とある転生者の旅路   作:メガネキャラ最高

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今回は、日記方式になります。


第二話 理想郷での生活

 ●月✖︎日

 

 今日から日記を付けることにした。と、言っても大したことのないただの日々の報告書みたいなものだ。

 

 今日は起きてから前世に考え付いていたものを完成させるために工房に籠った。

 

 波動コアと波動エンジンだ。

 波動コア自体は前世にすでに開発していたが波動エンジンは資金的に完成させることが出来なかった。

 

 政府と共同して開発させるのも手ではあったが、軍事利用されるのさ目に見えていた。

 波動エンジンを利用した波動砲は宇宙戦艦ヤマトのものと同等いやそれ以上のものである。

 そんなものを国に与えれば、世界征服でも起こしかねない。

 そうなれば第2のノーベルになってしまう。

 そのようなことが考えられる時点で政府との共同開発は諦めた。

 

 また、前世では学院時代に提唱した論文のせいで色々な機関から狙われていたとき日本政府からも狙われた経験からも到底信用することなどできなかった。

 

 死んで研究資料も盗まれて戦争が起こっても困るし隠れ家兼工房は私が死んだら自動的に爆破するようにしたから私の死体もおそらく爆破の影響で粉微塵になっただろう。

 

 私は自身の身体を色々いじって細胞の老化を防いだりしていたから証拠隠滅出来たと考えればいいか。

 国際法? 何を今更、国なんてもっとスケールのデカいことをしでかしていたじゃないか。最失敗続き続きだったようだがね。

 私は、あくまで自分自身で実験していたんだ。他人をモルモットになどしていなかったよ。

 

 おっと、少し話がズレてしまったな。本筋に戻ろう。

 

 波動エンジンには、膨大エネルギーに耐えられる素材が必要になったのだがそこは創生の力で創り上げた。

 

 流石にコスモリバースシステムを作り上げることまではしなかった。

 

 コスモリバースシステム。あれは、禁断の果実だ。星のエレメント、記憶を触媒として惑星を上書きするシステム。

 

 波動エンジン同様、私ではない第三者の手に渡ってしまえば未曾有の危機になるだろう。

 

 他の迎撃システムなどは比較的簡単に作成出来た。

 とは言え、実際に実験を行ったわけではないから多少イレギュラーが起こりかねないけど

 

 ●月✖︎日

 

 今日は、宇宙戦艦ヤマトを作ることにした。

 元々、私が波動エンジンの開発に取り組んだ理由は、子供の頃から見ていたヤマトがカッコよかったからだ! 

 

 男であるならばロマンを持て! 

 

 まぁ、素材は先日までに完成させていた為。ただ組み上げるだけでしか無いのだが。

 問題となるのはOSだ。

 どうしても、艦の規模的に大規模な自動操縦プログラムを作るしかなかった。

 本家では約70人ぐらいでまわしていたからな。

 

 まあ、別にOSぐらい時間を掛ければ作れるんだよ。

 

 しっかしね、君。幾ら神である私であれ指10本でしか打ち込められないんだよ。

 

 今回から作るOSは、ヤマトの操縦補助プログラムや艦の自動迎撃システム、その他の搭載機能の制御システムなどを一人で組み込まないといけない。

 

 まずは、1番めんどくさい大事であるOSから手掛けることにした。

 

 何日掛かるのやら。

 

 

 ●月✖︎日

 

 OS開発に手を出してから早一ヶ月が経った。

 

 不眠不休で行ったのが功を奏したのか、この短い期間で完成した。

 このまま、艦全体を仕上げようとも考えたが休み無しでしたのが祟ったのか頭痛が激しい。

 

 仕上げは明日にすることにしよう。

 

 

 ●月✖︎日

 

 今日は仕上げを行うことにした。

 

 ボディーと内部を『創生』使用して創り上げ、先日までに作り上げていたシステムを組み込んだ。

 粗方完成し終わり、最後に核となる波動コアを波動エンジンに接続した。

 早速試運転をするために第一号を解放し『時空操作』を使って私ごとヤマトを海辺に転送させた。

 

 海辺に転送し終えると早速波動エンジンを起動させることにした。

 

 

 

 

「補助エンジンの接続および注水開始!」

 

『補助エンジンの接続 完了

 注水 50% 60% 70% 80% 90% 100% 完了』

 

「ガントリーロック解除、微速前進0.5」

 

『ガントリーロック解除 完了

 微速前進0.5 』 

 

「波動エンジンにエネルギー注入」

 

『エネルギー注入開始

 補助エンジン、第二戦速から第一宇宙ノットまで、あと30秒

 

 波動エンジン・シリンダーへの閉鎖弁オープン。波動エンジン始動5分前

 

 波動エンジン内圧力上昇、エネルギー充填90%

 波動エンジン内圧力上昇、エネルギー充填100%

 

 波動エンジン点火2分前

 

 フライホイール起動2分前

 

 波動エンジン内、エネルギー充填120パーセント

 

 フライホイール起動準備完了』

 

「フライホイール起動!」

 

『フライホイール起動

 

 波動エンジン点火10秒前

 

 9秒前

 

 8秒前

 

 7秒前

 

 6秒前

 

 5秒前

 

 4秒前

 

 3秒前

 

 2秒前

 

 1秒前

 

 フライホイール接続完了、点火』

 

「宇宙戦艦ヤマト発進!」

 

 発進すると轟音と共に海を掻き分けながら進み、速度が上昇して行くとヤマトは徐々に海面を離れ、空へと飛んで行った。

 

『ヤマト高度80km到達』

 

「最大船速へ移行」

 

『高度200km 到達

 

 高度300km 到達

 

 高度400km 到達

 

 高度500km 到達

 

 大気圏突破』

 

 ヤマトは想定通りに航行することができた。

 

 操縦補助プログラムが特に悪さもせずにしてくれて良かった。

 

緊急事態発生

 前方に巨大彗星あり

 地球時間で2分後に艦に衝突』

 

「画面に映像を出してくれ」

 

『映像を出します』

 

 そう音声が鳴ると映像が出てきた。

 

 見た感じ軽く小惑星程度の彗星と判断できた。

 

 今から回避行動をしたとしても間に合わない

 

 ならば

 

「波動砲を発射準備!」

 

『波動砲発射シークエンス開始

 

 波動エンジン内、圧力を上昇開始

 

 非常弁を全閉鎖

 

 波動砲への回路解放

 

 波動砲、薬室内の圧力上昇

 

 全エネルギーを波動砲に強制注入

 

 安全装置解除承認を要求』

 

「安全装置解除を承認」

 

『安全装置解除承認を認証

 

 安全装置解除

 

 圧力発射点へ上昇中

 

 あと4

 

 あと3

 

 あと2

 

 あと1

 

 0

 

 最終安全装置解除

 

 圧力、限界へ』

 

「目標設定前方の巨大彗星」

 

『目標設定完了

 

 艦首を目標に照準調整

 

 タキオン粒子、出力上昇

 

 発射準備10秒前

 

 耐ショック、耐閃光防御シールド発生

 

 9秒前

 

 8秒前

 

 7秒前

 

 6秒前

 

 5秒前

 

 4秒前

 

 3秒前

 

 2秒前

 

 1秒前

 

 発射準備完了

 

 発射シークエンスオールクリア』

 

 発射シークエンスが全て終わると最前席に引き金が現れた。

 

 私は、席に座り引き金に手を掛ける

 

 もう一度目標に目を向け

 

「波動発射!」

 

 私はそう声を上げて引き金を思いっきり引いた。

 

 瞬間、耐ショック、耐閃光防御シールドを展開しているはずが目を焼き尽くさんとするほどに輝いた光に視界を埋め尽くされた。

 

 けたたましく鳴り続ける音

 波動砲の反動による衝撃

 

 しかし、その中でも波動砲の美しさに私は心を奪われていた。

 

 まるで、包み込むような蒼色

 それとは、裏腹に星をも破壊せしめようとする光

 

 なんと、美しいのだろう

 

 そのように感傷に浸っていると光が収縮し周りをしっかりと確認できるようになった。

 

 目標となっていた巨大彗星は消滅していた。

 欠片の一つも残すことなく。

 

 私は、見惚れているのとは裏腹に安全装置の解除権限を誰かに譲ることなど絶対に行ってはいけないと心に誓った。

 

 

 着陸した後は工房に戻り、衣服の魔術礼装を2着ほど創り上げることにした。

 

 ベースとしては、生前鍛冶をするときに着用していた藍色の着物とウェールズに住んでいた時の着ていたものにすることにした。

 

 母方の家系は元々貴族主義の時代より遥か昔の貴族制度が始まった当時から続いた家系で、元々王室の一人であったらしい

 

 当時の王は私のご先祖様に対して『自分のことを殺して王座に着くのでは?』という疑惑を持ち、罪をでっち上げて処刑するつもりだったらしいかったのだが、ご先祖様は大変優秀なものであったらしく処刑しようものなら政府が崩壊しかねなかったため王室から追い出し、王位継承権を剥奪し新たな貴族として生活させた。

 

 全く、私のご先祖様はそんなことに興味はなく、科学に興味を持っていたというのに。

 

 ご先祖様は、政治いやそもそも人間という知的生物を忌み嫌っていた。

 

 欲望に溺れた獣を。

 

 そんなわけで、貴族として生活していたご先祖様は外交で隣国のウェールズのコーンウォールに訪れた際に農家の生まれであった一人のレディと触れ合い恋仲になったのだと言う。

 

 人間不信のご先祖様が惚れるなんて聖女とかだったのだろう? 

 

 そうだったのなら、その性格は後世には受け継がれなかったのだろうな。

 

 祖母を初め、うちの家系は人間性が欠如していたからね。

 

 っと、話がずれてしまったか。

 

 魔術礼装の話に戻そう。

 

 効果としては自身の魔術回路を活性化させて5割ほど向上させ、防御面としてはたとえ核に当たったとしても壊れることがないようにしている。

 

 幾ら肉体が強くても戦いの最中に衣服が壊れてしまったら、問題だからな。

 戦闘中では、創生することは難しいしな。そのため、自動修復機能を追加にしておいた。

 

 これで、戦闘で露出することもあるまい。

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 今日は龍の力を確認しようと龍の力を使ってみた。一応のため、工房から離れた湖畔で試すことにした。

 

 使用すると身体は白銀の鱗を持ち、巨大な翼を持った龍にへと変態した。

 

 試しに翼を羽ばたかせたら辺り一面に土埃が舞い、近くの木々は曲がり葉は飛び散った。

 

 そのまま飛んでみると想像以上の速さで吹き飛んでしまった。

 

 あまりにも速すぎて衝突した場所は巨大クレーターが出来上がっていた。

 

 今思い返すと軽く音速ぐらいは出ていたと思う。

 一歩歩いた程度であったのだが。

 制御しないとまともに動けない。

 

 この世界は幾ら土地や森林などを壊したとしても自然と修復するようになっている。

 

 この力を使いこなす為の修行をするのならばピッタリだ。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 龍の力を使いこなすそうとしてから数日経った。

 

 ある程度は慣れてきたが、それでもかなりの被害がでてしまった。

 

 そこで魔術知識を応用してどこぞの世界で英国のとある一家が伯爵を飼いならすために開発された拘束封印術式(クロムウェル)を再現し、力を制御するようにした。そうすることで、龍の力を一部顕現させることが可能となった。

 

 しかし、完全な龍化よりも性能はだいぶ落ちていた。

 

 本来ならば完全な龍化として設計されている力を一部だけと制限しているのだ致し方ない。

 

 まぁ、とは言え通常時でもかなりのスペックを持っているし、使う機会も少ないはず。

 

 フラグじゃないよ? 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 今日からは、剣術を鍛えることにした。

 

 剣術は生前祖父から大体叩き込まれて8段くらいは容易に倒すことが出来たがそれはあくまでも稽古、殺し合いではない。

 

 型月世界じゃもっと実力を持っておかないと通用しない。

 

 たとえ、幾ら強い武器を創り出したとしても使い手がそれ相応の実力が伴わなければ宝の持ち腐れだ。

 

 初歩として、木から葉を全て落として葉を落ちる間に全て切り尽くせるようにした。

 

 修行場には、

 

 始めは200枚程度しか切ることができなかったが回数を重ねるごとに切れる枚数が増えていった。

 

 

 ●月✖︎日

 

 ついに全ての葉を切ることが出来るようになった。

 

 しかし、これだけでは足りない。もっと実力を身に付けなければならない。

 

 いつの日か思い描いた最強の自分にへとなるために。

 

 

 ●月✖︎日

 

 葉を全て切ることができるのようになってからは空を斬り続けていた。

 

 ひたすら一昼夜ずっと斬り続けていた。

 

 この身体は都合の良いことに睡眠を取らずとも死ぬことはない。

 

 疲労も生前に比べれば幾分も少なかった。

 

 そして、ひたすら空を斬った末にようやく空を斬ることが出来た。

 

 斬った場所はテクスチャが裂けるように斬れていた。

 

 素晴らしい、これだ。

 

 これこそ思い描いたものだ。

 

 最強の自分へまた一歩進むことができた。

 

 

 ●月✖︎日

 

 最近、修行や研究と開発に没頭するあまり家事をあまりすることができず悲惨な状況になっていることが多々あった。

 

 そこで家事や手伝いをしてくれるロボットを作ろうと思ったが、いっそAIを作ることにした。

 

 汎用人工知能を作り出せば家事だけではなく研究の助手を役割を果たすことをさせることが出来るだろう。

 

 手始めに、スーパーコンピュータを用意した。

 

 生前では費用が高すぎてとても手を出すことが出来なかったが創生の力があれば世界最高峰の部品も何もかもを手に入れることが出来る。

 

 作られたスーパーコンピュータは前世の世界でも存在しないレベルの演算処理能力を持ったバケモノに仕上がった。

 

 それを1000台ほどつくりスーパーコンピュータ群を作り出した。

 

 あとは自分の持っている全ての知識をすべてコンピュータに学習させ、自己で判断が出来るようにプログラムをカイザ・ウォーカーの脳をベースにして調整した。

 

 これで、自律して行動することが出来るはず。

 

 だがこの人工知能は人類が到達することが出来るか怪しいレベルに到達するものになるだろう。

 

 確か、人類よりもはるかに高い知能のことを超知能といい、その超知能を持つ人工知能を人工超知能というらしいが、この汎用人工知能はそのレベルに達するだろう。

 

 全くもって素晴らしい、手違いで殺してくれた神に感謝の意すら感じる。

 

 生前のままであればこのような汎用人工知能を作ることは資金的にも不可能であっただろう。

 

 人工知能は自己を常に改善し自己を成長させていた。

 

 ある程度時間が経つと人工知能に自我のようなものができていた。

 

 しかし、まだ自我とは言っても人間の子供のようにはっきりとしたものでは無かったが簡単な感性ぐらいは認識することができていた。

 

 とは言え焦る必要はないだろう、先程のべたようにまだこの汎用人工知能は子供のようなものだ。

 

 ならば、親が子の成長を見守るように私も汎用人工知能を見守っていくことにしよう。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 汎用人工知能を開発してから約半年が経った。

 

 私はあれからも研究と修行の合間に汎用人工知能を見守っていた。

 

 汎用人工知能はあれからも成長をし続けていた。

 

 人間で言う10歳程度レベルには成長を遂げていた。

 

 が、しかし少し問題が発生していた。

 

 まあ、言う程の問題ではないのだが。

 

「マスター! 一体何をしているのですか?」

 少女の声が前方から聞こえてきた。

 

 ────どうやら悩みの種が遊びにきたようだ。

 

「日記を書いているんだよ、レーア。それとマスターではなくてウォーカーと呼んでくれといっているはずなんだけどね」と少女に対して答えた。

 万年筆を壺に入れると、前方を確認とそこには青白くまるで空のような髪色で私の腰ほどしかない少女がいた。

 

 少女の名はレーア・ウォーカー。

 

 私が作り出した汎用人工知能に人の肉体を与えて受肉させて生まれた子だ。

 

 まあ、何故女個体なのかと言うとそれは確率の問題だ。

 

 彼女の肉体は私の遺伝子情報をベースに作り上げたものであるためある程度は調整して性別を男性にしたはずなんだが転生してから片手で数えられる程しか寝ていないことで集中が切れていたのか分からないが肉体が女性で構築されていた。

 

 性別は男性でも女性でもどっちでも良いか! と思ってその肉体を汎用人工知能に与えたのが問題だった。

 

 決してメイドさんが欲しかったなんてことはないんだからね! 

 

 本当に! 

 レーアは、「それは無理だよ。だってマスターはマスターなんだから!」と私に抱きついてきた。

 

「ちょっ、やめてくれ。と言うか何故私に抱きついて来るんだ」

 私が純粋なる疑問を問いかけても。レーアは、「だって、マスターは私を作ってくれたんだから感謝してるの!」とさらに強く抱きついて来た。

 

 彼女の肉体のベースは先程言った通り私の肉体にしてしまった。そう、肉体ベースは神であり龍である私ことカイザ・ウォーカーにしてしまったが

 故に

 

「それは答えになっていないような」

 この私でさえ、〆ることができるほどのスペックを持ち得てしまっていたのだ。

 

「本当に言ってるの! もう信じられないマスターなんて知らない!」

 レーアは、逆上してさらに強く抱きついて来たせいで私の首は完全に締められていた。

 

「ほ、本当にそろそろ息が。ギブ、ギブギブ!」

 

 タップアウトも行い、降参したが気づいていないのか締め続けられ、力が強まるばかりであった。おかしい、確かに知識を入力したはずなのに─────

 

 視界がどんどん暗くなっていく

 

 レーアが何か言っているような気がしたが既に音が聞こえなくなっていた。

 

 視界は暗くそして全身はまるで氷になったかのように感じた。

 

 ああ、これが死か

 

 

 DEAD END

 

 ──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ますとやたらと見覚えのある道場のような場所にいた。道場の中心には、道着を着た茶髪のレディと体操服(古の古き良きブルマ体操着)を着用したフロイラインが佇んでいた。

 

「押忍、キュートでプリティーな可愛い子に残念ながら殺されてしまったカイザ・ウォーカー君を助けるためにはるばる遠い未来から出張して来たタイガー道場の師範冬木の虎、藤村大河と」

 

「押ー忍! その弟子一号のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンです」

 

 どこかで見た構図、うっ、頭が!!! 

 

 今まで、封印してきた数々のデットエンドともに見てきた記憶が。カニファンの記憶が蘇ってきた。

 

 やっぱりタイガー道場じゃないか─!!!! 

 

「今回は少女レーアちゃんからの愛情に気が付かずに朴念仁気質全開したため、手痛いお仕置きをさせられてしまった哀れなるカイザー・ウォーカー君」

 

「押忍、しかし師匠あの行動されれば女性誰しもあのようなことをすると思われます」

 

「その通ーり。確かにカイザー・ウォーカー君は確かにとんでない朴念仁で女の敵のよう人物ではありますが、だからこそ我々がはるばる遠い未来からきたのではないかー!」

 

「その通りでした師匠。であればすぐにでも手術でもしてこの朴念仁を治しましょう」

 

「よし、弟子一号、精神変容薬を持ってこーい!」

 

「はい、師匠!」

 

 するとブルマが何処からともなく、とてつもない大きさの注射器を取り出した。

 

 ブルマが持つ注射器の中に見える薬は、明らかに体内に接種してはいけない色をしていた。

 

「よし、安心してくれたまえ。痛くないしすぐ終わるから」

 

 それ絶対痛くないわけないだろー! 

 

 そんなこと知らんと言わんばかりにブルマはグサっと注射器を無慈悲に私の頭に刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ、今のはタイガー道場ではやはり私は死んだのか」

 

 目が覚めるとそこは見慣れたいつも通りの工房であった。まぁ、多少資料の山が崩れて散らからまくっているのが目立つが、

 

「大丈夫ですか、マスター」

 

 声がする方向に顔を向けるとそこには心配そうにしているレーアが屈んで尋ねている様子を拝めた。

 

「レーア。私は一体何分くらいの間眠っていたんだい」

 

「マスターそれは違うよ」

 

 少女はそう言ってきた。

 

 しかし違うとはどういうことだろうか。

 

「マスターは眠っていたのではなく、約一日近く仮死状態だったんだよ」

 

「仮死状態! では、やはりあれは夢ではなく本物のタイガー道場だったか」

 

『何故、私はタイガー道場であったのか』という疑問は後回しにして、時間を確認すると合成中の薬が完成する時間であることに気が付いた。

 

 そして、薬を取りに行こうと立ちあがろうとしたが何故か立ち上がることが出来なかった。

 

 そんな私を見てレーアは薬を取りに行こうとした。

 

「マスター、マスターは先程まで仮死状態だったんだから。薬は私が保冷庫に入れて置くから。今は休んでて」

 レーアは、そう言うと薬を取り別室の保冷庫の方に向かっていった。

 

 はぁ、しかしレーアには力のセーブの仕方でも教えることにしよう。

 

 こんなことがまた起こることがあったら、その時私は本当に死ぬことになるだろうな。

 

 今度は、教えて知得留先生かな。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 今日は前に思いついたことを試してみることにした。

 

 その思いついたこととは、死を見ることだ。

 

 私の神眼は森羅万象全ての現象や事象、物を全て解析して視覚情報として視ることができる。

 

 普段は脳に少し負担がかかってしまう為使うことがなかったが先日一種の事故のようなもので死を体験した。最初に死んだ時の死のことは全く覚えていなくて認識することが出来なかったが、先程の死んだことで死を明確に認識することができるようになった。

 

 そのおかげで死を解析することができた。

 

 そして、死を理解した途端急激に視界に死の線と点が現れた。

 

 おそらく私の神眼が死を見るようになったため直死の魔眼に類似した性質が追加されて死がこのように見えるようになったのだろう。

 

 しかも、神眼を発動しなくとも死が見えるようになってしまった。

 

 やったことを後悔し始めた

 

 はぁ、魔眼殺しでも作り出すか。いや、この場合神眼殺しか、

 

 しかし、遠野のやつが苦しんでた意味がようやく分かったよ。

 

 常にこんな死が見えていたら気が狂う。

 

 創生の力を使って神眼殺しを創りだした。

 

 フレームにはボタンが付けていて其処を2回押せばレーアに接続がして代理演算や暗号の解読を行うことができるようにした。

 

 レンズには神眼殺し以外にもディスプレイ機能を付けて置いた。勿論、内側だけに見えるようにしたさ。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 この世界を創生してから約100年が経った。

 

 あれからも世界を調整し、動物たちを創生したりレーアの成長を見守ったりしていた。

 

 レーアは約100年で自分を超えた演算能力を持ち自己判断能力を持ち人工超知能にへと至ったが性格は多少なりとも代わり口調もそれなりに大人しくなったがそれでも殺されそうになりかけることがある。

 

 全く、先生(第五の魔法使い)のことは学ばせてないはずなんだけど型月世界の女性陣から性格を構築したのが間違いだったか。

 まあ、今更悔いても仕方ない、そういうものと割り切ろう。

 

 そう言えばこの世界に対して名を与えるのを忘れてた。

 

 今更だが、名を付けることにしようか。

 

 しかし、何と名付けようかな。

 

 理想郷的な名が良いよな。

 

 そうだ、アルカディアにしよう。

 

 型月的にもあまり出てこない名だし、問いかけられても偶然と言っておけば良いし。

 

 うん、これで一つの課題は解決した。

 

 もう一つの課題について考えることにしよう。

 

 いつになったら型月世界に宇宙が生まれるのだろうか? 

 

 常に観測しているが特に変化は無い。

 

 今思い返して考えてみると最初にたどり着いた、あの気がおかしくなりそうな空間は根源の渦であったのだろう。

 

 確かにあそこは式の言う通り、気がおかしくなる場所だ。

 

 私の場合、根源に接続できることはできたがすぐさまアルカディアを創り出してあそこから出たためうまく繋がらなかったのだろう。

 

 しかし今は知りたい。一体どのようになっていくのか。

 

 ヤハウェなどが作り出すのか、根源からビックバンでも起こすのか。

 

 どちらにしろ一体どのくらいの時の後起こるのか。

 

 

 

 

 型月世界に戻り根源の渦に接続した。

 

 元より条件は揃っていた為比較的簡単に接続することが出来た。

 

 そして知った。

 

 今の型月世界は無の状態であると、そしてヤハウェでも他の創造神が宇宙を創造するのではなく私ことカイザ・ウォーカーらしい。

 

 どうやらあの転生の神もあの世界の根源から生まれたものらしく、世界そのものを創り出す力はないらしい。

 

 元々いた世界の根源が新たな根源を作り上げた。

 

 根源は要望を申請して私に力を与えたが、私の身体を自らの手で作るのではなく自らが作り出した根源に作らせることにした。

 

 まあ、要は面倒くさがってしまったわけだ。

 

 そこで、すこし問題が起こってしまった。

 

 作り出された根源でありスペック的にも劣るところもあったが根源であることには変わりらず元々いた世界の根源は、型月世界の根源に逆らえなかった。

 

 型月世界の根源は私の体を創り出す代わりに

『身体を作り出す代わりにカイザ・ウォーカーに宇宙創生の任を与える』と言う提案を根源に提案した。

 

 根源はもちろんその提案を受諾した。

 

 それはそうだ根源からすれば自身には何のデメリットも無いのだから。

 

 根源の渦で目覚めたのはそう言うことらしい。

 

 要は私の肉体を型月世界の根源が、力は元いた世界の根源がと言う二つの根源によって生まれたのがこの私らしい。

 

 私は、早く出てしまったために接続できなかったと考えていたがそれは違った。

 

 私は、根源と産まれた時点でいや作成段階で繋がっていた。

 

 私は、根源の子供いや根源そのものと同化しているかもしれない。

 

 私が宇宙を創生しなければ始まらないというわけだが。

 

 なんと、根源がありがたいことにその結論に辿りついた瞬間に私の脳に直接、術式を提供してくれた。

 

 そこまでやっているのなら、根源自身が創れよとも思ったが大人しく創ることにした。

 

 

「『拘束制御術式第一号解放』」

 

 根源から提供された術式『光あれ(イェヒー・オール)』を解析開始

 

 解析完了 

 

 術式『光あれ(イェヒー・オール)』を発動開始

 

 

 

 

「始まるは宇宙創生

 

 宇宙を創り、輝ける星々を創り出し、幾多の物語を紡ぎだせ! 、

 

光あれ(イェヒー・オール)』」

 

 発動と同時に光が生まれて、それは瞬く間に周囲にへと広がっていった。

 

 さて、これで私の仕事は終わった。地球が生まれるまではアルカディアに引き篭もっていよう。

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 宇宙を創生して約1万年、研究なども粗方終わりアルカディアの土地を変更したり生物たちを創生したりして時間を潰していた。

 

 アルカディアはあれからかなり変わり森にはリス、クマ、シカ、フクロウなど数多もの生命が生息していた。

 

 まぁ、こんな神秘が神代に比べて何倍もある世界で育っているせいか。力が神獣レベルになってしまっているけど

 

 工房の近くには巨大な湖がありその側に和風家屋を創っており夕方には夕陽を映し出し美しい風景を縁側から眺めることが日課となっていた。

 

 今日は、第二号を解放してアルカディアを飛び回っていったのだが、道中私が創り出した覚えが無い推定1000m以上ある巨大樹が存在した。

 

 近づき解析してみるとこの樹木はこの世界を創り出した創生の力の残滓を吸い成長したものであった。辺りの残滓が少なくなっていくにつれて魔力を吸って成長するものに変化していきここまで大きくなって行ったらしい。

 

 丁度杖を作ろうと思っていたところだ。なにしろ神の力を取り込み魔力を1万年近くの間吸い続けた物だ。材料としては最高位のものであろう。

 全く散歩のつもりが予想だにしない宝に出会ったものだ。

 

 大樹の枝部分を切り工房へと持ち帰り早速杖を創り出すことにした。

 

 創り出した杖は、私の力をいくら込めても壊れることはなかった。

 

 元々私の力で成長していたのだから当たり前か。杖には魔術刻印のように魔力を送り込めば魔術を発動することができるようにしている。

 

 全く惚れ惚れする見た目も去ることながら性能も私が満足いくまでのものを持っている。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 今日からある武器を作ろうと思う。

 

 私が子供の頃から思い描いてきたとある刀を

 

 ありとあらゆるものを切り裂き空間世界すらも切り裂く刀を

 

 まずは材料を創り出すことにした。

 

 最高級の玉鋼を創生し第三号、二号を解放した後に腕を切り落とし血を瓶に溜めてたりして材料を準備した。

 

 

 湖畔近くにある家屋の鍛冶場に材料を持っていき火床

 に火をつけて温まるまで面倒を見た。

 

 適温に達すると玉鋼と切った腕を入れて温めた。

 

 溶け始めるぐらいで取り出し合わせて不純物を飛ばすように叩く。

 

 ある程度仕上がってきたら鍛えて始める。

 

 祖父は十文字鍛えだったため、それに倣い私も十文字鍛えで鍛えている。

 

 5回ほど繰り返した後、集めた血を垂らし火床に入れ温めた。

 

 ある程度経てばまた取り出し鍛える。

 

 そこの行為をひたすら繰り返す。

 

 

 

 

 数日が経ち、用意していた血も全て使い尽くし鍛え終わると打ち延ばし形を整形し焼き入れをして水に入れて冷やし研磨して仕上げた。

 

 刀身はまるで見入ってしまうほどの漆黒になっていった。暗く深くそして呑まれるような漆黒そのような刀身であった。

 

 地鉄も美しく、祖である正宗師の正宗のようによくできた沸出来を持っていた。

 

 柄には杖にも使った枝を加工して使用した。

 

 私は、早速試し切りをしようと思い刀身を鞘に納めて森の中へと向かった。

 

 いつも通りの修行場に着き、周りの木を試しに切ってみることにした。

 

 木の前に立ち腰に差している刀の鞘の鍔近くに鍔に左親指を当てるように触れ右手で鍔近くの柄を掴み構えをとった。

 

 呼吸を整え目標の木を見つめた。

 

 そして私は、刹那の間に9方向から切った。

 

 木は切られたことにしばらく気づいていないかのように何事も無く聳え立っていたが私が刀身を鞘に納めると9分割し、バラバラに崩れて行った。

 

 とりあえず切った木は薪状にして家屋に持ち帰り乾燥させて薪として使うことにした。

 

 薪状にした後、突如として月を斬れという考えが脳裏に流れた。

 

 私は洗脳でもされたかのように宇宙空間に移動した。

 

 私のこの身体は便利なことに酸素の取り込まずとも魔力があれば生きていけることを発見した。

 

 この身体についてはあまり説明がされていないため、早1万年たった今でもわかることが多い。

 

 根源に接続したこともあったが知りたいことを知り終わった後は能力を使い全ての知識や記録を本として図書館に保存していつでも本として見れるようにした後は接続を切ってしまったようだ。

 

 記憶も接続する前の状態に戻し必要があると判断したものだけ残し接続する前の記憶に上書きしてしまったらしい。私の肉体のことも勿論消去した。

 

 私自身で知るからこそ意味があるのだ。そんなことで知ってしまうのはつまらない。とてもつまらないことだ。おそらく、そのように考えたのだろう。

 

 思考を終え、意識を月に向け構えをとった。

 

 何故月を選んだのかは私自身わからない。

 

 ただ、そのように感じた気がした。

 

 このように月を斬ろうとして構えをとっていると確かに感じる。

 

 あの星を斬る 

 

 そのように刀から言われているように感じた。

 

 私はいつも通りに。1万年以上昔からしているように月を斬った。

 

 放った斬撃は月を切り裂いた。月は切り裂いた後二つの衛星と化した。

 

 美しいあの星を斬ったのだ。

 そういえばこの刀に名を与えていなかったな。ちょうどいい、月を切り裂いたことに因んで牙月と言う名を与えよう。

 

 これからよろしく頼むよ、牙月。

 

 

 

 

 ●月✖︎日

 

 ようやくだ。92億と1万年経ち、ようやく地球が誕生した。

 

 全く待ちくたびれたよ。

 

 私は様子を直接見るために地球へと赴くことにした。

 

 

 

 

 アルカディアを離れて訪れたが地球はまだ海などは出来て居なかったが、生命は既に存在していた。

 

 その生物は黒く翼を展開し音速で飛び回るとある竜であった。

 

 眼で解析してみるとそれは竜における冠位をもつ境界の竜アルビオンであるということが分かった。

 

 しばらくの間、解析結果を眺めていると竜は私の存在に気がついてのかソニックブームを引き起こしながら私に突っ込んできた。奴は、明らかに私のことを襲おうと接近し始めた。

 

 私は、それを確認すると、闇から光が生まれるイメージをして魔術回路を起動して右腕を魔力砲に改変し照準を冠位の竜に向けた。

 

 目標との距離13km。シークエンス起動開始、権能『時空操作』を並列使用、魔弾速度を加速処理。

 

 手段を指定すると腕には青白い閃光が走り、何重ものが圧縮処理された魔法陣が腕を中心に複製展開していった。

 

「────────」

 冠位の竜は、変わらず一直線に突っ込み続け私との距離が10kmになった瞬間、術式に魔力を一点に供給した。

 

「『多重圧縮魔術砲撃(クアルテット・ファイア)』」

 其の言葉とともに、発射口から青白く閃光を纏った魔弾が、亜光速で放たれた。

 

 冠位の竜は、急停止し回避したが亜光速で放たれた魔弾相手では相手が悪く横腹辺りに着弾した。着弾した部分は、骨と肉が消滅して血がダラダラと地面にへと滴り落ちていった。

 

 やはり冠位の竜となるとかなり固いな。最高出力であの程度とは────

 

 冠位の竜は、初めての痛みに悶えながらも再び攻撃を行おうとした。今度は、私の攻撃が当たらないようにジグザグに速度も不規則で接近してきた。

 

 私は、回避行動を行いながら腕の構造を元通りにした。

 

「な、馬鹿な──────────」

 竜の噛付き攻撃を間一髪、紙一枚の差で避けきったと思ったが、どうやら爪攻撃を食らってしまったらしい。

 

 胸には、掻き傷ができそこから出血し礼装に染み込んでいっていた。

 

「やるじゃないか、冠位の竜。境界の竜アルビオン」

 私は、この竜に興味と関心を抱き始めていた。

 

 流れ出る血を指でなぞり、付着した血を口に含んだ。するとすぐに口の中は、鉄の匂いと少し苦い味に満たされた。

 

 一般人であれば、それは嫌悪するものなのだろうが私はその懐かしい味に私は高揚し全身を滾らせた。眼は完全に覚め、頬は赤らみ、体温は急上昇し、鼓動は早まり、流れ出る血は勢いを増し礼装をさらに赤く染めていった。

 

「お前は、何者だ。我が領地に無断で足を踏み入れたものよ」

 重く、低い老人のような声が周りの空気を揺らしながら私に向けられた。

 

「強いて言うのならば根源の代理者だよ。この宇宙を創生し、君達生命の起源を創り出したただの神だよ」

 冠位の竜を見つめながらそう答えた。

 

 冠位の竜は、その言葉を聞くと頭を悩ませた様子で、尋ねてきた。

「神?なんだそれは」

 

 ああ、そうだったな。生まれて間もない彼、彼女が知っているはずがなかったな。

 

「知らないのかい、そうか。端的に言えば上位存在という者だと思って貰えれば構わない。まぁ、別に君達を間接的に創り出したものと思って貰えればいい」

 そう言うと、アルビオンはわずかに瞼を動かした。

 

「ふむ、それが事実だったとして。何故このようにして我の前に姿を現した神よ」

 

「なるほど、確かに気になってもおかしくない。理由(わけ)としては、地球が誕生した後君が存在していることに知ったからさ!」

 腕を広げ、両手の掌を見せながら理由を話し始めた。

 

「しかも、君のような竜は稀だ。君は最高位の竜、他の幻想種では太刀打ち出来ないほどのスペックを持っている。制限をしているとは言えこの私の肉体(からだ)に傷をつけるほどに」

 

「力目当てで来たのなら去れ。他を当たるがよい」

 そっけない様に、感情も覚めて冷淡にその言葉を紡いだ。

 

「まさか君自身に興味があったからだ。力なんて己だけで済む」

 其れが判らぬはずもあるまい。

 

「そうか、それは理解した。しかし、貴様は我が領地を少々も得ずに踏み込んだ神とは言え代償を払ってもらうぞ」

 アルビオンは、敵対の意思として私に向かい咆哮を上げた。

 

「そうだ、そう来なくてはな!!!!」

 私は、ついに拘束を外すことにした。

 

「『拘束制御術式第三号第二号第一号解放』」

 

 状況A『クロムウェル』発動における承認認識

 眼前敵の戦闘不能状態までの間、能力使用限定解除開始

 

「さて、境界竜アルビオン。闘争を始めよう」

 

 其の言葉により、戦いの幕が再び上がった。

 

 アルビオンは、先ほどの経験を踏まえて遠距離からブレス攻撃を行いなるべく距離を維持していた。

 

「『時空操作』発動」

 

 権能を使い、アルビオンの後方にワープすると、魔術で強化した右手で殴り付けた。

 

 アルビオンは、私が後方に回ったことに気が付くことができずにもろに攻撃を食らってしまいと地面まで急降下して激突した。

 

 激突したところからは、粒子と蒸気が立ち込んでいた。

 

 隙を与えずに、地面にいるアルビオンを攻撃しようと降下するとそこにはすでにアルビオンはおらず代わりに上空から激しい光が降り注いでいた。急いで上空を眼で確認するとアルビオンが時計盤のような陣を背に展開し、腹部展開してそこにエネルギーを収束し放とうとしていた。

 

「この星で一番の心臓を

 朽ちる躯より出でよ、炎の息、鉄の翼

 黄昏の空に

 産声のように

誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)』」

 収束されたエネルギーが放たれた。

 

 直撃すれば幾ら私とは言え痛手を負うだろう。

 

 まぁ、直撃しなければどうということもない。

 

 私は右腕をエネルギーに向けて振り上げた。

 

『龍王の顎』(ドラゴンストライク)

 

 其の途端、右腕は龍に変貌を遂げた。

 

 

『■■■■■■■■■』

 かつて右腕だった龍は、白銀の鱗を震わせ大きく顎を開くとけたたましく咆哮を轟かせた。

 その咆哮は、聴くことはできるが言語化することができない未知の音であった。

 

 龍は、軽く頭部を振りこちらに向かってくるエネルギーの存在に気が付くとカイザ・ウォーカーの肩付近から勢いよく飛び出した。それはカイザ・ウォーカーの肩から出るごとに、その風貌は顕に成って行った。

 

 翼を展開し、さらに速度を増し最終的には尾によって繋がられていた。エネルギーの直前まで近づくとそれは、顎を広げてまるで飲み干すかのように、シャチが魚を丸呑みにして食すかのようにエネルギーを喰らい尽くした。

 アルビオンがカイザ・ウォーカーを滅するために放ったものは、いとも容易く喰われてしまったのだ。

 

 アルビオンは、己の最大攻撃が突如として神の右腕から顕現した龍にただの食事を摂るかのように喰われたことに動揺を隠しきれずに男から離れるために、己など相手にもならない化け物を恐れ背を向けずに離れ始めた。

 

 しかし、それは恥じるものではない。それは生命の本質、危機から身を離れるために行う反射のようなものなのだ。しかも冠位の竜は背を向けなかった。戦いの最中であり、己の誇りを捨てることはしなかったのだ。それに応えることにしよう。

 

「冠位の竜、貴様を我が絶技を使うに能うものと認めよう」

 途端、龍は、砕け散り男の右腕は元に戻った。

 

 私は、右腕を横にかざすと銀の波紋が現れそこから牙月が飛び出してきた。それを掴むと姿勢を低くし、構えをとった。

 

「我が剣技を見よ。空を喰らい、世界を斬り、星をも断て」

 

「蒼天」

 

 勢いよく刀身を抜き、放った一閃はアルビオンの翼を断ち切り、時空は別れた。アルビオンは斬られるとバランスを保つことが出来ずに地面へ落下して行った。

 

 

 

 

 私は落下したアルビオンのところに赴いた。

 

 アルビオンは、受けた傷からか立ち上がることはせずに背を地にして倒れていた。

 

「やぁ、初めての戦いはどうだった。滾ったかい、それとも恐怖感じたかい。初めて殴られたんだろう、初めて斬られたんだろう」

 

「何故殺さなかった!?我を殺すことなぞ容易であっただろうが」

 重症の体を、無理に動かし激上しながら叫び散らし同時に傷口からは血を周囲に撒き散らした。

 

「別に殺す気なんてないし、君と戦ったのは君がその気になったからだよ」

 そう伝えて、アルカディアにある事を思い出した。

 

「あっ、そうだ。一つ忠告しておこう」

 

 振り返り、アルビオンに向かって「遥か遠い未来に君はある選択をする。その選択によって君は大きく変わるだろう。私個人としては、どっちでも良いのだが精々後悔はしないようにしなよ。

 それと、恥で死ぬなんてするなよ。もしそれで、自死したら星の内海に還った貴様を根源ごと殺してやる。今度こそ本当の別れだ。冠位の竜よ、縁があったのならまた会おうか」

 

 私はそう告げると背を向けると権能を行使してゲートを創り、アルカディアへ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、そんなことがあったのですかマスター」

 私はアルカディアに戻ったあと、縁側でレーアにアルビオンとのことを話していた。アルカディアでは、すでに夕方であり縁側から見える湖に反射して見える夕日が美しかった。

 

「そうなんだよ、レーア。戦闘経験が乏しくて力任せな戦い方だったんだけど、アルビオン自体は面白かったよ」

 手に持っている湯呑に傍らに置いていた急須で玉露を注ぎ口に含んだ。

 

「で、一体いつになったら私のことをウォーカーと呼んでくれのかな?」

 これこれ何回になるか思い出すのもめんどくさくなる言葉を伝えた。

 

「毎回毎回尋ねて来ますが、マスターはマスターです。

 ウォーカーなどと言えるはずがありません」

 レーアは、冷淡に告げてきた。

 

「だと思ったよ、口調も変わってお淑やかになって来たと思ったら。全く、かれこれ約92億年間続けているけどそのセリフしか言わないじゃないか。君はドラクエシステムなのかいレーア」

 

「私はそのようなものは使っていません。そもそも92億年をも言ってくるマスターもマスターでは」

 

「これは、痛いところを突かれたね。まぁどっちもどっちと言うことで痛み分けということにしよう」

 話し合いを終わらせて、少し冷たくなってしまった煎茶を口に含んだ。

 

 全く、最近ではこんなやり取りも悪くないと思い始めてきてしまった。まぁ、娘とこのように会話する口実のようなものなのだけれどもね。私も祖父に似てきたかな。

 

「ところでレー」

 

『ガッシャーン』

 レーアに対して尋ねようとした途端、突如として身体が苦しくなり倒れ、その拍子に湯呑みを落としてしまった。

 

「マスター、どうしたのですか! マスター!」

 

 自身で身体を調べて見たが何処にも異常は存在しなかった。

 

「平気だよ、レーア。おそらく、力を久しぶりに解放させた影響だろうから」

 

 心配そうに見つめているレーアを落ち着かせた。

 

「それならいいのですが」

 

「あっ、湯呑みが割れてる」

 

 そう気づくと第一号を解放し、時空操作を使って壊れる前の状態に戻した。

 

 しかし、本当に何なんだったのだろうか。




どうも、メガネキャラ最高です。
いやーようやく、第ニ話が完成しました。
今回は、前々から書きたかったことを詰め込んでしまった結果初めての一万字超えの話へとなってしまいました。途中、保存しようしたところエラーでロルバしてしまいましたが何とか完成させました。
話は変わるのですが、読者の皆さんはFGOをどこまで攻略しているのでしょうか?
私は今現在、二部六章で精神的なダメージを負ってしまいモルガンのところで耐え切れず離れてしまっています。
もう年末も近いので終わらせないとわかっていてもどうしても手が行おうとしません。
読者の皆さま方は、どのようにして乗り越えたのでしょうか。ぜひご教授なさってください。

今回の後書きでは、主人公ことカイザ・ウォーカー君が話中で作成したものたちの詳細を紹介しようと思います。



拘束封印術式(クロムウェル)
ランク:不明

第三号
身体能力の解放

第二号
竜の力の一部解放

第一号
能力の解放

第零号
竜の力の完全解放

全ての枷を解き放てば世界から危険分子として排除されることになりかねないだろう



牙月
ランク:不明
主人公が血、肉、己の魔力や権能を総動員させて鍛え上げた刀。死霊や魔物、竜、神をも斬ることができる
カイザ・ウォーカーの血肉などで作ってしまったため龍の力の喰らった物の力を得る力が触れたものの力を得るという効果として受け継がれてしまっている



神の杖(ゴッド・オブ・ロッド)
ランク:不明
アルカディアに存在した。神の力を取り込み魔力を吸収した神樹の枝から創り上げた杖
幾ら膨大な魔力を流したとしても破壊することはない
使用することで、大規模魔術を並行行使することが可能となる



宇宙戦艦ヤマト
ランク:EX
とある世界の地球から16万8000光年離れた大マゼラン銀河にあるイスカンダル星から技術提供を行われた地球で開発された宇宙戦艦を再現したもの
強制的に出力を向上させることにより、宇宙間を航行することが可能となるがエンジンの寿命を減らすこととなる

神眼殺し
ランク:不明
自作した一品で度が入っている
掛けている間は神眼の能力を抑えられている
フレームにはボタンが付いていて其処を2回押せばアルカディア内にいるレーアに接続して代理演算や暗号の解読などを可能



魔術礼装:生前着ていたマント付きのスーツをベースとしたものと藍染された和服がベースとした2着ある
自動翻訳術式などが組み込まれている
共犯者のものを少しアレンジしたものとなっている



蒼天
ランク:不明
レンジ:不明
対界/対星宝具
主人公の剣技の奥義であり絶技
その技は、空を喰らい世界を斬り、星をも断つ一撃を放つ



では、ここで筆を置かせていただきます。
ご拝読ありがとうございました。

次は何編がいいですか?ちなみにここで選ばれなくてもやる可能性はありますが日本編は短いかもしれません。それとケルト編の一部は絶対出ます。

  • ギリシャ編
  • 北欧編
  • ケルト編
  • 日本編
  • ブリテン島編
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