ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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今回からセドリックが登場します!


クィディッチとディメンター

「よし!!今年もグリフィンドールチームが優勝するぞ!」とオリバー・ウッドは競技場を飛び回りながら叫んだ。

 

「ちょっと・・・ウッド、流石にそろそろ休憩しましょう??」とアリシアが息を切らしながら言うが、

 

「何を言ってるんだ。さっき練習を始めたばかりじゃないか!!」とウッドは聞く耳持たずな様子だ。

 

「『さっき』ですって!?もう5時間も練習しているわ!!」とアリスが額に汗を滲ませながら叫ぶ。

 

グリフィンドールのクィディッチチームのキャプテンであるオリバー・ウッドは人一倍クィディッチにかける情熱が大きいのだ。そしてウッドは今年7年生。最後の寮対抗トーナメントなので、絶対に負けるわけにはいかないとやる気に満ち溢れているのだ。

チームメイトもそんなウッドをよく知っているのでこれまでは練習が多くても仕方がないとあきらめていた。しかし今回はこれまでと比にならないのである。朝早くに起き、朝食もそこそこに朝練が始まる。そこから5時間ずっと動きっぱなしだ。流石にこれには不満の声が上がる。

 

「勝ちたい気持ちはわかるが…流石にそろそろ休憩が必要だと思うぜ。」

 

「我らがシーカーが無理な練習で怪我するかもしれないぜ?」

 

フレッドとジョージもウッドに呼びかける。

ハリーはこれまで以上にハードな練習に疲れ切って、箒に乗るのがやっとだった。

けれどウッドの勝ちたいという思いの方が大事だと思い、

 

「大丈夫だよ。練習を続けよう。」と言った。

 

「これまでにない長時間の練習なんだから無茶しちゃ駄目!」

 

アリスはハリーが疲れ果てていることを察して、ハリーに叫んだ。

 

「そうよ!ハリーが出場できなくなったらグリフィンドールに勝ち目はないわ。」とアンジェリーナもアリスの意見に同意する。

 

「本人が大丈夫だと言ってるんだからこのまま続けるぞ!!」

 

ウッドは早く練習を再開したい様子だ。

 

「私がシーカーを代わりにやるからハリーはその間休んでて。これならいいでしょう?ウッド。」

 

ハリーの疲れ果てた様子に気づかないウッドに呆れながら、アリスが提案した。

 

「シーカーをやったことがあるの?」

 

「ええ。昔はシーカー志望だったの。」

 

驚いた様子のアリシアにアリスが答える。

 

「僕、休憩しなくても大丈夫だよ」と言ったハリーに、

 

「駄目!!ハリーは休憩しなくちゃ駄目よ!ほら、早く!!」とアリスが圧をかける。

 

普段大声をあげることは無いアリスに軽く叱られ、ハリーは言われた通りに休むことにした。

 

 

 

「ハリー、大丈夫か?」

 

下で練習を見ていたロンが降りてきたハリーに声をかける。

 

「うん。なんとかね。」

 

「流石のウッドもこれはやりすぎよ!!ほら、ハリーこれを飲んで。」とロンと一緒に見ていたハーマイオニーがハリーに魔法薬を手渡す。

 

「というか、他のメンバーは大丈夫なのかしら?」

 

「まあ、ハリーよりは長時間の練習に慣れてるだろうし。」

 

「でもアリスは僕と同じ3年生だ。」

 

「入学前からクィディッチをしていたって前に言っていたわ。でもまあ、だからといって大丈夫かは分からないけど。」

 

3人は練習を続けるメンバーを心配そうに見つめた。

 

 

 

「よし、そろそろ今日は終わりにしよう。」とウッドが言ったのは練習が始まってから8時間後だった。

 

休憩していたハリーも練習を再開し、試合でのフォーメーションや動きを入念に確認した。

 

「おつかれさま、アリス。」

 

「おつかれ、ハリー。思っていたよりも練習が長かったわ...。」

 

ハリーもアリスも疲労をにじませながらロンとハーマイオニーの元へ向かって歩いた。

 

「2人ともお疲れ様!!」とハーマイオニーが2人に駆け寄る。

 

「流石に今回はきつかったな。」

 

「明日も今日と一緒なら流石にボイコットだ。」と2人の後ろからフレッドとジョージがやって来る。

 

「あれ、2人は慣れてると思ったんだけど。」と意外そうにアリスが言う。

 

「これまでにこんな長時間の練習は無かったぞ。」

 

フレッドの言葉にジョージも頷く。

 

「それに結局は休憩を許可されたのはハリーだけだったしな。」とジョージが呆れたように言う。

 

「明日からはもっとホワイトな練習であることを祈るわ。」というアリスの言葉に全員が深く頷いた。

 

 

 

そして迎えたグリフィンドール対ハッフルパフの試合。

グリフィンドールチームはウッドの厳しい練習を毎日6時間行った。

厳しい練習への反対意見が上がり、ウッドと交渉した結果の2時間短縮だった。

 

「こんにちはアリス。随分ウッドの練習が大変だったと聞いたよ。」

 

大広間から選手待機室へ向かっていたアリスに、セドリックが声をかけた。

セドリックはハッフルパフの5年生で、クィディッチではシーカーを務めている。

勉強も運動もでき、何より誠実な人柄で女子からモテている。

 

「こんにちはセドリック。練習は大変だったけど、その分強くなったから覚悟することね。」

 

と互いに言葉を交わし、別れる。

 

 

 

いよいよ試合開始だ。

審判のフーチ先生の手からスニッチが飛び立つ。

そこからは練習の成果もあってか、グリフィンドールチームが順調に点を獲得した。

グリフィンドール70点対ハッフルパフ20点。

アリスはコート上空を飛び回るハリーをチラッと見た。

ハリーの様子からして、まだスニッチは見つかっていないようだ。セドリックも同様に、スニッチを探して飛び回っている。

と、ハリーが更に上空へ飛んで行った。ハリーはどんどん上昇し、雲の中へ入って行った。

ハリーを追いかけて雲の中へ入って行ったセドリックはそのあとすぐに雲から出てきて、コートを旋回している。

 

ハリーが出てこない?何かあったのかしら...。とアリスは不安を感じながら雲を見つめたが、やはりハリーは帰ってこない。

 

 

 

雲の中へスニッチを追いかけて入って行ったハリーは凍えていた。

 

「まるでホグワーツ特急でディメンターに襲われた時みたいだ...」と呟いたハリーの息は真っ白だった。

 

そして同時にハリーはスニッチを見失ってしまった。

よし、コートの方へ戻ろう、とハリーが箒を握りなおしたその時、女の人の叫び声がハリーの頭の中に響いた。

まただ…特急でもこの声を聴いた…。

ハリーの意識が段々と落ちていく。

女の人が何か言う声、緑色の閃光、そして響き渡る女の人の悲鳴と男の笑い声。

緑色の閃光が放たれた先には、笑う例のあの人が...。

例のあの人と目が合ったその時、例のあの人は銀色の狼に襲われて、霧のように消えていった。

 

 

「ハリーが帰ってこないなんて何かあったんだわ!!試合を中断すべきよ。」

 

とアリスはウッドに叫ぶ。

 

「この試合を中断できるか??」

 

「シーカー無しで勝てるとでも?」

 

と言い争いながら、アリスは息が白くなってきたことに気が付いた。

 

「寒いってことは、もしかしてディメンター?」

 

「いくらなんでもディメンターが試合を妨害して来はしないよ。」と言いながらもウッドも不安そうに上空を見つめた。

 

「ゴールにチェイサーが向かってきているから戻るよ。」とウッドはゴールの前に戻って行った。

 

 

ウッドが戻っていくのをアリスが見送ったその時、雲から何かが落ちてきた。

遠目から見ても、それはハリーの箒のニンバス2000に間違いなかった。

 

「やっぱり何かあったんだわ!!」とアリスは慌てて取りに行こうとしたが、ハリーがディメンターに襲われているのではないかと考えて、「『エクスペクト・パトローナム(守護霊よ来たれ)』!!」と唱えた。

 

呪文を唱えると、アリスの杖先から銀色の狼が飛び出し、雲の中へ突っ込んでいった。

そんな狼を追うように、アリスの後ろから不死鳥の守護霊が飛んできた。

驚いたアリスが振り向くと、教員席でダンブルドアが立ち上がって杖を構えていた。

すると、観客席から悲鳴が上がった。

皆、アリスの後ろを指さしていることに気づいてアリスが慌てて振り向くと、雲の中からハリーが落ちていた。

アリスは慌てて箒を握りなおし、猛スピードでハリーの元へ飛び、腕をつかんだ。

そしてそのままゆっくりと地上へ下りた。ハリーはディメンターに襲われたからか気絶していた。

 

「流石じゃアリス。」

 

教員席から慌ててコートへやってきたダンブルドアが感嘆の声をあげた。他の教師陣もコートに集まっていた。

 

「急いで医務室に連れていかなければ!!」とマクゴナガル先生が動揺しながら言うと、

 

「では私が。」とリーマスがハリーを抱き上げた。

 

「アリスも来るかい?」

 

「いいえ。私は大丈夫だから。」と、リーマスに、心配は要らないことを伝えるために、アリスは笑いながら言った。

 

リーマスは、「素晴らしいプレーだったよ。」とアリスにやさしく微笑みかけて、医務室へ向かった。

 

 

 

結局、ハリーが落下するより前にセドリックがスニッチを捕まえていたため、ハッフルパフの勝利ということになった。

 

 

アリスが競技着から制服に着替え、寮へ向かっていると、前から歩いてきたセドリックが手招きをしてきた。

セドリックと並んで歩き、人気(ひとけ)の無いところへ着いたところでアリスが口を開いた。

 

「セドリック、どうかしたの?」

 

「君に感謝と謝罪が必要だと思ってね。」

 

アリスはセドリックの言葉に首を傾げた。

 

「僕はハリーがディメンターに襲われていることに気づけなかった。君よりも僕の方がハリーに近い場所にいたのに、だよ。僕に代わってハリーを助けてくれてありがとう。」

 

「私だって偶々気づいただけよ。」と首を振りながらアリスは言った。

 

セドリックは少しためらって、

「…君は試合を放棄してハリーを助けに行った。本当ならこの試合は無効であるべきだった。でも僕がスニッチを捕まえてしまったから、ハッフルパフの勝ちになってしまった。本当にすまない。」と言って頭を下げた。

 

「セドリックが謝罪することなんて一つもないわ。だってシーカーとしての役割を果たしただけだもの。それに、試合の無効を最後まで要求してくれていたじゃない。」

 

アリスはセドリックが審判のフーチ先生に誰よりも抗議していたのを見ていた。グリフィンドールチームのウッドよりも、だ。

 

「でも結局はハッフルパフの勝ちだ。これは一番価値のない勝利だよ。それに、君たちのキャプテンはこの試合に懸けていたんだろう?」

 

「でもここから私たちが全勝すれば優勝できるもの。」

 

辛そうに言ったセドリックに笑いかけながらアリスが言った。

アリスの言葉にセドリックも少し笑った。

 

「応援することぐらいしか僕にはできないけど、勝利を祈ってるよ。」と言ってセドリックは去って行った。




ルーピン先生もセドリックもいい人だな~メロいな~と思いながら書いていました

◇グリフィンドールチーム
キャプテンでキーパーのウッド
ビーターのフレッドとジョージ
チェイサーのアリス、アリシア、アンジェリーナ
シーカーのハリー

クィディッチの校内トーナメントは総当たりで勝利数が多いチームという感じっぽい??

セドリック・ディゴリー
ハッフルパフの5年生。成績優秀。ハッフルパフの監督生。
クィディッチではシーカーを務めている。呪文の戦いも強いし、クィディッチシーカーとしても強い。


ストックが切れたのでしばらくお休みします

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