ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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決闘クラブ

それからはまた被害者が出たことで、ホグワーツには緊張感が走り始めた。

なんというか、次は自分が襲われるのではないかとみんな怖がっている。

ドラコを始めとした純血たちは、コリンがマグル生まれであるということもあってか全く気にしていなかったけれど。

 

 

ポリジュース薬を作っているマートルのいるトイレに向かう。やはりあのトイレには全く人が来ない。

 

「ハーマイオニー。どんな感じ?」と声をかけると、

 

「アリス!今のところは順調よ。」とハーマイオニーが答えた。

 

「なんだ。思ったより早くできたな!」とロンが言う。

 

「いいえ。大変なのはここから。数十日間毎日様子を見ないといけないの。」と私が言うと、ハリーとロンが肩を落とした。

 

「それでハリー。ドビーが来たって本当?」とハーマイオニーがきく。

 

「誰からそのことを聞いたの?」

 

「ロンよ。」

 

ロンが「昨日の夜、ハリーのところにドビーが来たんだよ!2人が何かしゃべってたから起きちゃったんだ。」と朝食の時に私達2人に言ってきた。

 

「ドビーは何か言ってた?」とハーマイオニーが聞くとハリーはしばらく考えていたが、

 

「秘密の部屋は前にも開かれたことがあるらしいんだ。」と言った。

 

秘密の部屋が開かれたのは今回が初めてではなかった!?

しかもここ最近ではないのだろう。だってそうだったらダンブルドア先生が適切な対処と犯人を知っているはずだもの。いや、ダンブルドア先生でも分からなかったということも考えられるけれど。もしそうであったら、継承者はかなり手ごわい敵ということになる。

 

「それじゃあその時にも被害者が出たのかもね。」

 

「そうかもしれないわ!」とハーマイオニーが私の言葉に強く頷く。

 

 

 

 

 

「ねえアリス!『決闘クラブ』が開催されるらしいわ!」

 

朝食を食べている私の元にダフネがやってきた。

 

「『決闘クラブ』?フリットウィック先生が教えてくれるの?」

 

「さあ。そこまで詳しいことは書いてなかったけど、今日の夜開催されるらしいわ。」

 

「へえ。行ってみようかしら。ダフネは?」

 

「私も行くだけ行ってみるわ。」

 

 

そして夜。決闘クラブの会場となる部屋には多くの生徒が集まっていた。

みんな継承者騒ぎで戦えるように備えたいのだろうか。

 

「結局誰が教えてくれるんだろうね。」

 

「フリットウィック先生だと嬉しいけど。」

 

とダフネと話していると、「やあやあ皆さん!!」

 

壇上に…

ロックハートが現れた。

 

「はあ?なんでよ!」と思わず叫んでしまう。

いけないいけない。スカーレット家の跡取りとして口調に気を付けなくてはいけないのに。

 

「今回は私のアシスタントとして、フリットウィック先生とスネイプ先生にも協力していただきます!!」

 

いや絶対その2人で十分でしょ。逆にロックハートはただの足手まといな気がする。

 

 

そしてペアで対決することになったが、グリフィンドールとスリザリンを組ませたりして、杖を使わず乱闘があちこちで起き始めた。

 

「落ち着いて!!まだ始めと言っていませんよ!!」とロックハートが慌てる。

 

そんなロックハートに

「先生。私、先生と戦いたいです。そうすれば皆さんに見本を見せることもできます。」

と言う。

 

「アリス!?おかしくなっちゃったの?」とダフネが心配してくる。

 

「大丈夫。ちょっと日頃の苛立ちをぶつけるだけだから。」

 

 

私の提案にロックハートが「おお!いいですね。ではハンデをつけましょうか。」と言った。

 

「ハンデなんかつけて、あいつ、墓穴を掘ってるよ。」とロンがハリーに囁くのが聞こえた。

 

「ありがとうございます。」と言ってステージに上がる。

 

「では私は武装解除のみで戦いましょう!!」

 

 

ステージの端に互いに背を向けるように立つ。

 

「3,2,1の合図で振り向き、呪文を放ちあうのです!」とロックハートが言う。

 

「ではいきますよ。3,2,1!」とフリットウィック先生が言う。

 

 

ロックハートは振り向き、「『エクスペリアームス(武装解除)』!」と呪文を放つ。

私は真っすぐに飛んできた呪文を避け、「『ネビュラス・ディフーシオ(霧よ拡散せよ)』!」と唱える。ステージ上が霧に包まれる。ロックハートの慌てる声がする方に向かって歩く。

段々と霧が晴れていく。そしてみなが私の姿を見て驚く。皆の視線の先を見ようとロックハートが後ろを振り返ろうとする…

 

「『エクスペリアームス(武装解除)』『インカーセラス(縛れ)』」

 

振り返ったロックハートの杖が吹き飛び、縄で体が縛られる。

 

「勝者はアリス・スカーレット!!」とフリットウィック先生が言い、歓声を受けながらステージから降りる。

 

 

「さすがね。まあ、ロックハートがアリスに勝てるとは最初から思ってなかったけど。」とダフネから言われる。

 

「アリス!凄かったわ!!あの霧の呪文、聞いたことがなかったわ!」とハーマイオニーが近づいてくる。

 

「あれは『ネビュラス(霧よ)』をもっと霧が濃く広がるように改良してみたの。まあ、改良したのは私じゃないけど。」

 

家にあったスカーレット家の呪文集に書いてあったので、昔のスカーレット家の人が作ったのだろう。

 

「凄かったよ!!いつの間にか君がロックハートの背後にいたんだから!」とロンも近寄ってくる。

 

あれはまあ、演出的なものだ。

 

「あんなにあっさり背後を取られちゃうなんてね。」とダフネが言う。

 

そう、そう皆に思わせるためにやっただけ。なので別に、霧を出す必要はなかったという訳。

 

 

 

「では生徒の皆さんにも見本を見せていただきましょう!!」とスネイプ先生に縄を切ってもらったロックハートが言う。

 

「我輩に案がある。マルフォイとポッターで戦ってもらうというのはどうか。」とスネイプ先生が悪い笑みをしながら言う。

 

「おお!それはいいですね。それでは両者ステージへ!!」

 

と言われ、ハリーが私たちのことを助けてほしそうに見る。

 

「駄目よハリー。先生に言われちゃったらもう行くしかないわ。」

 

とハーマイオニーに言われ、渋々ながらステージに向かう。

 

ステージに上がったハリーにロックハートが何やら言っているが、まあ、聞く必要もないことだろう。

 

 

「では行きますよ!3,2,1…」とロックハートが言うと、

 

「『サーペン・ソーティア(蛇よ出でよ)』!!」とマルフォイが2人の間に蛇を召喚した。

 

観戦している皆から悲鳴が上がる。蛇がハリーの方を見、ハリーは蛇に杖を向けた。

 

 

しかしそこに、気の抜ける様な声でロックハートが

 

「ハリー、私に任せたまえ!!」と言いながらハリーと蛇の間に割って入ってきた。

 

前に出てロックハートがハリーにウインクする。そんなに余裕なら見てやろう。

そしてロックハートは蛇に向かって杖を振り回した。

すると、バーンと大きな音を立てて蛇が宙を飛んだ。蛇はすぐに床に落ちてきた。

床に叩きつけられた蛇はシャ―シャ―と不機嫌な声を出した。先ほどよりも狂暴になっている。それもそうだ。宙から叩き落されたら誰だって怒る。ロックハートは状況を悪化させに来たのだろうか。

 

蛇はステージの近くにいたハッフルパフ生の男子に、近づいてくる。男子とその周りのハッフルパフ生が後ずさりする。

私が蛇からハッフルパフ生を守ろうと足を踏み出しかけたその時、ハリーが蛇の方へ足を踏み出した。

 

「スィ――シャ―シ――――」

 

ハリーの息なのか言葉なのかで会場が静まり、そして恐怖でざわつき始める。

 

「ねえ、ハリーは何をしているの?」

 

「さっぱりわからないわ。」とハーマイオニーに答えながらハリーと蛇の動向を見守る。

 

蛇はハリーの方をちらっと見たかと思うとまたハッフルパフ生の方に向かってきた。

 

今度はみなハリーのことにパニックになって足が動かないようで段々と蛇が近づいてくる。

 

「『ヴィペラ・イヴァネスカ(蛇よ消えよ)』!!」

 

私が蛇に向かって呪文を放つと、蛇はポンと音を立てて消えた。

会場のあちこちから安堵の声が聞こえる。

 

が、ハリーは「アリス!!なんでそんなことをするんだ!」と叫んだ。

 

「なんでそんなことを、だって!?こっちのセリフだ!!」と蛇が近づいてきていた男子が言う。

 

周りも「そうだ、そうだ!!」と口をそろえた。

ハリーはそんなみんなの様子を見て戸惑っている。そんなハリーをハーマイオニーとロンが慌てた様子で会場の外へ連れていった。

 

 

 

「君、さっきはありがとう。」とハッフルパフの男子が私に言ってきた。

 

「どういたしまして。怪我をしなくてよかったわ。」

 

「貴女、ロックハート先生を華麗に倒していたわよね?凄かったわ!!」

と横にいる女の子が言うと、その子の横にいる女の子が頷いた。

 

「僕の名前はアーニー。アーニー・マクミランだ。」と男子が言った。

 

アーニーの横にいる女の子は「私はハンナ・アボット。」と言い、

 

ハンナの横にいる女の子は、「私はスーザン・ボーンズ。」と言った。

 

「私はアリス・スカーレット。アリスって呼んで。」

 

「うん。改めてさっきはありがとう、アリス!!」とスーザンが言う。

 

「いいのよ。私、急いで彼らを追いかけないと。」と私が言うと、

 

「なんでハリーのところへ行くんだ?僕たちに蛇を仕向けようとしてきたじゃないか。」とアーニーが言う。

 

私は「本当にそうだったのか確かめるためよ。」と言って、部屋を出た。

 

 

 

 

急いでマートルのトイレへ向かう。

トイレには思った通り3人がいた。

 

「ハリー、ロン、ハーマイオニー!!」

 

「アリス!」とロンが振り向く。

 

「アリスは僕が蛇を襲うように指示したと思う?」とハリーが沈んだ声で聞いてくる。

 

「いいえ。」と首を振る。

 

「ハリーは『パーセルタング』なのよ。」とハーマイオニーが言った。

 

パーセルタング!!ハリーは蛇語が話せるの?!

 

「じゃあ、あの時なんて言ってたの?」

 

「襲うなって蛇に言ってたんだ。僕、みんなにもそう聞こえてると思ってたんだけど…」

 

「シャーシャー言ってるようにしか聞こえなかったよな?」

 

ロンの言葉に頷く私達。

 

「完全に会場にいたみんなはハリーが蛇を襲わせようとしていたと思ってたわよ。」

 

「それにハリーがパーセルタングであることはすぐに広まるはずよ…。」

 

4人で考え込む。スリザリンと言えば蛇。蛇語をハリーが話せるとなればますます疑いの目がハリーに向く。

 

「そんな…僕、事情を説明するよ。」とハリーが立ち上がる。

 

「やめた方がいいわ。今のアーニーはハリーを継承者だと信じて疑わない。だから説明しても状況は変わらないし、多分近くに行こうとしたら避けられると思う。」

 

という私の言葉にハリーが頭を抱える。

 

「じゃあどうやって証明したらいいんだろう…。」

 

「マルフォイが継承者だって証明すればいいのさ!」

 

「そうよ!その為にもポリジュース薬を完成させましょう!!」とハーマイオニーがハリーに言う。

 

「うん。そうだね。」とハリーも少しは前を向けるようになったみたいだ。

 

 




今回いつもより長くなってしまいましたが、前後の話から文を取ったり入れたりして、話の句切れ的にもこれが最適解ということで落ち着きました…。本当は次の話が4700ぐらいいってしまっていたんです…。

マートル
マートル・エリザベス・ワレン。レイブンクロー生。トイレにゴーストとなって住み着いている。すぐ泣き、泣くと水道管から水が出てくるということでトイレ前の廊下はいつも濡れている。

決闘クラブ
原作だとペアを組むより先にスネイプとロックハートが戦うのですが、スネイプではなくアリスとなり、順番を変えています。

ネビュラス・ディフーシオ(霧よ拡散せよ)
オリジナル呪文。ネビュラス(霧よ)の強化版。範囲が広くなり、霧も濃くなる。

エクスペリアームス
武装解除。多分剣を持っている人に撃ったら剣が吹き飛びます。上手い人は吹き飛んだ相手の武器が手元にやってきます。

サーぺン・ソーティア
蛇を召喚する。ドラコへのスネイプ先生への入れ知恵。

ヴィペラ・イヴァネスカ(蛇よ消えよ)
蛇を消す専門の呪文。

パーセルタングの表現に苦戦しました…。半角にしてみたのですがどうでしょうか?

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