ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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スカーレット邸にて

 

「アリス。幸せなことを考えるんだ。」

 

リーマスがそう言った。

今は家で守護霊を出す練習をしている。

うーん。幸せな記憶…。

グリフィンドールが優勝したこと。ハーマイオニーをトロールから守れたこと。

 

「『エクスペクト・パトローナム(守護霊よ来たれ)』!!」

 

杖の先から白い靄が出てくる。

 

「初めてでそこまで出来るなんて流石だな。」とシリウスが言った。

 

 

次の日。

 

「リーマスとシリウスもやってみてよ。」と2人に言う。

 

2人が呪文を唱えると、リーマスの杖先からは狼が。シリウスの杖先からは大きな犬が現れた。

シリウスは黒くて大きな犬のアニメーガスでもある。魔法省無認可だけど。

やっぱり、『シリウス』がおおいぬ座の星だから犬なのかな。

 

「2人は、どんなことを考えて呪文を唱えてるの?」

 

「学生時代、皆で過ごしていた時だ。」

 

「ああ。」

 

2人が当時を懐かしむように笑った。

そうか。特別幸せな時ではなく、2人にとっては日常が幸せだったのか。

 

「もう一回!『エクスペクト・パトローナム』!!」

 

私が唱えると、杖先から白い狼が飛び出した。

狼は部屋を一周して消えていった。

 

「おお!!凄いじゃないかアリス!」とシリウスに頭を撫でられる。

 

「2人とは違って狼なんだな。」

 

リーマスが私の守護霊を見て、不思議そうに言った。

 

「お父さんとお母さんは何だったの?」

 

「リシーは蝙蝠で、アルフェは大鷲だったよ。」

 

「親の守護霊を引き継ぐのが一般的なんだがな。」

 

そう言うシリウスも親と違う気がするけど。仲が悪かったと聞いたし、名前由来な感じだから。それににお母さんとシリウスの守護霊が違うから明らかに受け継いでいない。

 

「私にとっての親はリーマスだから、同じ狼なのかも。」

 

私がそういうと、リーマスは嬉しそうに私を抱きしめた。

 

 

 

 

「シリウス。」

 

ハリーがシリウスに声をかける。

 

「ハリー、どうかしたのか?」

 

シリウスはハリーに名前を呼んでもらえてうれしそうだ。

 

「僕、まだシリウスが後見人だって実感が沸かなくて。」

 

「そりゃあ当然よ。まだ会ってから5日しかたっていないんだから。」

 

急に知らない人から後見人だったんだと言われてもすぐには受け入れられないだろう。

 

「そうだな。もっと近くにいてやりたかったんだが…。すまなかったハリー。」

 

シリウスが申し訳なさそうに頭を下げる。

 

「ううん。そう思ってくれてた人がいたってことだけで嬉しいよ。」

 

「ハリーの家での扱いを聞くたびに突入しようとしてたのよ。」

 

「ああ。2人で必死に止めたが、あれは大変だった。」とリーマスが笑った。

 

あの時は、シリウスが1人で勝手にハリーの叔父さんの家に乗り込んで、叔父さん達を倒してうちに連れ帰ろうとしていた。

 

「そういえば、シリウスはここに住んでるんだよね?」

 

「まあそういうことになるな。」

 

「シリウスは居候みたいなものだよ。」

 

シリウスに対してリーマスが言った。

確かに。シリウスの本当の家はブラック家の家だからね。

 

「リーマスが友達だからここにやって来たの?」

 

「それもあるし、アリスが俺の姪だからということもある。」

 

「え!?そうだったの?」

 

ハリーが驚いたように私とシリウスを見比べる。

 

「あれ。前にブラック家の伯父がいるって話さなかったっけ。」

 

「そんなこと言ってたっけ?」

 

「ほら、ハリーがニンバス2000をもらった時に。覚えてない?」

 

「うーん。ごめん、覚えてないや。」

 

ハリーが申し訳なさそうに言う。ニンバス2000の印象が強すぎて忘れてしまったのかもしれない。

 

「それに、2人があんまり伯父と姪って感じがしなくて。」

 

確かに。これまで、似ていると言われたことがない。

 

「アリスはアルフェに似ていて、俺とアルフェが似ていなかったからな。」とシリウスが言った。

 

「アルフェはアリスの母親で、アルフェッカと言うんだ。因みにシリウスの妹だよ。」とリーマスが補足する。

 

「シリウス、アルフェッカ、レギュラスと言うわけね。」

 

シリウスはブラック家を勘当されているので、もうブラック家の人間は誰もいないということになる。

世間的にはシリウスがブラック家のままだけれど、本人が否定している。

 

「まあ、というわけでここで暮らしているんだよ。」

 

「そうだったんだね。」とハリーが頷いた。

 

「ハリーもここで暮らしてほしいんだが…。」

 

悔しさと悲しさを滲ませながらシリウスが言った。

 

「ありがとうシリウス。そう思ってくれてるだけでも嬉しいよ。」

 

 

 

あっという間に一週間が経ち、ハリーが隠れ穴に行く日になった。

隠れ穴へは姿くらましで向かう。

 

「いらっしゃいハリー、アリス!!リーマスもね。」

 

家に入って、モリーさんから歓迎の言葉を受ける。

 

「ああ。ハリーを頼んだよモリー。」

 

2人が話している横で、ロンたちと話す。

 

「ハリー!!」

 

「ロン!!久しぶり!」

 

「よおアリス!!」

 

「フレッドとジョージも久しぶり。」

 

「また何かやらかすなんてな。」とジョージがハリーに言う。

 

「まあまあ。叔父さんの方も中々にひどかったみたいだし。」とフォローしておく。

 

 

「では我々はそろそろ帰ろうか。」

 

モリーさんと話していたリーマスが言った。

 

「ええ。それじゃあまたキングズクロスで!!」と手を振ってウィーズリー家とハリーと分かれる。

 




ブラック家説明回になりました。


アニメーガス
動物になれる。ある程度練習したりすればなることができるが、とても大変。
たいていの魔法使いはアニメーガスでなれる動物と守護霊は同じ。

「親の守護霊を引き継ぐのが一般的」
例外は多数。生まれつき親と全然違う場合もある。兄弟だからとて全員一緒になる訳ではない。また、途中で変わったりもする。結婚すると性別の違う同じ動物になるパターンが多い。そうなった場合アニメーガスでは何になるんだろうとここ最近考えている。

後見人
原作だと名付け親ですけど、大体同じです。私的にこっちの方が適切かなーと。

「前にブラック家の伯父がいるって話さなかったっけ。」
第6話にて。

アルフェッカ・ブラック
アリスの母親。すでに死亡。
レイブンクロー出身。シリウスがグリフィンドール、レギュラスはスリザリンなので全員寮が違う。
歳の差はシリウスはアルフェの1個上、アルフェはレギュラスの1個上という感じ。

レギュラス・ブラック
シリウスとアルフェの弟で、すでに死亡。
スリザリン出身。

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