コハルちゃんとハナコに治療を受けて進む。
その後もちょくちょく殺意の波動使いやアリウス兵がでてきたけど問題じゃない。
一気に距離を詰めてバシリカへ。
「ベアトリーチェ!」
「……来ましたか」
振り返ったベアトリーチェはおおむねベガだった。
小豆色のゲヘナ風の軍服に金ぴかのアリウスの校章のついた軍帽。
それでベガ立ちしてる。腕組みして仁王立ちするあれね。
爆乳体型で着るとあまりにもフェティッシュじゃんね……
けどそれを笑う余裕はない。
あまりにも圧倒的で濃密な殺意の波動……いや、これはもうサイコパワー。
「ミカ、貴方を倒して今こそ私は至高へと至ります。光が強ければ強いほど、影もまた強い……この力の行きつく先が理解か、支配か。ここで決めようではありませんか!」
「是非もないじゃんね……ここから先は、言葉は無粋かな」
「遺言はそれでよいと受け取りましたよ」
そしてお互いが構えを取る。
ベアトリーチェがベガ立ちのままフワッと5センチくらい浮いた。
これは来るね……
「サイコクラッシャー!」
タイミングを見て避け……れない!速い!距離が長い!
ガード!……の上からでもビリビリ衝撃が染みる!
さらに着地直後から投げてくる!これもめちゃくちゃ速い!
「我が力にひれ伏しなさい!サイコクラッシャー!」
片手で胸ぐらつかんで投げ飛ばしてからの至近距離でサイコクラッシャー!
「砕け散りなさい!」
さらに投げのループ!これはスト2ダッシュの害悪ベガ並みだね……
技の完成度が高い!どれも速すぎて隙がなさすぎる!
でも、対処策はいくつか知ってる!
「終わらせてあげましょう!サイコクラッシャー!」
「まだまだぁ!」
サイコクラッシャーはダッシュ版のサガットなら投げられる!
まだ回転してるベアトリーチェの肩をつかんで……背負い投げ!
浮いてるベアトリーチェに!疾風迅雷脚!
蹴って!蹴って!蹴りまくる!頭と!すねを順番に蹴って、締めは竜巻旋風脚!
「はあ……はあ……やりますね。そうでなくては!」
「ダッシュ版並みの技の冴えじゃんね……でも私も簡単にやられる気はないよ」
「大変結構!ねじ伏せてさしあげましょう!」
仕切り直しだね。お互い構えを取って……
来る!浮き上がってからのスライディング!伝統のホバーキックだ!
ガードは押し切られる……なら上に逃げる!
「昇竜拳!」
「させません!サイコ……」
私よりさらに上へ!?これはスト6版の……
「パニッシャー!」
私の肩にベアトリーチェが両足で着地!そのまま地面に押し付けられ、さらに片手で持ち上げられる。
「一部ですが返してさしあげましょう!これがあなたの本来持っていた殺意です!」
みぞおちに殺意の波動を纏った拳を押し付けられる!
これは……この感じは!殺意の波動!これはまずいね……
抑え込むのは無理、でも流されちゃダメ。ありのままに……受け流す!
「ぐっ、うう……ふぅ……」
「どうしました?効くでしょう!殺意の波動は!この場で受け流せるのはさすがとしか言いようがありませんが……そう持つものではありません。あと2,3発ですね」
そう言ってる間にもう近づいてきた!これは……振り下ろし気味のあおむけの飛び蹴り!
ベガの害悪コンボその2、ダブルニープレスコンボだ!
なら来るのは腹パン!腹筋に力を込めてガード!
来るのがわかってる上段蹴りをつかんで、投げる!
「ほう、これをそう返しますか……面白い。ですが、ターンはまだこちらのもの!」
またダブルニーを擦ってくる!腹パン……じゃない!私の膝をかけあがって側頭部に蹴り!
これニープレスナイトメアだ!最新作までチェックしてるのは私だけじゃないってことだね……
響くね……本当にね……
「どうしました!もっと!打って!きなさい!」
ハイキックと頭部狙いのパンチ!あからさまな挑発だね。
でも殴りぬける!マリーザ、貴方の背中を追い続けたい……!
グラディウス!ただの正拳突きがベアトリーチェのみぞおちに刺さる!
「この私を一瞬でも揺るがせるとは……ですが、この程度では!」
カウンターの殺意の波動を纏った掌底!
頭に響くね……受け流した殺意の波動がまたうごめきだす。
その間にもベアトリーチェの肘打ちや腹への膝打ちのコンボが入ってる。
「こんなものですか!もっと!もっとです!さあ殺意に従いなさい!」
これはちょっと本当にまずいね……そう思っていた瞬間、外から歌が聞こえた。
『愛しさと せつなさと 心強さと』だこれ!この声は……宇沢ちゃん!
そこにこの場にいたハナコとコハルちゃん、パテル派の子たちの声が重なる。
何か、爽やかな風が吹き抜けた気がした。
「ミカ様!私……ミカ様が憎しみに染まった拳を振るうなんて嫌です!怒りに塗れて、憎しみ合って拳を向ける……そんな暗くて陰鬱な話なんて私は嫌です!それが暴力の本質だって言われても、私は好きじゃないんです!」
ヒフミちゃん……!
「平凡な私にも、好きなものがあります!努力がちゃんと報われて、苦しい事があっても……誰もが笑顔になれるような、そんなハッピーエンドの物語が、ミカ様のファイトが好きなんです!誰が何と言おうとも!」
そうだったね、大切なことを忘れてたよ。
そうじゃんね、この格上との久々の戦い……楽しんでいこうじゃんね!
「ミカ様は教えてくれたじゃないですか!闘いは憎しみによるものじゃない、お互いを知るためのものだって!競い合って、ぶつかり合って……でも最後には理解り合う、そんなファイトを見せてください!いつものように!」
「くっ、小娘が入ってくるんじゃありません!目障りな……!なにっ」
もっと自由に!楽しんで!今この場で出すべき技は決まってる。
天を穿つ輪!
「天穿輪!」
「ぐっ!?」
ベアトリーチェがちょっと浮く。でもちょっとだ。すぐに空中で制御を取り戻すだろう。
だから、今!全力を叩き込む!
「神龍烈破!」
昇竜拳を当ててさらにベアトリーチェを上昇させる。
そこに私自身も飛んで昇竜拳。
バシリカの天井がベアトリーチェの頭で穴が開き、崩れていく。
私もさらにシャンデリアを足場に跳んで追いついて、もう一度、今度はこれで!
リュウ、ケン、あなたたちの思いを、力を貸して!
「真・昇龍拳!」
「バカなーっ!?」
高度が頂点に達したベアトリーチェの顎を全力の力を込めて殴りぬける!
ベアトリーチェはさらに上昇してアリウスの地下街天井にぶち当たった!
「みんな……力を貸して!」
ベアトリーチェが殺意の波動をサイコパワーとして集めたように。
アリウスへの壁を壊したときのように。
みんなから力を借りるよ!この場にある闘気を集めて……!
両手がバチバチと青く光る。これなら、撃てる!
「真空……波動拳!!」
マブカプ版のように極太の青いビームが天井にブチ当たったベアトリーチェに押し寄せる!
「フフフ……ハーッハッハ!ミカ、忘れぬことです、影はつねにあなたと共にありますよ!!」
天井が抜けて、ベアトリーチェはそこからどこかへ吹っ飛ばされていった。
トリニティの空が……本物の朝日がアリウスへとやわらかに降り注いだ。
「……勝ったよーっ!!」
私が拳を上げて宇沢ちゃんなみの声量で叫んだ。
アリウスからはどよめきが。
それは誰とも知れぬ誰かの声。でも、この戦争を象徴する一言となった。
「アリウスの夜明け……か」
そしてトリニティからは歓声が!ここまで来て、闘ってきてよかった……!
「勝ちましたわー!!」
「トリニティ!トリニティ!」
「み・そ・の!み・そ・の!ミカ様ーッ!」
聖園ミカ WIN!