入学式の次の日から、さっそく授業が始まった。
まずは薬草学だ。薬草学は魔法薬を作るうえでも大事なのでしっかり勉強しないとだ。
ハーマイオニーは実物を見れたことに興奮していた。
「これ、限られた気温と湿度じゃないと育たないって書いてあったわ!」
最初は喜んでいたものの、最終的には「はあ、育てるのは大変ね…」という感じだった。どちらかというとアウトドアな科目だからね。
魔法史はゴーストのビンズ先生の担当だった。先生の一本調子な喋り方にうつらうつらしてしまう。
呪文学のフリットウィック先生はとても小さい先生だった。周りより低い私と比べてもかなり小さい。若い頃は決闘チャンピオンだったと聞いた。一度戦ってみたいなぁ…。
そしてマクゴナガル先生の変身術の授業。教室に行くと1匹の猫が教卓の上に座っていた。
「先生はまだいないみたいだね」とハリーが囁いてきたので
「あの猫だったりして。」と指さす。
「そんなまさか!」
ロンが言ったその時、猫の姿がみるみるうちにマクゴナガル先生へと変化していった。マクゴナガル先生はアニメーガスだったのか…私も習得してみたいな…。と思っていると、
「流石ですねミス・スカーレット。グリフィンドールに5点あげましょう。」
と私に微笑みかける。皆は猫が先生だったことに驚きが隠せないみたいだ。もちろん私も驚いたけれど。
「よく分かったねアリス。」
「変身術の授業だからあり得るかもなって。」
私自身、本当に先生か半信半疑だったけど。
「では授業を始めますよ。」
授業への注意を言ったあと、先生は机を豚に変えてみせた。そして私達には、マッチ棒を針に変えてみせるよう指示した。
杖を振ると、私のマッチ棒は裁縫針へ変わった。一発でできるか心配だったから良かった…とホッとしていると、
「凄いわねアリス!一発で成功できるなんて流石だわ!」
と隣のハーマイオニーから褒められる。彼女のマッチ棒は先が銀色に尖ってきていた。
「一発でできるかは分からなかったんだけどね。一応、軽く教えてもらったことがあるし。」
「そうなの?」
「ハーマイオニーも、そろそろ成功しそうね。」
「ええ、銀色にはなったんだけどそこからが難しくて…」
ハーマイオニーのマッチ棒を見ると、全体が銀色にはなっているが、形はマッチ棒と針の間ぐらいになっていた。
「頭の中でマッチ棒が針に変わることを考えながらやると上手くいくと思うわ。経過を考えることが重要なの。」
「もう1回やってみるわ!」
とハーマイオニーが杖を振ると、マッチ棒はシンプルな裁縫針へと変わった。
「やった!できたわ!」
とハーマイオニーが歓声を上げる。
結局針に変えることが出来たのは私とハーマイオニーだけで、先生は私達にそれぞれ2点を与えた。
「次は闇の魔術に対する防衛術ね」と言いながら廊下を歩く。
「すごいなぁ。僕なんてちょっと尖ったぐらいだったよ」
ハリーが羨ましそうに私を見る。まだ初回だし、ハリーだって、卒業するときには学年一位になっているかもしれないから大丈夫だと思うよ。
「私だって初めては全然上手くいかなかったわ。回数を重ねれば出来るようになるわよ。」
それに変身術は得意なのだ。一番得意なので負けたくないし、いっぱい勉強して成功させられるように頑張っていかねば。決意を固める。
「えっと…この教室だよね?」
ハリーがおそるおそる扉を開くと、凄まじい匂いがした。教室内にニンニクの香りが充満していたのだ。後から聞いた話だと、吸血鬼に会ったことがトラウマになったからだそう。変な匂いがするし先生は緊張していたけれど、授業は分かりやすかった。時々ハリーの方を見ていたのが気になったけれど。組分けの時は私を見ていたし。何か隠していそうだ。
最後に魔法薬学。魔法薬学の教室は地下にあり、薄暗くてひんやりとした廊下を暫く歩く。教室の中も小瓶がたくさん置かれ、薬の匂いが混ざり合っていた。
ロン視点
「ほう、これはこれはハリー・ポッター。我らが新しいヒーローのお出ましだ」
スネイプ先生が言った。マルフォイやその取り巻きの方からくすくす笑い声が上がる。そしてスネイプが
「ポッター!アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものをいれると何になる。」
と急にハリーに向かって叫ぶ。
「分かりません。」
そりゃそうだ。僕だって分からない。それにハリーはずっとマグル界にいたのだからより不利だ。グレンジャーは手を挙げているが。
「ベゾアール石が欲しいときはどこをしらべる?モンクスフードとウルフスベーンのちがいは?」
ハリーが教科書の内容を暗記してるとでも思っているのだろうか。あからさまにハリーを嫌っている。グレンジャーは席から立ち上がらんばかりの勢いで手を挙げている。スネイプはグレンジャーを無視して、
「ミス・スカーレットならもちろん分かるだろうな。」
と、アリスを指名した。アリスがスネイプの嫌がらせの次のターゲットか。大丈夫かな…と思いアリスを見ると、慌てることなく、
「はい。1つ目の質問の答えは生ける屍の水薬です。この薬は飲みすぎると永遠に目覚めなくなるほど、強力な薬です。」
と答えた。
「2つ目はヤギの胃の中にあります。3つ目は違いはありません。同じ植物の名前を言い換えただけです。別名トリカブトやアコナイトとも呼ばれたりします。」
アリスの答えを聞くとスネイプは軽く頷き、
「なぜ今の答えをノートに書かないのか!」
と全体に言った。「ポッター!!なぜノートを開かない?!グリフィンドールから1点減点。」
どこまでも理不尽だ。慌ててノートに答えを書いていると、
「ではミス・スカーレット。1番作るのが難しい液体は何だと思うか」
とアリスを試しているような質問をする。どんな魔法薬が出てくるのかと思っていると、
「私は水だと思います。純粋な水にすることはどんな魔法薬をつくることよりも技能が必要だと思います。」
と答えた。なんで水なんだろう?蛇口を捻れば出てくるじゃないか。教室も僕と同じ意見が多いのかみんな首を傾げていた。
「ふむ。魔法薬学の知識はあるようだな。グリフィンドールに1点。」
スネイプがグリフィンドールに点を!?教室中がざわついた。スネイプはスリザリンびいきでグリフィンドールに点を入れることはないと聞いていたから。
そしてペアで、おできを治す薬を調合することになった。僕のペアはハリーだった。
「災難だったねハリー。君、スネイプ先生に何かしたのかい?」
「ううん。何もしてないと思うけど…」
ハリーは不安そうだ。
「スネイプは気をつけたほうがいいな。」
と小声で話していると、
「ミス・スカーレットは1人で作りたまえ。」
とスネイプが言った。
「そんな!1人でつくるなんていくらアリスでも可哀想です!」
ペアだったグレンジャーが言う。スネイプはちらっと見たが、また無視した。
「1人でもつくれるだろう?」
「はい。」
流石にアリスも少し戸惑っていた。
そして調合が始まった。暫くは全員集中していたので無言だった。僕たちが材料をやっとのことで切り終えたその時、
「先生。」
とアリスがスネイプを呼んだ。
「まさか、もう終わったのかな?」
ハリーが囁いてきたが、流石にまだ出来てないだろう。
「見事だ。」
アリスの鍋を見たスネイプが呟いた。ということはもう完成した?
「ありがとうございます。」
「では生ける屍の水薬も作れるだろう?」
「おそらくは。」
アリスは頷いて材料棚に向かい始めた。こんなにも早くアリスがつくり終わったのに加点はなかった。おそらくこれがいつものスネイプだろう。
「ロン、僕たちもそろそろ次の行程に行かないと作り終わらないよ。」
頷いて作業に戻る。
鍋に材料を入れて混ぜていると、
「ハリー、ロン、もう少し火を弱くしたほうが良いわ。」
いつの間にか横にいたアリスに言われた。
「アリス!魔法薬は大丈夫なの?」
「ええ。今はほったらかしとく時間なの。」
「それにしても大変だね。ハリーとは別の感じで理不尽だ。」
「確かにね。でも、このくらいのレベルの魔法薬はそれなりにつくれるから。」
アリスはそこまで苦労していなそうに笑う。
「アリスって凄いね。」
ハリーがポツリと言う。
「魔法薬学と変身術が得意なだけで、他は普通よ。ハリーだってロンだって、得意分野では私よりできるわよ。」
「そうかな?」とハリーと顔を見合わせる。
「2人とも魔法薬学はちゃんとできてるし。だって、もっと酷いペアばっかりだもの。」
後半部分は小声になりながら励ましてくれる。
「じゃあ、頑張ってね」
アリスは言いながら別のペアの方へ歩いていった。
「ネビル、大鍋を火から降ろしてから、山嵐の針を入れるのよ。」とネビルにも教えている。
「アリスはあんなこと言ってたけど、全部出来そうだよね」
「苦手なものとかあるのかな…クィディッチとか?」と話しながら僕たちは無事に薬を作り終えることができた。
アニメ―ガス
別名動物もどき。動物に変化することができる魔法使いを指す。マクゴナガル先生はかけている眼鏡の柄の猫。
生ける屍の水薬
睡眠薬やきつけやくとして使われる魔法薬。
ベゾアール石
ヤギの胃の中にある。呪いを解除したりすることができる。
主人公が何でもできる感じですが、それはハリー達が新入生だからなので、段々強くなっていくはずです。多分!
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