ハリー・ポッターと紅色の魔法使い   作:六原

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ここまでもう少し早く辿り着くと思っていたのですが端折る場所がなく時間がかかってしまいました…。


ハロウィン

 

今日は呪文学で浮遊呪文を練習することになった。

これがとても難しくて、僕は中々成功させられなかった。杖の動きは出来ているはずなのに目の前の羽はちっとも上がらない。

 

「ハリー、もっとしなやかに杖を動かしてみて。『ウィンガーディアム・レビオーサ』」

 

とペアのアリスがお手本を見せてくれる。アリスの前に置かれた羽根は3メートルほどのところまで上昇した。

 

「ほら、ハリーも。」と言われ、見様見真似でやってみる。

 

「『ウィンガーディアム・レビオーサ』!!」

 

すると僕の羽はほんの少しの間浮いた。やった!!が、僕が喜んでいる間に羽は机に落ちてしまった。

 

「おお!!スカーレットさんとポッター君が成功させました!」と先生が叫ぶ。

 

「すごいなハリー!!」

 

いつの間にか隣にいたロンに言われる。ロンは中々成功させられずにいるみたいだ。というか、ペアのハーマイオニーから離れたいようだ。気まずそうにしている。

 

「あら、私には言ってくれないの?」とアリスが笑う。

 

「だってアリスは出来るだろう?」

 

確かにそうだけど。

 

「まあ、そうだけど、褒めてくれたって良いじゃない」

 

「次からは褒めるよ。」と答える。僕も褒めようかな。

 

「で、ロンはそろそろ戻らなくていいの?」

 

「あー、うん。」と言いながら自分の机をちらっと見て顔をしかめる。

 

「グレンジャーがいちいち違うってしつこいんだよ…」と小声で言う。

 

「まあまあ」となだめて、「そろそろ戻らないと怒られちゃうよ。」と僕が言うと、渋々ながら戻っていった。

 

 

そして授業終わり。ロンと合流して教室を出る。

 

「ほんと、あいつ悪夢みたいなやつだな。友達もどうせいないだろうし」とロンが愚痴ると、

 

「悪夢って人によって違うでしょ。」とアリスにつっこまれる。

 

ハーマイオニーのことを悪く言っているのには触れないんだ...。

つっこむ場所が謎だが、確かに、悪夢みたいってどんな感じなんだろう。僕だったら…と考えているとハーマイオニーが教室から走って出ていった。そして、なんとハーマイオニーは泣いていた。

あのハーマイオニーが泣くだなんて!と、思わずロンを見ると、「だって事実だろう?」と言われる。そうかもだけど…

 

「まったく、本人がいるところで言うのは流石に駄目よ。」とアリスが僕の気持ちを代弁してくれる。

 

「まあ、うんそれは確かに僕が悪かったよ。」とロンが渋々ながら頷いた。

 

 

 

アリス視点

 

今日の晩御飯はカボチャだらけだった。いくらハロウィンだからって全部カボチャは飽きてしまいそう…と考えながらテーブルに向かっていると「アリス!」とダフネから声をかけられる。

 

「ダフネ!!久しぶりだね!」

 

「そうね。ねぇ、クリスマス休暇には家に帰るの?」と聞かれる。

 

クリスマス休暇のことは何も考えてなかったな…

 

「うーん。まだ決めてないけど。」と答えると「よかったらうちに来ない?」と提案される。

 

「ほんと!?喜んで行かせてもらうわ!」

 

リーマスも許可してくれるだろうし。

 

「じゃあまたね。」と手を振ってダフネと分かれる。

 

 

グリフィンドールのテーブルに着くと、ロンとハリーが座っていた。

 

「さっき、なんの話をしていたの?」とハリーに聞かれる。

 

「クリスマス休暇に家に来ないかって。」

 

「へぇ…クリスマス休暇って家に帰らなくちゃいけないの?」と不安そうな顔をする。

 

ハリーの住んでいる家は居心地が悪いと聞いていたので、おそらく帰りたくないのだろう。

 

「安心して。クリスマス休暇は帰らなくてもいいの。」と言うと、「僕も残るつもりだよ」とロンが言う。

ロンが残ると聞いて安心した様子のハリーが、「今年のクリスマスは1人じゃなくて嬉しいよ。」と言う。今年は楽しいクリスマスを過ごせそうでよかった。そもそも、1人で祝っていたことがおかしいのだけど。

 

 

そういえば呪文学の授業の後からハーマイオニーを見ていない。どうやらグリフィンドールのテーブルにもいないみたいだ。

 

「ねえ、ハーマイオニーがどこに行ったか知らない?」と聞くと、「さあ、知らないな」とロンが首を振る。

ハリーの方を向くと、「なんか2階の女子トイレに行ったのを見たって皆が話してたよ」と返ってくる。

 

「そう…お腹空かないのかしらね。」

 

呪文学の授業から4時間近く経っているのに。

 

「まあ、いないってことは大丈夫なんじゃないか」とロンが雑に言う。

 

と、バン!という大きな音が鳴った。なんだろう、と大広間の扉の方を見ると、息を切らしたクィレル先生が立っていた。クィレル先生は

 

「2階にトロールが!!トロールのことをお知らせしなくてはと…思って…」

 

と言うと倒れ込んでしまった。

トロール?なんでホグワーツにいるのだろう。

 

「トロールって言ったか?」とロンが小声で言う。

 

「ええ、そう聞こえたけど…そんなはずないわよね。」

 

大広間がざわめいた。と、ダンブルドア先生が立ち上がって、

 

「各寮の監督生は寮生を連れて談話室に戻るように!」と言った。

その言葉を受けて、パーシーがグリフィンドールのテーブルに向けて後ろをついてくるようにと呼びかけた。私達も立ち上がる。2階といえばハーマイオニーも2階にいるらしいけれど…もしかしたらトロールが侵入したということを知らないかもしれない。早く寮に戻るよう言わなくては。

 

「私、ちょっとハーマイオニーを探してくるわ!」と2人に言い残して2階へ向かう。

 

えっと…女子トイレってどこのことだろう。ホグワーツは広いのでトイレが幾つもある。取り敢えず一周すれば見つかるかな、と思って暫く歩いたけれど、トロールもハーマイオニーも中々見つからない。もしかしたらトロールとハーマイオニーのいる場所が近いのかも。自然と足早になりながらラストの女子トイレへ向かう。

と、トイレの方から叫び声と破壊音が聞こえてきた。慌てて扉を開ける。と、トロールがハーマイオニーを狙って手に持った棍棒を振り下ろしていた。手当たり次第に振り回していたのか、トイレが大破している。

トロールの横を通り抜けて手洗い場の床に座り込んだハーマイオニーの元へ向かう。

 

「ハーマイオニー!!大丈夫?」と言うと「アリス!ええ、大丈夫よ。」とハーマイオニーが言う。

 

大丈夫と言っているが、顔が青ざめている。様子から見て、恐怖で腰が抜けているようで、逃げることはできなさそうだ。と考えていると、トロールが私たちに向かって棍棒を振り下ろしてきた。

 

咄嗟に、『プロテゴ!』と防御呪文を唱える。小さい頃から「危険な目に遭ったらこれを唱えるように」と言われて練習してきたので、呪文は成功し、私たちの周りにバリアが張られた。そして、トロールの棍棒はバリアに阻まれた。取り敢えずは私もハーマイオニーも怪我をすることはないだろう。とバリアを維持しながら考える。

けれど…私は攻撃呪文があまり得意ではないのだ。それに、トロールを倒すにはかなり強い攻撃呪文でなくてはいけない。さすがのハーマイオニーでもトロールを倒すほどの呪文は放てないだろうし…と考えていると、トロールが再度棍棒を振り下ろしてきた。もう一度『プロテゴ!!』と唱え、バリアを強化させる。トロールが諦めてどこかに行くのが先か私の魔力が切れるのが先か…と考えていたその時、トイレの扉が開かれた。

 

 

開かれた扉の先にはハリーとロンがいた。2人とも急いで来てくれたようで、息が乱れている。

 

「まじかよ…」とロンが呟く。ハリーもトロールをみて驚いている。

人数は増えたけれど、形勢逆転とはならなそう。ハリーとロンはトロールの反対側にいるので私が守りに行くこともできない。どうしようかと考えていると、「ハリー!ロン!」と涙目のハーマイオニーが叫ぶ。

その声に反応してトロールが棍棒を床に叩きつける。床はひび割れ、ボロボロだ。もしかしたら棍棒を使えるかもしれない、と思い立つ。トロールが怪力だからひび割れたのだと思っていたけれど、そのパワーに耐えられるということは棍棒も重いのではないか?

 

「ハリー!ロン!トロールの棍棒を奪い取るわよ!」と言うと、

 

「ナイスアイデアだけど、どうやって取るんだ?」と聞かれる。

 

「ハリーに…ごめんなさい。囮になってもらって、その隙に私が攻撃して手を離させるから、ロンは浮遊呪文で棍棒をトロールに落としてほしいの。」

 

囮はクィディッチが得意なハリーの方が適任なので、必然的にロンに呪文を任せることになる。

 

「オッケー。わかったよ!」と力強く頷くハリーに対して、「僕、今まで成功したことないのに…」とロンが表情を曇らせる。

 

「大丈夫よ。さあ、急ぎましょう!」と私が言うとハリーがトロールの足を蹴る。するとトロールはターゲットをハリーに変え、追いかけ始めた。

よし、トロールの手に狙いを定めて…

 

「フリペンド(撃て)!」

 

私が呪文を唱えると、呪文が当たって驚いたトロールが手を離し、棍棒が地面に落ちた。

 

「ロン!ビューン、ヒョイよ!」とハーマイオニーがロンに叫ぶ。

 

ロンは深呼吸して、「ウィンガーディアム・レビオーサ!!」と棍棒に向かって唱えた。

 

すると、棍棒が徐々に上昇していく。トロールの頭上に棍棒がいったその時、ロンが呪文を終了した。棍棒に頭を叩かれたトロールは気絶し、その場に倒れた。

 

「ロン!すごい!!」とロンに言う。

ここぞという時に成功させるのは流石グリフィンドールといったところだろうか。

無事トロールを倒し、ほっとしていると、扉がまた開かれた。扉の先にはマクゴナガル先生やスネイプ先生。

 

「これは何があったのですか!!」とマクゴナガル先生が言う。

えっと…どこから説明したらいいんだろう…。と考えていると、

 

「先生、私が悪いんです!」

 

と突然ハーマイオニーが言う。驚いてハーマイオニーを見る。そもそもハーマイオニーがトイレに行ったのはロンが悪口を言ったからだし、ハーマイオニーに非はないのに。

 

「その…私ならトロールを倒せるんじゃないかって思って。それで、アリスが守ってくれて、ハリーとロンが倒してくれたんです。」

 

ロンが口をあんぐりと開けている。私も同じ思いだった。

マクゴナガル先生は本当の理由を薄々分かっていたようだったけれど、「分かりました。1人でトロールを倒そうとするなんて…グリフィンドールから5点減点です。」とハーマイオニーを見つめながら言う。

と、表情を柔らかくして、

 

「ですがトロールと戦って生きていたことに対して、それぞれ2点、加点しましょう。」と言う。つまりグリフィンドールに3点加点!互いに顔を見合わせる。

喜ぶ私達にスネイプ先生は不満気だったけれど、先生たちの前だからか、何も言わなかった。そんな先生の足には包帯。はっと先生の顔を見ると目を逸らされる。

 

「アリス?どうしたの?」とハリーに言われて、ハリーの方を向く。

 

「ほら、スネイプ先生の足…包帯が巻かれてる。」と小声で言う。

 

「ほんとだ…どうしたんだろうね」と話していると、

 

「4人とも、談話室に戻りなさい。」とマクゴナガル先生に言われる。それぞれ返事をして、談話室に向かう。




有名な

「レヴィオーサよ!!貴方のはレビオサー」

を入れたかったのですが...。無念。
ハロウィンの一連を一気に書いたので今回は長めです。


プロテゴはおそらく4年生か5年生くらいだと。攻撃呪文も使いこなせたらチートなので枷を付けました。

そのまま談話室に戻っちゃっていますがやり取りがありましたとだけ。

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