キヴォトス、先生大量発生中!?   作:ユメ先生

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今回はネタ要素多めです。


ミレニアムの先生:アリスの選択

 

 

 

「先生ぇ」

 

 ミレニアムの先生が校内の廊下を歩いていると、モモイが話しかけてきた。

 

「おや、どうしたんだい、キャシー」

「実はちょっとお願いがあるんだけど!!」

「ふむ、いいよ、言ってみなさい」

「セミナーが押収してるらしい、『鏡』ってツールをちょっと使いたいんだよ。一回だけで良いから、使わせてもらえないかな!!」

 

 モモイは両手を合わせて拝み倒す姿勢である。

 

「まあ私ならセミナーの押収物保管庫に言って、ちょっと拝借することぐらいわけないけよ」

「ほ、本当?」

「でもセミナーは違法なツールとしてそれを押収したんだろう?

 理由次第かな。言えないようなことなら協力できないよ」

「それなら大丈夫だよ!!」

 

 モモイは先生に説明をした。

 アリスを見つけた廃墟で、神ゲーのマニュアルである“G-Bible”なるデータを入手したこと。

 それを観覧するには、『鏡』と呼ばれるツールが必要である、と言うことを彼女は話した。

 

「なるほどね。まあそう言うことならちょっと取って来てあげても良いよ」

「よかった、ありがとう先生!!」

「これまでのキャシーの行動パターンだと、断ればセミナーを襲撃してでも奪おうとするだろうからね。

 まあ、もしそんなことするなら問答無用で停学にするけど。そんな後先考えない絵図を描いた時点で、シナリオライターとして失格の烙印を押さざるをえない」

「あ、あはは!! 流石に私でもそんなことしないよ!!」

 

 モモイは明後日の方向に視線を泳がせながら否定した。

 彼女たちの先生は微笑んでいる。それを見てモモイは、あッこの人は私情抜きで容赦なくそうするだろうな、と確信した。要するに、次は無いぞと釘を刺されたのである。

 モモイは自分たちの先生と時々バカをやって遊ぶ仲だが、それは公私を分ける理由にはしないと理解したのだ。

 

「しかし神ゲーのマニュアルか。

 もしかしてそんなものを手にする為にシャーレの先生を呼んで、連邦生徒会の管理下である廃墟まで行ったのかい?

 キャシーらしいと言えばそうだが、相変わらず回りくどい上に後先考えない浅はかな思考パターンだね」

「もう、直球に馬鹿だって言えばいいじゃん!!」

 

 散々な物言いだが、そんな軽口を言えるくらいには二人は年の離れた私的な友人関係だった。

 

「最初から私を頼ってくれればゲーム開発の助言ぐらいしたのに」

「え、先生ゲームを作ったことあるの?」

「いや、無いけど。でもどういう風に作れば良いかは分析すれば分かることだよ。

 ゲームにはジャンル、つまりパターンがある。要所を抑えれば、昨今はAI技術も発展している、そこまで労力を掛けず個人でもそれなりのゲームの作成は可能だよ」

 

 プログラミングは多少齧ってるしね、と先生は答えた。

 

「先生はわかってないな!! 最近のゲームはAIを使用しているってだけで区別されるんだよ、それだけで評価は落ちるんだ。

 ゲームは人間のハンドメイドだから意味があるんだ!!」

「まあ、理解はできるね。AIを排斥したがる技術に無理解な、或いはAIを悪用する輩は数多い。

 でもそうなると、アリスを部員とする君たちの作るゲームはどうなるんだろうね」

「もうッ、先生の意地悪!! アリスは別で良いじゃん!!」

「HAHAHA!! そうだね、彼女を感情の無いAIと一緒くたにするのは良くない」

 

 頬を膨らませるモモイのほっぺたを、つついてそのもちもちさに笑みを深める先生。

 

「私は幾つか書籍を出版したことがあるけど、どうせ神ゲーのマニュアルなんて自己啓発本以上の意味なんて無いと思うよ。

 私はモモイ達の創造性豊かな自由なゲームを期待していたんだけどな」

「……でも先生、テイルズ・サガ・クロニクルをボロクソ言ったじゃん」

 

 モモイは思い返す。

 

 当然先生はゲーム開発部にやって来て、その部室で例のあのゲームをプレイした。

 

「キャシー、友人として耳当たりの良いお世辞と、ミレニアムの先生としてユーザーの率直な評価、どちらが聞きたい?」

 

 一通りプレイした後、先生はモモイとミドリ、そしてロッカーに隠れているユズに聞こえるようにそう選択を突き付けた。

 双子は顔を見合わせ、率直な評価を望んだ。

 

「端的に言って時間の無駄だった。何の価値も無いゲームとはこの事だろう」

 

 彼女たちの先生は、それはもう率直にそう事実を述べた。

 

「奇をてらっただけのシナリオ、ユーザーに不親切なチュートリアルを始めとしたシステムの数々、グラフィックはチープだがそう言う作風だと思えばそれが唯一の評価点かな」

 

 淡々と、彼女は評価を下す。

 

「これは面白いゲームを作りたい、という願望から出来た代物ではない。

()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 これをレトロ風ゲームと言うのは、レトロゲームへの冒涜に等しいだろう。

 君たちはゲームが好きなだけで、ゲーム作りに優れているとは到底言えない。

 このゲームを世に出す前に、なぜ君たちが大好きな市販のゲームと出来を比べなかったのか理解に苦しむよ。

 もし正式に部活動として認められても、これまでの君たちでは一円たりとも予算は出せない」

 

 自分が最後までプレイしたゲームに対する、批評する権利を以って先生は酷評した。

 

「ゲーム開発よりも、素直にeスポーツの分野に転向する方をおススメするよ」

 

 その上で先生は彼女達に道を示した。

 

「そ、そこまで言うこと無いじゃん!! 私達は頑張って作ったゲームなのに!!」

「そうですよ!! 先生、お姉ちゃんからユズのこと聞いてるはずでしょ!?」

 

 双子は即座に言い返したのだが。

 

「では三人に問うよ」

 

 冷淡に、先生は言った。

 

「批判者は、敵かい?」

「……」

「学生用ゲームポータルのランキングで堂々の最下位。

 その事実を否定し、直視せず、身内のノリに終始する。

 多くの批評を受けて、その全てを君たちに対する罵倒としか受け取らなかったのかい?」

 

 彼女たちは答えられなかった。

 

「それが最大の問題だよ、ゲームの出来より余程重大な、ね。

 君たちは、このゲームを昔のカセットゲームのように、一度発売したらバグを直したりできないわけでは無かった。

 そんなところまでレトロゲームのつもりかい?」

 

 そう、テイルズ・サガ・クロニクルはアップデートなどされていない。

 ユーザーからの声を聴いて、改善などされていない。

 それは誤植をそのままにしていることから明らかだ。

 

「批判を受けて、なにくそと新しい創作意欲に駆られるのならまだ芽は有った。

 でもキャシーがこの間、私が呼びに来るまで部長会議に来なかったように、君らは部活動と言う名目で遊び惚けていた。

 そこに居る籠の中のお姫様も、批判に傷つき悲しむことは憐れに思うよ。でも創作とは、自ら血を流しながら行うマラソンのような、自傷行為だ。自己主張だ。

 悪いことは言わない。私は努力の方向性を間違える者に指導は出来ても、努力を怠ったり前に進めない者に寄り添うことはできない。

 だから君たちはプレイヤーのままで居た方がいい。それが私にできる最大の助言だよ」

 

 先生はハッキリと、ゲーム開発に向いていない、と断言した。

 そこに私情も悪意も無かった。

 生徒達を想うからこその、冷淡さしかなかった。

 

「先生!!」

 

 でもそれで諦めるほど、モモイは賢くなかった。

 

「そこまで言われて、簡単に引き下がるわけないじゃん!!」

「……お姉ちゃん」

 

 先生に完璧に論破されて弱気になっていた妹は、姉を見やった。

 

「私達はユズの作ったゲームを遊んで、こんなゲームを作りたいと思ったんだ!!

 私もミドリも、テイルズ・サガ・クロニクルを作ってる時はすごく楽しかったんだよ!!

 その楽しみを知って、今更ただのプレイヤーで居るなんて出来ないよ!!」

 

 その言葉に、ロッカーの中に居たユズは再び胸を打たれていた。

 この双子がゲーム開発部の部室のドアを始めて開けた時のように。

 

「ゲーム制作は、多くの苦痛と苦難の上に成り立っていると聞く。

 キャシー、君はそこに悦楽を見出したんだね」

 

 そこで初めて、先生はフッと笑った。

 

「Crazyだよ。だが、多くの芸術家が創作の魅力に憑りつかれている理由を私も理解できる。

 自分の作品が認められ、広まる歓喜は代えがたいものだ」

 

 先生はどこか眩しそうに、モモイを見ていた。

 自分が持ちえないものを有している、彼女の可能性に惹かれていた。

 

「なら、私からもう言うことは無いよ。

 君たちの新作を、私は待ち望むとしよう」

 

 先生は彼女達の苦難の道のりを祝福し、そう言った。

 

 

「ボロクソ、か。私なりにエールを送ったつもりだったんだけどね」

「もう!! ユズってばあれで三日は立ち直れなかったんだからね!!」

「言っただろう。創作は自己主張だと。それが出来ないならどの道ただこれから傷つくだけだよ。

 キャシーの鈍感さと図太さの10%でも彼女に在れば、とは思うけど」

 

 公の場で発表などをしたことがある先生にとって、繊細なユズにゲーム開発を辞めさせるのも優しさであると思っている。

 

「悪かったね!! 鈍感で図太くて!!

 それよりも、早く『鏡』を取りに行こうよ!!」

「……うーむ、気が変わったよ」

 

 先生はニヤリとモモイに笑いかけた。

 モモイは猛烈にイヤな予感がした。

 

「そのツールは明日渡そう。準備が終わったら君たちの部室に連絡をするから、それまで待っていたまえ」

「えー、準備って何さ!! 今すぐ取って来てよ!!」

「ふふふ、それはその時のお楽しみさ」

 

 先生は含みを持たせた笑みで、モモイの前から去って行った。

 

 

 そして、翌日。

 

 ゲーム開発部の面々が、シャーレの先生と一緒に部室で連絡を待っていると。

 

「はあ、みんな、居るかしら?」

「あ、ユウカです!!」

 

 なぜか疲れたような表情で、ユウカが現れた。

 

「うちの先生から伝言よ。はあ、なんで私がこんなことを」

 

 そんなことをぼやきつつ、おほん、と彼女は咳払いした。

 

「勇者アリスよ、認めよう。君をミレニアムの生徒として。

 そしてミレニアムランキングの頂点、ドミネーターを目指すがいい……」

 

 ユウカは急に大仰な物言いで、アリスにそう言った。

 

「え、どうしたの、ユウカ。急に……」

「仕事のし過ぎでおかしくなったんじゃ……」

「うるさいわね!! 先生に頼まれたから言っただけよ!!」

 

 ひそひそ話をする双子に、ユウカは怒鳴った。

 

「わ、わあ!! アリス達にクエストですね!!」

 

 しかしアリスは大喜びである。

 

「今の台詞、それにドミネーターって用語、まさか!!」

「“うん、往年のロボゲー、フルアーマーコアの台詞だよ”」

 

 そして、ユズとシャーレの先生は気づいた。

 ユウカの諳んじた台詞は、有名なロボゲーの序盤の台詞のオマージュであると。

 

「え、フルアーマーコアって、ニッチなロボゲーだよね?」

「うん。マニア向けの。ちょっと前に新作が出たって話題になったよね」

「先生の趣味かな?」

「とりあえず、そう言うわけだから、エンジニア部に向かいなさい」

 

 ユウカは顔を赤らめたまま、逃げるように去って行った。

 

「みんな、クエストを受諾しました!!

 エンジニア部に向かいましょう!!」

 

 アリスが楽しそうなので、他の面々は特に異論があるわけでもないのでエンジニア部の部室に向かった。

 

 

「遅かったじゃないか……ゲーム開発部の諸君」

 

 すると、部長のウタハが出迎え、そんな意味深なセリフを吐いた。

 

「先生と我々、ダークエンジニア部が開発したミレニアム破壊兵器パルパルライザーは既に起動している」

「ダークエンジニア部って……」

「ドミネーターは一人だけで十分なのさ!!」

 

 ははははは、とノリノリで高笑いをするウタハ。

 その後ろでは、エンジニア部の部員たちが何かを起動している。

 

 それは球状の、銀色の球体のような機械だった。

 何やら砲塔のようなモノが突き出ており、なんとジェット噴射で空中に浮かび上がったではないか。

 

「いやパルパルライザーって言うより、あれってソルティメス・オービットじゃ……」

「“こんなものを浮かべて悦ぶのか、変態科学者め!!”」

 

 シリーズもナンバリングの兵器名も滅茶苦茶……、と物申したげにしているユズの横で、シャーレの先生はキメ顔でそう言った。例のロボゲーの台詞である。

 実際エンジニア部の面々は、浮いた浮いた、と喜んでる。

 

「ミレニアムを破壊させるなんて許せません、アリスは戦います!!」

「“アリスこそがドミネーターだよ!!”」

 

 アリスとシャーレの先生はノリノリだった。

 エンジニア部の謎の機械は、左右にジェット噴射で機敏で変態的な軌道で動き回っている。

 

 そして、シャーレの先生の指揮のもと、変態的兵器は無残に破壊された。

 予測できない動きで、空中からグレネード弾を発射する強敵だった。

 

「やった、アリス達の勝利です!!」

「“ああ、壊してしまった……”」

 

 勝利に喜ぶアリスの後ろで、指揮をしていた先生は涙を呑んだ。

 

「よし、諸君。次に向かうぞ!!

 ふふふ、勇者アリスよ。パルパルライザーは無限に学習し、復活する。第七実験場に奴の生産拠点が存在する。そこに向かい、パルパルライザーの復活を阻止するのだ……」

 

 ウタハ達はそれだけ言うと機材をまとめ、どたばたと去って行った。

 

「いや、ダークエンジニア部の立ち位置は何なの……」

 

 敵なのか助言するのか、どちらかにしてほしいユズだった。

 

「きっと、エンジニア部の皆は悪の魔王に洗脳されていたのです!! さあ、勇者パーティが魔王城に向かいますよ!!」

「“次は一体なにを用意しているんだろうね!!”」

 

 アリスと一緒にシャーレの先生はワクワクしていた。

 

 そして、一行は第七実験場へと向かった。

 

 

「よし、最終チェック完了!! 先生、いつでも動かせます!!」

 

 そこでは、エンジニア部の部員たちが総動員で準備をしていた。

 一行はそれを見て、目を見開く。

 

 彼女たちの為に用意されていたのは、人型のロボットだった。

 全長約六メートル程度の大きさで、赤と黒のデザインに⑦のエンブレムが施されていた。

 

「“フルアーマーコアのラスボス機体、セブンボールだ!!”」

 

 シャーレの先生が歓喜の声を挙げた。

 

『ふふふ……』

 

 ずしん、と二足歩行のロボが、足を踏み出す。

 

『遅かったね、勇者アリス。パルパルライザーはもう私が破壊したよ……』

「セブンボールなのか、マナイーターなのか、ポジションをハッキリさせてください、先生」

『一日しか準備する時間が無かったんだ、しょうがないだろう!?』

 

 ユズの辛辣な批判に、ロボに搭乗しているミレニアムの先生がそう返した。

 

『ごほんッ、……アリス。ミレニアムに現れたイレギュラー……危険すぎる。修正が必要のようだ』

「アリスは勇者です、悪いロボットには負けません!!」

『ミレニアムのドミネーターである私を、超えることなど誰にも不可能だ』

「“ッ!? 来るよ、みんな!!”」

 

 セブンボールの再現機体が、武装を生徒達に向けた。

 アリスのレールガンを縮小したような、ロボットのハンドサイズの銃器である。

 

 きゅいぃん、と銃口が鳴る。

 

「ちょ、あんなデカブツと戦わせる気!?」

「サイズ差を考えてよ!!」

 

 すぐに双子が応戦する。

 小型レールガンが発射され、二人が隠れた遮蔽物が吹き飛んだ。

 二人が悲鳴を上げる。

 

「……あれ、もしかして」

「“ユズ、君も気づいてしまったんだね……”」

 

 元ネタのゲームをやりこんでいたユズは気づいてしまった。悲しい現実に。

 

「うん、あれ、フルアーマーコア3を完全クリアした時に貰える、コンプリートアイテムの再現だよ」

「“みんな、左右に避けて!!”」

 

 先生の指示に、生徒達は従った。

 すると、小型レールガンの弾丸は、途端に生徒達に命中しなくなった。

 

「あれ、なんで当たらないんだろう?」

「ちゃんと狙って撃ってないの?」

 

 双子の疑問に、ユズが答えた。

 

「いや、あれは原作でも有名な産廃武器、ハンドレールガンだよ」

「え……?」

「威力、命中精度、弾速、その全部が設定ミスとしか思えないくらい弱い武器なんだ!!

 ゲームの難易度の高さに比べて、ゲームをコンプリートして貰える武器がそれって、ネタになってるレベルだよ!?」

「えぇ……」

 

 皆は思った。なんでそんなネタ武器を再現しようとしたのか。

 

『ふふふ、君たちは疑問に思っているだろうね。

 こんなネタ武器を、鬼畜と有名なラスボスの機体で使わせるのか……』

 

 ミレニアムの先生は不敵に笑い、こう言った。

 

『だって子供たちに、本気の武装を向けられる訳ないじゃないか!!』

「“ミレニアムの先生……”」

 

 彼女の配慮に、シャーレの先生は再び涙を呑んだ。

 

「“でも、だからこそ理解できません。ミレニアムの先生……”」

『何が言いたいんだい、シャーレの先生?』

 

 キッと機体を見据えて、シャーレの先生は言った。

 

「“再現するなら、前作主人公の駆る機体──ブラックグリンドでも良かった筈です!!”」

『それは今度やる!! クソデカブースターも付ける!!』

「“よしッ、みんな、壊さない程度に破壊するんだ!!”」

 

 生徒達は、先生達のノリについて行けなかった。

 

 その後。

 

「アリスの勇者の剣は、ニセモノには負けません!!」

 

 アリスのレールガンが、ロボが武装している腕を吹っ飛ばした。

 

『も、モニターから光が逆流する、うわぁぁぁぁ!!』

 

 ずしん、とロボットは二足歩行に耐えれず、倒れてしまった。

 エンジニア部の面々そそくさと現れ、火薬で爆発の演出をする。

 アリス達の勝利である。

 

 もそもそ、とパイロット席が開き、ミレニアムの先生が現れる。

 

「私の負けだ。ミレニアムのドミネーターは君だ、アリス」

「やった、正義は勝つんです!!」

「これはラスボス撃破報酬だよ」

 

 ミレニアムの先生は、『鏡』と呼ばれるツールを差し出した。

 

「やりました、クエスト達成です。アリスはドミネーターの称号を得ました!!」

「ふふふ、しかし忘れてはいけないよ。

 ミレニアムには裏ボス、ビッグシスターと彼女が駆る機体、アヴァンギャルドが存在することを……」

「裏ボス!? まだやりこみ要素があるんですね!!」

 

 そんな二人のやり取りに、もう勘弁してくれと思う他の子供たち三人だった。

 なお、シャーレの先生はエンジニア部の面々と一緒になってロボを間近で見てはしゃいでいる。

 

 

 そしてその更にその後、G-Bibleの中身が大したことが無かったりして、死に物狂いでゲームをミレニアムプライスまでに完成させるゲーム開発部。

 

 何とか彼女達の作品は審査員特別賞を頂いた。

 その理由とは。

 

「テイルズ・サガ・クロニクル2のラスボスは、世界征服を企む老科学者のその遺志を継いだ娘が行うと言うところが気に入った」

 

 と、ミレニアムの先生が述べた。

 そのラスボスとは、どこかで見たことがあるような悪役で、どこかで見たことがあるような人物をモデルにしていた。

 

 ゲーム開発部の面々は、ユーザーの需要の意味を学習したのであった。

 

 その後、C&Cから襲撃を受けるといったハプニングもあったが、彼女たちの部活は何とか存続できたのであった。

 

 

 

 

 

 

「リオ、あの可愛らしいハウスキーパー達を動かす必要はあったのかい?」

「私は、先生のようにアリスを信じてはいないので」

「彼女は私を殺せたよ、アリスはあの時コクピットを狙わなかった」

 

 それが全てだと、ミレニアムの先生は言った。

 

「勇者の仕事は、敵を殺すことだ。

 アリスは自らの判断で、自ら学習してきたロジックに叛逆した。

 ゲームと現実が違うと、理解している証拠だろう」

「アリスにも、友人ができた、からであると?」

「ああ、私はそう確信しているよ」

「……」

 

 リオは黙り込んだ。

 そして、言葉を選ぶように躊躇を重ねてから、こう言った。

 

「もし仮に、先生。アリスが先生を撃っていたら」

「うん」

「私はどんな手を使ってでも、彼女を赦さなかったと思うわ……」

 

 それは、ある種の同族嫌悪だった。

 先生はそれを理解して、リオにそれを見せつけている。

 

「だから、あんな危険な真似は、もうやめてください……」

「……ああ、約束するよ」

 

 そんな二人のやり取りを盗み見していたヒマリは、やれやれ、とモニターの電源を切った。

 

 

 

 

 




ちなみにハンドレールガンの元ネタは、鬼畜な強さのラスボスを倒さないと手に張らないガッカリアイテム。まるでG-Bibleみたいですね!!

更新間隔が開いてすみません。寒いと、作者の行動は鈍るのです。

次はそろそろ、エデン条約周りの話でしょうか。或いは、エマの暗躍の予定です。

あなたはどの先生に勉強などを教わりたいですか?

  • トリニティの先生
  • ゲヘナの先生
  • ミレニアムの先生
  • アビドスの先生
  • 百鬼夜行の先生
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