「あ、あの!ついでとはいえ乗せてくださってありがとうございます、ミカ様!」
「いいよいいよ!私もホシノちゃんのためだからね!それにしてもすごいね!借り1個でここまでやるのはファイターの素質あるよ!私の部活に入らない!?」
「あ、あはは……考えておきますね!」
私達が叫んでるのはヘリに乗ってるからだよ☆
プロペラ音がうるさいんだよね。
それにしてもヒフミちゃん話してみるとなかなかタガが外れてて面白い子じゃんね。
待っていたよ……あなたのようなアウトローを。
「見えてきましたね……ミカ様、銃座借りても良いですか!?」
「一応なんかゲヘナも友軍らしいから当てないように気を付けてね!」
「はい!」
わーお、カイザーが1個大隊はいるね。
わっ、何アレ。なんかちっちゃい子の持ってるライフル?からビームみたいなの出たよ!
悪魔族の子だね。できるもんなんだ、あんなこと……できるんだ。そっかできるんだ!
悪魔ができることなら天使もできるよね!?
そっか……!力と夢が広がるね!やろう!気功修行!
私も出したいよ!波動拳!!できるんだ!そっか!
「あ、あのミカ様なんでここでシャドーボクシングを?!」
「下のゲヘナの子を見てたら血が騒いじゃってね!新しい可能性に気づいたんだ!」
「あはは……そういうものなんですか?!あっ、あのへんにアビドスの人たちがいますね!」
あー、なんかいるね。
アビドスの子たちとタブレット持った男の人と、なんかガタイのいいオートマトンが。
あのガタイのいいのがたぶんカイザーのボスだね。
じゃあ、行こうかな!
ヒフミちゃんの横からヘリのドアに手をかけて……
「運転手ちゃんあとは頼んだよ。どこか適当な場所で待っててね!ヒフミちゃんもよかったらパラシュート使ってね!」
「はい!ミカ様もご無事で!」
運転手の子がグッと親指を立てる。私も親指を立ててウインクする。
「あ、あのどういうことですか運転手さん!?ミカ様は何を!?」
「ちょっと鳥になってくるよ!」
まあ飛び降りても死なないのはすでに検証済みだし、なんならもう慣れてるからね。
軽くヘリを蹴って大空へ飛び出す。
スリルは逆にないんだよね。空を切って飛ぶのはただただすがすがしいよ。
青空と太陽と大地。その間に私がいる……
なんだろう、これが妙に落ち着くんだよね。
うまく言い表せないけど、いるべきところにいる安心感というか……
キヴォトス人はこうあるべきだという確信に満ちた安らぎのようなものを感じるんだ。
羽がついてるからかな?
「……あれほど懲らしめたのに、徹底的に苦しめたのに、毎日毎日楽しそうに!お前たちのせいで計画が!私のけいか……」
なんかカイザーの役員がわめいてる。
あと30mってところかな。じゃあまあ……蹴るね☆
この角度なら、疾空閃だね!
「食らいなっ☆」
「くがああああっ!?」
なんか嫌な事言ってたみたいだしここから死連閃につなげていくよ!
羽で高度を保って相手の顎先を蹴る!蹴る!蹴る!まるでピンボールだね!
わーお、20mは吹っ飛んでいったよ!
着地と同時にアビドスの子に親指を立てておく。
「あっ、あなたは……!」
「“誰!?”」
セリカちゃんが私の名前を言いかけたところで指を振ってサイドチェストの構えを決める。
「今の私はマスク・ド・パテルだぁっ!カイザーお前には失望したよ。9億を当たり前のことをやって返してくれると思うなよ。せめてお前も命くらい賭けてくれよ」
「“誰なの!?怖いよ!”」
決まった……!アビドスでシロコちゃんに貰っててよかった。白い羽付きのプロレスマスク。
「ん、あなたは覆面水着団、幻のナンバー5。マスク・ド・パテル。まちがいない」
覆面水着団って何!?このⅤってそういう意味なの!?
マスク・ド・パテルはファイターとして名乗る時はそう名乗ってるんだよね。
ちなみにハナコのファイター名はレインボー・ミカだよ。近日中に折るね。
「きっ、貴様……!こんなことをしてただですむと、いや、そうだ。ここで倒してしまえばただのマスク・ド・パテル!貴様も一度なぐってやりたいと思っていたところだ!社員共やってしまえ!」
「なんてね☆そういうこと!あなたたちはホシノちゃんを助けに行ってね!」
アビドスの子たちがうなずき、カイザーの兵士たちが銃を構える。
「アビドスもろともやれえ!」
「楽しめそうじゃんね☆」
今日はジュリスタイルでいこうかな。
まずは五黄殺!近場にいるオートマトンを片っ端から蹴り倒していくよ!
上段、下段、中段とトリッキーに高さを変える蹴りは初見殺しにぴったりなんだよね。
「ほぉら!そら!こっちだよ☆」
ジュリスタイルの理由はもう一つあって……砂場なら使えるんだよね。
私の飛び道具が。
「そぉら!歳破衝!」
低い姿勢の足払いで砂を撒きあげてぶつけるよ!
私のパワーでやれば45口径くらいの威力にはなるんだよね。
砂が小さな津波みたいになってオートマタに襲い掛かる。
「よけれるかな!?殺界風破斬!」
さらに足に砂をひっかけて……撃つ!撃つ!
柔軟もしっかりやってるからね!足で物をつかむくらい余裕だよ!
今履いてるシューズは革が薄いからね。こういう技もできるじゃんね。
ただの砂かけで潰れちゃうんだからオートマタの人はかわいそうだよね。
あれっ?今砂がちょっと薄紫に輝かなかった?気のせい?
「ん、砂が舞い上がって視界が悪い今のうち」
「そうね!行くわよ!ありがとうマスク・ド・パテル!それからファウストも!」
ああ、私の蹴りの届かないところはヒフミちゃんが援護射撃してくれてたね。
ヒフミちゃんはヘリから6って書いてある紙袋被って手を振ってる。
セリカちゃんが手を振り返してた。
このマスク流行ってるの?
「”誰かはわからないけど、でもありがとう!”」
あっ、先生らしき人もけっこう足早くついていってる。やるねえ。
「ば、バカな……こんなことが……」
雑魚はだいたい片付いたね。
ヒフミちゃんも強くない?カイザーの幹部は唖然としてた。
「……とでも言うと思ったか!?今のうちに格闘プログラムはダウンロードした!カイザーのデータの重みを知れぃ!私こそがカイザー理事だ!」
「どっからでもかかってきなよ☆」
いいね!面白くなってきたよ!
カイザーの格闘データ……どんなものか興味があるよね!
マスク・ド・パテルVSカイザー理事ってところかな!?