STEINS; GATE ~存在証明のレジスタンス~   作:明治アル蜜柑

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幕間(2)

これにて第三章が終了となりました。

 

イベントごとに岡部と鈴羽とで考察しているので、これ以上この場で解説することは特にありません。そのため、章タイトルに込めた意味についてお話させていただこうと思います。

 

 

第二章である『閉時曲線のエピグラフ』については原作のままにさせてもらいました。

 

閉時曲線とは同一時間軸における因果関係の循環を意味しているようです。本来、因果関係とは過去の原因によって未来で結果が起こる、という流れになります。ですが、過去に干渉する術が確立された時点で、未来が過去に影響を及ぼすようになります。本来なら、それによって因果に矛盾が生じるようですが、アトラクタフィールド理論においては、それが矛盾することなく、世界線という形で存在出来るようですね。まるで無限ループのような状況。岡部たちが置かれている状況の複雑さを言い表した言葉だと思われます。

 

一方、エピグラフとは文書や書物の巻頭に置かれる銘句や題辞を指します。有名な詩や句から引用して、その作品の方向性を示すようです。碑文や碑銘とも呼ばれることがあるみたいですね。

 

さて、ではこの章タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

 

原作ではこの章からルートが分岐します。一方は『盟誓のリナシメント』へと続くルート。もう一方は『無限遠点のアルタイル』へと続くルート。リナシメントのルートの先にはシュタインズゲートは存在しません。もちろん、そのルートも必要不可欠ではあるのですが、最終的にはDラインを送る事でアルタイル側のルートへと戻す必要があります。

 

ここで岡部が選択を誤ると、シュタインズゲートに辿り着くことは出来ません。それこそ、無限ループに陥ってしまうような状態です。

 

無限ループに陥らないためのエピグラフこそが、Dラインであると考えられます。

 

スマホの電源のON・OFF。これについては前作、『STEINS; GATE ~抗い続けた者たちの執念のエピグラフ~』にて解説していますので、そちらを参考にしていただければ幸いです。

 

今作では、岡部がスマホの電源をOFFにする理由はありませんでした。“紅莉栖”と話すことに抵抗は覚えつつも、『Amadeus』のテスターを辞退する主な理由は、これ以上関わるとレスキネンに情報を与えてしまいかねないからです。精神的なことよりも、実利を取ったと言えるでしょう。そのため、電源をOFFにするという選択はありませんでした。

 

つまり、閉時曲線……無限ループからは既に抜け出せている状況であると言えます。Dラインは岡部にとって後押しでしかありませんでした。(もちろん、受信した際には焦っていますが……)

 

 

 

では、第三章についてです。

 

第三章は原作の『双対福音のプロトコル』とは異なり、『双対福音のプログレス』としました。

 

まず、双対福音についてですが、双対とは字面通り、二つの対になったものを指すのだと思われます。福音とは聖書における、良い知らせを意味しています。

 

次にプロトコルですが、ある事柄について複数の当事者が、それを確実に実行するための手順という意味があるそうです。人間同士の関わり合い方や、感覚といったものでもあるようです。グループ内において、プロトコルを一致させることで、円滑なコミュニケーションが取れる、という感覚もあるようです。

 

私は原作の章タイトルに込められた意味を、以下のように考察しました。

 

まず、良い知らせである福音が対になっているということから、良い知らせと悪い知らせの二つが同時に存在しているのではないかと考えました。良い知らせとは、2011年12月18日(リナシメントルート)から届いたDラインを指し、悪い知らせとはラボでのクリスマスパーティの際に鳴ったオルゴールを指すのではないでしょうか。

 

Dラインは、岡部を奮い立たせるためのもので、それこそが無限ループから抜け出すためのエピグラフである……と先述しましたね。シュタインズゲートは必ず存在するんだ、というメッセージになっていると思われます。これはもちろん良い知らせと言えますね。

 

一方、オルゴールですが、このメロディが流れている途中で、ロシアがタイムマシン実験を行い、岡部はロシア世界線へと飛ばされることになりました。望まない世界線の変動は悪い知らせであると言えるでしょう。

 

このように、良い知らせと悪い知らせの二つが同時に存在しているからこそ、双対福音、という言葉を選んだのではないかと考えました。

 

そして、この対の関係はプロトコルにも関係があると考えています。

 

プロトコルの一致が重要である……それはもちろん、岡部と紅莉栖のことであると思われます。岡部は紅莉栖の死によって、紅莉栖に対しての罪悪感とトラウマを抱えています。そんな中、『Amadeus』のテスターを始め、紅莉栖と向き合うことになります。

 

“紅莉栖”と一から関係を構築し、親しくなれたことでプロトコルを一致させることが出来た。一方、人工知能である“紅莉栖”と心を通わせ、自らの手で紅莉栖を殺してしまった事から目を背けている自分を嫌悪する。これはプロトコルの不一致だと言えるのではないでしょうか。

 

この一致と不一致こそが、双対の関係にあると考えました。だから双対福音のプロトコル。

 

 

 

1.130205世界線では、原作と置かれている状況が違っています。岡部には紅莉栖への想いの中に複雑な葛藤はあれど、それでも前向きに進もうと向き合い続けています。Dラインについてもしっかりと受け止め、自らの足で未来を目指そうとしている。そのため、プロトコルの一致が実現しつつあるのではないかと思いました。

 

さて、プログレスとは進歩や前進を意味します。

 

今述べた岡部の在り方は、まさに前進だと言えます。これからロシア世界線に突き進むことになりますが、それでも諦めずに前進していく。そして岡部の精神も成長、進歩していく。

 

そういう意味を込めて『双対福音のプログレス』としました。前進していく岡部を描ければと思っています。

 

 

 

 

 

いやぁ、前向きな岡部っていいですね。

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