい趣味してるじゃないか」
なんだ趣味の話か。
呪術師の技の詳細などを聴く事が出来るかと思ったのだがなぁー。
「君は、低身長で胸がデカい女が
あ。違うわコレ。
絶対秘術じゃないわ。
と言うか……
「ロリ巨乳はやはり至高ですよ」
何を言っているんだこの仮面男は!?
わ……解らん。
私が芸術に傾倒している間に、世の理が変わったのだろうか?
「で、
「いえいえ。私は巨尻より巨乳です」
どんな本を読んでんだこいつは!?
呪術の話をしろ!
呪術高専の話を!
「おや?君が乙骨が言ってた竈門炭治郎かい?」
「貴女は?」
「九十九由基。乙骨憂太と同じ特級呪術師だよ」
お!?ここにきて例の耳飾りの御登場か?
これは良い……
「竈門さん。せっかく若い娘なのですから」
げ!貴様は!
「もっとバストを大きくした方が良いですよ。
「ほっといてよ」
……いや、アレは不味そうだ。稀血って感じでもなさそうだし……
あの
「しかし」
ん?
「どの方もひょっとこのお面を付けた人ばっかですね?顔を隠す理由でもあるのでしょうか?」
どうせあそこの
「なんでも、刀鍛冶の里の昔からの伝統らしいよ」
「そうなんですか!?てっきり、ここで日輪刀が作られてるって聴いてたんですけど」
「もしかしたら、そのひょっとこのお面が溶接用保護面の様な役割を果たしてたりしてな」
刀鍛冶!?日輪刀!?
それだよそれ!そう言う
わたくしはけっして乳だの尻だのアハーンだのの話をしに来た訳ではないのだ!
「それなら、新しく完成したのが幾つかありますが、如何です?」
と言うか、
……んー?
でも、あいつらに日輪刀が渡ったら、わたくしがやばい事にならないか?
だとしたら……日輪刀を作っている刀鍛冶は後回しにして、そろそろこいつらを殺すか……
でも、それだと無惨様に仇なす刀鍛冶の行方が判らなくなるし……
これはぁー……タイミングが難しくなってきたぞ。
奴らに日輪刀を触らせたくないが、日輪刀を作っている刀鍛冶も殺したい。
どっちを優先するべきか……
呪術師か刀鍛冶か……
マジでどうしよう……悩む……
もうめんどくせぇから使い魔と一万滑空粘魚を広範囲に一気にぶっ放しちまおうか!
ええい、ままよ!
(……)
「……それより、この壺、重くね?」
「はい?」
は!?
は……速い!
いつの間にか抱かれている!
「この壺の中に何か入ってるの?」
上弦ですが。
上弦の伍ですが。
何か?
とは言えフフフ。
壺から滲み出るわたくしの魅力に怯んでしまったのでは……
「確かめて視るか」
躊躇無し!
いきなり手を入れるか普通!?
ええい、ままよ!
もうこいつから噛み殺してやる……痛ーーーーー!?
え……
ちょ……
強ッ!
ちぎれる!ちぎれる!
鼻もげる!
何なんだこの巨大女は!?
恐怖心と言うものは無いのか!?サイコパスか!?
「あのぉー……どうでした?」
「うーん……何か弾力のある……もっちりとしている様な、吸い付く様なしつこい感じの」
「……
わたくしも全然解らん。
あらゆる意味で全く解らん。
「君もやってみろ」
「覗くのではなく?」
覗けよ!
自信過剰だなぁー。危機感が無い。
「覗くは反則だろ竈門ちゃーん」
何でだよ!?危険だろ!怖くないのか!?
鬼よ。わたくし。
今度はこいつか……
「じゃあ……やりますね?」
いただきます。
……って!あれ!?
触れられん。寸前で停まる。
「あれ?手が奥まで入りません」
「竈門さんは胸が小さいだけでなく、手も短いのですか?」
「あ。もしかして無下限呪術を出しっぱになってないか?」
なんだそれは?
「あ。そうでした」
それもまた呪術の類か?
わたくしにも解る様に説明して欲しいのだが?
「でも、無下限呪術を常に発動している状態に慣れちゃったから、今更offするの怖いなぁー」
切るなよ。
わたくしを舐めるなよ。
切ったら噛み殺すぞ。切らなくても殺すけど。
「あいて!?」
「どうかしましたか?」
「手を咬まれた」
くそ!手を引っ込めるのが早過ぎる!
これでは、壺の中に引き摺り込めん!
「中に何らかの動物がいるのかもしれません」
「そうなんですか?何時の間に?」
「なら……その中に居るのを傷付けずに、ハンマーで壺を割ってみるか」
何言ってんだ巨大女!?
この壺はわたくしが作った壺だぞ!
それを叩き割るって、貴様らには審美眼と言うものが無いのか!?
「金槌なら有りますけど、これってハンマーの代わりになりますよね?」
ふざけんなよ
このままだと、わたくしの作品を本当に叩き割られてしまう!
「ええい、ままよ!血鬼術!一万滑空粘魚!」
わたくしとした事が、怒りに任せてつい撃ってしまった。
とりあえずわたくしの壺を叩き割ろうとした連中から離れる事は出来たな。
ま、相手は一万滑空粘魚だ。
アイツら、今頃死んでいるかもしれませんねぇー!
これもまた、良し!
ただ、日輪刀製造場所を掴めなかったのは痛かったな。
ん?
あそこにも例の耳飾りを着けた奴がいるぞ……
……誰だ?
『何が楽しい?何が面白い?命を何だと思っているんだ』
なんだ!?この記憶は!?
わたくしの物ではない……
だが……怖い!
何か、得体も知れない恐怖を感じる!
ここでこいつを殺さねば……大変な事になる!
「血鬼術、千本針、魚殺」
って、何いぃー!
なんだあの異様な太刀筋は?
まるで腕が6本有るかの様な動きだ。
だが……上弦であるわたくしには、勝てない!
「血鬼術、蛸壺地獄」
この蛸足の肉は柔らかい上で強い弾力を持つため、斬撃にも―――
って!?全部斬りおった!?
化物かこいつ!?
「こうなったら。血鬼術、水―――」
「あの壺、どこへ行った?」
えええええええーーー!?!?!?
アレはさっきの……
何故生きている?相手は一万滑空粘魚だぞ!
どうやって逃げ切った!?
「あれ?アレは?」
お。
奴らもあの化物に気付いた様ですね?
これは見物―――
「このロボットは?」
……はぁ!?
ロボット!?
「これは『縁壱ワンゼロ』。鬼殺隊がかつて使用していた訓練用絡繰人形・縁壱零式を改良した人型ロボットで、腕が六本もある理由は、この人形の基になった始まりの剣士の動きを再現するのに、それだけの数の腕が必要だったからだと言われています」
(これも運命の巡り合わせか?縁壱さん……)
ちょっと待てお前ら!
それじゃあ何か!?
わたくしは試斬用巻藁相手にムキになっていたと言うのか!?
それはそれで恥ずかしいぞ!
でも……逆に言えばそれだけ私が集中していたという事だ!良し!
てあれ?
アイツら……このわたくしを無視して例の巻藁と戦う心算なのか?
……まあいい。
どの道、例の耳飾りは全員殺すのだ。
少し見物していくか。
原作との相違点
●九十九由基
・未だに生存。
・鬼舞辻無惨被害者の会との交流が深く、よく刀鍛冶の里に遊びに行く。
●縁壱ワンゼロ
・本作オリジナル道具。
・縁壱零式の改良版。