転生者達による善悪なく好き放題するタイプの第三勢力 作:仮称 名
気分は夏休み終了間近、真っ白な積まれた宿題を見た気分。
ーーアビドス某所
芝関ラーメンを出た一行は、黒服の拠点の一つに来ていた。
エレベーターを降りて早々にソウがふざけ調子で呼びかける。
「まっくーろ〇ろすっけ出っておいでー!でないと拠点が消し飛ぶぞー?」
「......クク、貴方なら本当に可能で気が気でないのですよ、毎回それ言うのやめてもらっていいですか」
秒で来た。
黒服は嫌な想像をしたのか引き気味に喉を鳴らす。
温かみの無い蛍光灯の光が照らす中、入口を進む。
窓から見える砂漠は、室内にいるためか動きが無く、温度を感じ難い。
「改めて、ようこそお越しくださいました、今回も応じて頂けて非常に嬉しく思います」
執務室に着き、黒服はどうぞと来客用のソファを手で示すと飲み物と茶菓子を準備しに向かう。
「コーヒーで良いですか?お茶菓子はスコーンと昨日トリニティの公園でむしってきた雑草、どちらにしますか?」
「黒服さんウチらのこと嫌いなん?スコーンで」
黒服は残念がるようにひび割れの炎を弱めて、肩をすくめる。
「残念です、トリニティの雑草は芳醇な香りが楽しめるのですが......」
「誤魔化せてへんよ、雑草言うてるやん」
ナラはしっしと手を払い、黒服にはよ行けと促す。
「にしてもアレやな、黒服さんも馴染んだな」
黒服が出ていった部屋でナラがしみじみと呟く。
「そうだねぇ、何年もつるんでるからかもね」
思い出される初対面。
ソウが天井を破壊してのダイレクトインで1OUT。
ハカリが重要書類を手元に転移させて2OUT。
最後に、エキが黒服の体調を失神寸前まで悪化させて3OUT。
圧倒的暴力・バレるとまずい秘密・何よりの資本である健康をもって脅され、上下関係を叩きつけられた黒服はこの日、人生初めての悔し涙を流した。こんな理不尽あっていいはずがないっ......!
危うく悪い大人辞めるとこだった。
「悪い大人というのは人を見る目が無ければ出来ませんから、もちろんラインの見極めも」
給湯室から戻って来た黒服は、言いながらカップを配膳していく、ガッツリ指を入れて。
「ん〜〜〜!絶妙〜!」
「ほんとにギリギリを攻めてくるよね」
「キレそう」
「熱そー」
「指火傷してまでするもの?」
各々が黒服への思いの丈を口にしていく。ついでに出されたスコーンも口にしていく。
「美味すぎるやろ」
「ほんとな、製作者が居たら愛を囁くとこだった」
美味すぎた。
それを聞いた黒服がひび割れの炎を強め、手で大仰に顔を扇ぐ、心なしかニヤついて見える。
「ほう......愛の言葉ですか、聞けば思わず照れてしまうでしょうねぇ」
「これ黒服さんが作ったんか!?」
ナラは純粋に驚き、ソウは少しの間天を仰いだ。
さっきの発言を後悔してそう。
黒服に向き直ったソウは拳を握りしめて言った。
「黒服......今すぐ肩パンさせて♡」
「......なるほど肉体言語の方でしたか」
本当にされては堪らないと、黒服は全力で拒否を示す。
その後しばらくの間談笑を楽しみ、スコーンも残り少しとなった頃、黒服が今回5人を呼んだ本題を話し始める。
「今回皆さんに来て頂いたのは、小鳥遊ホシノを対象にした実験について、お願いしたい事があるからです」
黒服は手を組み、なるべく真摯さを意識して話す。
この時ばかりは、悪い大人としての悪辣さはなりを潜め、どこまでも誠実な、信頼できる大人としての姿があった。
お願いしたい事は、小鳥遊ホシノについて実験中に邪魔をしないこと。
黒服は5人に対してお願いしかしない、それは初対面で力関係を"理解ら"されただけでなく、その後の観察と予測によって、絶対に不興を買ってはいけない、手を出してはいけないと判断したからにある。
故に契約はしない、利用するされる関係にしてしまっては、その先に破滅しかない、信頼関係を構築しなければ気分次第で全てを壊される。
それはそれとして、つまらないからギリギリは攻めるが。
「たぶん無理やで」
黒服の態度を、ナラがバッサリと切る。
やっぱ真摯さとか必要無いかも。
視界が僅かに暗くなり、視線が下を向く。
身体の熱が下がる感覚がした。
だが、黒服は食い下がる、ここで諦めては失敗する可能性のある実験から、確実に失敗する実験へと変わってしまう。
「......理由をお聞きしても?」
「無料指名券を渡してもうてるんよ、シャーレの先生にな」
無料指名券とは彼女達から1人を1度だけ無料で雇える券のこと、依頼料が法外な代わりにどんな依頼も達成率100%の彼女達を無料で雇えるというのはとてつもない価値がある。
難点は、気に入った相手にしか渡さない上に1人に対して1度のみ渡す部分。
渡したという事はそれだけ気に入る何かがあったのか......。
黒服は先生への興味が一層そそられると共に、視界に走った光明へと顔を上げる。
「であれば、その先生が指名券を使わなければ邪魔をする気は無いと?」
「まぁな、確定やないけど、今んとこその気は無いで」
「......ありがとうございます、その言葉が聞けただけで、十分な収穫です」
黒服は自信が湧き上がるのを感じた。
この実験は邪魔をされない、先生の人物像が定まっていないが、大人であるならば理解を示し手は出してこないだろう。
そうなれば彼女達も邪魔はして来ない、気が変わる可能性も有るがそこは今まで築いた信頼関係の活きる時だろう。
思わず笑みが溢れる。
「クククッ、あえて言わせて頂きましょう、私の勝ちです、と」
「立てに行ってるやん、フラグ」
黒服は完全に有頂天だった。
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112:ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
っしゃぁ!黒服との密・会♡完了!
113:つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
ただ遊びに行っただけ定期
114:お姉ちゃん ︎︎ID:aoharutennsei05
度々関わるのが重要なんじゃない?
115:ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
そやそや
これまでの関わりで黒服は確実に先生にウチらの危険性を伝えるやろ
気に入っとるって示したしな
116: お姉ちゃん ︎︎ID:aoharutennsei05
でも本当にホシノパイセンの救出に邪魔しないの?
117: ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
せんで
まぁ先生に依頼されたら......別やけどな?
118: つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
依頼されたらなーシカタナイナー
119: 絶景巡りなう ︎︎ID:aoharutennsei03
お主も悪だねぇ
120: ガンギマリ幼女 ︎︎ID:aoharutennsei04
悪代官ー
121: ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
ま、黒服と先生の対談もホシパイの救出もまだ先やから、まずはブラマやね
122:つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
あーね
俺らが一部更地にしたとこな
123:絶景巡りなう ︎︎ID:aoharutennsei03
これで僕らの実力を先生達が知る感じかな?
124:ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
せやろな
銀行もすぐ近くやから行きで見えるやろ
125:つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
もしかして狙ってそこにした?
126:ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
......モチロンヤデ
127:絶景巡りなう ︎︎ID:aoharutennsei03
これは偶然だね
128:つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
ポンコツがよぉ
129:ガンギマリ幼女 ︎︎ID:aoharutennsei04
ギリギリー
130:お姉ちゃん ︎︎ID:aoharutennsei05
まぁ、転生してすぐだったからね
状態把握が優先だったもん
131:ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
お姉ちゃんっ......!
好きっ......!
132:お姉ちゃん ︎︎ID:aoharutennsei05
ン"ン"ゥ♡
133: つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
うちのお姉ちゃんが俺らを好きすぎる件
134: ガンギマリ幼女 ︎︎ID:aoharutennsei04
ざこー
135: 絶景巡りなう ︎︎ID:aoharutennsei03
じゃ、僕は旅行に行ってくるね
136: ポンコツ糸目 ︎︎ID:aoharutennsei01
ぶった斬ってて草
137: つよつよお姉さん ︎︎ID:aoharutennsei02
君ぃ......よくコミュ障って言われない?
たぶん次回からオリ主紹介に入ります、たぶんね......。