デクくんはLINEの名前皆にヒーローwikiってされてそうなので投稿します。
#16 ネーム・イズ・ザット
「……雨、ひどくなってきたな」
天気予報が外れた。家を出る時には降ってるか降ってないかだったのに、バスを降りた頃には本降り。今日は諦めてバスと電車で出たけど、正解だった。今日はやけに眠かった。一応、個性使ったら眠気くらい覚ませるんだけど、身体のやりたいようにするのは悪いことじゃない。
空いていた椅子に座って、タイマーを設定する。駅の数分前に起きる計算だ。腕を組んで目を閉じると、やけに聴覚が鋭くなっているような気がする。
車両内で流れているニュース。雄英体育祭の話題だ。
「お姫様抱っこ、素敵だったわ」「あの子、かっこいいわね」「すらっとしてモデルさんみたい」
うわ。聞かなかった事にしとこう。自業自得だけど最悪だ……芦戸ちゃん、本当にごめん。俺が悪かった。本当に悪かった。自分にも帰ってきてるし後悔してる。自分にも降りかかってる、この時の行動。
本当にすみませんでした。
電車を降りると、雨足が弱くなっている。靴がびしょぬれになることは回避できそうだ。
階段を上がったところで、肩越しに声が飛んできた。
「すみません、雄英の天成さんですよね」
「……はい?」
振り向くと、子供を連れた女性が一人。小さい女の子はスマホを握っていて、こちらに画面を向けてくる。
「これ! 王子様みたいで、かっこよかった!」
「すみません、学校に行く途中に声をかけてしまって。この子、貴方のことかっこいいかっこいいって。日曜日からずっと言ってるんです」
「い、いえ……その、ありがとうございます……」
「私も応援してるわ。頑張ってね」
あっという間に去っていった。女の子は「ばいばーい!」と手を振ってくれて、俺も振り返す。……ちゃんと、かっこいいヒーロー候補に見えてたらいいな。
それからも何度か声をかけられて、同じように振る舞う。俺から言えることは「テレビって凄いなぁ」だった。もちろん応援されるのは嬉しいんだけど、今まで俺は応援する側にしかなったことが無い。
校門を通って、傘の水滴を落とす。
「おはよう、天成くん。あの後、大丈夫だった?」
「ああ。思ったより疲労が溜まっていたのだろう」
「天成君! 無理はするな、荷物を持った方がいいか?」
「大丈夫だ、そこまでの事ではない。むしろ飯田、今日は荷物が多いな。なぜ合羽を……いや、いい。予鈴が近いだろう」
先に上靴を履いて、二人を待つ。飯田くんとデクくんは何かを話していて、そこからデクくんだけが先に来た。
「飯田はいいのか」
「うん。脱いだりとか色々あるから、先に行っててって」
ああ、そうだ。名前決めから職場体験、その最中に〝あれ〟があるんだ。
ヒーロー殺し〝ステイン〟。重度のオールマイト
飯田くんのお兄さん──〝インゲニウム〟。体育祭当日に、彼もその手に掛かっていた。俺は寝てたし、そもそも余裕がなくて忘れてたけど、飯田くんはそれで早退してたはず。自分のことにかまけて──というと偉そうだけど、忘れてた。
今回は体育祭見たいに見ていたいだなんだとは言ってられない。絶対に関わっちゃいけないし、関わると将来的に困るのは三人だ。
ゲームであれば、〝成長イベント〟とか言うやつだろう。ただしそんな冗談言ってる場合じゃない。ともかくここに俺が入ったら、三人の運命が大きく歪む。だから、職場体験も物理的に遠い場所に行くつもりだ。転生前の地元とか悪くないかもしれない。福岡は常闇くんが行くんだけどさ。
最終的に、ヒーローの在り方を叫びながら逮捕される、みたいな終わり方だったはずだ。その姿は世の中に「やった事は悪いこと、でも言ってることは間違ってない」みたいな感じで受け止められていた。
俺もその信念を否定することはできない。だってまだ、「
それが他人を害する形になったのも、同じ。彼は〝真のヒーローとは言えないもの〟を壊し、俺は〝ヒーローとしての自分しか見られたくないから〟切島くんを撃った。人のことを言えないどころかより悪い。
「……天成くん?」
「ああいや、すまない。少し考え事をしていた」
慌ててデクくんと歩く。なんとも思っていないようにふるまっているけど、俺の中にはもう一つ、最も恐れている事案があった。
体育祭当日、切島くんとの対戦で、明らかにおかしい挙動をしていた自信がある。あそこで、皆にバレているんじゃないか。じゃなくても、切島くんがうっかり零したんじゃないかとか。わざと広めるような人間じゃないことは知っているけど……もし、知られてしまったら。
教室の扉を開けると、いつもの声が飛んできた。
「お、ばーちゃん復活だ!」
「大丈夫だったか? いきなり倒れたから心配だったぜ」
「……ああ、おはよう」
「あんまり根詰めすぎんなよ」
「おい天成。てめェなんも言わずに倒れてんじゃねぇよ。面倒だろうが」
「それに関しては、すまない。体調管理が足りなかったようだ」
──はっきり言って、面食らった。
いつも通り。ぎこちなさや嘘をついている雰囲気さえなく、勢いはあるものの体育祭明けと考えれば別段おかしくもない。
「そうそう、天成! 今日のテレビ出てたぜ!」
「芦戸の事お姫様抱っこしたところだよな。あそこだけ空気違ったわ」
上鳴くんの一言で全てを察した。今の俺にも刺さるところあるからやめてください。本当にお願いします。
芦戸ちゃんも死にかけている。体育祭での起き抜けよりひどい。
「ねぇもうやめてよぉ!! バカ……もうやだぁ……電車でも言われたんだからね、恋人さん? って……」
「とか言って満更でもなさそうな顔してるくせに~」
「天成……!! 紳士的なフリして……ッ!!」
最後の一言だけは訂正させてくれ。俺は決して下心があってやったわけじゃない。何なら多分、芦戸ちゃんの言葉がなかったら切島くんにも轟くんにもやる予定だったし……いや勝てるかは分かんないんだけど。
本当に、非常に申し訳ない。だから、俺に言えることはこれだけだ。
「すまないな。責任は取ろう」
「え、え、ちょっと待って責任ってそんなっ」
「お、学生結婚か~?」
「踏み込むなぁ天成。これが年の功?」
「いや同い年だろ」
違う、そうじゃない。しばらく距離取るし断固否定するって意味だ。それに芦戸ちゃんはかわいいけど──
「悪いが、私のタイプは美しく強い──具体的には、空を飛べるような自由さと清廉さ、気高さを持つ女性でな。それか、猫っぽい子だ」
教室の空気が一瞬止まって、どっと笑いが起きる。正直言って、女性のタイプはガチの話だ。詰め込みすぎだって言う人もいるだろうけど、何も間違ってない。生涯独身でもいいくらいだ、そういう女性に出会えるなら。
「やっぱばーちゃんロマンチストだな!」
「どこの雑誌の受け答えよそれ!」
「猫っぽい子かぁ。耳郎とか?」
「あー確かに、耳郎って猫っぽいかも」
「うっせぇ誰が猫だ」
「そーゆーとこだよ」
「なら、猫かもしれないな」
いつものしょうもない話と、笑い声。腹の底にたまっていた何かが、少しづつ溶けていく。よかった、この調子だ。誰も、あの姿は話題にしない。本当に、何も知られていないのかもしれない。そうあってくれ。
「……あのさ、天成」
「どうかしたか?」
耳郎ちゃんが突然声を掛けてきたので、驚いた。何か言いたげなのに、聞き返したら黙ってしまう。
一番の懸念が、ここで来た。音で索敵や攻撃をこなす彼女ならば……もしかしたら、何か気付いたのかもしれない。声だって音だ。それを材料にして、〝俺〟の存在を見抜かれたのかもしれない。
「いや……何でもない」
けれど彼女はそれ以上何も言わず、席に戻ってしまった。背中を撫でた不安が、じわりと広がっていくのを感じる。
時計の針が朝礼の時間を示して、相澤先生が教室に入ってくる。先生もいつも通りだ。あんまり覚えてないけど、たぶんおかしい姿を見せてたはず。先生の表情は読みにくいし、声もあんまり変わらない。荒っぽくなるのは戦闘の時くらいだ。ほんとは怒ってたり、引いてたり、実は低評価付けてる……は冗談でも、「やっぱこいつヤバいわ。体育祭出さなきゃよかった。監視継続ね」とか言われてるかもしれない。素の顔晒してるから今更だけど。
「コードネーム──ヒーローネームの考案だ」
胸が膨らむ奴来た!! と沸き立った子たちが、先生に睨まれる。抹消まで使って見なくてもいいでしょ……。
まぁ分かるね。だってコードネームだもん。
こっからは指名の話だったり、職場体験のシステムだったりがある。俺は体調アレだし、個性の具体的な使い方見せてないから、学校が用意してくれたところから行くことになると思うけど。どういうことするかは分かってるから、ある程度聞いときゃいいや。名前も決まってるし、実質やることはない。
「天成。……おい、天成」
肩を揺さぶられていることに気付いた。上鳴くんだ。何か落としたのかと思ってそっちを向く。
「どうした、上鳴」
「指名来てるぞ。一件」
「…………シメイ?」
「ほら前見ろよ。指名来てるって」
本当に来てた。マジか。何で……? ニュースではカットされてたけど、実況じゃ映ってただろう。よく指名する気になったな、こんなのを。もしかしたらニュースでしか見てないとか? プロヒーロ―がそんなことするはずがない。たとえ見るタイミングがなかったとしても、録画くらいしてるはず。
だからこそ、意味が分からなかった。
「理解……理解不能だ……」
「喜べよばーちゃん。指名だぜ?」
「本当に、理解ができないんだ。上鳴、何故だと思う」
「そりゃばーちゃんが紳士的……ってのは冗談だけど、芦戸とか切島とのマッチのこと見てたんじゃね? じゃなくても騎馬戦と障害物走ですげーことしてたじゃねぇか」
「…………そうか」
そういう事にしておこう。やっぱり理解はできないけど、頂いた指名ならありがたく受け取りたいし、一件なら迷うこともない。よっぽど合わないところじゃない限り断ることもないだろう。
俺が行きたいところは医療系か、事故・災害救助に絡んだところだ。例えば13号先生とか、その手のことに長けている。あとあのマシュマロマンみたいなコスチュームがかわいいのも長所だ。ついでに声もかわいいと来た。そんな邪な理由は一割くらいで、純粋に災害救助について学びたい。
事件・事故に関わらず、この個性は人を癒すことも動きを鈍らせることも可能だ。生傷を消毒して、傷口を一時的に防ぐことだってできる。手から生み出してるってところで生理的に無理な人間は一定いるだろうけど、死ぬよりは安い。
あとは化学系。純粋に個性を伸ばしたり、知見が広がったりする。すでに一般的な高校生よりはそっちに詳しい自信はあるけど、世界一とは言わなくても、もっと深いところまで知りたいのは本当だ。俺の身体は薬剤生成プラントだし、知識が付けば付くほど有難い。
話を最低限聞きつつ考えていると、教室の扉が開く。
「──付けたら地獄を見ちゃうよ!!」
ミッナイ先生だ。うーん言う通り。名前って生涯にわたって使うからね、基本的に。キラキラネームなんて〝人生で初めてもらう可哀そうなプレゼント〟だし。この世界ってみんなキラキラネームみたいなところあるから、そういうの聞かないけど。庄田二連撃くんとか何考えたらできるんだ、あれ。
ともかく、名前って形を持ったヒーロー像は明確な目標になる。ある種使命みたいなものだと思う。
「うおおミッドナイト先生!」
「きたぁあ……!!!」
「学生の時につけたヒーロー名がそのまま世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね」
「その辺のセンスははミッドナイトさんに査定してもらう。俺にはできん」
確か先生は、プレマイ先生に決めてもらって「じゃあそれで」って適当につけてたはず。雑すぎるけど、かっこいいからいいや。
相澤先生はそれだけ言うと、芋虫になってしまう。先生寝てる。はっや。俺も疲労の種だから言えないけど、ゆっくり休んでください……。その節はご迷惑をおかけしました。
大喜利会場になってる教室で、半分寝ながら耳を傾ける。本当に、眠い。今日の朝からずっとだ。何かあっただろうか。普通の授業だったら起きるんだけど、今回俺は名前も決まってるし、当てられない限り問題ない。
「──天成くん! もう決まったかしら?」
……フリだったかもしれない。名前は既に書いている。俺はパネルと一緒に前に歩いて、教卓に置く。
「シンセヒーロー〝ウンターハイレン〟──これが、私の名前だ」
ミッドナイト先生が少し眉を上げて、下に書いたスペルを確認する。
「Unterheilen……ドイツ語ね。Unterは〝下〟、heilenは〝癒し〟。下から支える、痛みを抑えて癒す。そういう感じ?」
「はい。私はそういうヒーローになりたい。名前とは、希望だ。つけた人間の。保証ではない……だから、その望みを叶えるよう、日々邁進していきたい」
教室が一気に静かになって、何か間違えたかと内心焦る。違ったらしい、葉隠ちゃんが「らしいじゃん天成くん~!」と言ったのを皮切りに、「優しそ~!」「な! 英語がダメってわけじゃなくて、こう、ばーちゃんっぽい優しさっていうかさ!」「医学に関してはドイツのイメージですものね。流石ですわ」とみんなが言ってくれる。
「じゃあじゃあ、天成くん。シンセヒーローってのは?」
「シンセサイズ、のシンセだ。統合や調和を意味する。……声や思い、今と未来。様々なものを繋げるヒーローでありたい。そして私もそれ以外も、きっと一人でできることに限界がある。一人で完成するものではない。支え合い、互いの長所短所を補ってこそ初めて成り立つ」
──だから、シンセヒーロー。
自分でも驚くほど、言葉が自然に出た。この枕詞を考えたのは、昨日。彼の声がなかったら、これはきっと生まれなかったから。
「いいわね。意味も、響きもきれい。略すとしたら〝ハイレン〟かしら?」
「ありがとうございます。ええ、そのつもりです」
ちょっとだけ、いや、とても嬉しかったかもしれない。中学の時から、ずっと考えてた。心操もいい名前って言ってくれたし、皆から見てもいい名前だったんだろう。
席に戻ると、上鳴くんがまた絡んでくる。
「急に真面目モードじゃんばーちゃん」
「どこがだ? 私は常に真面目だが」
「そんなこと言って「私のタイプは猫っぽい子だ」って朝言ってたくせに~」
「そうだな。私の好みは間違いなく、猫っぽい子だ。そして、日常会話と授業は別問題だろう?」
「真面目に不真面目だ……」
上鳴くんの言葉を受け流して、俺はまた、バレないように眠ることにした。相澤先生が起きてくるタイミングで俺も目を覚ませば問題ない。最悪、誰か起こしてくれるだろう。飯田くんとか。
朝からずっと眠い。眠気が骨の奥から滲みだしてきて、電車の揺れが身体に残ってゆりかごみたいに眠気を誘発する。ミッナイ先生のヒールの音とか声とか、マーカーの音が全部遠くに聞こえ始める。昨日も同じ時間に寝たはずなのに、どうしてだろうか。眠気は限界に近くて、視界が霞み始めた。ボードがやけに白く見えて、脳の奥が溶かされたみたいになっていく。
「──ッ」
ほんの一瞬、ぷっつりと意識が落ちかけた。夢とも現実とも分からない場所で、誰かが呼んでいる。低い音が耳の中で反響して、誰かが肩を叩くのに引き戻された。
「天成、天成。……おい、マジで寝てんのか?」
切島くんだった。思わず跳ね上がりそうになった身体を押さえて、「マジでは寝ていないぞ」と返す。
「先生にバレるぞ」
「いいや、バレてはいない。現に、相澤先生は眠っている。目算、あと五分は眠るだろうな」
「その分析の正確さは何なんだよ……」
切島くんの声が、すぐ横で小さな笑いに変わった。彼は一昨日の事には触れずに接してくれている。内心でどう考えているかは見抜けないが、彼なりに気を遣ってくれているのだろう。
「……ま、元気そうでよかったよ。ほんとに」
「心配をかけてしまったな。すまない」
「いいって。誰だって調子崩すときくらいあるだろ」
理由が分からないまま眠気に抗う事数分。相澤先生が目を覚まして、指名がある人間はリストを渡すから指名の中で選ぶ。ない人は四十件の中から選ぶらしい。つまり、俺は一択だ。先生は特別何も言ってくれないし、実質「お前はここだ」って言われてる。ご無体な。
「天成は確定だ。提出は要らんが情報は渡しといてやる」
………………はい。そうですよね。
先生が出て行って、みんなが話し始める。俺に来ていた指名は、どこだったんだろう。紙に目を通すと、知らない名前。
──
スマートフォンを取り出す。情報はすぐに出てきて、所長はドメインヒーロー〝ミスティ〟。金色の髪の、つり目の女性。
「……綺麗な人だな」
京都府の事務所。よかった、当初の予定通り遠くに行けそうだ。どんなヒーローなんだろうか。公式サイトは無いらしい。Wikipediaを開くと、所在地とかあれこれ出てくる。主な活動は──
「天成くんはどこだった? 指名貰ってたよね!」
「麗日。実はここでな、少し緑谷のところに行かないか」
「うん! 私もそのつもりだったから」
お茶子ちゃんが来てくれたので、
で、座ってるデクくんは色々呟いている。いつもの調子だ。お茶子ちゃんの声で我に返って、どこに行くだとかの話になった。
「天成くんは?」
「そなたの知見を借りたくてな。ドメインヒーロー〝ミスティ〟……知っているだろうか?」
「〝ミスティ〟!? 知る人ぞ知る京都の半分を守ってるヒーローじゃないか! 彼女は京都の半分を自治していて、ヴィランが動いたらすぐに他のヒーローたちに報告して動かすんだ個性で監視してるんだろうけどその精度がすごくて他のサーチ系より範囲が広いのはもちろん生身の戦闘も得意なんだ身長は百五十満たないのに京都でも太刀打ちできる人は中々居ないんじゃないかな本題から外れたね彼女の個性は〝魔方陣〟プロセスは分からないけど一定のエリアに任意の──むぐっ」
光の速さで解説が始まったので、とりあえず頬を掌で挟んでおいた。解説デスブロッサムが過ぎる。
「……これがヒーローWikipediaか。初めて体感したが、情報量が恐ろしい」
「っぷは! あ、天成くんごめん……!」
「いや。話を振ったのは私だ。しかし詳しいな……京都の半分を自治と言ったが、人数は彼女含めて三人とある。それが彼女の個性で成り立っているというのか」
「多分。それで、サイドキックがクロークヒーロー〝シャドウバイター〟。個性はよく分からないけど、機動力が高いんだ」
「機動力か……」
「どこにでも現れるって聞くよねー。シャドウバイターは知ってる!」
「不思議な個性だよね。活躍してるのは分かるのに、どこから現れるか分からないっていうの」
「瞬間移動の能力とか?」
「僕も分からないんだ。全然情報がなくて、いろんなところで考察されてるよ」
あのデクくんも分からないってことは本当に知られてないんだろう。名前からするに、影に絡んだ能力なんだろうけど……B組の黒色支配くんみたいな感じなんだろうか? 〝クローク〟だし〝シャドウ〟だし。まぁ俺じゃ推測できるかも分かんないや。
とりあえず、次の授業がある。そろそろ飯田くんが着席を促し始めるし、俺も席に着こう。
そういえば相澤先生の抹消使ってる時の色どっちが好き? 原作とアニメでゴリゴリに違うんですけどぉ……
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赤(アニメ)
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金(原作)