キヴォトス、先生大量発生中!?   作:ユメ先生

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シャーレの先生:するべきこと

 

 

 

 作戦決行当日、作戦開始三時間前。

 

 シャーレの先生は控室として使っているシャーレのオフィスにて落ち着かない様子を見せていた。

 

 シャーレの一室にて、クロノスの報道部がこれから行う先生達の記者会見の準備をしている。勿論、彼女達の先生が主導して。

 

「落ち着かないのは分かるが、あんたは堂々としていろ。これが最初で最後になるわけが無いからな」

 

 対して、SRTの先生はリラックスした様子で言った。

 

「“……そうですね”」

 

 シャーレの先生は表面上は落ち着いて見せた。

 

「“……SRTの先生は、今回の作戦の発起人として躊躇や葛藤は有りますか?”」

「無い」

 

 シャーレの先生の問いに、彼は断言した。

 

「“大義の為に結果として、多少の犠牲は仕方がないと?”」

「シャーレの先生、彼を責めるのは筋違いだろう」

 

 そう言ったのは、レッドウインターの先生だった。

 控室であるオフィスには、二人以外にも記者会見に出る先生が集まっていた。

 ミレニアムの先生を始めとした、先生達でも知恵者が世間に向けて今回の作戦の意義と正義を伝える為だ。

 

「悪いのは世間に寄生する悪党どもだ。連中は何の生産性も無い、生きているだけで市民の為の資源を浪費するゴミクズなのだよ。

 連中は子供たちを際限なく搾取し、絶望させ、路頭に迷わせる。結果として無軌道な犯罪に走らせる。百害あって一利なし。

 現時点で多少の犠牲は当然発生する。では未来の犠牲はどうなるのだ? ここで連中を潰さねば、延々と被害が発生し続ける。

 例えば、世界で唯一の技量を持つ医者を一人殺せば、その医者が救うはずだった患者1000人が助からなくなる。それと同じことだよ」

 

 レッドウインターの先生は、理路整然と冷徹な理論を述べた。

 シャーレの先生は理屈は理解していても、割り切れていない様子だった。

 

「では、我々の世界において話そうか。

 ある国家では、政治との癒着と腐敗が蔓延し、ギャングが大統領を追い出すなんて事例も実際に存在する。

 ある国では14歳以下の子供が犯した罪は罪には問わないとし、結果悪党による子供を鉄砲玉にする殺人事件が頻発するようになった」

「ああ、あの国だよな? 俺、ガキの頃修学旅行で行ったことあるんだぜ。その話聞いた時はショックだったわ……」

 

 SRTの先生が茶々を入れた。

 

「此度の一件に一番近い事例は、そうだな。

 ある国家の独裁者は、ギャングを武力で徹底的に排除し、世界でもトップレベルの殺人率を誇る最悪だった治安を改善した。彼は収容したギャングを一生牢屋から出さないと宣言し、国民から絶大な支持を得た。

 ちなみに、彼の言うギャングの基準は、入れ墨だけだったそうな」

「ああ、知ってるね。冤罪の可能性や人権を考慮してないって、批判を浴びた彼だろう?」

 

 ミレニアムの先生は聞いたことがあるのか、頷いて見せた。

 

「裁判なしでギャングを次々と逮捕していったらしいね。

 では今回捕まえる連中も、同じ末路を辿るわけか」

「まさか、人聞きの悪い」

 

 SRTの先生は笑ってこう言った。

 

「裁判の手続きが、連中が朽ち果てるまで何十年も遅延するってだけの話だ。仕方ないよな、何万人の悪党が捕まるか分からないからな」

 

 シャーレの先生は絶句していた。自分は何てことに加担してしまったのか、と。

 

「シャーレの先生。君が気に病む必要は無い。それは君の仕事ではないだろう?」

 

 レッドウインターの先生は慰めるようにシャーレの先生にそう語り掛けた。

 

「それに、連中の実態を目の当たりにすれば、君の抱いている慈悲や憐みなど吹き飛ぶとも」

 

 少なくとも彼は、罪状に関わらず悪党どもを全員飼い殺しにすることに躊躇いを抱いていなかった。

 

「それに、まさか君は子供たちよりも悪党どもの方が大事だと?」

「“いえ、私の覚悟が浅かっただけです”」

 

 シャーレの先生は覚悟をしたつもりだった。

 だが、足らなかった。それを認識しただけだった。

 

「“やりましょう。もう迷いません”」

 

 批判という毒杯を飲む覚悟を、彼は決めたのだ。

 それを見て、レッドウインターの先生は頷いた。

 

「よく言った、友よ。子供たちの為に、我々は共に罪を背負おう」

 

 シャーレの先生は真剣な表情でゆっくりと頷いた。

 

 すると、その時SRTの先生のスマホに着信音が鳴った。

 彼はすぐに通話の表示をタップした。

 

「こちらWOLF01、どうした?」

『教官、二つ報告が。便利屋と連中が雇った五人組が、未だにブラックマーケットにて破壊活動を行っています』

「撤退の指示は出しただろ、いい加減引き上げさせろ」

『ええ、ですが自分達は作戦終了まで引かない、と』

「……まあいい、好きにさせろ。こっちの作戦には支障はないからなな。で、もうひとつは?」

 

 電話の相手であるSRTの生徒は、困惑気味にこう言った。

 

『正体不明の四人組……いえ、あれはどう見ても補習授業部の四人が、現地の不良生徒達を扇動しているようなのです』

「……は?」

 

 SRTの先生は本気で首を傾げた。

 

 

 

 

 場所は変わって、ブラックマーケット。

 

 この日は大規模な横流し市が行われる日だった。

 言うなれば、横流し品のフリーマーケット。

 

 キヴォトス各地から横流しされた品物をここで現金などにロンダリングすることを目的に、企業ではなく個人レベルの闇商人が不良生徒達と結託し定期的に行っている催しだった。

 

 その規模はブラックマーケット内に留まらず、悪徳企業がブースで参加し、治安維持組織が複数警備に参加し、ある意味秩序が保たれていた。

 それは皮肉にも、市場の外の一般生徒さえも訪れるほどの安全性を示していた。

 

「ねえ、なんか前よりも警備ヤバくない?」

「ここ何日か、何とか団って名乗ってる連中が連日暴れてるんだって。だからメッチャ警備増えてるらしいよ」

「ふーんまあ、あたしらには関係ないか」

 

 ちょっと火遊びをしに来た程度の感覚の一般生徒達は、興味無さげに商品を物色し始めた。

 

 日用品から食料、武器弾薬、戦車やドローン、ガラクタとしか思えない何かまでより取り見取りだ。

 

「あ、これこの間、モモフレンズとコラボしたハンバーガー屋の限定商品じゃん!!」

「ああ知ってる。転売屋に瞬く間に買い占められたって奴でしょ?

 でもぶっちゃけ、質が悪いってネットで評判になってたよね」

「そうそう!! それで転売屋がいくら価格下げても売れないってキレてる投稿がいっぱい出たって話!! こんなところまで流れ着いちゃったかぁ」

 

 彼女達は憐れむように、段ボール箱に積まれた出来の悪いモモフレンズグッズの限定商品を見下ろしたのだが。

 

「これ、全部下さい!!」

 

 横から紙袋を被った不審者四人が現れ、その一人が山と積まれた段ボール箱を抱きしめてそう言った。

 

「……ヒフミ、若干造形が怪しいが、これモモフレンズのグッズなのか?」

「それも愛嬌ってものですよ!! 私は朝いちばんで買いに行ったのに、目の前で百個も買って行ったお客さんの所為で手に入らなかったんですよ!!」

「ええ、これ欲しいの? 原型がわからないほどブサイクじゃない」

「将来的に価値が上がるかもしれないからいいんです!!!

 そして、本当に欲しい人に私が無償で配布するんです!!!」

「そんなに欲しいなら転売されてるの買えばよかったじゃない……」

「コハルちゃん。転売屋は悪なんですよ?」

「いや、ここも転売みたいなもんでしょ。その極地じゃない!!」

 

 一般生徒達が、なんだこいつら、みたいな目を向けていると。

 

「うふふ、とりあえず、ヒフミちゃんの目的も達したことですし」

「ヒフミ。耐火シートを買って来たぞ。対爆コンテナはあっちだそうだ」

「分かりました。では、始めましょうか」

 

 ヒフミは銃を手にして、青空に向けて発砲した。

 

「皆さん、我々はここを占拠しにきました!!

 指示に従わなければ、撃ちます!!」

 

 

 

 

「“アビドスの先生と連絡が付きません。四人とも、試験をほっぽりだして何を……”」

 

 シャーレの先生は気が気でない様子だった。

 

「どうする、シャーレの先生。あいつらの面倒はあんたの仕事だ」

「“ひとまず、話を聞いてみます”」

 

 SRTの先生の言葉に、シャーレの先生はそう返した。

 彼はスマホでヒフミに電話を掛けるも、応答は無い。

 アズサも、コハルもだ。

 

 だが、ハナコのスマホに電話を掛けると、彼女が応答した。

 後ろから銃声や爆音が聞こえる。

 

『シャーレの先生。そろそろ連絡が来る頃だと思っていました』

「“みんな、そこは危ないから、今すぐ避難するんだ!!”」

『承知しています。ですので、ここを“避難先”にするのです』

「“えッ!?”」

『私が先生達なら、ブラックマーケットを制圧するには大規模な無差別攻撃が必須になると考えるでしょう。そして、多少の犠牲は仕方がない、と。

 ですが、ブラックマーケットには私達と同じ生徒も沢山います』

「“みんな……”」

 

 それは、彼女達四人なりの“正義”だった。

 シャーレの先生は、それに心を打たれていた。

 

『私達に先生方のすることに、口を挟むことはできません。

 でも私達は、大人の皆さんが考えているよりもずっと、自分達の意思があるのです。

 これは私達の、やらねばならない譲れない想いです』

「“……わかったよ。帰ったらお説教だからね”」

 

 シャーレの先生は苦笑しながらそう言った。

 それは覚悟しないといけませんね、とハナコは返した。

 

「“SRTの先生!!”」

「わかった。現在ブラックマーケット内で開催中のフリーマーケット会場は攻撃対象から除外する。

 ただし、それはそこに居る連中の武装解除が大前提だ。シャーレの先生、わかるな?」

「“はい”」

 

 仕方なさそうに肩を竦めるSRTの先生の反応を受けて、シャーレの先生は頷き返した。

 

「“ハナコ、私はここから君たちを指揮するよ”」

『……ありがとうございます。先生』

「シャーレの先生、便利屋の連中は知ってるか? あいつらも近くに居るはずだ、追加料金を払うように言っておくから、使え」

「“感謝します、SRTの先生!!”」

 

 シャーレの先生はシッテムの箱を起動し、遠距離から彼女達の指揮を行い始めた。

 

「美しい……」

 

 レッドウインターの先生は、そう呟いた。

 

「かくも生徒達の闘争は、尊く美しいものなのか」

 

 そんな彼を見て、せっかくしばらくまともだったのに、と思う他の先生達だった。

 

「……本当はもっと別の目的で使うつもりだったんだがな。

 ────待機していたアリウスの全部隊を投入する」

 

 そう指示してSRTの先生も、俺も青さに当てられたか、と少しだけ笑った。

 

 

 

 

 場所は変わり、トリニティ自治区の合宿場。

 

「むー、むー!!」

「情報通り、アビドスの先生を発見!!」

 

 後方組のアリウス生たちは、倉庫にアビドスの先生が縛られて放置されているのを発見した。

 

 彼女は今日、補習授業部の面々と一緒に本校舎に向かって二次試験の引率をする筈だったのだ。

 彼女は他校の先生だが、シャーレの先生の副担任として四人に同行することは可能だった。

 

「あ、ありがとう、みんな!! そ、それよりも、補習授業部の四人はどこにいるのかな!? もう試験時間なのに!!」

 

 あの四人に怒るよりも先に、四人の受ける試験の方を心配しているアビドスの先生に、救出に来たアリウス生たちも苦笑した。

 

「教官によるとあの四人は、あの馬鹿四人は──」

 

 

 

 ガブガブ作戦開始、二時間前。

 ブラックマーケット、メインストリート。

 

 闇市と聞けば雑多なスラム街をイメージする先生も多いが、この場所は意外なほど近代化した清潔な都市である。

 犯罪で満ちたこの都市が、潔癖であるのは皮肉なモノである。

 

 日夜悪徳企業がしのぎを削り合うその姿は、退廃の都市とは思えないほど秩序が敷かれていた。

 

「気に入らないわね」

 

 カヨコの運転するオープンカーの助手席に両足で立ち、追手のマーケットガードを狙撃し蹴散らすアルがそう呟いた。

 

「なにが、社長」

「私達の目指していたアウトローって、こんな温い場所に浸かることを良しとする者だったかしら?」

「さあね」

 

 カヨコは淡々と、いつものように無感情に返した。

 

「でも、銀行の融資に一喜一憂しているのは、アウトローじゃないんじゃない?」

「でしょ!! 私、最初からこうしてやりたかったのよ!!」

 

 マーケットガードのバイク部隊の増援が、二人の乗るオープンカーに迫る。

 

「対象を発見、これより攻撃を開始する」

『了解、これ以上奴らの好きにさせるな!!』

 

 バイク部隊は次々に発砲を繰り返す。

 だが突如として彼らに横づけするように四人乗りのオープンカーが現れる。

 

「マーケットガードの皆さーん!! 私達覆面水着団もパーティーに混ぜてください!!」

 

 車体に愛用のミニガンを取りつけたノノミが、彼らに弾幕を浴びせた。

 

「く、また貴様らか!!」

 

 バイク部隊は横からと正面からの十字砲火に晒される。

 次から次へと、バイクから脱落し、地面に転がっていく。

 

「シロコちゃん!!」

「ん」

 

 助手席のシロコは先ほど襲撃してきた闇銀行から略奪してきた万札を、カバンの中からバラまき始めた。

 先日、ブラックマーケット最大の闇銀行がワイルドハントの先生によって潰されたが、支店は各所にまたまだいくらでもあるのだ。

 

 カネの雨が降る。

 それを見た市民たちは暴虐が過ぎ去った後に、歓喜と共に群がった。

 

『三時の方向から別部隊が待ち伏せしています!!』

「予定通りだねぇ」

 

 後部座席で両腕を頭の後ろで組んでリラックスしているホシノがふてぶてしくそう言った。

 

「先輩達、いい加減運転変わってよ!! 私も暴れたいんだけど!!」

 

 バイク部隊が全滅したのを確認し、セリカが叫んだ。

 が、その声は爆音によってかき消された。

 

「ハルカとムツキが対処したみたいだね」

「じゃあ、例の場所に落ちあいましょう」

 

 アルがハンドサインで、覆面の四人組に合流地点に集合の指示を送った。

 二つの車は左右に分かれて、ブラックマーケットの喧騒に紛れ消えた。

 

 

「こっちだ、お前達!!」

 

 車を捨てた便利屋の面々とアビドスの4人はバラバラに合流地点へと辿り着いた。

 そこは、SRTの小隊が確保していたセーフハウスだ。

 

 ここ連日、彼女達はSRTの支援を受けて武器弾薬の補充や休憩を取っている。

 

「いやぁ、上手く決まったね!!」

「はい。何とか上手く行きました」

 

 先に到着していたムツキとハルカが中で彼女達を出迎えた。

 

「ええ、ありがとう。今日はいよいよマーケットガードの本隊が出て来ていたわね」

「行きつくところまで行った感じだね」

 

 マーケットガードはブラックマーケットの治安維持の最上位組織。

 この地に根を張る悪徳企業が共同で出資しているので、その装備も練度もここでは最高だ。

 

「それより見てみて!! うちら、懸賞金が掛けられてるよ、一人200万だって!!」

「たったそれだけ? 安っぽいわね、一億円ぐらい盛大に掛ければいいのに」

「そこまで行ったらもう、誰か殺してるレベルだよ」

 

 ムツキに懸賞金の額を見せられて、アルは不満げだったがカヨコは呆れたようにそう言った。

 

「便利屋。教官より、次の依頼だ。

 クールダウンの後にそちらに向かって貰う」

「オーケー、次は何かしら?」

「今日開催の大規模な横流し市を避難区域に指定した。そこを制圧して貰いたい、指揮はシャーレの先生が引き継ぐ」

 

 SRTの生徒がテーブルの上の地図を示してそう言った。

 

「避難区域? どういうこと?」

 

 アビドスの面々はすぐに銃器の整備を始めていたが、シロコがその手を止めてそう問うた。

 

「先生達は恐らく、大規模なブラックマーケットの攻撃を計画してるんだと思うよ。多分空爆か何かで」

「……そこまで理解しているのなら情報の秘匿は無意味か。その通りだ。教官たちは今日でブラックマーケットという無法地帯を消し去るつもりだ」

 

 カヨコの言葉に、SRTの生徒は頷いた。

 その事実に、生徒達は緊張が走った。

 

「だが我々はハッキリ言って、大人たちはともかく、ここに来ている生徒達がそれに巻き込まれることは意図的に考慮していた。

 教官に言わせれば、火遊びでやけどをしただけの事だと、な」

 

 それは無情であり、同時に厳しさでもあった。

 キヴォトスの生徒達が頑丈でなければこんな作戦自体発案されなかっただろう。

 

『なるほど、そういうことでしたか。

 でもそれは、建物の崩壊に巻き込まれる危険性がありますよね』

「一般の建物への攻撃は最小限にする予定だ。だがその可能性を推してでもなお、教官はこの作戦の意義を見出している」

 

 アヤネの発言に、SRTの小隊長はそう返した。

 いくらキヴォトスの生徒達が頑丈でも、建物の崩壊によるダメージは無視できない。

 

「便利屋、お前達の仕事はこの横流し市の制圧し、武装解除をすることだ。

 それが出来なければ避難所として機能していないとみなし、攻撃対象にせざるをえない。依頼料はこれになる」

「わかったわ。任せて」

 

 アルは小隊長が示す金額を見ずに了承した。

 

「アビドスの皆はどうする? ここから先は依頼料に含まれないわよ」

「なに言ってるんですか? その依頼料も折半ですよ」

 

 ノノミはバルカンの整備を終えると、そう言った。

 

「そうよ、当たり前じゃない!! タダ働きさせる気?」

「報酬は山分けだよ」

 

 セリカとシロコも、頷き返す。

 

「ま、ここまで来て、じゃあさよならって帰れないよねぇ」

 

 ホシノは気の抜けそうな声音で応じる。

 

『わかりました。こちらからシャーレの先生に連絡して、データリンクします』

 

 皆の意思を受けて、後方に居るアヤネも頷いた。

 

「……じゃあ、一緒にやりましょう。私達のすべきことを」

 

 アルは五人の返答に、不敵に笑ってそう答えた。

 

「アルちゃん、私達には聞かないの?」

「あら、怖気づいたの?」

「まさか。最高の花火を特等席で見れないなんてごめんだからね!!」

「アル様、私はどこまでも付いて行きます!!」

「……そんなの今更でしょ」

 

 便利屋の面々は問うまでも無かった。

 

「……そうか。ありがとう、お前達。我々が取りこぼそうとしたものを、拾おうとしてくれて」

 

 SRTの小隊長はそんな勇士たちに深く頭を下げた。

 

「気にしないで。みんな好きでやってることよ」

 

 行きましょう、とアルは上着を翻してセーフハウスの入り口に向かった。

 便利屋の三人もそれに続く。

 

「いやぁ、楽しそうだとは思ってたけど、青春だねぇ」

「羨ましいの、ホシノ先輩?」

「いいや。ただああいうノリも悪くないかなって」

 

 ホシノは覆面を被った。後輩達もそれに倣う。

 

「それじゃあ、私達も行きましょうか」

 

 

 作戦開始まで、残り一時間。

 

 

 

 

 





次回。十倍の殺意。

感想や高評価を待ってます。
ではまた!!

あなたはどの先生に勉強などを教わりたいですか?

  • トリニティの先生
  • ゲヘナの先生
  • ミレニアムの先生
  • アビドスの先生
  • 百鬼夜行の先生
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