雅なる隊士達   作:レーラ

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機能回復訓練

 一夜にして両親を亡くし、帰る家は炎によって灰塵と化し、ゆく宛がなかった少女は保護施設に引き取られた。

 

 だが悲しい出来事が一度に、それも大き過ぎるが故により内向的になり、心を閉ざしていた。他の子供達もそんな少女を不気味がって近づこうとしなかった。

 

 夜中になれば、あの日の事が悪夢になって魘される。孤独の少女に癒える時が訪れない。

 

 ある日、そんな緣を引き取りたいと申し出た者がいた。

 

 その人は少し歳を取った女性だった。白髪が少し混じり始め、頬に僅かな皺が浮かび始めている。だがそれがあったとしても、美貌は衰えを知らないかのようだった。

 

「今日から私が親代わりだ。よろしくな」

 

 まるで男のような口調だった。だがそれもりも、緣はその女性が緣を見る目が気になっていた。

 

 まるで哀れむような目。同情しているのか分からない。何を考えているのか分からない。分からぬまま、少女は引き取られた。

 

 そこで少女は教わった。鬼の存在を。そして、両親を殺したのは鬼であるということも。

 

 それから少女は、鬼から身を守る術を教わった。時には厳しく、時には熱心に。

 

 そして月日が流れると、女性がもう一人少女を連れて来た。

 

 その少女はとても可憐だった。そして頭には二つ、蝶の髪飾りをしていた。

 

「今日からお前と一緒に鍛練する子だ」

「初めまして。胡蝶カナエです。よろしくね」

 

 笑顔で自己紹介した。少女は緊張して声が上手く出なかったが、精一杯の勇気を振り絞るように、静かに声を出して名乗った。

 

「ひ、ひ……疼木……緣……です」

 

 

 

〇〇

 

 

 蝶屋敷での用を済ませた緣は、雅の道場へと戻っていた。緣が帰って来る前までは七人の一般隊士に対して、御憑が一人で指南をしていた。

 

 緣が戻ると帰って来た時には午後の稽古は始まったばかりという事で早速指南に加わり、一般隊士達と模擬戦を行った。

 

 一般隊士三人を一度に相手に、緣はたった一人。当然一斉に襲いかかられるが、一人の木刀を防ぎ、そのまま他の二人に投げ飛ばすように流した。ぶつけられた二人も倒された。

 

「数に任せて防御が疎かになっているぞ。鬼が相手ではすぐに即死だ」

 

 実際に鬼と対峙している事を想定した言わば仮想訓練であり、いくら階級も実力も下である一般隊士を相手しているとはいえ、容赦なく打ちのめす。

 

「立て。倒されても生きているならば、戦え」

 

 それだけ鬼という相手は強大であると暗に伝えようとしているのだ。

 

 ある程度打ち合って、それぞれの隊士に評価を送る。

 

「和田。まだ体力が足りないようだ。この中では一番最初に全集中の呼吸が途切れている。何より剣筋がズレている」

「は、はい!」

「安達、最後の最後で常中が切れてしまっている。以前よりは維持出来ているが、肺の強さがまだ足りない」

「ありがとうございます!」

「二階堂。考えなしに適当に木刀を振るな。何度も味方に当たりそうになっている」

「す、すみません……」

「そして三浦、私の鬼面に怯えてどうする?足腰が弱くなる」

「はい……!」

 

 それぞれの反省点を指摘して、それを克服させる為の個々の鍛練に移行させる。

 

 その間に手が空いた緣は、明け方に話し合った明確な稽古期限の設置を願い出る為に、自室で耀哉宛に手紙を一筆したためる。

 

「あっ……」

 

 だが半ばで誤字を犯してしまった事に気付くと、新しい紙に変えて書き直す。今度は間違えないようにと気を配る……はずだったが、途中でその手を止めてしまう。

 

(気が散って身が入らない)

 

 久しぶりに再会したカナヲやアオイ、きよ、すみ、なほ達の顔が脳裏に蘇ってしまう。

 

 何故帰って来た?どの面下げて戻って来た?後ろ指を指されるは覚悟していた。黙って出て行ったのだ。恨まれても仕方がなかったはずだった。

 

 だが彼女達は帰りを待ってくれていた。彼女達の真意を知り、何度も動揺した。そして雅屋敷に戻ってからも、その事が頭から離れない。

 

 普段であれば私情を押し殺す事など容易いはずが、蝶屋敷で彼女達に再会してしまった事によるものなのか、平静を取り戻すのに時間が掛かっている。

 

 だが鬼巫女は立ち止まってはならない。そして、あの日を思い出さなくてはならない。何の為に鬼狩りをしているのか。あの日の怒りを。

 

(思い出せ……自分が何故ここにいるのかを。何故戦っているのかを……)

 

 目を閉じ、あの悲劇の記憶が蘇る。共に夢を叶える為に戦った友が殺されたあの日を。カナエを殺したあの鬼を。あの虹色の瞳をした鬼。

 

 少しずつ吐く息が荒くなり、怒りと憎悪が胸の内で血が逆流しそうになる程に増大している。憎しみが強くなるあまり、替えた用紙を握り潰している。乾ききれていない墨が、緣の掌を黒く染めた。

 

「奴を殺す……。その為に鬼を皆殺しにする……。それが私の存在意義……」

 

 怒りと憎しみが緣の武器であり、戦う理由。あの日の記憶を思い出す事で、迷いを断ち、弱さを斬る。

 

 だが怒りに呑まれて我を忘れてはならない。増大させた怒りを制御して、力の糧とする。息は少しずつ静かになる。

 

(私は鬼巫女 疼木緣。夢を捨て、鬼を皆殺す者……)

 

 冷静さを完全に取り戻し、再び目の前の責務に励む。一人でも多くの人を救い、次代を担い戦う隊士を排出する為にも、緣は手を進める。

 

(どうやら……要らぬ心配か……)

 

 道場になかなか戻らない緣の様子を見に来た御憑。部屋の戸の隙間からその背中を見ていた。

 

 蝶屋敷から戻った緣の声から、異変を感じ取っていたのだが、それが杞憂であると分かると再び道場へと戻って行った。

 

 しばらくしてから午後の指南を終え、隊士達を宿屋に一度送った緣と御憑。二人きりになった道場で蝶屋敷で起きた事を連絡する。

  

「それで、竈門炭治郎達が動けるようになってから稽古の指南が始まるわけですか」

「そうだ。それまではこれまで通りの務めを果たす」

「分かりました。では、緣さんが蝶屋敷へ行ってしまってる間の指導は、緣さんを除いた三人で周す事にします」

「任せたぞ」

 

 静かに頷く御憑。最年少でありながら筆頭代理として、緣が不在の間も務めを果たしている。

 

 年長者である伊万里は礼儀作法も心得ており、指揮能力も高い。代理に向いていそうに思えるが、筆作業や報告といった役目となると手を抜いてしまう。

 

 そして輪廻は自由な性格が独断先行を招き、細かな作業が出来ない。という事で消去法で御憑が筆頭代理に選ばれた。

 

 だがその前に、紅葉が大急ぎで道場に侵入。上座で指令を発する。

 

「巫女よ〜♪任務だ〜ぞ〜♪」

「相変わらず独特な歌だな」

 

 紅葉の下手な歌でも頭ごなしに否定せずに評価している。それに構うことなく、緣は道場から出て行った。主人の足の速さに急いで紅葉も後を追う。

 

「おや、僕だけか」

 

 道場のど真ん中にただ一人、御憑だけが取り残された。

 

 

 

〇〇

 

 

 

 しのぶから呼び出しを受けてから数日の時が過ぎた。緣は任務を果たしつつ、隊士達に稽古をつけ続ける。相変わらずどころか、より容赦ない指導を前に隊士達は震え上がる者が後を絶たない。

 

 実際に緣から醸し出される威圧感は鬼気迫るものを感じさせ、隊士が持っていた木刀を打ち合いで何本も叩き折っている。

 

「そのような構えで、鬼の攻撃を防げると思っていたのか?さあ立て」

 

 結局この日、隊士達は誰一人として緣に一撃を入れるどころか苦戦すらさせる事も出来ないまま訓練中断となった。

 

 一人になった緣は鬼面を外し、手ぬぐいで汗を拭ってからまた着用する。そこに紅葉ではない、別の鎹鴉が羽ばたいて緣に通達する。

 

「胡蝶様ヨリ伝令!明日ヨリ竈門炭治郎、並ビニ嘴平伊之助ノ機能回復訓練、及ビ剣術稽古ヲ指南セヨ!指南セヨ!」

「承知した」

 

 台詞からして今の鴉はしのぶの鎹鴉だ。いよいよ機能訓練指導の任が始まる。不本意ではあるが向かうしかない。私情を押し殺して、雅屋敷を出て蝶屋敷へと向かう。

 

 暫くして、蝶屋敷の正門前まで到着した緣だが、なかなか玄関を開けようとしない。公私混同は良くないと周りに言い聞かせ、自分もそれに従っているが今回ばかりは気持ちの切り替えが難しい。

 

「そんな所でつっ立ってないで、入ったらどうですか?」

 

 背後からの声に振り返ると、しのぶが笑顔……と言う割には額に青筋を立てている。

 

(笑顔か怒るかどちらかにしてくれないか……)

 

 自分が悪いとはいえ、こうなったしのぶは面倒くさい。他の柱はもちろん下の者にも見せられない。

 

「ほら、さっさと入ってください」

「ちょっ……押さずとも自分で……!」

 

 しのぶの圧もあるだろうが、丁寧な口調が少し崩れた。背中を押された緣は蝶屋敷の中へと入った。

 

「三人のいる病室まで案内します。彼らに疼木さんの事はアオイから説明してあります」

「はぁ……」

 

 気が抜けた声だが、気を引き締めなければならない。今日から那田蜘蛛山で負傷した新人隊士三名の内、二名を機能回復訓練と稽古をつける。

 

 中でも鬼の妹、禰豆子を伴って鬼殺の任務に参加した竈門炭治郎がどれ程の実力があるのか、しっかりと見極めなければならない。

 

 

〇〇

 

 

 同じ頃、同じ病室のベッドにいる三人、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助はアオイから説明を受けていた。

 

 しのぶに助け出された黄色頭の少年こそ、我妻善逸である。鬼の毒で蜘蛛になりかけ、手足が縮んでいたが、しのぶが処方した薬により少しずつ元に戻ろうとしている。

 

 伊之助は伊万里に助けられたが、好戦的な態度でしつこすぎたが故に、彼女に報復された。ただでさえ頭を潰されかけた所を、自分で喉を壊してしまい、療養送りになった。

 

 炭治郎も累との戦いで重傷を負い、さらにカナヲの踵落としによって顎の骨が折れてしまった。

 

 炭治郎と伊之助はしのぶが許可を出し、機能回復訓練を受ける事になり、今に至る。

 

「今回、皆さんの機能回復訓練と剣術指南をする隊士が来てくれています」

「そんな人がいるの?」

 

 鬼殺隊についてよく知る善逸が疑問を呈する。というのも善逸の育手である元鳴柱・桑島慈悟郎から鬼殺隊の内情について聞かされている。だが雅は彼が引退してから随分後から設立されたものなので、知らないのも無理はない。

 

「ええ。その方は、新人隊士や階級が下の一般隊士の稽古役を務める部隊、雅の筆頭を務めています」

 

 ここで炭治郎が挙手をする。

 

「その雅の人っていうのは、育手とは違うの?」

「はい。育手の方は最終選別を生き残る為に必要な技と知識を与えます。雅の方々は実戦を積みながら、個々の隊士の短所や伸ばすべき点を見出して、その都度指導内容を変えています」

「へぇ〜」

 

 炭治郎と善逸が頷いた。一方伊之助はというと猪の被り物のせいというのもあるのだろうが、彼からは応答もなく、聞いているようには見えなかった。

 

 ここで付け加えるようにアオイが説明を続ける。

 

「いずれの方々も、実力は次期柱候補と言われる程の精鋭揃いです。特に今回皆さんを担当する緣様は、自他ともに鬼殺に対して厳しい事から、『花の鬼巫女』と恐れられています」

「お、鬼?」

「何……そんな人が来るの……?」

 

 鬼を滅する鬼殺隊であるというのに、鬼を名乗るなど異質だと思うのが妥当だろう。しかも善逸はそれを聞いただけで、早くもガタガタと恐怖で身体が震えている。だがそうしている内に、炭治郎がしのぶとは違う匂いを感知した。

 

(ん?この匂い、しのぶさんと……もう一人いる?けどこの匂いは那田蜘蛛山で……あっ!)

 

 炭治郎はこの匂いに覚えがあった。那田蜘蛛山で禰豆子に対して向けられた殺気を帯びた匂い。その主が鬼の面をした女性である事を思い出した炭治郎。

 

 だが先にしのぶが病室に入って来た。

 

「失礼します。説明は聞いていますね?では皆さん、ご紹介します。この人が君達の指導役の疼木 緣さんです。」

 

 しのぶが紹介すると、緣が三人の前に姿を表す。これもまたそれぞれ違う反応が見えた。

 

(やっぱり、あのお面の人だ!)

 

 炭治郎は一度会っており、驚きこそしたが騒ぐものでもなかった。だが何かと怖がりの善逸はというと……

  

「ぎゃああああぁぁぁーーーーーー!!化け物おおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーー!!」

 

 屋敷中に聞こえる程の善逸の大絶叫。伊之助はというと……

 

「コイツ鬼なのか?!面白え、俺が殺してやる!!」

 

 やる気満々だった。だが緣と面識がある炭治郎が急いで止めに入る。

 

「善逸!伊之助!この人は鬼じゃない!人間だ!!」

「分かってるよ!けどお面!!そのお面が滅茶苦茶恐いんだけど?!」

 

 二本の角を生やした真っ赤な鬼の面は、人を恐がらせるのに十分な威力だ。恐怖に染まりきった善逸は布団に包まって隠れてしまう。

 

「すみません!二人が失礼な事を言ってすみません!!」

 

 炭治郎は慌てて何度も頭を下げた。

 

「いい。それよりも時間が惜しい。さっさと始めるぞ。竈門と嘴平と言ったな。来い」

 

 呼ばれた二人は緣の後に付いていく。残された善逸はいつか自分もやるであろう機能回復訓練が億劫になりつつある。

 

 

 それはさておき、緣とアオイに先導された炭治郎と伊之助。蝶屋敷の中にある訓練所に入るとカナヲと三人娘が待っていた。そこで改めて緣から説明を受け訓練が始まる。

 

「まず最初は身体の柔軟から始まる。きよ、すみ、なおの三人がそれを担当する」

 

 説明の最中、三人娘が同時に胸を張る。そうしてまずは炭治郎から柔軟を始める事になったのだが……

 

「痛てててて!!あぎゃあああああぁぁぁぁぁーーー!!」

「ぐぎゃおおぉぉぉぉーーー!!」

 

 三人の組技と言っても過言ではないやり方で伸ばす為、激痛のあまり炭治郎とその次に受けた伊之助は言葉にならない程に絶叫した。

 

 開始早々から既に満身創痍の二人を見て呆れる緣だが、これはあくまでも準備体操のようなもの。まだ訓練は始まってすらいない。

 

「次は反射訓練」

 

 机の上に置かれた複数の湯呑。中には薬湯が入っている。

 

「この薬湯を相手に掛けた方が勝利となる。だが湯呑を抑えられたらそれを持ち上げてはならない。別の湯呑を取ってそれを掛けろ」

 

 緣から説明され、まずは試しに炭治郎とアオイでやってみたのだが……

 

「うぅ……臭い……」

 

 炭治郎の顔面と胸部に薬湯を掛けられた跡が。見事なまでに惨敗。しかもこの薬湯、掛けられると強烈に臭い、特に鼻が効く炭治郎にはキツい。

 

 なお、伊之助もアオイとやったが結局勝てなかった。

 

 最後に全身訓練。人間役と鬼役に分かれて、人間役は時間いっぱいまで身体の何処かに触れさせないよう、床の白い枠の中で逃げる。対する鬼役は人間役の身体の何処かに触れれば勝利。ここまで言ってしまえば、鬼ごっこと変わらない。そうそれだけなのだが……

 

「それでよく生き残れたな。余程運が良かったのか、身体が鈍っているか……」

 

 緣から散々な酷評される程にボロボロだった。アオイ相手に指先一つ触れる事が出来ず、二人は心が折れそうになる。

 

 今日はこれで終わりだったが、その帰り道の足はおぼつかない状態だった。

 

 病室へと戻った炭治郎と伊之助だったが、殆どボロボロだった。善逸を震え上がらせるには十分すぎる要素だった。

 

(厳しすぎる……訓練は鱗滝さんよりマシとはいえ、これは辛い……)

 

 炭治郎は鱗滝左近次の弟子として基礎を教わったが、間違えたら大怪我どころかあの世行きになりかねない厳しいものだった。だが長男特有の我慢強さがあるお陰か、心は折れていない。

 

(あいつ……本物の鬼だぜ……)

 

 だが伊之助は早くも心が萎えそうになっていた。

 

 今日の訓練は終わり、片付けた後に自身の鍛練を始めようとしていた緣。アオイも片付けに手伝ってくれたお陰で早く済んだ。アオイが緣に意見を挙げる。

 

「緣様、初日から厳しすぎませんか?あれでは彼らの心が折れてしまうのでは……」

 

 緣の指導は一番厳しく、まだ入って間もない炭治郎達にはあまりにもキツい。アオイでもそう感じている。だが指摘されたからと言って簡単に変える程、緣は甘くない。

 

「あの程度で折れるのなら、鬼殺隊として必要ない。ここはそんな生易しい世界ではない」

 

 鬼は人を食う事で強くなる。その鬼殺隊が食われてしまえば鬼は余計に強くなる。それでは本末転倒、皮肉もいいところだ。

 

 そうならないように隊士を鍛え上げ、鬼を狩り続け、生存率を高める。その為ならば優しさなど不要、それが緣の考えだ。

 

「確かに……仰る通りです……」

 

 アオイは反論をしなかった。いや、出来なかったという方が正しい。緣の言っていることは正しいと、分かっていたから。

 

 アオイも元は剣士だった。だが最終選別で鬼の恐怖に呑まれ、結果的に運良く生き残れても、それ以降は恐怖で戦えなくなった。だから今こうして、任務で傷ついた人達を治す裏方に周った。アオイはその劣等感を抱えている。

 

「前にも言ったはずだ。今、己の出来る事をやれと」

 

 そう言い、残りの湯呑をアオイに渡す。

 

「今、出来る事……」

「私には彼らを看る事は出来ないからな」

 

 緣はそう言うと木刀を手に素振りの鍛練を始める。

 

 鬼面で顔も穏やかさを隠し続けているが、その言葉には優しさを感じた。

 

(しのぶ様の言う通り……やっぱり緣様、あの頃から変わってない)

 

 例え鬼巫女となって、自分達の前から去っても本質は変わらない。それを知れただけでも、アオイは嬉しくなった。

 

 




大正コソコソ噂話

緣の素顔を見た者はごく僅かであり、柱はもちろん雅ですら見た事がない者がいる。
一度だけ、素顔を知らない隊士が中は醜女なのではと言った瞬間、スマッシュブラザーズの如く吹っ飛ばされた者がいるとか。
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