七撃目「双子」
とりあえず部室は完成したね。
場所はトリニティ・スクエアから少し外れた森の多い郊外。
ちょっとした峠の上にあって、川が多い。おまけにお濠みたいに整備した池まである。
天然の要塞だね☆
もともとはティーパーティーテラスが陥落したときのためで……
臨時司令部として用意してあった修道院らしいよ。
そこにミレニアム製の2階建てプレハブハウスを搬入したんだ。
さすがもともと臨時司令部用だね、トレイラーが素で通れる道が整備してあるんだよ。
たぶんこれ本当は戦車入れる用だね……
でも修道院本体には曲がりくねった道を用意してある。
ここで敵を迎え撃つ設定なんだろうね。キルゾーンってやつ。
修道院の尖塔もやたら高くて頑丈でこれたぶん物見やぐらだね。
つまり……まさに武を磨くのにこれ以上ふさわしい場所はないよ☆
「すぅー、はぁーっ……」
「瞑想か?」
「ああ、アズサちゃん。まあそんなものかな。どうしたの?」
「改めて、ありがとう。私をかくまうためにここまでしてくれるとは思わなかった」
「まあ、もののついでだよ☆利害の一致ってやつだね。私も得してるから大丈夫☆」
アズサちゃんを守るという口実でわりとやりたい放題したからね。
気にされると若干申し訳ないよ。
「……いい場所だ、ここは。攻めにくく守りやすい。それに、訓練に適している」
「私も武を磨きたかったからね。軽い山籠もりと思ってくれればうれしいな」
「山籠もりか……そういった訓練は初めてになる」
アズサちゃんが私が座禅してる大木を見上げる。
まあ、地下のアリウスにはないよねこういうの。
この空気の良さを実感してほしいな。
「……ところで、その瞑想にはどんな効果があるんだ?」
「そうだね、そろそろモノになってきたし見せられるレベルに達してきたかな?」
私は立ち上がって山の空気を大きく吸い、肺から丹田、全身に闘気を巡らせる。
静かに腕を構え……高めた気を掌に集める!
取る構えは右の脇に両手でボールをつかむような態勢。
「見ててね。キヴォトス人の可能性ってやつを」
「鍛錬の成果を見せてくれるのか……ありがたい」
その両の掌の間に桃色と薄紫の星雲のようなものが形成されていくのがわかる。
両手の間で「力」が膨らんで強い圧を感じる。早く出せ、破壊させろと!
この爆発しそうな力に出口を作って押し出してやる。
「すぅぅ……はぁぁ……っ!波動拳!」
そしてうずまく星雲はバスケットボールくらいの気弾となってけっこうな速さで飛んでいく!
的にしていたドラム缶がベコッと凹んで3mの高さに舞い上がった。
アズサちゃんは口をあけて目を丸くしていた。
「ふぅぅ……今日はうまくいったね」
8割くらいはうまくいくようになったんだけど、たまに波掌撃になっちゃうんだよね。
課題は収束率かな……
「い、今のは……?」
「これが生命の持つ力、闘志の呼び覚ます力、闘気だよ☆」
「トウキ……マダムの言っていた神秘の事だろうか?」
「え、なにそれ知らない」
気になったから聞いてみたけど、アズサちゃん自身もよくわかってないらしい。
でもまあさわりはわかったよ。「生徒」の持つ力、か……
銃弾撃たれても平気なのってこれのおかげなの!?
たぶんこのヘイローを作ってる力なんだろうね。
なるほど……これはトレーニングに生かせるかも☆
「ありがとうアズサちゃん。また一つ強くなれそうだよ」
「そうか……それはよかった……」
それにしてもどうしようかな。
とりあえず指導教員として週一でホシノちゃんを雇ったけど部員がね……
いちおう正実から2,3年生クラスが常駐してくれるって話ではあるんだけど。
そうだ☆こんな時のシャーレじゃんね☆ダメ元でメールしてみよ☆
☆
「あなたが巷で噂のトリニティリアルスト2生徒会長だね!私はゲーム開発部のモモイ!」
「ごめんなさいお姉ちゃんが……私達ミレニアムでゲーム開発の部活をしていて……」
「“ええっとごめんね?ちょうどお互いに協力できそうだとおもって”」
そういえばこっちにもスト2あるんだよね。
名前がスチューデントファイターだけど。
おかげでストリートファイト流行らすときに話が早くて助かったよ。
ところで後ろでモゾモゾしてる段ボールは何?
「勇者アリスは新しい仲間、格闘家ミカと出会いました!」
何の何の何!?
まあでも……楽しそうだからいっか☆