ここだけレグルスがねこと一緒にいて幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線です。よろしくおねがいします。   作:ねえ、おなまえは?

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ねこですよろしくおねがいします。


4話 私から、ねこに。よろしくおねがいします

 

寒い。

素肌に当たる壁や床が冷たいです。

ぶるり、と体が震えます。

 

空気が底冷えしていて、くちゅん、とくしゃみを1つして、目を覚ましました。

 

石造りで周りをぐるりと囲まれていて、あぁ、そうだ井戸の中だったと、よっと、石壁の出っ張りを足で踏み締めてじゃんぷし、井戸の淵に手をかけます。

 

体が軽く、そのままの勢いで井戸の外へ出ます。

 

井戸の中で寝ていたので、体ががちがちに固まっていました。

ぐーっと伸びをして、さてどうしたものかと無意識に頭を撫でると、頭の頂点に近いところに何かが触れました。

 

ん???

 

両手で触ります。

 

くすぐったい。

 

それは、いわゆる猫耳でした。

混乱に拍車がかかります。

腰の付け根辺りからご丁寧に白い尻尾まで生えています。

 

 

 

 

なんじゃこりゃ。

思考を一旦放棄しました。

 

 

 

状況を整理しましょう、私は昨日村人たちに連れられて、この小屋に閉じ込められました。

 

改めてじっくり家を、家とも言えない様なこの場所を、観察します。

古井戸を囲う様にぼろぼろの狭い壁が建っています。

ずいぶん古い小屋です。

……ん?古い小屋、古い枯れ井戸に白い、ねこ?

 

これって、ねこが、ねこになったってこと??

あ、認識した途端一人称がねこになっている。

 

確定と言っていいです、答え合わせです。

 

"私"は、そうして"ねこ"になりました。

 

 

 

ねこです、よろしくお願いします。

 

 

 

話は転生した冒頭に戻ります。

こんな感じで、ねこは、最初はねこですら無かったのです。

 

人間ですらない、人でなし、だったのかもしれません。

 

ねこは、前世、おかるとものが好きでてれびのおかると特集、ねっと上に蔓延る都市伝説までよく見ていました。その中で、よく考えられていて面白いなと思って寝る前に見ることが習慣になっていたさいとがあります。

 

そう、SCP、えすしーぴーと呼ばれるものです。

財団と呼ばれる組織が、異常な特性を持つ物品や存在、現象を観測して、封じ込めて、世界の安全を秘密裏に守る。確保、収容、保護を掲げるもの。

 

何千とあるあいてむや人物や現象を読むのはとても面白くてついつい夜更かしして見ていました。

 

有名な所は特性まで覚えています。

 

そうして、考えてみると、ねこが最初死産で生まれて、母の真似をして泣き声をあげてみる、という行為や、腕がちぎれたり、再生したりする"現実改変"の力を持っているという特性を持ったある悲しい男性の話を思い出しました。

 

どうやら、ねこは色々なSCPが混ざった存在になったのだと理解しました。

 

奇しくも村の人たちが、彼らがした"確保"と"収容"もそう思うと正しい行動だなぁ、とのんびり思います。

"保護"と言うには荒っぽいですけれども。

だって出ようと思えば出られますからね。

 

 

ねこは、ねこです。

 

古い枯れた井戸とぼろぼろの小屋、何重にも掛けられた錠に、引っ張られて、最後に井戸の中でねこにでもなりたいと願った、ねこのいめーじが現れた結果でしょう。

 

 

もう一度よく体を観察します。死産から始まった今世の"私"だった頃と変わらない身長に、白い肌、裸足に、すこしごわごわする白いはーふぱんつたいぷのさろぺっとの服、これは尻尾が出る様に後ろには、すりっとが入っていました。

 

元々は両親と同じ色だった、腰より下まであった髪は、うねりのついた薄い青みがかった白髪になっていて、それから、腰の上の辺りから出ている白のしっぽに、猫耳。

 

顔は、ここでは確認できる物が無いので見られませんが、元となったねこのいめーじからきっと特徴的な、吸い込まれる様な大きな目をしているのでしょう。

全身真っ白けです。

 

ねこは、ねこの特性は、小屋の中を視認すると対象が"ねこが居る"という認識に曝露して、何日もかけてねこが暗闇に居ると認知します。監視されていると感じて、それを周囲の人に"ねこが居る"と積極的に伝える様になって、発話や絵や映像や文章からも"ねこが居る"ということが伝播していきます。

 

重大なみーむ災害、認識した人の行動や思考に影響を与える災害を引き起こします。のが、どこか愛嬌のある見た目と喋り方から沢山の人からも、財団の人たちにも人気がありました。ねこも、ねこが好きな人でした。

 

ねこは、暑いが苦手ですが、この井戸は冷えすぎです、風邪をひいてしまいます、前世に戻りたいです、でも、前世の方も終わっていた事を思い出して、やっぱり今は井戸が1番だと思いました、かしこ。

 

 

 

ねこは、どうしたもんかなぁと思い、ねこらしく、んん〜っともう一度伸びをしました。

 

 

ねこは、ねこですから、SCPという異常な存在ですから、お腹も空かなければ、喉も渇かない体です、よろしくお願いします。

 

ねこは非力ですが、この小屋はぼろっちぃので壊そうと思えば壊せます、のが、やっぱり今の、ねこのお家が無くなってしまうというのは嫌なのでそうしない事にしました。

 

 

それに、どうせ外に出ても、顔を覚えられています。

 

他の部分の見た目が変わった"化け物"が小屋から現れたら今度こそ殺されてしまうかもしれません。

 

ねこは平和主義者です、争い事は苦手です。

 

でももし、殺されてしまうとなったら、身を守るでしょう。

 

ねこの頭の中にはつよつよな仲間たちが居るので、きっとねこの特性が変わって、あっという間に酷い事をしてきた人をないない出来ます。

 

でも、村を消したいとか、人を皆殺しにしたいやつらとは違います。

ので、このままみんながねこの事をすっかり忘れてしまうまでずっと待っていようと思いました。

 

ねこは、頭が良いと思いました。

平和的だし、みんなが忘れてくれればねこも安全に外に出て、それで……それでどうするんでしょう?ねこは気ままなので、こんな村を離れて色んな所を見て歩くのもいいかなぁと思いました。

 

 

ねこは、そうして何年も、何十年も小屋の中で静かに過ごしていました。

 

 

 




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