ここだけレグルスがねこと一緒にいて幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線です。よろしくおねがいします。   作:ねえ、おなまえは?

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13話 もしかしてすごい人なのでは?

 

さて、れぐるすは元気にしていますかね?

 

感知した場所を頼りに、歩いて行きます。

れぐるすに会うのは、本当に久しぶりなので、わくわくして、歩く速度が少し上がります。それに合わせて尻尾がゆらゆらと揺れます。

 

洋服も、普段のさろぺっとの服ではなくて、少しおめかしして、白のふんわりとしたわんぴーすたいぷの服にしました。ねこの力で。ねこの力は偉大です。

 

 

あ、ここですね、れぐるすはここに居ます。

 

とても大きなお屋敷です。

 

ねこは驚きました、れぐるすはとんでもない人間なのでは……?

 

扉をのっくして待ちます。

少しして、がちゃり、と扉が開かれました。

 

かわいい女の人がねこを出迎えてくれました、ねこを見て、少し驚いた様な表情をしました。のが、すぐに無表情に戻ります。

 

「旦那様に御用でしょうか?」

 

 

 

だんなさま。

れぐるす、なかなか隅に置けませんね、幼馴染の彼女とは比べられませんが、こんなかわいい子をお嫁さんに迎えたのでしょうか、それとも使用人の人なのでしょうか。

 

ねこは、ねこです、よろしくお願いしますと頭をさげて挨拶しました。

そして、旦那様の名前は、れぐるすで間違いないでしょうか?と聴きました。

 

そうです、と肯定した彼女に、ねこはれぐるすの知り合いです、もし都合がよろしければれぐるすに会う事は可能でしょうか、と伺います。

ねこをお屋敷の中に招き入れてくれて、少々お待ちください、と奥へ歩いて行きました。

 

 

中に入っても整った素敵なお屋敷ですね、ごてごてと飾り付けばかり豪華絢爛に見せていた最初に働いたあのお屋敷とは全然違います、れぐるす、せんすありますね、と思っていた時でした。

 

つかつかと大股で歩いてくる音がして、ぴくりと耳が反応します。

あ。これ、れぐるすの足音ですね。

 

 

 

 

 

れぐるすが見えて来ました、ねこは、れぐるす、と手をゆるりと振ります。

 

「あのさぁ!ねこ、君、来るなら来るって連絡の1つでも寄越してから来るのが礼儀ってものじゃないかなぁ。まぁ?きまぐれな君に言っても無駄か。とにかく、僕の屋敷によく来てくれたね、ようこそ。君と会うのなんて何年ぶりだろうね?僕も君も時間の流れが普通の人間とは違うからね、変わりなく無事に過ごせている様で何よりだよ。というかさぁ、君、玄関で僕の妻に"知り合いです"なんて言ったらしいね?それはいくらなんでも酷いんじゃないかなぁ、僕は深く傷付いたよ、ただの知り合いじゃなくて、家族だと言っていたのにさぁ。いや、分かるよ?突然やって来た人が、家族です、なんて言われても妻たちは驚くだろう。それに配慮してくれたんだろう?その心遣いには感謝する。でもねぇ、知り合いって、それは無いんじゃない?もっと言い方ってものがあるでしょ、僕の気持ちを蔑ろにされている様で、僕は悲しいよ、心をぐりぐりと踏みつけられて、足蹴にされた様な気分だ。だから、これからは君は僕の"家族"だって必ず言わなくてはいけない、言う義務がある、それだけは最低限守って欲しいから君の"家族"である僕の持つ権利として当然、主張させてもらうよ。それで?ただ顔を見に来たって訳じゃないでしょ?十分旅は楽しめたかな?そう、それはよかった。そうしたら、また家族として暮らすのが当たり前だよねぇ?すぐに妻たちに君の部屋を用意させるよ、それまでお茶でもしているとしよう」

 

 

れぐるすは、90番、部屋を用意して、その後はみんなを玄関に集めてくれ。と言って、彼女はかしこまりました、と階段を上がって行った。

 

 

れぐるすは相変わらず元気そうで安心しました。家族と言う事、と伝えられた事に対して、ねこが分かりました、と言うと満足げにしていた。

ねこもそろそろ定住する場所が欲しかった、というより、れぐるすと一緒にまた過ごしたいなぁと思っていたので、一方的に決められたとはいえ、また一緒に生活できるのは嬉しい事です。

 

 

でもねこには、気になる事があります。それを解明するために、れぐるすに話を聴かなければなりませんね。

 

 

久しぶりにれぐるすに紅茶を淹れてあげました。

2人でてーぶるを囲みながら話をします。

 

れぐるす、結婚したんですね、おめでとうございます、と言いました。

 

でも、ねこの聴き間違えでなければ、"妻たち"と言っていませんでしたか?お嫁さんが沢山いるという事でしょうか。

 

それに、お嫁さんの事を番号で呼んでいましたよね、ねこの疑問は尽きません。

 

 

とりあえず、お嫁さんたちが沢山いると言う事ですか?と尋ねると、あぁ、そうだよ、とさも当然だという顔をして答えてくれました。

 

 

少し頭の中で考えを整理します。

沢山の妻、それは大切な人が沢山居ることと同義、れぐるすの権能……。

 

あ、なるほど、ねこは答えが繋がりました。

 

もしかして、それは、れぐるすの権能が関わっているからですか?と聴くと、なるほど、ねこはぼんやりしているけれどなかなか話が分かっているじゃないか、とにんまり笑ってれぐるすはねこの頭をうりうりと撫でまわしました。

 

頭が揺れます、視界が揺れます、れぐるす、強く撫ですぎです。

 

どうやらねこの考えで合っていそうですね。

 

 

 

そう思っていると、先ほど90番と呼ばれていた彼女が旦那様、玄関に全員集めました。と淡々と伝えます。

れぐるすはあぁ、ありがとう、と言って、ねこを連れてさっきの玄関に戻りました。

 

 

 

ねこは驚きました。

そこには数えきれないほど沢山の、かわいい女の人が居たからです。

 

顔の整った人を厳選したのでしょう、前髪が短く切り揃えられていて、髪型もみんな同じ様なものでした、それから、無表情。型にはめて作られたように同じような彼女たちを、ねこはじっと見つめます。

 

彼女たちはただまっすぐに見つめていました。

 

その視線の先にねこは居ません。

 

 

ねこをみんなの前に連れて来て、れぐるすは言います。

 

「彼女の名前はねこ。僕の大切な妹だ。長い間、旅をしていて僕の所に帰って来たって訳だ。突然だけれど、今日からここで一緒に暮らす事になった、くれぐれも無礼の無いようにね」

はい、旦那様。と粛々とねこは受け入れられました。

 

 

 

というか、いつの間にねこはれぐるすの妹になったのでしょう、でも、確かにれぐるすの方がねこよりしっかりしていますし、お嫁さんたちに説明するにもねこが家族のどの位置なのか分かりやすい方がいいですからね、ねこの方が長く生きているけれど、ねこは大人のねこですから、れぐるすの言う事をそのまま受け入れてあげましょう。

 

 

 

ねこからも挨拶をします。

すかーとを摘んで膝を折り、挨拶の動作、かーてしーを流れる様に1つ、ゆったりと行います。

 

「ねこです、よろしくお願いします。れぐるすの家族ですが、ねこは使用人として皆さまの生活の手伝いもさせていただきたく思います。屋敷勤めをしてきました。ので、大抵の事なら出来ます。困った事がありましたら、ねこに申しつけてください」

 

 

 

彼女たちが少し騒つくのを、れぐるすが制します。

 

れぐるすは、ねこに、使用人なんてしなくていい、君は僕の家族として一緒に過ごせるならそれでいいんだと何度も言ってきたが、れぐるすと妻たちの中に入るのは何となく場違いな感じがして申し訳なかったですし、ねこは、幼馴染のあの子を思い出して昔の頃の様にさせて欲しいとお願いすると、渋々、本当に渋々、使用人として動き回ることを許可してくれました。

 

 

 

ねこはれぐるすの話を聴きながら、先程の続きを考えます。

 

SCPの立場から判断からすると言って彼女たちへの番号呼びも合理的、というかあまり違和感がないです。

多分倫理的には、あうとで、正邪で言えば、邪の方で、道徳的には、完全におかしいのでしょうけれど、この体に、この思考になってから随分経ちますから、これも彼なりの愛の形なのかなぁ、まあそういうのもあるよね、とぼんやりとねこは思います。

 

彼女たちが無表情の理由は、笑うとぶすになる子が気に入らないので、表情変化をまとめて禁止しているのだそうです。

 

あ、だから前髪を短く揃えて、顔をよく見えるようにしているのでしょうか、それに、その方がかわいらしい顔がよく見えますし、表情が変わればすぐ分かりますからね。

 

 

でもきっと、ねこがこれまでの人生のなかで見て来た最も美しい笑顔や泣き顔、困った顔、ぷんぷんと怒った顔、子供のようにはしゃぐ楽しそうな顔、つまり最高の表情や感情は幼馴染の彼女が全部持っていて、持って逝ってしまったので、もう二度と見る事が出来ない。ので、それ未満のものは赦せない、それがれぐるすの根幹にあると思いました。

 

 

話が見えて来ました、小さな王の発動の為にれぐるすにとっての大切な人を用意しなくてはならない。

その範疇に入る妻たちの誰かに擬似心臓を託して権能を発動させる、その為には沢山の妻がいた方がいい。

 

だけれど、幼馴染の彼女とねこと暮らしたあの生活がれぐるすの価値基準になっているので、なるべく顔がよい子を娶って、それでもやっぱり彼女が1番なので、番号呼びと表情変化を禁止していると。

 

彼女たちに向ける大切と、幼馴染の彼女に向けていた大切は大きく乖離がある様ですね、そんな所ですか。そこに彼女たちの意思は反映されていないのでしょう。

 

 

 

 

 

ねことしては、れぐるすの考えに全部は同意は出来ません。

 

意外かもしれませんね。

 

 

色々な事を知りたいねこは、彼女たちのお話も聴きたいですし、番号呼びは、SCPのおぶじぇくと一覧と重なってしまって混乱するのです。

 

それに、SCPであっても、めたたいとるという、つまり名前や通称がありますから、それも知りたいのです。

 

ので、ねこは、ねこの仲間たちも番号で割り振られていて混乱するから、彼女たちを名前を呼んでもいいか、色んな事を知る機会なので、少しは話をしてもいいか、など、勿論れぐるすと彼女たちの関係を崩さない様に彼女たちと過ごす中で、ねこと居る時だけ許してもらう様お願いしました。

 

よろしくお願いします、と言うとれぐるすはきまぐれなねこの特性を考慮してくれて、それにねこはれぐるす以外の人とはどうせ殆ど喋らないだろうという判断から、許可を出してくれました。

 

 

 

 

 

 

さて、ねこが着るめいど服を作ってもらう為にれぐるすに連れられて洋服屋さんに着きました。高級感があるお店です。

 

あっという間に色々な所のさいずなんかを図られて、2日程すると、ねこ用に仕立ててもらっためいど服が出来上がりました。

あと、これはねこがめじゃーでぐるぐる巻きにされている間にれぐるすが頼んだのでしょう、白に金の装飾が付いているふんわりとしたしんぷるなわんぴーすもくれました。

 

れぐるすの着ているものと似ています。お揃いみたいで嬉しいです。

 

 

めいど服は黒を基調として、白のえぷろんがついた、くらしっくなたいぷのやつです。

尻尾が出るように後ろの腰の部分にはすりっとが横に小さく入っています。

持って来てくれたお嫁さんにお礼を伝えてさっそく着替えます。

 

おぉ、馴染みますね。

 

生地もしっかりしていて、それでいて滑らかに動けそうです。

これもしかして結構お高いのでは?

 

れぐるすにお礼を言いに廊下を軽やかに歩きます。屋敷はかなり大きいですが、すぐに頭に叩き込めました。

 

れぐるすの部屋をのっくして、白に金のわんぴーすのねことめいど服のねこを、くるりと回って見せました。

れぐるす、服をありがとうございます、品がよくて、れぐるすとお揃いみたいでねこは嬉しいです。

ねこは分かります、これは高かったでしょう、その分お返しができるようにねこはがんばりますね、と言うと、僕の見立てはぴったりだった様だねと褒めてくれて、家族なんだからそんな事なんて気にする必要はない、兄が妹に何かしてあげる事なんて当然だからね、ねこはその好意を受け取る義務がある、まぁ?ねこの好きにするといいさと笑っていました。

 

 

ねこには何人かのお嫁さんたちが代わりばんこに世話係として着いてくれました。

 

ねことしては、ねこの事はねこが出来るので大丈夫です、と言いたかったのですが、ねこのお願いばかりれぐるすにきいてもらっていたので、それは承諾する事になりました。

 

沢山のお嫁さんたちと関わる機会が与えられたと考えたら、お得です。

 

 

 

世話をしてもらうといっても、なかなか思い付きません、とりあえず髪の毛を結ってもらうことにしました。

 

りぼんを使って下で緩く結んでもらいます。優しくねこの髪の毛をくしでとかしてもらっていると、幼馴染のあの子の事を思い出して懐かしいのと、寂しい気持ちになりました。

 

 

世話係の子たちから収集していきましょう。

ねこは、ねこの前ではれぐるすの言っている事は気にせずに、ありのままで過ごして欲しい、と伝えました。

暫くの逡巡の後、かしこまりました、とお返事をもらえて、よかったです。

さて、名前から教えてもらって……

 

 

 

 

 

 

 

 

ねこは働く事が好きです。誰かの役に立つ事が好きです。

だから、沢山居る彼女たちの為に何かする事が好きです。

勿論、れぐるすの為に何かをする事の方が好きですが。

 

献立を考えて、みんながまだ寝ている朝早くから下ごしらえをして、料理を作る担当の彼女たちと一緒に作っていきます。

ねこは色々周った先で美味しいものをたっぷり食べました。

お店の手伝いをしていた事もあるので、れしぴは山の様に頭に入っています。

 

彼女たちに味見をしてもらい、盛り付けて、運んで、食卓につきます。

 

れぐるすは、これまで食事をしなくても大丈夫だったので、摂らなかったらしいですが、ねこが来てからは一緒に食事を楽しむ様になりました。ねこは、ちょっと嬉しいです。

 

お皿洗い、洗濯、掃除と、彼女たちの負担が少しでも少なくなる様に動き回ります。

 

買い出しも、確保と収容の力で一度に沢山仕入れて、倉庫の様に利用していたので便利なものでした。

 

 

 




便利なねこです。

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本小説、およびイラストはCC BY-SA 3.0ライセンスの内容に従い公開させていただいております。

SCP財団
http://scp-jp.wikidot.com/

SCP-040-JP - 『ねこですよろしくおねがいします』
by Ikr_4185
http://ja.scp-wiki.net/scp-040-jp
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