フッ、ついにこの日が来てしまったか。
私はもう一度室内を見渡す。
夢にまで見た光景が眼前に広がっている。
連邦捜査部シャーレ。
水色の髪の少女型OSアロナが言った。
「よろしくお願いします。先生!」
遡ること2時間前。
私はゲーム『ブルーアーカイブを』プレイしようとしていた。
しかし、そこで思わぬ事態が発生。
突然ロード画面が白く光りだしたと思ったら、
私は意識を失ってしまったのだ。
そして、目を開けたら私はブルアカの世界に来ていた。
しかも、リンちゃんからこの世界の説明を受けているということから今はストーリーの最序盤であることがわかった。
そして、現在に至るというわけだ。
再びアロナが言う。
「何だかとても活き活きしてますね。先生。」
そりゃそうだ。リリース当時から何年間も遊んだお気に入りのゲームの世界に入っている。
こんなに嬉しいことはない。
こんなのどんな大金を積んだって現代科学じゃあできやしない。
さぁ~て。シャーレの仕事してみるかぁ。
こうして、私の先生としての生活が始まった。
数日が経ち、そろそろかな?と私が考えた時だった。
「先生、先生!生徒さんからお仕事のメールが届きましたよ。」
おっ、ようやく来たか。
「教えてくれてありがとうアロナ。仕事の内容は?」
「はい、アビドス高等学校の生徒さんからです。
シャーレの助けがすぐに必要だそうです。
詳しいことは現地で話すとのことです。」
やはりアビドスからか。今更だが、少し緊張する。上手くいくかな。私は多少不安になりつつもアビドスへと足を運んだ。
ここはアビドス高等学校。
原作では高校に着くまでに先生が遭難し、
シロコに助けてもらっていたが、
私はきちんと地図を持ってきたため、遭難することはなかった。
校門前で、シロコと出合い、シャーレの先生であると伝えた所
教室まで案内してもらうことになった。
がらりと扉が開く。そこには、アビドスの面々がいた。
ただ、ホシノの姿はない。皆は私を見ると一瞬静かになった。
次の瞬間、静寂を切り裂くように言葉が放たれる。
「誰よ、その生徒!もしかしてアビドスに入学したいの?ここは女子高よ!変態!」
「まあまあ、セリカちゃん。確かにセリカちゃんの言うとおりですが、ここは優しく接してあげましょう☆」ノノミが言う。
アヤネは私をじっと観察している。
そんな中シロコが説明してくれる。
「ん。皆、この人は生徒じゃない。シャーレの先生。私達を助けに来てくれたの。」
「「え、えーーー!!!」」
一同は驚きの声をあげ、さらに質問をぶつけてくる。
「な、どう見ても高校生じゃない!シャーレの先生ってどういうこと!?」
「驚きました。てっきり大人の方が来られるのかと。」
「ん。私も最初疑った。でも、きちんとシャーレの証明書を持ってた。」
皆が困惑しているその時だった。
ガララ。1人のピンク髪の少女が部屋に入ってくる。
「あっ。ホシノ先輩。」
「ん〜。何だか騒がしいなぁ。ってあれ。そこにいるのは?」
ホシノは私の胸ポケットに入っている証明書を見て言った。
「もしかして、あなたが先生?」
「じゃあ、先生。早速私たちの抱えている問題を教えるね。」
「何だか先生って変な感じね。」
「私は何と呼んでもらっても構わないよ。」
「まず、私たちの学校はヘルメット団って言う連中によく襲われているんだ。ヘルメット団っていうのはーーー」
その時だった。ドッカーン。爆弾の爆発した音が聞こえた。
「おらおら、アビドスども〜!今日こそ負けねぇぜ〜!」
ヘルメットを被った団長らしき人物が大声で言う。
「説明するまでもないね。あいつらだよ。先生は戦えないんだよね。後ろに下がって、指揮をしてもらえないかな?」
ホシノは至って冷静だ。
「もちろん。私も1つお願いしていい?」
「いいよ。何?」
私は意を決して言う。
「どうか、彼女達と一緒に協力してほしい。」
「え?」
私が言い切ると同時に校庭からまばゆい白い光とヘルメット団の悲鳴が聞こえてくる。
「な、何だこいつら。アビドスの生徒じゃねぇ!
皆、言ったん逃げーー。ぐわぁぁぁぁ。」
「あ、あいつ。聞いたことがある。確かトリニティの走る閃光弾ってやつだ!」
「おい、あの青髪のやつ。全然攻撃が通らねぇ。
なんだありゃ、バリアか?」
そうだ。私はこの数日間ずっと考えていた。アビドスがもっと有利に戦える方法を。学園間の争いを少しでも消し去る方法を。
私は彼女たちと通信を繋げて感謝の言葉を伝える。
「ありがとう。スズミ。ユウカ。」