ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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※今回もロックハートアンチ描写が含まれます。

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闇の魔術に対する防衛術

「おや!また会いましたねハリー!!」

 

魔法薬学の教室の前でロックハートがやってくる。

うるさいくらいの笑顔でハリーに声をかける。

 

「こんにちは。」と私が言うと、

 

「ミス・スカーレットも一緒でしたか。授業に遅れないようにするんですよ!」と言い残して去っていった。

 

前に遠縁を出したことで私を避けているようだ。

 

「アリス、貴方の遠縁っていったい何者なの?」

 

「ね。思ったよりやばい人たちなのかもね。」

 

私もあまり詳しくは知らないからなあ。

考えながら魔法薬学の教室へ入る。今日はマンドラゴラの世話をするみたいだ。

1人1つ耳当てを受け取り、着ける。

マンドラゴラの叫び声を聞くと死んでしまうから。まあ、今回つかうマンドラゴラは子供だから気絶するぐらいだろう。

ハーマイオニーと息を合わせて別の鉢植えへ植え替える。

 

 

次は変身術。

が、そこでロンの杖が折れていたことが発覚した。車で暴れ柳に突っ込んだ時に折れてしまったらしい。

 

「買い換えてもらうようお願いすればいいじゃない。」とハーマイオニーが言ったが、

 

「杖が折れたのはあなたのせいですよ!って買ってもらえないさ。」とロンが言った。

 

まあそれはそう。杖はかなり高価なので流石に親に買ってもらわないといけない。

 

「ロンの杖っておさがり?」

 

「うん。チャーリーのだよ。」

 

おさがりでこれまであんなに使えていたのはすごい。

普通杖は1人1本で、他の人ではうまく使えないものなのに。兄弟だからだろうか。

 

「ちなみにジニーはおさがりじゃない。」とロンが付け加えた。

 

「まあ早めに買い替えるのをおすすめするわ。」

 

 

 

次はロックハートの授業だ。

 

「ねえアリス。なんでそんなに不機嫌なの?」とハーマイオニーが聞いてくる。

 

「あいつの授業だからよ!!なんであいつを教師にしたの?」

 

ダンブルドアは何を考えているのだろう。リーマスに任せればよかったのに。

 

「まあまあ。」とハリーに窘められる。

 

「2人だって嫌でしょう?!」と私が言うと、

 

「まあ、代わりにリーマスが来るなら大歓迎だな。」とロンが言う。

 

「僕も。」とハリーも頷いた。

 

「そのリーマスって?」

 

「私の育ての親でとっても強いのよ。」

 

「へえ...。」

 

と話しているとロックハートがやってくる。

 

「やあやあ皆さん!!私の事がお分かりですか?そう!!ギルデロイ・ロックハート。勲3等マーリン勲章、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、そして『週刊魔女』5回連続チャーミング・スマイル賞受賞……もっとも、私はそんな話をするつもりではありませんよ。バンドンの泣き妖怪バンシーをスマイルで追い払った訳じゃありませんしね!」

 

はあ。こんな授業受ける価値あるのかしら。こんなので闇の魔術に対する防衛術が身に着くとは到底思えないけれど。

 

「今日は最初にミニテストをやろうと思います。心配ご無用、君達がどのぐらい私の本を読んでいるか、覚えているかをチェックするだけですからね」と紙を回していく。

 

…私本を読んですらいないけど。

 

 

「30分です。よーい、始め!」

 

紙をめくると… 

 

 第1問 ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何?

 

 第2問 ギルデロイ・ロックハートのひそかな大望は何?

 

 第3問 現時点までのギルデロイ・ロックハートの業績の中で、あなたは何が一番偉大だと思うか?

 ・

 ・

 第54問 ギルデロイ・ロックハートの誕生日はいつで、理想的な贈り物は何?

 

と質問が続いていた。

 

これが分かったからって闇の魔術に対する防衛術と何の関係があるっていうのよ!!!

いますぐ紙を引き裂いてやろうかと思ったけれど曲がりなりにも教師なので罰則を与えられてしまう。

もっと悲しいことは、ハーマイオニーが私に手紙を送ってきていたから大体答えが分かってしまうことだ。

はあ...。なんか私、この授業が始まってからため息ばっかりついている気がする。

 

 

制限時間になり、用紙が回収される。

 

「私の好きな色はライラック色ということをほとんど答えられていませんね。『雪男とゆっくり一年』の中で行っていますから答えられなかった方は読み直しておくように!」

と言いながら解答用紙の束をめくっていく。

 

「おお!満点はミス・グレンジャーのみですね!素晴らしい!!グリフィンドールに10点!」

 

まあ、でしょうね。ハーマイオニーは暇さえあれば読んでいたから。

 

「うーん。ミス・スカーレットも惜しかったですね!」

 

「アリス!?あいつの本、持ってないんじゃなかったか?」と驚いたようにロンが言ってくる。

 

「持ってないわよ。ハーマイオニーが話しているのを聞いていたら覚えちゃったのよ。」

 

本当は覚えたくないのに何度も言われるものだから覚えてしまった。

 

「ミス・スカーレットは『一番偉大だと思う功績』に『吸血鬼を倒したこと』と書いていますがなぜ?」

 

この質問を待っていた。ほとんどの生徒はここをマーリン勲章の話にするだろうから。

私が違う答えなら、気になって理由を私に聞いてくるだろうと踏んで、他の問題をちゃんと解いたのだ。

 

「吸血鬼はニンニクだけじゃ倒せません。近づかないようになるくらいです。なのにニンニクだけで倒してしまった先生は本当にすごいな、と。」

 

ロックハートに笑いかける。笑顔の私とは対照的にロックハートの笑顔は引きつっていく。

 

「よ、よく知っていましたね!グリフィンドールに5点差し上げましょう!!」

 

「さて、授業はこれからですよ皆さん。」

 

でしょうね。だって何もやってないもの。

 

「これは魔法界で最も危険な生き物ですよ!!」と言いながら持ってきたのは鳥かごに詰められたピクシー妖精だった。

 

これが?

 

「さあ、皆さんのお手並みを拝見といきましょう!!」と籠を開く。

 

「『フリペンド!』ねえ、ピクシー妖精って何年生の範囲か知ってる?ハーマイオニー。」

 

ピクシー妖精に呪文を当てながらハーマイオニーに聞く。

 

「さあ。教科書に載ってないくらいだからとっても強いとか?」

 

「正解はその逆。5歳児でも倒せるわ。」

 

 

と、「全く、仕方の無い子達ですね!ではお見せしましょう!!」とロックハートが

 

「ペスキピクシ・ペステルノミ!」と大声で杖をピクシー妖精に向けながら言った。

 

何その呪文。聞いたことがない。

 

「あの呪文はどういう意味なのかしら。」

 

「さあね。」とハリーが言った。

 

勿論何も起こらない。むしろ突き出した杖を颯爽と奪われ、窓の外へ放り投げられている。

これは流石にマズイと分かったのか、ひぇっ、と情けない声を上げ慌てて机の下へ隠れた。

 

はあ…。

 

「『イモビラス(動くな)』!!」

 

ピクシー妖精たちの動きが止まる。

 

「貴方たち、思う存分やってしまいなさい。『オパグノ』!!」

 

ピクシー妖精たちが一斉にロックハートが隠れている机へ向かっていく。

 

 

授業終了の鐘が鳴る。

 

「よし!次の授業に向かいましょう!!」と私が言うと、

 

「僕、アリスを怒らせたらやばいってよーくわかったよ...。」とハリーが言った。

それにロンも大きく頷いた。

 




暴れ柳で折れてしまったロンの杖。どういうぶつかり方をしたんでしょうね。

ロンとリーマス(ルーピン)は入学より前から知り合い。

勲3等マーリン勲章
マーリン勲章は「勲〇章」でジャンルが異なる。
勲1等は魔法界における“傑出した勇気や優れた功績”に贈られる。
勲2等は“並外れた業績や努力”に贈られ、
勲3等は“魔法界の知識や娯楽に貢献”した人物に贈られる。
ダンブルドアは勲1等。

バンドン
インドネシアの都市。

吸血鬼はニンニクだけじゃ倒せません
倒せません。気絶するくらいです。
ロックハートの本の内容については捏造です。
今作においてはロックハートは本で吸血鬼をニンニクで倒したと書いていたとさせていただきます。

フリペンド(撃て)
特に呪文で相手を撃つ以外の効果はない呪文。

イモビラス
動きを止める呪文。範囲的に効果を出すことができる。

オパグノ
襲え。

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