話数をミスしたので初投稿です。
空気は、いつもより重かった。
議題は、USJ襲撃事件の全容と、そこに居合わせた生徒たちへの対応について。
全員、命に別状はない。重傷者は出久と天成あまりの二人だけであり、緑谷の方は特に問題なし。天成は重体に近く──というより、治療がなければほぼ一時間以内に死んでいた。確実に。
戦闘記録と実技だけでは、天成の個性の詳細は把握できない。薬剤の生成、それによる治療と妨害が主体となる狙撃手。発動系とくくるには難しい。サポートアイテム前提とはいえ桁外れの自由度。射程は五百メートル前後と自己申告していたが、回復と鎮圧を兼任しながらのそれはあまりにも長い。
そして──危険性も、著しく高い。
薬剤の生成、回復、強化、弱体。倫理的にも扱いが難しい。今生成しているのはそれだけだが、生成できる種類は今後、大きく増えていくであろう。もし仮に、ヴィランについた──あるいは、利用されれば。
「……奴らにとって、最高の兵器だろうな」
根津校長も同意する。
「誰かに、見ていてもらうべきだ。多少〝贔屓〟だと言われる状態でも」
「……誰が」
「君が適任だよ。担任だし、信頼も厚い。大げさだろうけど、命を預けられるのだとしたらイレイザーヘッド、君しかいない」
──命を、預けられる。
違う、あの十五秒で、命を奪われたのは自分だ。
「これは任務ではなく、担任としての責任だ」
校長の声はいつも通り穏やかだったが、その瞳は微塵も笑っていない。永遠に近い一瞬のうち、相澤は承諾することになる。
「あいつを疑いの目で見る気はありません」
「それで構わないよ。どっちの目で見ても、見る必要はある」
自身の身体を後回しにし、味方の回復を最優先に立ち回るその精神。最後の最後までそれを突き通せば、彼は死ぬ。どれだけ自分の為と彼が発していても、やっていることは変わらず殉教でしかない。
死して尚影響を残す──そう言えばお綺麗だが、殉死がどれほど馬鹿らしいのかは、ヒーローならば知っている。
退院手続きを済ませたのは、夕方だった。
医師からは強引に許可をもぎ取って、代わりに「一週間は安静にしろ」と厳しい顔で言われたし、タクシーまで手配された。
着替えながら、装着しなおしたコルセットに目をやる。
「これで済んだの、ラッキーだろうなぁ……」
ヴィラン連合が目的としたのは
自宅じゃなく学校に行くよう頼んで、教室に戻る。鍵取りに行ったら相澤先生いないし、多分帰ったんだろうな。顔合わせるの気まずいし、よかったかもしれない。
杖ないと歩けないのキツいな……明日も治療してくれるらしいし、夜通し自分で回復も回してるから多分明後日にはコルセットも取れるだろうけど。骨折治せるって言っても身体歪んでない自信ないし、皆がいないところでは杖ついてる必要あるな。前やった時と同じだ。
──こんな時に、
もう、頼れないけど。
父さんも母さんも
投与すれば数瞬で元に戻るほどの超回復ができる薬を。
使ったのは二回。たまたま居合わせた事故で、放っといても失敗しても死ぬから投与した。相澤先生に使った時と違って実験みたいにやったことに後で気付いて、そこでようやく自分がいかれてるってわかった。今思えば、妄執とか発狂とかそんなのになるかもしれない。
マッドサイエンティストと変わらない行動だし、今思うと最悪なやり方だった。
そこから正気に戻って、誰も死なせないし誰も傷つけないって改めて決めた。死ななきゃいいってもんじゃない。不安定な薬は使わないし、投与するのは効果が確実に保証できる回復弾と阻害弾、
そうやって進んできたはずだったし、これから進むつもりだったのに。
相澤先生が言った「前に進める」って何だったんだろう、と思った。理屈は分かる。個性の制御を学ぶことは、前進につながるから。
でも、納得はできていない。納得はすべてに優先するからこそ、こうやってうだうだと考えている。
「あっ」
アタッシュケースを落とした。毎朝マガジンを持っていくのに使うものだが、今の自分じゃ重かったのかもしれない、腰を曲げると体に悪いし、一旦椅子に座って取ろうと思ったら先に拾われた。
「退院は明後日じゃないのか。何でいる」
相澤先生だった。帰ったんじゃなかったんだ。
「お──私の生命力はプラナリア並なもので。日常生活にも支障はありません」
「問題ない人間がコルセット着て杖突かない」
「先生の方こそ平然と歩いていますが、副作用はありませんか?」
「いいや。お前のおかげでなんともない」
思わず手が止まった。
「お前はもう少し、自分を顧みろ」
「顧みてますよ」
「なら何で、ライフルで実弾を使わない。近距離でも、ダーツガンと体術だけで自衛する」
「先生も同じでしょう?
本心だ。でも、相澤先生は低い声で「少しは落ち着け」って肩を掴んでくるし、おかしいこと言ったわけじゃない。USJでもそれで通用していた。
「……俺は、プロだ」
「そうですね、
「相手を無力化するための手段を確実にする」
「だから私は」
「お前は、敵を殺さないのと止めることの違いを知らない」
「知って──」
「知らない」
怒られてるわけじゃない。ただ言葉を遮られただけなのに、先生の目が一瞬、個性を使ったみたいに赤く光ったように見えた。本当に気のせいだ。分かってるのに、身体は捕縛布で縛られたみたいに動けない。
「──は」
息が詰まった。
「お前のやり方は救うためでも守るためでもない。殺さないために、不安定な手段をとる」
「それは、悪いことですか?」
口答えじゃない。ただ、確認しておきたかった。俺が選んだ道は、そんなに間違っているのか? ちゃんとダーツも当てるし、寄られた時の為に銃剣も体術もある。殺さないのは、……殺さないのは?
分からなく、なった。
なんで殺さないんだっけ。
ヒーローだろうとヴィランだろうと傷つけるのは最後の手段だから? それとも誰かの死をもう見たくないから?
「……天成。お前は限界まで自分を削って、仲間を援護しようとしている。寄ってきた敵は、意地でも殺さない」
「……それが、サポーターの役目だから。殺さないのは情報源になるからです」
「殺さないために自分を危険に晒すのは、英雄じゃなく殉教者だ」
「……私のは、殉教じゃない。人を助けることをそんな風に言われる道理はありません」
「お前のそれは死ぬために戦ってるのと変わらない。戦うのは生きて、次を救うためだ」
子供に諭すような声に、何かが割れたような気がした。
「そんなの、ただの理屈ですよ」
「理屈で動けない奴はいつか死ぬ」
「誰かが助かるなら、いいでしょう死んだって」
言った瞬間、自分の声の鋭さに驚いた。どこから出たのか分からなかったし、ガラスにかっ切られたみたいに体の奥が熱くて、視界が歪んだ。
「……あの時、あんたを助けなきゃよかった」
何も見えないのに、相澤先生だけがはっきり見えた。
「助けなきゃよかったんだよ……そしたら、こんなことにならなかったのに」
後戻りができないと分かっていても、勝手に口から出ていた。
「ぐちゃぐちゃなんだよあんたのせいでッ! 分かってる、あんたのせいじゃないって。でも、先生が生きてるの見たら、何が正しいのかわかんなくなるんだよ……」
選んだのは俺だ。あの十六秒を作ったのも、先生を撃ったのも俺自身だ。
「見るのも見捨てるのも嫌なんだよ。ならどうすりゃいいんだよやめろって止められても! どっち取っても後悔するし助けたらまたあんたに言われるんだろこうやって!!」
「……お前は、どうしたい」
相澤先生の声は、変わらなかった。昨日と変わらず淡々としていて、それが逆に怖かった。逃げ場がなかった。
「どうしたいって……分かんねぇよ、分かるわけないだろ! 父さんだって母さんだって、李羽だって! 誰も死なせたくなくたって誰かが死ぬ! なら私は──」
「おれは……」
息が続かなくて、視界が揺れた。痛い。心だけじゃなくて、腰を捻って座り込んだせいで。
「あの弾であんたが死んでたら……私はまた、同じことをした。初めてブースト使った時と同じ事やってるだけだ。他人で実験したんだ」
理想としていた彼女とは違う、悪辣で人を逸脱したやり方で、そのやり方にふさわしい結果で。
先生の足が、目の前で止まった。落ちた影に顔を上げる気力もなかった。
「……天成」
心臓を掴まれたように感じた。名前を呼ばれただけなのに。
「俺は、お前を責めちゃいない」
「嘘だ」
分かってる。
「嘘だよ。あんたは俺の事、どうしようもない奴だって思ってる。自分で勝手に動いて、傷付いて泣いてるだけのガキだって」
「違うな。お前は、自分を壊すほど誰かを守ろうとした馬鹿だ。お前みたいな奴が、一番早く死ぬ。自己犠牲精神で囮や人質に惑わされる。どこかでそうなる。
殉死なんざ美談にもならん。全部切り捨てろって言ってる訳じゃない、手段を選べ」
──選べって、何を。焼けた喉じゃ聞くことも出来ない。
「命の使い方だ」
命の使い方。そんなの、もう決めている。確実に救える命を確実に救う。そのために個性を伸ばして、バイオティック・ブーストも完全に使えるようにする。最優先は味方の戦線復帰。どうせ自分には効かない個性だ、適当に回していればいい。
「命を、使うって……どうやって」
俺のやり方は、正しい。限界を測って可能な限り支援を続ける。引き際さえ理解できているなら大丈夫だ。
「生き延びるために使え。自分が生きる為だ。それができて初めて、他人を救える」
「……俺、生きてていいんですかね」
自分でも驚くほど、さっきまでかさついてた喉が声を出した。相澤先生は、首元の布を引き上げる。下手な綺麗事じゃ追い詰めてしまう、とか考えてるのかもしれない。
「……それを決めるのは、他人じゃない」
「けど」
「お前が死んだら、誰が撃つ」
てっきり「誰にでも生きる権利はある」とか、「命は誰にだって一つだ」とか。そういう言葉を吐かれるのかと思った。そのくらいしか、俺の語彙じゃ絞り出せない。
「お前がいなかったら、俺は死んでた。お前がいなかったら、次に死ぬのは俺じゃない別の誰かだ。生きてるうちは、まだやれることがある」
声はいつもの調子に戻っていた。低くやや通りにくい、身体の奥まで染みるバリトン。呼吸が浅くなって、心拍が早くなった気がした。自分が誰かの〝やれること〟に含まれる可能性がある。その実感が怖かった。
「そんなつもりじゃなかったって、言って……」
「ああ。言ってくれた。だからこそ」
短い言葉の中にはやっぱり、責める響きはなかった。先生は机に置いたままの鍵を手に取って、少しだけ視線を落とした。
「俺が、お前を見る必要がある」
「見る? なぜ」
先生が言った言葉がどういう意味か、すぐにはつかめなかった。
「校長から言われた。USJの件でお前の身体の状態はバレてる。〝経過観察〟だと。万全じゃなきゃ体育祭も出さん」
「…………はい?」
あ、そうだった。USJのあとは雄英体育祭。生徒たちにとっては晴れ舞台で、プロたちに注目される機会。将来にも関わる。だが俺にとっては、少し意味が違う。どこまで自分の求めた動きができるか。回復はともかく、阻害とダーツの練習──というと失礼だけど──、開けた場所で近距離、相性最悪のフィールドでどれだけ戦えるか。全部込みで確認しておきたい。
「出たいと思ってますよ。確認しておきたいことがあるんで」
「確認」
「はい。ダーツと阻害弾があるなら十分です」
「……さっき言ったことを忘れるなよ。あとは好きに暴れろ」
やるなら責任を持てってことだ。命の使い方もそうだろうけど、怪我の事ちゃんと考えてって意味だろうか。
荷物を持ち直して教室を出ると、先生は施錠してこっちを向いた。
「待ってろ。俺が送る」
「えっ」
「長距離歩くのはまだ無理だろ、その調子じゃ。車出すから住所教えろ」
「歩けますよ。じゃなかったら忘れ物取りになんてきません」
「さっきみたいに荷物落とさないならな」
痛いところを突かれた。ぐうの音も出ない。「体育祭出たいなら従っとけ」ってずるい。だって先生の判断次第じゃ出られずに終わるんでしょ? ぐうぐう……。
俺には頷くことしか許されなかった。
車のドアが静かに閉まった。荷物は後部座席に置かれて、シートベルトを締める。荷物ごと後ろでいいし、わざわざドアまで閉めてくれなくてもいいのに。
空いた窓から流れ込む風はちょうどよく、削れた体力とあいまって眠気を誘発する。さっきまで夕方だったはずなのに、暗くなった道には温かい光が漏れていて、あの日のことを否応なく思い出させる。日常をぶち壊されたあの事故だって、こうやって車の少なくなったときに起こったから。
ハンドルを握ったまま、先生はこっちを見ない。合理性を求めるタイプだし、安全運転の重要性を理解しているからだと思っても、安心が先に出る。
彼が何を考えているのか、分からなかった。信号の光が相澤先生の顔に影を落として、表情を読み取ることも出来なくなる。表参道を抜けて住宅地に入ると、細い坂を上っていく。普段使わない、通学路と真逆の道だ。
そこで気づいた。自転車を駅に置いたまま、忘れている。治るまで諦めるしかないから、管理の人に伝えておこう。
「こっちで合ってるか」
先生の声に、頷く。見慣れた住宅街の並びが見えていた。玄関先の庭木の影が揺れて、誰もいないはずなのに人気を感じる。ゆっくりと止まった車はエンジンを切られ、辺りの音に輪郭を持たせた。
「……ありがとう、ございます」
お礼は、少しだけ裏返った。引き戸が開く音がして、相澤先生がこっちに回ってくる。ドアを開けて立とうとした俺に手を差し出してきて、杖を支えに立ち上がった。荷物は当然のように回収され、「どこにある」と聞かれたのを「内ポケットの定期です」と返すと、先生は鍵を出してくれた。
先生の足音が一定の間隔を刻んで、それをなぞるように後ろを歩く。鍵を開けて、荷物を玄関の棚の上に置いたあと、背中を向けた先生が振り返る。
「それとお前」
不意に名前を呼ばれて、顔を上げる。
「自分で回復回してるだろ。そうじゃなきゃここにいない」
息が止まる。
──見抜かれてる。
俺の個性は他人には即効性があるが、自分には極端に遅い。だから、あの入院期間を短縮するにはずっと調整しなきゃならなかった。体液を使って、代謝を上げて、わずかずつ骨を繋げるように。でも言ったら絶対入院期間が延びる。
「はは……そんなわけないでしょう。自分回復するのに時間かかるんだから──ぁ、あ゛ぁッ……!?」
崩れ落ちそうになった身体を、相澤先生が支えてくれた。今まで抑えてた痛みが何倍にもなって返ってきた気がして、息ができない。ちかちかする視界の中で、先生の視線だけが赤く、突き刺さった。
「〜〜〜ッ、は……ぁ、ぐ……!!」
「嘘をつくな。バレないと思ったか」
〝抹消〟を使われたのは、初めてだった。生成中ならともかく、銃弾にした後の個性を先生は消すことが出来ないから当たり前だけど……病院の痛み止めだけじゃ、効かない。死ぬ。痛覚だけじゃなくて、身体のどこか分からないところから苦しさが込み上げてきて、目眩と震えで全部がめちゃくちゃになる。
「せん、せ……も、かくにん、できたなら……」
「いい薬になったか」
「ぅ、ッ……副作用、は……ぁりま、せん」
「そういう問題じゃない」
力が抜けた身体を支えたまま、先生はしばらく、何も言わなかった。冷たい外気が頬を叩いて、抹消を解かれたのに鋭く全身が痛んだ。
「許可なく個性を使ったこと。今回は、不問にしてやる」
低く告げられた一言が、鈍った思考にかかる。
「事後に何を言ってもどうしようもないからな。俺が報告しなければ、誰も知らない」
「……は、い」
「次はない。分かるな」
頷くしかなかった。前のめりになっていた身体をそっと元に戻され、落ちていた杖を拾ってくれる。
「今夜はもう、何もするな。いつもやっているトレーニングもだ。飯食って風呂入ったら寝ろ」
「でもまた──」
「やめろ。お前の個性、身体削るんだろ。今の状態じゃ治るものも治らん」
返せる言葉をまた、持っていなかった。口を開くとして、また嘘をつくか泣き言を吐くかしか選択肢はないし、なにより先生の言葉は正しい。先生は俺を見たまま続けた。
「今回は俺の落ち度だ。数日は好きにしろ」
──もう病院にも戻せないから、自己回復は目を瞑ってやる。そういうことだ。お礼を言うと、「次にやったら報告上げるからな」と冷たい言い回しで、気遣いが滲んだ声を返された。
先生は一瞬、下駄箱に目をやると、僅かに目を伏せた。けれど、何も言わなかった。
「明日も調子が戻らないなら休むか、学校に連絡しろ。一限目は空いてる」
「はは、そんな大げさな」
「体調管理もヒーローには必要だ。それに、生徒が教師に甘えるのは悪いことじゃない。たまにはな」
相澤先生って、こんな人だったっけ。原作では、ここまで露骨に優しくしてくれるところはあんまり見たことないけど。
でも、今の先生は演技も何もなく、少しだけ不器用な優しさが混じっている雰囲気があって、心のどこかが温かくなる気がした。
「……分かりました。ありがとうございます」
先生は今回こそ踵を返して、門扉を閉じて車に乗っていった。車のテールランプを見送って戸締りをすると、外の空気が薄く広がっていく。
誰もいない家は、いつもより静かに感じられた。俺以外は、誰もいない。──三年前から。
ゆっくりとリビングに歩いて行って、カウンターに立てられた写真が照明の光を含む。映っているのは俺と両親、そして妹だ。中学に上がるから、と取られた記念写真。志望校に受かったわけでもないのに大げさな。あの時はそう思っていたが、数か月後に顔を見られなくなったことを思えば、正解だったのだろう。
ゼリー飲料を口にしながら、考える。あの瞬間から、俺の〝助ける〟はずっと間違ってたんだ。死を見ないために助ける。正気に戻ったのはほんの一部、手段を問わない〝実験〟だけ。
風呂に入った後も、先生の言葉が頭の中に残っていた。生きるために命を使え──そんな使い方、この数年の孤独で吹っ飛んだ思考だった。
ドライヤーを切ると、髪が頬を撫でた。コードを片付けて鏡を見ると、琥珀色の瞳がこちらを見返していた。ドライヤーの風で体温は上がっているはずなのに、唇の色は薄い。
ベッドに身体を沈めると、いつもよりも冷たい気がした。回復している時特有の熱。免疫にも作用しているのだから、当然だ。
夜通し〝調整〟していたからか、眠気は急激に襲ってきた。「お前がいなかったら、誰が撃つ」。その言葉の意味が、ようやく分かりかけてきた。撃つのは戦う事じゃないし、救う事でもない。ただ生き延びて、次に繋げる。撃てる限り生きている。生きている限り、誰かを救える。だから自分のパフォーマンスを下げて死に近づくのは愚行だと、先生はそう言いたかったのだろう。
それだけのことを考えられないほど、俺はどうでもよかったのかもしれない。
──夢の中では、誰も死なない。ただ、次に繋げるために力を蓄えるだけだ。だから少しだけ、何も考えずに眠ろう。
誤字報告助かります。情けない筆者ですよろしくお願いします。
そういえば相澤先生の抹消使ってる時の色どっちが好き? 原作とアニメでゴリゴリに違うんですけどぉ……
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赤(アニメ)
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金(原作)