ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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ホグワーツ特急

キングズクロス駅へ向かう。

そう、今日はホグワーツ入学の日なのだ。

9番線に行くと、私と同じように大量の荷物を載せたカートを押す魔法使いが沢山いる。私も柱に突っ込んで、3/4番線へ入ると、もっと大勢の魔法使いがいる。その中には私の知り合いも多くいる。眺めていると、

 

「よお、アリス!!」と、そっくりな赤毛の2人が連れ立って歩いてきた。

 

「久しぶりねフレッド。」

 

「俺達の見分けがつくなんて、流石、アリスお嬢様は違うな!」

 

そうかな?普通に分かると思うんだけど…フレッドとジョージの2人とは以前魔法薬の材料を買いに行った時に会ったことがあるのだ。

 

「今年は俺達のロニー坊やが入るからよろしくな!」

 

ジョージが言うと、フレッドが相槌を打つ。

 

「そうそう!アリスはグリフィンドールに決まってるしな!」

 

そうかなぁ?自分でどの寮か考えたことないし…

 

「じゃ、またホグワーツで会おうな!」

 

手を振りながら走り去っていく2人に手を振り返す。さて、私も空いているコンパートメントを探さないと。

 

 

 

コンパートメントを見つけ、本を読んでいると、扉がガラッと開く。黒髪の男の子と赤毛の男の子が不安そうに私を見る。

 

「あの、ここいい?」

 

「ええ、どうぞ。」

 

向かいの席を指すと、「あ、ありがとう…。もうここ以外埋まってて…」とホッとしたように席に着く。

黒髪の方―ハリーが私を見てハッとする。私に気づいたみたいだ。

 

「貴方…フレッドとジョージの弟?」

 

赤毛だし、何となく2人に似ている。

 

「え、僕?うんそうだけど。僕、ロン。ロン・ウィーズリー。」

 

ロンが自己紹介したのでハリーもロンに自己紹介する。

 

「あ、僕はハリー。ハリー・ポッター。」

 

名前を聞くと、ロンは驚いたように目を見開く。まあ当然だ。魔法界で知らない人はいないような人だから。

 

「ハリー・ポッター!?君、ハリー・ポッターなのかい!?」

 

「うん、そうだけど…」

 

ハリーはまだ自分が有名人であるということに慣れていないみたいだ。興奮しているロンは置いといて私からも声をかける。

 

「久しぶりねハリー。」

 

「えっと…前にダイアゴン横丁で会ったよね?アリス。」

 

ハリーには名乗ったがロンとは初対面なので私も名乗る。

 

「ええ。私、アリス・スカーレット。よろしくねロン。ハリーも、改めてよろしくね。」

 

「うん改めてよろしくねアリス。」

 

ハリーも笑顔で返してくれる。と、ハリーをまじまじと見ていたロンの顔が私に向く。

 

「スカーレット!?スカーレットってあのスカーレットかい?」

 

「ええ。多分想像してるスカーレットで合ってるわ。」

 

スカーレットは他に聞いたことがないからね。分家は沢山いるけれどどこもイギリスにはいない。よく分かっていないハリーにロンが説明します。

 

「スカーレット家は魔法界でも有名な名家なんだよ。特に魔法薬の権威で、数々の魔法薬を作り出したんだ。」

 

早口でまくし立てる。ロンは魔法界に詳しいのかな?

 

「分かりやすく言うと、新薬を沢山生み出したってこと。」

 

「なるほど。そんな凄かったんだ…」

 

ハリーは説明を聞いて驚いたみたいだ。

 

「君も凄いさ!ハリーもアリスも魔法界で知らない人は居ないよ。」

 

感心していたハリーにロンが言う。ハリーは誰でも知っているだろうけど、私を知らない人はいると思うけどなぁ…

 

「それに、ハリーはあの傷跡があるんだろう?」

 

あの傷跡とは例のあの人によって付けられた傷だろう。

 

「うん」

 

頷きながらハリーが前髪を上げると、稲妻形の傷跡がはっきりと見える。

 

「うわぁ!」と近距離で見つめるロン。

 

「でも、僕はその時のこと覚えていなくて…」

 

ハリーは何処か申し訳なさそうだ。

 

「そっかそうだよね」

 

ロンも申し訳なくなったみたいだ。場の空気を和ませるためか、

「ところでさ、フレッドとジョージを知っているの?」と私に話しかける。

 

「ええ、以前会ったことがあってね。」と答える。

 

「あの2人と?」意外そうに言う。

 

「ダイアゴン横丁で会ったのよ。それで、2人が材料を揃えていたから何を作るのかって話になって。そこから改良案を話したりしているの。」

 

ダイアゴン横丁で会った時だけしか話せなかったけれど、今年からはフクロウ便を沢山出せるから更に改良ができそうで楽しみだな〜!

 

「楽しそうだね。」

 

ハリーに言われる。顔に出ていたみたいだ。

 

「ええ、2人の発想はいつも私の予想を超えてくるから。」

 

話していると、車内販売が来る。ロンと私は何も買わなかったけれど、魔法界のお菓子が気になった様子のハリーは大量に買った。

車内販売が去っていくと、「あのさ、これよかったら一緒に食べない?」とハリーが提案し、ロンは嬉しそうに頷いた。

 

 

まずは蛙チョコを食べる。私のカードはディペットだった。アーマンド・ディペットは元ホグワーツ校長だ。

 

「うわぁ、ディペットだ!僕、見たの人生で2回目だよ。」

 

ロンはカードを集めているようで、アグリッパとプトレマイオスが出たらちょうだい、と私達に言った。私もその2人は見たことがないかもしれない。そこまでコレクターでは無いけれど、カードは家に沢山ある。

 

ハリーのカードはダンブルドア校長先生だった。

 

『アルバス・ダンブルドア。現在ホグワーツ校長。近代の魔法使いの中で最も偉大な魔法使いと言われている。特に、一九四五年、闇の魔法使い、グリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の十二種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名。趣味は、室内楽とボウリング。』

と書かれている。

 

「この人がダンブルドアなんだ!」

 

とハリーが声を上げた。ホグワーツからの封筒に書かれていたから、名前は知っていたのだろう。続いて百味ビーンズを食べ、ロンが芽キャベツ味に顔をしかめたりしていると、

 

「ねえ貴方達、ネビルのカエルを見なかった?」

 

栗色の髪の女の子がドアを開きながら聞いてくる。

 

「カエル?いえ、見ていないけど。」

 

「そう。」

 

「ところで、ネビルってロングボトム?」

 

ネビル…というかロングボトム家とは知り合いだから聞いてみる。

 

「ええ、そうだけど。同じコンパートメントだから、探すのを手伝ってるのよ。」

 

「優しいわね。」

 

などと私たちが話している一方で、

ロンが

 

「お陽さま雛菊とろけたバター……」

 

などと言いながら蛙チョコのカードに杖を向け、ハリーに魔法を見せようとしている。が、勿論何も起こらない。

 

「それ、ほんとに正しいの?」

 

「どうせフレッドかジョージに吹き込まれたんじゃないの?」

 

やれやれ、と首を振る。

 

「私が試してみた簡単な呪文はみんなうまくいったわ。例えばこれ。『オキュラス・レパロ(眼鏡よ治れ)』」

 

女の子が自信満々に杖を振ると、ハリーの眼鏡のひび割れや歪みが治っていく。

 

「私も多少はできるわ。『エイビス(鳥よ)』」

 

と私が唱えると、杖先から3羽の鳥が飛び出し、窓から飛び立っていく。

 

それを見て、女の子とロンが驚いた顔で私と鳥たちを見る。ハリーも驚いていたが、2人はこの呪文を私が使えるということにも驚いていた。まあ、普通は3年生ぐらいでできる呪文だしね。それに、あんまり実用性ないし。こういう時に驚かせようと思って覚えてきたから役立って良かった。

 

「その呪文は1年生で習う範囲ではないわ!!」

 

驚いたように叫ばれる。

 

「1年生は1年生で習う範囲しか覚えちゃだめなんてことはないでしょう?」

 

「まあ、確かにそうだけど…」

 

「で、カエル探しはいいの?」と本題に戻す。

 

「あ、そうだったわ!!」と女の子が言う。

 

「おいおい、忘れるなよ…」とロンが呆れる。

 

「私も探すの手伝うわよ。」と立ち上がる。

 

「あら本当?助かるわ!」

 

「じゃあちょっと行ってくるわね。」

 

2人に手を降りながらコンパートメントを出る。

 

 

コンパ―メントを出てから女の子に自己紹介をする。

 

「そういえば名乗ってなかったわね。私、アリス・スカーレット。よろしくね。」

 

「スカーレット?!私が読んだほとんどの本に出てきたわ!ブラック家に並ぶ名家だって!!」

 

女の子が興奮して早口になる。ロンもだけど魔法界に詳しいなぁ。

 

彼女を抑えながら、「それで、貴女は?」と聞くと

 

「私はハーマイオニー・グレンジャー。」と返ってくる。

 

「ヘクター・グレンジャーの?」

 

ヘクター・グレンジャーは魔法薬学界の有名人だ。

 

「いえ、たぶん違うわ。私、マグル生まれだから。だから、授業についていけるか心配で…」

 

顔を曇らせる。

 

「ホグワーツにはマグル生まれも多くいるから大丈夫よ。」

 

「あと組み分けも何か試験をやるんじゃないかって…」

 

「組み分けは私も知らないわ。」

 

知ってる人が誰も新入生に教えないから。当日までのお楽しみということだろうけど。

 

「そう、何が出題されるのかしら。」

 

「まあ、実技ではないと思うけどね。」

 

マグル生まれの子に急に魔法を使わせるのは、流石に考えられない。

 

 

ホグワーツや魔法界について話しながらコンパ―メントや通路を探すもヒキガエルは見つからなかった。

 

「結局見つからなかったわね。取り敢えず、戻りましょうか。」

 

「ええそうね。」

 

ハーマイオニーが頷く。

 

戻ると、扉の前に誰かがいるのが見えた。

近づくと、

 

「家柄のいい魔法族とつきあった方が良い。こんな血を裏切るものとつるんでるとろくなことにならないぞ。」

 

とコンパートメントの中、というかハリーに向かって言っているのが見えた。ロンは今にも襲い掛かりそうだ。

 

呆れて、「ドラコ。」と意気揚々と話している彼に声をかける。

誰だ、と言うようにこちらを振り向いた彼の顔が見る見るうちに引きつっていく。

 

「ス、スカーレット...」

 

そんなに怯えなくてもいいのに。私、何かしたっけ?

 

「ねえ、何の話をしていたのか私にも教えてくれないかしら。」

 

「いや別になんでもないさ」

 

目をそらしながら気まずそうに答える。

 

「そう、それならよかったわ。」

 

「それに僕は友達ぐらい自分で選べるよ。」

 

ハリーからも言われ、ドラコは顔を赤くしながら走り去った。

 

「私も戻るわね。」と気まずそうだったハーマイオニーが言う。

 

「じゃあねハーマイオニー。」

 

「あと、そろそろ着くから着替えておいた方がいいわよ。」

 

と言ってハーマイオニーは戻っていく。私も中に入って席に座る。

と、「ありがとうアリス。僕、どうしたらいいのかわからなくて」とハリーから言われる。

 

「ハリーだって言い返したじゃない」

 

「うん。だって友達って自分で決めるものだからね。」

 

「あんな奴となんか関わらないほうがいいよ。」

 

ロンが顔をゆがめて言う。

 

「そうね。ドラコの言うことは鵜呑みしない方が良いわ。」

 

「そうなの?」

 

「うん。マルフォイは闇の陣営に協力していたんだよ。だから気を付けた方が良い。」

 

血を裏切るもののウィーズリー家とは特に仲が悪いものね。

 

「とりあえず着替えましょう?そろそろ着くみたいだし。」

 

「うんそうだね。じゃあ僕たちは外に出るよ。」

 

腰を浮かしかけたハリーとロンに、

「ローブを上から着るだけだから私が外にでるわ。」と声を掛け、外にでて、ローブを羽織る。

段々と列車の速度が遅くなっていくのが分かる。とうとうホグワーツに到着だ。




読んでいただきありがとうございました!!
以下軽く補足です。


ドラコ・マルフォイ
マルフォイ家のお坊ちゃま。

『血を裏切るもの』
ウィーズリー家が純血家系でありながらマグルとも仲良くしていることから純血の魔法使い達が呼んでいる。

アグリッパとプトレマイオス
蛙チョコの特典であるカードとなっている、魔法使い。

『お日様雛菊とろけたバター』
原作ではネズミを黄色くしようとしていたが、蛙チョコを黄色くしようとしている。

ヘクター・グレンジャー
様々な魔法薬をつくった。超一流魔法薬師協会の設立者。

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