十一撃目「戦前」
そこから数週間はマジで楽しかったね……
毎日のようにゲーム開発部の子たちが動画撮影に来るし。
その動画でなんとパテル派の子たちも大勢きてくれたんだよ!
一番の決め手はマノンスタイルを見せた事だったね。
あー、お嬢様だもんね、見栄えは大事だよね……
いざ教えるとなるとレスリングやパンクラチオンのほうが人気なのはどうなってるんだろうね。
たぶん土地柄というか血筋的なものなのかな……?血が騒ぐんだろうね。
「まずは受け身をちゃんと身に着けましょう!マネージュ・ドレもパ・ド・ドゥもその先にあります!」
ハスミちゃんすっかりシックスパックになって……
ほぼほぼスミレちゃんみたいな体型なんだよね。すごくない?
「ひぃ、ふぅ……なかなか大変ですわね……でも体が喜んでいる気がしますわ!」
「ハスミ様がバレエ柔術をされると本当に黒鳥の舞みたいですわね……私達も励みましょう!」
「ええ、デトックスというのかしら?すがすがしい気持ちですわ!」
うんうん、パテル派の子たちもすっかり体を動かす楽しさに目覚めてるね!
ゲーム開発部の子たちの明るさが心を絆し。
運動とスパーリングによるお暴力で陰湿さがふっとんだよ!
まあその分だいぶ血の気が多くなったけど……
「うへぇ~こんなんで本当に波動拳出せるのぉ~?おじさん素で殴った方が強いんだけどなあ」
「選択肢は多い方がいい。私でも1週間で波動拳を出せた。気の使い方を覚えることでさらに実用的な技につながる」
「シロコちゃんが見たいって言うからさあ~……」
アズサちゃんも強くなったよね……
飛び道具系からのラッシュ重ね当てがうまくなったよ。
サンドブラストと歳破衝、ソニックブーム系も織り交ぜてすごい読みにくいんだよね。
テクニカルな仕上がりになったと思う。
「食事の時間ですよ!どうぞ召し上がれ!」
「あら、ありがとうございますフウカさん。ゲヘナの方々も皆あなたのようにちゃんとお話ができればいいですのに……」
「あはは……そんな人ばっかりじゃないんですよ?ただまあ、自由が校風なので……」
「ゲヘナ生も大変ですわね……」
フウカちゃんもキッチンカーで来てくれたんだよね。
わりと正実やパテルには好評だよ。
おもに肉と野菜、果物を多めに頼んでるから自然に筋肉つくしね。
「ああ……エデン条約が前倒しみたいになってますけど、いいのでしょうか……?」
「ナギちゃんは心配性だなあ、平和って言うのはこういう所から始まっていくんじゃないかな?」
「平和は歩いては来ない。こちらから歩み寄らなければ、か……でも、戦争に備えるからこその平和だよ」
ティーパーティー3人が勢ぞろいしちゃってるけど、そっちはいいのかな……
ま、まあなんとかなるよね!ちゃんとセイアちゃんが手を打ってるし!
「そうだセイアちゃん、ミレニアムからの装備購入はうまくいった?」
「ああ、兵站も軍拡もばっちりさ。とはいえ、兵の数は急には増やせない。アビドスを傭兵で雇ったとしても、それで塞げるのは前線の一つだけ……そろそろアリウスも打って出る頃だろうしね」
エデン条約が近づいてる。そろそろ決着つけたいよね……
「そうだね……楽しみだよ。いざ本当に戦争になっちゃったら私の出番あんまりないからね。暗闘の時期ならなんとか戦う場面があるかも」
「君は暗殺者を返り討ちにするみたいな状況を本気で実現しようとしてないかい……?あんなの1度で十分だよ」
「サオリちゃんを助けたいんだよ。早めにね。それにアリウスの子たちに教えたいんだ。暴力は虚しいだけのものじゃないって」
「それはそれで極端な思想だよどう考えても」
「まあでも、おかしな大人に支配されてロクに食べるものもないのは問題でしょ?」
「それはそうだけど」
ここでナギちゃんがふふ…と清楚に笑った。
「少し、妬けますね。ミカさんにそこまで心配されるサオリさんという方が……」
「あっ、もちろんナギちゃんも大切な幼馴染じゃんね!」
「ええ、わかっています。だからここまで協力するんですよ?」
「頭が上がらないじゃんね……」
なんか……この臨時司令部だったものから、穀倉地帯や「城下町」ができてきてるんだよね。
おしゃれなお店やカフェはもちろん、スーパーみたいな生活に必須なお店も増えてきた。
たぶんアリウス戦が終わったら居抜きで私たちがトリニティ・スクウェアに戻ってアリウスの子たちがここに収まるんだと思う……
そのためにナギちゃんは食料を増産してるし、輸入してる。
準備はできつつある。だから、きっとそろそろ来ると思う。
この青春を守るためにも……
折るね。あなたたちの心と体を。