風の祈りが届くころ   作:raisekn

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???「いつきくん私は君が好き!」

「僕は、、、」

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僕はずっと何かを探している
それが何なのか誰なのかはわからない。
その人がどんな声をしていたか、どんな性格なのか
鮮明に思い出すことはできない。
けど、一つ確かなことがある。
それは、絶対に忘れちゃいない人だったこと



君のこと

僕の名前は霜山五耀。二十七歳。

僕は旅をしている。

見つかるはずのない、遥か昔の記憶を辿る旅を。

声の覚えていない少女を探すために。

 

 

もう三十分は石段を登っているだろうか。

ここは小山の奥にある古い山道だ。

登り切った先には何もない。

それでも、なぜか懐かしい気持ちになる。

 

「……はぁ、やっぱりこの石段、キツいな」

 

ようやく頂上にたどり着いた。

見渡しても何もない。

それなのに、胸の奥がじんわりと温かくなる。

 

「少し休もう」

 

 

僕は地面に腰を下ろし、空を仰いだ。

風が頬を撫でる。

まぶたがゆっくりと重くなっていく。

――そして、眠りに落ちた。

夢を見た。

 

それは、絶対に忘れてはいけない少女の夢だった。

 

 

「いつき!」

「さなえちゃん」

僕とさなえちゃんは、

小学校低学年の頃からの付き合いだった。

高学年になるころには、

お互いを少し意識するようになり、ぎこちなくもなったけれど、

卒業するころにはまた元の関係に戻っていた。

 

 

中学に上がると、

僕は彼女のことを名前で呼ぶのがなんとなく恥ずかしくなって、

苗字で「東風谷」と呼ぶようになった。

彼女も僕のことを「霜山」と呼ぶようになった。

 

 

 

東風谷の家は、この山の奥にある神社だ。

名を――守谷神社という。

その神社には、二柱の神が祀られている。

八坂神奈子様と、洩矢諏訪子様。

 

 

東風谷は“奇跡を起こす程度の能力”を持っているらしく、

神と人との間に立つ――現人神。

そのため、彼女には神奈子様と諏訪子様の姿が見えるのだという。

僕にはそんな力はない。

 

 

けれど、二柱が東風谷をとても大切にしていることは、

彼女の表情から感じ取ることができた。

僕も小さい頃からこの神社によく遊びに行ったり、泊まりに行ったりしていたから、

どうやら僕のことも、少しは気に入ってくれているらしい。

 

 

そして今日も、放課後に東風谷に誘われて、

守谷神社へと来ていた。

「霜山はさ、神奈子様と諏訪子様がほんとにいると思う?」

「そりゃ、いると思うよ。だって東風谷がそう言うなら、いると思う」

「そっか、ありがとう!」

「おう」

最近、東風谷はこんなことをよく聞いてくる。

理由はわからない。

 

 

「東風谷」

「はい?」

「いや、なんでもない」

「ほんとですか?」

「ああ」

「ほんと霜山は変ですね! ふふっ」

聞こうと思っても、聞けなかった。

……いや、聞いちゃいけない気がした。

 

 

 

次の日、学校にて。

「おいおい、五耀!」

「おー、どうした、水上?」

声をかけてきたのは水上りき。

僕の唯一の親友だ。

「東風谷がさ、最近三組のやつらに変なこと聞いて回ってるらしいぞ」

「変なこと?」

 

水上によると、東風谷はクラスのみんなに

『あなたは神を信じますか?』と聞いて回っているらしい。

たぶん、昨日僕に尋ねたのと同じことだ。

 

「……それ、やばくね?」

「だよな。五耀、ちょっと様子見てきてくれ」

「わかった」

そう言って僕は、自分のクラスを出て、三組へ向かった。

そして、教室の扉を開けた瞬間に悟った。

 

 

――東風谷は、いじめられている。

教室の空気が、ひどく冷たかった。

ざわめきが止まり、視線が一斉に彼女へ向けられる。

その中心に、東風谷が立っていた。

机の上のノートが破られ、床に散らばっている。

それでも彼女は、ただ静かに笑っていた。

その笑顔が――どうしようもなく、痛かった。




こんにちは!
raiseと申します!
今回は処女作として東方projectの東風谷早苗をヒロインにした
小説を書いてみました!
ほんとに小説自体も初めて書くのでなにかと変なところが多いかもしれませんが、温かい目で見ていただけると嬉しいです!
これからはできる範囲でどんどん投稿していくので
よろしくお願いします!
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