とある転生者の旅路   作:メガネキャラ最高

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済みません、もう力が,,,,,

それと最後にアンケがありますのでご協力お願いします。


第二話 神の女王に妬まれた英雄との邂逅

第一節

 

 

 私は、家族を殺した。

 

 子を殺した。

 

 愛した者を殺したのだ。

 

 例え、それが女神の策謀によって図られたことであったとしても許されることのない罪だ。

 

 12の試練を超えたとした今の私も決して許されることではない。

 

 私が英雄?

 

 そんなことはない。私は、ただの化け物だ。

 

 人々から蔑まれ、石を投げられる。

 

 この力のせいで、何人もの人を傷つけてしまった。

 

 そんなのを英雄と言わない。

 

 流浪に各地を転々としていると、森の中で一人の少年に出会った。

 

 名をヒュラス。心優しき少年だった。

 

 彼は、聡明だった。

 

 父であり王たるティオダマスが民に行っている非道を嘆き悲しみ、私が出会った際にも仕留めた獲物を狩りの女神たるアルテミスに捧げ、父を諫めてほしいと願っていた。

 

 私は、そんな彼に感化し。罰しない神に変わり、罰を与えに向かった。

 

 当然の如く、王を殺そうとする私に兵が向かわされた。

 

 私は、最低限の被害に抑えるために力を抑えながら兵士を無力化し、王の首を撥ねた。

 

 その後は、終われる身となったヒュラスをそばに置き、各地を転々とした。

 

 そして、私は酒場で誘いを受け、アルゴー船にへとヒュラスと共に乗り込んだ。

 

 私と同様に、船に乗り込んだのは名のある英雄と呼ばれる強者たち。

 

 その中で、異様だったのが。船長たるイアソンが気に入り、乗せた一人の青年だった。

 

 彼の名は、アレイスター。辺境の地からやってきたとの事だったが、到底このギリシャの地のものとは思えなかった。

 

 この地に珍しい忌み嫌われる白銀の髪。蒼い瞳に、眼鏡、鎖で繋がれた服装。

 

 どちらかというと、神のような格好していたがそのような気配はしなかった。

 

 彼は、専門は食事で。私たちの食事を用意しているのだが、それがとても美味であった。

 

 いつだったか、ヒュラスもその食事をひどく褒めていたのをよく思い出せる。

 

「あれ、アルケイデス君じゃないか。今日は一段と早いね。ヒュラス君と一緒じゃないのかい?」

 

 厨房の主がカウンターから身を寄せて、話しかけてきた。

 

「ああ、目覚めが悪くな。このような夜分遅くにすまない」

 

 ここ最近は、それが顕著であった。

 

 このように罪の意識に囚われ、常日頃考えてしまっているのが原因であろうが私は解決しようとは思わない。

 

 それは、罪の清算。過去から逃げることに他ならないからだ。

 

 それだけは許されない。

 

 そのように、私は毎朝、いや深夜に目が覚めると大概甲板で星を眺めるのだが今日はこの食事場に足を運んだのだ。

 

「いやいや、いいんだよ!君には材料の件で世話になっているし。それで、何か食べるかい?仕込みの途中だけど、ある程度はあと少しで終わるから好きに頼んでくれ」

 

 アレイスターは、奥で鍋をかき混ぜながら声を掛ける。

 

 そんな彼の好意に私は少し甘えることにした。

 

「では、失礼ながらスープを頂こうか」

 

「わかった、そこの席に座っていてくれ」

 

 彼は、そう私に伝えると厨房の奥に姿を消していった。

 

 私はふと、船内を眺める。

 

 この船は、出航時と比べて外見にともわずに広さが増している。

 

 それを行ったのは、話の主題たる彼。アレイスターだった。

 

 彼は、船に乗るといなや一言つぶやいた。『狭すぎる』と

 

 確かに、船員に対してこの船は小さかった。

 

 船員が、二人ほど通路を通ると壁を背にしてようやくギリギリ通れるレベルであり、私が通ると誰かが後方へと下がらねばならないという事態になってしまう。

 

 そんな状況をみて、彼は持ちうる魔術でこの船の内部を拡張させた。

 

 彼は、元々魔術師であり、調理は趣味程度にすぎないというのを船員たちが話をしているのを風の噂で耳にしたこともあった。

 

「はい、スープね」

 

 そんなことを考えていると、アレイスターが私の座したところに料理を持ってきた。

 

 スープは、トマトやキャベツ、ポテトなどが混ざり込まれており出来立て故か湯気が立っていた。

 

 それを供えられていたスプーンですくい、口に含む。

 

 スープは、身体に染み込み朝の寒い身体を温めた。

 

「やはり、美味だな。よくぞ、ここまで腕を磨いたものだ」

 

「ハハ。まぁ、何せ時間は飽きるほどあったからね」

 

「それは、悠久の時を過ごしたからか」

 

 鎌を掛ける。なるべく自然に、日常会話の如く。

 

「、、、、、、」

 

 私の言葉に、彼は時が止まったかのように動きを止めた。

 

 目線は、斜め下であり、私のことは見ようとしていなかった。

 

 沈黙は、かなりの間保たれていた。それは、辺りにも蔓延し静寂が訪れた。

 

「沈黙は肯定ととっていいのか」

 

「何故、気が付いた。神気は出していないはずだが」

 

 普段とは、違う雰囲気へと移り変わったアレイスターは声色が低く重圧のある声で私に問い掛けた。

 

「そのこの地に似合わぬ格好と言葉の数々からだ」

 

「そうか、、、気づいてしまったか」

 

 その後もアレイスターは、下を俯いたまま小声でその言葉を繰り返し呟いていた。

 

「何故、神たる貴様が人のふりをしてこの船に乗り込んだ?」

 

 私は、疑問を呈する。すると、おもむろに口を開き、話し始めた。

 

「私も本当は乗る気なんてなかったんだ。しかし、イアソンに目をつけられてしまったからね」

 

 神は、俯くのをやめると私に視線を向けた。

 

 しかし、その言葉にはいいささか疑念がある。

 

「だが、お前のような者であればあの者が目をつけても逃れることなど容易かっただろう」

 

 神にとって人から逃げるなど造作もない。

 

 高度な知能により、人を騙すのもお手の物。

 

 神アポロンが、幼気な少年を惑わし、自身に使えさせるように。

 

 父であるゼウスが、女を誑かすように。

 

 そのように、言葉で騙せば良いだけの事。

 

 人づてだが、あの船長が船に誘ったのはヒュラスとの酒場にての事だったらしい。

 

 であれば、あの場に私含め。神の嘘を見抜けるものは存在しなかった。

 

 たとえ居たとしても、権能を行使すればだけの事なのだ。

 

 故に私は、眼前で話す神の言葉を信用しない。

 

 私は、この神の真意を見通すために全神経を注ぐ。

 

 そんな私を見て、神は口元を抑え苦笑を見せた。

 

「何がおかしいか!名の知らぬ神よ!!!」

 

「いや、、、すまないね。君がそこまで本気になるとは予想外だったもので」

 

 神は、深く息を吸うと。その状態を保ち続けて、ゆっくりと吐き出した。

 

 その行為により、神から笑みが消え去った。

 

 表情は、強張り。容姿もあってか人形というイメージを強めた。

 

 そんな神は、再び私に話しかける。

 

「アルケイデス、私は彼に見入ってしまったんだよ」

 

 先ほどの人形が虚無のように消え去り、聞き往々と私に微笑みかける。

 

 私は、そんな様子の神に嫌悪感を抱き深めていった。

 

「それは、英雄としてか?」

 

 私は、問いかける。

 

 神が見入る。見込んだ人間の対半は番として、快楽のための道具としてや愛玩道具としてであるがこのような神はそのようなものとしてではなく。

 

 自身の退屈まぎれの解消のための英雄という物語の主役を求める。

 

 そんな神のせいでどれだけの人々が犠牲となったことか。

 

 英雄の最後程、悲惨なものはない。

 

 それは、神がそのようなものを見たいからだ。

 

 頂点から落ちるざまを眺め、酒を啜り。楽しみたいから。

 

「彼は、王になる素質も気質も持ち得ている。そんじょそこらの王と違って有能だ」

 

「しかし、性格には難ありだ」

 

 私の言葉にかの神は深く頷いた。

 

 しかし、それで終わりもしなかった。

 

「だが、そこが良いんだよ。あれは性格が悪いんじゃない。自分を弱く見せないように必死になっているだけだ」

 

「子供が母親に嫌われたくない一心で、良い子のフリをするのと似ている」

 

「、、、」

 

 言われると、そのように思えてくる。

 

 あの船長は、傲岸不遜だが臆病で卑怯で子供という印象によく似合う。

 

「まぁ、君が私の彼に英雄を求めていることに対して嫌悪を抱くのは当然だ」

 

「アルケイデス。ヘラを殺したいと思うか?」

 

 彼、いや彼の者の瞳は、水平線のような蒼白いさから穢れをしらぬ宝石のような純銀な色彩へと変色した。

 

「それは、、、」

 

 私は、口が閉じた。閉じてしまった。

 

 突然のことで、衝撃のあまりというわけではなく。

 

 きっと、取り繕おうとしていたのだろう。

 

「黙り込むな、己が内を話せ」

 

 そんな私を神は己が神眼にて見通す。

 

 それに私の眼も神の瞳を視線を奪われた。

 

 思考が複雑になり、私は一つの言葉を口にする。

 

 

 

 

第二節

 

 

 

「殺したい」

 

 その呟くつもりなかった言葉で彼の偽りの仮面にひびが入った。

 

「壊したいに決まっておろうが!」

 

 彼は勢いよく、自前の剛力を十全に発揮させ席から立ちあがった。

 

 そのせいか、船は衝撃により大きく傾いた。

 

 私はその船の光景を目にすると、すぐさま自身の回路の開く。

 

 イメージするは、常にあの世界。

 

 私の理想郷。

 

 幼き私が夢見た。幻想の生物たちが自然を闊歩し、空を舞い、海を泳ぐ。

 

 我が愛する娘が友と共に、平穏を過ごす。

 

 あの理想郷を。

 

 彼の者が、かの理想郷を想起する。

 

 瞬間、彼の者の肉体に、全身に緑の脈が迸る。

 

 龍脈の如き、神秘なる炉から流れる道。

 

 その名は、魔術回路。

 

 心の臓腑より生成されたその生命の力。

 

 生命力をオドという名の魔力に変換する回路。

 

 だが、彼の者の回路は違う。

 

 彼の者の回路は、変質している。

 

 彼の者の心臓。

 

 龍の心臓という魔力炉心は、無尽蔵の魔力を生み出す。

 

 それがたとえ、制御され。ただの竜、いやワイバーンの如き生成量に押さえつけられていようが、生み出される魔力の質は異次元。

 

 そのようなものを流すにあったって必要なもの。

 

 そう、彼の者の魔術回路は意味を成していない。

 

 回路はただ、心の臓腑から流れる魔力を流すためのホースに過ぎない。

 

 彼の者の回路を開くことはつまり、蛇口を空けることである。

 

 今、回路を開いた彼の者は自身で開発した術式を発動する。

 

 その術の名は、まだ語るべき時ではないだろう。

 

 だが、すぐに語ることになるだろうが。

 

 術を発動すると、船の揺れは消え一瞬にして落ち着いた。

 

 それと同じくして、彼アルケイデスは再び怒号のような声を放つ。

 

「あれのせいで私は子を、妻をこの手で殺めたのだぞ!!!」

 

 彼は故意ではないが、感情のままテーブルに叩きつけて粉砕してしまった。

 

 彼は、皿の存在を思い出してか。回収行動に移っていたが、すでに彼の者が皿を回収してしまっていたので空振りに終わった。

 

 彼の者は、スープの入った器を片手に感情を変えずにこう諭した。

 

「では、殺すといい」

 

「はっ!?」

 

 その言葉にアルケイデスは衝撃を受けてしまい、しばらく思考を停滞させてしまった。

 

「何を惚けている?恨んでいるのだろう?であれば神殺しを成せば良いではないか」

 

「あ、いや、、、だが、しかし」

 

 アルケイデスは、子供のように答えに困り果ててしまった。

 

 そんな様子に彼の者は、頬を上げて見ていた。

 

 そして、子供に一つの答えを見せることにした。

 

「私も嘗て神を殺した」

 

 単調に、日常会話の如くそう呟いた。

 

「!?」

 

「私は嘗て遠縁の地で、二人の友人と暮らしていた」

 

「一人は、神との混血であり君と同じ半神だった。もう一人は、その半神を諌めるために造られた兵器だった」

 

「後の一人は、敵対し、私達は戦った。その末に友となり、神に叛逆した」

 

「そのせいで、兵器である天の鎖は呪いを掛けられてしまった」

 

「私は、彼が苦しむ姿を見て。怒りに燃えたよ」

 

「そして、私は図った神々を殺し尽くした」

 

「男、女関係なく。斬り殺し、叩き潰し、噛み殺し。辺りが血まみれになるまで私は止まらなかった」

 

「見ると良い。いい機会だ」

 

 彼の者が、手を掲げると、虚空から銀の波紋が現れると渦の中心から一つの杖が姿を現し、手中に収まった。

 

 彼の者は、杖を床に『コンッ』と突く。

 

 すると、杖の先端に光が現れる。

 

 それは、聖なる光。

 

 原初の、創生の光に酷似していた。

 

 それは、杖から身を出し。部屋は光に満ちる。

 

 光は、太陽の如くであり、眼を焼き潰す程度の物であった。

 

 それに、アルケイデスであれども目を瞑ってみせた。

 

 だが、光は瞼を貫通して目を視神経を傷つけた。

 

 

 

 

 

第三節

 

 

 

 痛みが消えるとアルケイデスは、瞳を開けた。

 

 しかし、そこでアルケイデスに再び衝撃が走った。

 

 なぜなら、そこはアルゴー船内ではなく、一面砂漠であったからだ。

 

 見たことのない木に、視界の八割は砂漠。

 

 突然そのような光景になれば、驚くなという方が厳しいだろう。

 

「ここは一体?」

 

 彼の者に向けて、言葉を掛ける。

 

 しかし、一向に彼の者は姿を見せない。

 

「ここは、メソポタミア。嘗ての私が身を置いていた地だよ」

 

 その言葉に同時に、彼の者はアルケイデスの真横に現れた。

 

 しかし、それにはアルケイデスは驚かなかった。

 

 何故かと問われれば、驚きの差だろう。

 

 突然世界が変わるのと、一瞬にして姿を現す。

 

 どちらの方が現実的か、言わずともわかるだろう。

 

 それは、アルケイデスが戦士であったことにも由来しているのだろうが。

 

「メソポタミア?ああ、噂で聞いたことがある。確か、嘗てウルクという国に賢王が居たという」

 

「そのとおり。では、場所を移そうか。ここに君に見せたいものはない」

 

 再び、地に杖を突くと再び光が世界に満ちた。

 

 しかし、今度は1秒程度であり。すぐに目を開けられた。

 

 目を開けると、そこは都市だった。

 

 活気に満ちた都市。

 

 商店が道の端に並んで設立している。

 

 服屋、パン屋、花屋。

 

 数えきれぬ店と人々で満ちていた。

 

「ここは、君が先に述べたウルクという国だよ」

 

「これは、すごいな。幾多の国を渡り歩いたがこれほどまでに栄えていた国はなかった」

 

「このウルクの地には、とある女神が土地神として崇められていた」

 

「なるほど、そちらの神は私たちの神とは違って親身というわけか」

 

「親身というか、そうしないと捧げられなくなるからね。お互いWinWinというわけさ」

 

「なるほど、そういうことか。だが、よく長続きしたものだ」

 

「このメソポタミアの神は、基本的に貶したり、反逆行為をしなければそこまで干渉しないんだよ」

 

「ゼウスなどみたいに地に降りてくることはないわけか」

 

「あっいや、全然そんなことはなくて」

 

「オリュンポスみたいに襲うやつは少ないんだけど、恋愛とかはよくするんだよね」

 

「しかし、恋愛なら「いや、基本的に破局して人は碌な結末がない」、、、、」

 

「まぁ、どこもあんまり変わらないよね」

 

「その通りのようだな」

 

 両者ともに遠い目をしながら、空に光景を浮かべていた。

 

「まぁ、そこは一旦置いといて。ついて来な」

 

 惚けを止めて彼の者が足を進める。それをアルケイデスは光景を眺めながら付いて行く。

 

 しばらく進むと、一際目立つ巨大な建物が目に映った。

 

 その中に入り込み、しばらく歩くと開けた場所に着いた。

 

 そこには、座に座り込み粘土板を眺め列を成している者たちに指示を出している金髪と紅い瞳をした男と緑の長髪と瞳を持った青年たちがいた。

 

「彼らが、私の友だよ。座っているのがギルガメッシュ、その隣がエルキドゥでね」

 

「あれが、先の」

 

 あれは、民の意見を耳にしている。

 

 そのような王を私は目に、耳にしたことがなかった。

 

 確かに過去民に寄り添う王はいた。しかし、その結果は民たちによる反逆。

 

 直接訴えているのに、改善されなければそれはただの愚王だからだ。

 

 しかし、この視界に映っている王は聡明で的確な指示をすぐさま飛ばしている。

 

「なるほど賢王と言われるわけだ」

 

 アルケイデスは、彼から目を逸らさずに眺め続けた。

 

「と言っても、私がブチ切れなかったらこうはなっていなかったかもだけどね」

 

「そうなのか?」

 

「彼、幼童の時はこれみたいに民を収めていたんだけども青年になったと思えば女を侍らせ贅沢三昧。結構最低な奴だったんだよね」

 

「あの姿からは、到底そうは見えないが」

 

「いや、ほんとね。私も気が付いたらって感じで動転境地に陥ってしまったから」

 

 ふと、アルケイデスはかの神の素顔を見つめる。

 

 かの神の顔には、まるで苦みを押し殺したような表情が浮かんでいた。

 

「さて、そんな日々も終わりを告げる」

 

 場面は流転し、日が暮れ夜が訪れた刻限。

 

 周囲には、民衆が集まり。賢王が座している王座の眼前に一人の女が現れていた。

 

 女は、豪勢な装束を身にまとい、そばに等身大。

 

 いや、それよりか大きな弓を携えさせていた。

 

「あれは、女神か?」

 

 アルケイデスは、ふと疑問を呟いた。

 

「ああ、女神イシュタル。このウルクの都市神であり、ここが決定的なターミングポイントだったのかもしれない

 

 かの神は、そのつぶやきを見逃さずにすぐさま説明を加えた。

 

 

 そこからは、女神が告白して、それを拒絶して。先に述べたように進んでいった。

 

 その間、かの神は口を閉じてその光景を見つめていた。

 

 しかし、場面が変わり、とある部屋に移った際。かの神は表情を少し強張らせた。

 

「これが、私があいつらに殺意を明確に覚えた瞬間だった」

 

「その結果がこれだよ」

 

 再び場面が変わると、そこは血だまりだった。

 

 かの神が、片手が龍に変貌して唸りを上げながら、血だまりに立ち尽くしていた。

 

 龍の口元には、血が垂れ。血だまりには、所々に食べ残しの肉片や骨、抉れた眼球などが散らばっていた。

 

「これが答え。私が辿った答えだよ」

 

 その言葉が紡がれると同じくして、戻った腕で見たことのない剣を携えたかの神が最後の神の首を撥ねた。

 

 その瞬間、毎度恒例に光が視界を埋め尽くした。

 

 すると、世界は船内に戻り。かの神の手には皿があった。

 

 彼の者はカウンターに皿を置くと、近くの席を引き、足を組み座り込んだ。

 

「この際だ、君には私の真名を伝えよう」

 

「私の名は、カイザ・ウォーカー。嘗て人間だったものであり、根源の代行者。つまり、君たちのご先祖様と行ったところだね。私の身体は根源によって作られたし。旧支配者となった私はあれと一心同体だからね

 

「カオスということか?」

 

「いやいや、私はあれとは違うよ。あれの遥かな遠縁だから。たぶん、君の想像も付かないほどのものだからね」

 

 即刻否定された。

 

 だが、彼が神の祖とは驚いた。

 

「つまり、私は君の先祖と言うわけだ。ハハハー!!!」

 

 似合わない子供のような高笑いをかの神は行った。

 

 正直、さっきまでのシリアスなムードが霧散し、台無しとなった。

 

「彼女は、君を狂気に堕とした。明確な意思を持って」

 

「であれば、君に殺されても文句の言いようがないだろう?だから私は止めないし、君の背を押そう。私は、私の思想の元に行動する」

 

「貴様は、、、本当にあの神々とは違うのだな」

 

「当たり前さ、それは人間だってそうだろ?同様に神だって一色単に纏めることなんてできないんだよ」

 

「まぁ、彼とは飲み友だったけどね」

 

 飲み友か、、、

 

「いいかい、あいつの本性なんて女好きのクソジジイだからね。女風呂に覗くわ、セクハラしまくるわ。前だって、私の服にゲロ吐きやがってぶち殺してやりたかったわ」

 

 振り返り怒りが鰤帰ったのか。拳を握りしめ、完全にキレていた。

 

 すると、虚空から銀の波紋が現れると渦の中心から一つの注射器が姿を現した。

 

 アレイスターは、イラつきながら乱暴に取り上げ腕に突き刺した。

 

 すると、中の液体が自動で消えて行き。彼の顔の強張りが消え去り、握り拳も緩んだ。

 

「皆、私達神に理想を持ちすぎんだよ。いいかい、私達なんて君たちにより少し上の階位に立っているだけのただの人間のような化け物なんだから

 

 そんなことが周囲に蔓延った。

 

「くく、ハハハハ!成程、人間のような化け物か。そうか、そうか」

 

 私は、その言葉に頭をハンマーで殴られたような衝撃が走った。

 

 この衝撃は、私にとって毒だ。

 

 私を復讐という川に溺れさせてしまうほどに。

 

「殺すのであれば、あれは受け入れるだろうさ。あれは嫉妬に狂った貴娘のような者。あれはあれなりに自身を恥じてはいる」

 

「そうなのか、、、」

 

「私から言えることは、理想に堕ちすぎないようにとだけだね」

 

 しばらくの間、静寂が蔓延する。

 

「ところで、君の父親がやらかしたことでも聞かないかい?今まで、聞かせる奴が居なくて誰にも語ってなかったんだ」

 

「では、皆が起きてくるまで語ってくれ。カイザ・ウォーカー」

 

「今の私はアレイスターだよ。アルケイデス君」

 

「そうだったな。では、語ってくれアレイスター!?」

 

「いいぜ、そうだな。まずはあいつの初夜についてでも話そうか」

 

 二人の会話は、日が昇りヒュラスが厨房に乙瀬るまで続けられた。

 

 尚、今後アルケイデスが神に対しての拒絶感が薄まったのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

第四節

 

 

 

「くっ、ウォーカーめ。人の恥ずかしいことを大っぴらに言い合って!」

 

 とある町の飲み屋にて、フードを深くかぶった老人が酒を一気に飲み干し、ジョッキを机に叩きつけて愚痴を吐いていた。

 

 そんな様子を周囲の客たちはいつもの事かと、特に気にせずに酒を楽しんでいた。

 

『だったら、二度と私にゲロなんか掛けるな』

 

 そんな老人の脳内にそのようなメッセージが光の如く走って行った。

 

「うぇ!!!」

 

 老人は、椅子から転げ落ちて尻もちをついてしまった。

 

 そんな様子に再び、客たちの目線を奪ってしまう老人であった。

 

 老人は、全身を震わせ、まるで自身の妻に浮気がバレたかのように怯え伏す。

 

「おいおい、愚弟。いきなりどうしたんだ?ヘラは今天界にいるのに」

 

 老人の相席に座っていた黒の長髪の女性が、老人を苦笑を交えながら酒をちびちびと嗜んでいた。

 

「なんじゃ、幻聴か」

 

 周囲を見渡し、声の主が存在しないことに胸を撫でおろした。

 

「また、浮気でもしてバレたのを感じ取ったのかい?いい加減、あの子に寄り添いなよ」

 

「姉上、儂は今後酒をあやつの前で飲みすぎないようにしようと思う」

 

 老人の名は、ゼウス。

 

 時の神クロノスと大地の神レアとの末子。

 

 オリュンポス十二機神の頂点に立つ、雷霆の神。

 

 姉であるヘラを伴侶としながら、若い娘がいればちょいちょい手を出し、肉片に成り果てるとんでも爺である。

 

「ん?ああ、あの子かい。確か、前に彼に吐いて怒らせてたっけ」

 

 相席に座っているのは、家庭の女神にして聖火を司る女神ヘスティア。

 

 老人と伴侶たるヘラの姉にして、神界において唯一ヘラを治めることのできる処女神。

 

 ゼウスと同じく、かの神と酒を飲み合う友人であり、尊敬に値する唯一の神である。

 

「可笑しいぞ!姉上だって吐いたことあるじゃないか!!」

 

 ゼウスは、理不尽だと不平等性を訴えるがとうの本人が不在のため正解は分からず。

 

 そんな中で、ヘスティアは愚弟の様に多少呆れながらも答える。

 

「さぁ、日頃の差じゃないかな。僕だって、基本的には引きこもっているけど。たまに彼の愚痴を聞いたりしているし」

 

「なんじゃ、姉上はあやつに惚の字なのか?」

 

「いいや、愛とかじゃなくて、なんとかいうか放っておかないんだよね彼は」

 

 家庭の神ヘスティアは、顔に慈愛を浮かべながら嬉々として愚かと評する末の弟に語る。

 

「流石は家庭の神。確かにあやつは多少子供らしいからの」

 

「全く、愚痴の大半は君なんだぞ」

 

「そりゃいかんの」

 

「ところで、ヘラがウキウキして話してくれたんだけど。彼、契約して君が浮気したら捜索に協力するんだってさ」

 

「ナンジャって!!!あのクソガキ!調子に乗りおって」

 

「おいおい、それを言ったら私達の方がガキじゃないか」

 

「、、、そうじゃった」

 

 推定数億歳VS推定128億歳

 

 勝者 カイザ・ウォーカー

 

 圧倒的勝利。

 

 競わせるまでもなかった!!!!!

 

「まぁ、落ち着きなよ。ほら、水」

 

全く、飲み仲間を大事にせん奴じゃよあやつは!!!

 

 悪態を吐きながら、ゼウスは水を一気に飲み干した。

 

「いや、彼の場合は逆に大切にした結果じゃないかな」

 

「そういうものか」

 

「そういうもんだよ」

 

 ゼウスは、長女たるヘスティアの言葉に思考を深めていった。

 

 

 

姉上

 

「何だい、愚弟」

 

「もし、儂が浮気してない状態でヘラに見つかった場合。ヘラから救ってくれんか」

 

 

 

「無理だね。僕が諌められるのは、周りに被害が出ている時だけだよ。じゃないと、ヘラが『愛よ』と一点張りしてしまうから」

 

「御慈悲をぉ、姉上と儂の仲じゃないか!」

 

 ゼウスは、ヘスティアの足にしがみつき涙目で最大限できる駄々っ子をしていたが、男の娘でもなければ美少年でもない老けた爺が行う駄々っ子なんて言うものは正直吐き気を催す程度の物であった。

 

「ふん、精々こっぴどく搾られることだね」

 

「そんな、、、」

 

 姉と言えど、これに手を貸せないヘスティアであった。

 

 しょぼくれた顔で、ゼウスは酒を一気に飲み干す。

 

 ゼウスは天から垂れる唯一の希望。

 

 蜘蛛の糸を、眼の前で切らしてしまった。

 

 これから訪れる狂愛の化身による災害を思うと、涙と動悸が止まらなくなった。

 

 しかし、そんな彼にピッタリな日の本言葉が存在する。

 

 

 

 

 

 自業自得である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 司書レーアちゃんによる解説コーナー

「どうも皆様、ごきげんよう。コーナーの主であるレーア・ウォーカーです」

「毎度恒例、長期間お会いできなかったことをお詫び申し上げます。これもすべて作者のせいなのです」

「最近では、soul eaterやダンまちに火が再点火しまして二次創作を夜中の3時まであさり尽くしています」

「Soul eaterって二次創作少ないですよね 。基本、脳内補完しているわけですけどやっぱり文で読みたいじゃないですか!!!」

「ところで、最近はsoul eaterよりダンまちの方が好きなんですけど。そういえば新シーズンの制作報告がいつだったかだされてましたよね」

「いやぁ、昨今は自分の好きな作品の情報が増えて、ほくほくですよ」

「などと高説丁寧に語っていました」

「さて、今回解説することはオリュンポス十二機神についてでしょうかね」

「本世界にて、オリュンポス十二機神のメンバーはFGO世界線と同様のメンバーです」

「また、オリュンポスの神々は、真体を失ってからは人代に身を置くようになりました。まぁ、中には、天界や冥界などの住まいに引きこもったりしていますがね」

「前者のものたちは、基本自堕落過ごしています。言わずとも神話で重々ご存知だと思いますが」

「それと、ヘスティアはダンまちのヘスティアの髪を下ろしているバージョンです。作者に絵は描けません」

「マスターと神々の交流は、基本的に少ないです。ゼウスやヘスティアとはよく酒を交わしていますがハデスやらとは全くと言って関係がありません。いや、アルテミスとは嘗て交流があったそうですがそれもいまでは途絶えてしまったようです」

「マスター曰く、あの恋愛脳と絡むと四六時中愛しの夫の惚気を永遠と語られてわざと豆を荒く引いて苦くした珈琲に苦み薬を混ぜてようやくトントンらしいです」

「では、ここらでお開きにしましょうか。久しぶりのコーナー楽しかったですよ」

「皆さん。また次回にてお会いしましょうか。では、御機嫌よう」 





日常パートとかアルカディアの話とか書いた方が良いですか?

  • 書いてください
  • 結構です
  • どっちでも
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