TSよわよわVtuberはバズっても外には出ません ~かわいくなったら余計他人が怖くなったんだけど!~   作:あずももも

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134話 僕たちはかたつむり

【あとハルナちゃんの秘密はもうないなったね  なぜか、つい最近知り合った設定だったのにハルナちゃんがV始める前あたりからのやらかしまでおっぴろげしてくれたし  ハルナちゃんファンとして最高です】

 

【草】

【分かる】

【紅目ハルナファンはこはねちゃんを崇めます】

【あの……こはねちゃんの登録者、えぐいくらい増え続けてるんですけど】

 

【ハルナちゃんファンが次々に登録してるからな】

【これが感謝の気持ちだよこはねちゃん】

【だから次はもっといろいろ暴露してねこはねちゃん】

【草】

【しまった、我欲だった!】

 

「……も、戻ったのでしょうか、こはねさん……?」

「さっきみたいな気迫はないみたいですけど……」

 

優花が頭を撫でてくれている。

ひより先生が背中を撫でてくれている。

 

ここは、とても安心できる場所なんだ。

 

「……本当に別の世界と……こんなにも近いのならなにかしらのアプローチ方法が……」

 

下着姿になんてなってない如月先生が、なにやら難しそうなことを呟いている。

その姿を見るだけで安心して、涙が止まらないんだ。

 

「ぐし……ぐし……ぶしっ」

 

大人の女の人が、まとも。

それだけで泣きたくなるんだ。

 

【かわいい】

【かわいい】

【こはねちゃんがすすり泣いている】

【かわいいね】

【かわいいね】

 

【なかないで \50000】

【もっとないて \50000】

【なかないで \50000】

【もっとないて \50000】

 

【あ? \50000】

【お? \50000】

 

【草】

【なんて無駄な投げ銭なんだ……】

【介護班の入れ込みようは半端じゃないからね】

 

【いつもの高額投げ銭、介護班だったの!?】

 

【草】

【ああ、我らはこはねちゃんにぞっこんだからな……】

 

【こはねちゃんのおかげで子供が欲しくなって無事婚約できたお礼だよ】

【こはねちゃんがかわいくてもうひとり子供ができたお礼だよ】

【こはねちゃんのギャン泣きで引きこもりから脱出できたお礼だよ】

【こはねちゃんを守護るために勤務時間が短くて給料が高いとこに転職できたお礼だよ】

 

【草】

【草】

【レッサーパンダこはねちゃん……さすがの影響力だな……!】

【泣き声を聞く者すべてを保護者にする幼女だからね】

【なお肝心のこはねちゃんはニートです】

【TSっ子なのに……】

 

「     」

 

「はるなちゃん、どんまい。以後はリスナーたちにすべてを知られたロリショタコンとしてがんばって生きてね」

 

【悲報・ハルナちゃんの株、ストップ安】

【大丈夫大丈夫  ダメダメな20代OL配信者が好きっておじさんが大量流入してくるから】

【酒癖とか部屋の汚さとかだらしなさとか年下好きとかこはねちゃんでも行ける発言とか、もうね……】

【しばらくV界隈のサンドバッグになるけどがんばって】

 

【ま、まぁ、こはねちゃんが覚醒してたおかげで切り抜けられたから……】

【これを切り抜けられたって言うのか?】

【もうだめだ……】

【草】

 

【こはねちゃん、やっぱ持ってるよね、アイドルとしての資質を】

【代わりに自尊心とか投げ出してギャン泣きするレッサーパンダだけどな!】

 

 

 

 

「すごくこわかった」

「ごめんね……」

 

「こわいゆうかたちじゃないって理解してるのに、あれから時間が経っても、みんなのちょっとした仕草とかボディタッチで無意識に泣きたくなるんだ」

 

「ほんとうにごめんね……3時間コースさせたから……」

 

ぐしぐし。

 

夢の中でも泣いている僕は、僕よりもずっと年下のはずなのに僕よりもしっかりしている僕に慰められている。

 

「女って、こわい……」

 

「途中で恥ずかしさのあまりに気絶しちゃったひよりちゃんみたく、肉食じゃない女子もたくさん居るから……」

 

「もうひより先生しか安心できない……よりにもよって優花が……」

「ああ、うん……家族がアレはねぇ……肉親に襲われるのはねぇ……」

 

僕をよしよししてくれてる僕が、ため息をついている。

しっかり者でもため息って出るんだね。

 

「ねぇ……」

「なぁに?」

 

「そっちの僕は、どうして無事なの? 貞操とか」

「それは……うん。毅然と立ち向かってきたからだよ」

 

「きぜん……無理だぁ……」

 

「ま、まあまあ……そっちのみんなはさ、うん……僕がうらやましくなるほどにおとなしいし……うん……」

 

僕たちは体育座りをして、べそをかく。

 

「いや、好意は嬉しいんだよ? 僕のことを――こっちでは生まれてからずっと女な僕を、男として扱った上でのってさ。けど……倫理観とかガン無視して全員で一緒にってのは、ちょっとねぇ……」

 

「たいへんだね」

「大変なんだよ」

 

「「………………………………はぁ……」」

 

僕たちは、大きなため息をつく。

 

「……そのうちに、応えるつもりでは居るから。ただ……うん。充分に躾けた上でじゃないと、体格でも本能でも劣る僕たちはねぇ……」

 

「……僕は、どうしたらいいんだろう」

 

のの字を書く僕の指を、悲しそうな目が追う。

 

「TSしたおかげで、こっちとおなじように法的な制限はないっていうし……ゆっくり考えなよ。こっちみたいに、気を抜くと捕食される運命じゃないから」

 

「うん……」

 

僕たちは、かたつむりのように丸くなる。

 

「僕、男の体だったら大丈夫だったのかな……」

 

「うーん……それだとはるなちゃんあたりが」

「あー」

 

そうして僕たちは、眠くなるまで話し合った。

 

怖くなったら、また助けてくれるって言ってくれた。

 

……年下にお世話されてるのに、それが嬉しいって思っちゃう僕自身を発見して、そのせいで起きてからまた何日か落ち込んだりした。

 

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