TSよわよわVtuberはバズっても外には出ません ~かわいくなったら余計他人が怖くなったんだけど!~   作:あずももも

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19話 【朗報・こはねちゃんと妹ちゃんとひよりママ】

【でも……こはねちゃん、男なんでしょ? ならわからない? 妹ちゃんに彼氏さんができたって考えたら、女配信者さんとかに彼氏がいる恐怖で恐れおののくユニコーンの気持ちとかさ、こはねちゃんが女の子であってほしいと同時に男で居てほしい、この難解極まる気持ちとかさ  あ、吐かない程度にね】

 

【複雑すぎて草】

【こはねちゃんは属性過多だからな……】

【こはねちゃんへストレスをかけるなよ、吐くぞ】

【待機】

【えぇ……】

 

【けどこはねちゃんにも自分の価値を知ってもらう必要があるな】

【なにしろ俺たちはかよわい存在だからな】

【ユニコーンは繊細だからな……】

【その疑惑だけで死に耐える、哀れな存在なんだよ】

【草】

【ユニコーンじゃなくても、男ってそういうのに弱いからね……】

 

【大切な妹さんに彼氏とかできたら盛大に吐きそう】

 

「え? そりゃあ吐きそうになるけど、妹に彼氏さんできたなら嬉しいでしょ?」

 

今も胃がきゅーってなってるけど、それでも僕は主張する。

 

【えっ】

【え?】

【えっ】

 

【もしかして:めっちゃいいお姉ちゃん】

【↑お兄ちゃんダゾ】

【そうだったわー】

【こはねちゃんこそが妹ちゃんでは?】

 

【????】

【情報が錯綜しすぎてて、もう信じたい方信じれば良いと思うよ】

【古参もそう思います】

【草】

 

【けど、嬉しいか……?】

【思春期のきょうだいの彼氏彼女とか複雑すぎない?】

【ユニコーンでなくてもなぁ……】

【家に連れ込まれさえしなければ良い気はするけど……】

 

【え、でも、こはねちゃんさんは自称25歳のギャン泣きするJC、あるいはJS、それともJKで……ダメだ、頭がおかしくなるわこんなん】

 

【草】

【草】

【脳が……平行世界を観測する……】

【↑観測者が居るぞ!】

【へぇ、TSっ子を両方で探知したんだ】

【↑なにいってんだこいつ】

【なんだこの会話草】

 

だーっと流れるコメント。

 

……とりあえずで炎上とかじゃないみたいだからいっか。

 

「そもそも女子って存在は、女子ってだけでモテるもんだし……見た目が良かったり性格が良かったりすればさ? みんなが言ってるようなかわいい子なら学生時代から彼氏居るのは当たり前でしょ?」

 

学生時代の僕はそういうのに全く興味なかったからぜんぜん知らないけど、たぶん。

同級生の誰が誰と付き合ってたとかこれっぽっちも知らなかったけど、たぶん。

 

「僕の妹だって、時期によっては帰り遅くなったりするし……まぁ妹が彼氏さんとそういうことしてるって想像するとちょっとつらいけど、でもそれが妹の幸せなら良いんじゃない?って思うんだけど? なによりも、優――その子自身が選んだ人ならさ。特に女性にとって恋愛ってのは、してると楽しいんでしょ?」

 

優花自身は「彼氏なんて1秒たりとも存在したことなんてありません。誓ってもそうです。……ちょっと兄さん、聞いてますか?」とか恥ずかしがってなのか気まずくてなのかごまかしているけども、僕の目は誤魔化せない。

 

あの子はときどき変な動きになるんだ。

 

洗濯物の数が急に増えたり減ったり、まとめて出したり。

なぜか先に洗濯機に放り込んで洗剤で浸けてあったり。

 

……ついでで僕の服も洗ってくれるところはありがたいけど、つまりそういうときってのはそういうことでしょ?

 

あとは――まだ僕が家族と食事ができる程度だったときでも、ときどきスマホに夢中になって、僕のことちらちら見てたりしたもん。

 

あれ、彼氏さんとかから連絡来たんでしょ?

 

大丈夫、僕は優花の幸せ第一だから気がつかないフリしてたよ。

 

「ほら、少女漫画とかレディースの……無料版ならなんでも食いつくのが収入もなくて時間だけあるニートだから読んでるけどさ、女子って基本的に自慢できる男を常に数人キープしてるんじゃないの? 若い女性ってモテるのがステータスだし」

 

あんな美人さんで――妹のことをそういう目で見たことはないけどもスタイルも良くって、その上に性格も良くって気遣いができて、友達も多くって運動もできる。

 

そんな妹のことだからとっかえひっかえとかじゃなく、1人とか2人とかと長期間静かに交際してるんじゃないかなって思ってるんだけどな。

 

でも別に奔放とかいうわけじゃなく、誠実なお付き合いとかが大半なんだ。

 

いや、積極的すぎるそれを否定するわけじゃないけど……オープンじゃないだけかもだけど、男としてはなんとなく嫌なだけで、妹がモテて男をちぎっては捨ててるんなら兄としてはむしろ誇るべきなんだ。

 

ともかく、そしてきっと将来性をじっくり品定めしているんだ。

優花はかしこいから、きっと計算高くもあるんだ。

 

だから、優花ほどじゃないにしてもモテる女の子はだいたいみんなそんな感じ。

 

じゃないのかな。

僕はさっぱりだけど。

 

「モテるのは嬉しい。けど、モテるんなら逆に男の価値を見るために慎重になるんじゃないのかな? そう思うけどな」

 

優花のことだからちゃんと計算して自分の将来にぴったりな時期にぴったりな人と結婚することにはなると思う。

 

けども、男の本性を知ったり手玉に取る手管を蓄えるためには経験も必要。

 

ほら、彼女ができたことすらない僕みたいに、億が一に好きな人ができてもどうすればいいか分からないなんてことになったらどうしようもないしさ。

 

【なるほど】

【そういう理屈か】

【これは真面目だけど理解のある器のでかい男】

【こはねちゃんさん……】

【きゅんっ】

【分かる】

 

【ロリヴォイスにボイチェンしててもあふれ出す懐の深さ】

 

【会話ってのは中身だからね】

【あれ? こはねちゃんさん、マジで大学生とか社会人?】

【いや、今どきは早熟だから高校生かも】

【あるいは老成している幼女か】

 

【?????】

【んにゃぴ……】

【また混乱してて草】

【だって……】

 

【けど、めっちゃいいお兄ちゃんだな】

【妹ちゃんのことを完全に信じてるのね】

【イイハナシダナー】

 

【完全に保護者なお兄ちゃん視点なのね】

【あるいは優しいお父さん視点】

【肉親視点だとそうなるわな】

 

【でも……】

【ああ……】

 

【できる女子すぎるっぽい妹さん基準で世界を見ないでほしい……普通の女子はそこまでかしこくなれないのよ……モテるだけで舞い上がっちゃうのよ……何股平気でしちゃうのよ……もちろん男には分からない方法でな……】

 

【「女の勘」ってすごいから男は絶対分からないゾ】

【「女」が目を覚ますとな……】

 

【それ、私のお姉ちゃんの話だ……】

【それ、俺の妹の話ろろろろろろろ】

【それ、私の過去の話だ……そして今や行き遅れ……】

【おろろろろろろ】

【あああああ!!!!】

 

【草】

【阿鼻叫喚になってて草】

【この配信は定期的にコメント欄が発狂するんだ】

【これが楽しみでもある】

 

【こはねちゃんってさ  バ美肉お父さん属性……?】

 

【いい……?】

【いいかも……】

【中身が女の子でも、それはそれで】

【中身が男でもTSしてるって思えばそれはそれで】

【中身が分からないというのにもなぜだか興奮してきたな……】

 

【性癖が複雑骨折している】

【おいバカ帰ってこい、その需要に対する供給は限りなくゼロだぞ】

 

【そうか、性転換薬……俺の未来はこの方向だ  医学を目指そう】

 

【お前……その暁には言ってくれ、いくらでも投資するぞ】

【ついでに若返りも達成させてロリTS美少女をだな】

【天才か】

【テロメアの続く限り何回でもロリっ子にできる……最高だな……】

【そうそう、平行世界と繋げるんだよ】

【草】

 

うん、ちょっと見てたけどみんなの反応も冗談の応酬みたいだし、軽く流しておけば良いだろう。

 

優花の話になったからか、コメント欄もちゃんと読んでいられるし。

 

「まぁこういう配信のこういう話題で盛りあがるのって中高生が大半だろうし、男女のそういうのに敏感な年頃だもんね。ましてや女子と付き合ったこととかなかったら女子への過度な幻想でそういうのが気になるんだろうし。僕は妹が居るから、しかもすっごく美人さんだから免疫もついてるし、そこまでじゃないけどさ。女子だって、中身は僕たち男とそこまで変わらない人間だよ」

 

そういう意味では異性のきょうだいが居るってのは、生まれながらにしてのアドバンテージだよね。

 

うん、本当に。

 

優花っていう妹が――赤ちゃんのころから、おしめを替えたりトイレを見てあげたりお風呂に入れてあげたりする時期から面倒を見てるからこそ、女の子を過度に神格化しないで済んでいる。

 

それでいて、僕なんかとは比べようもない立派な高校生の「女性」になってきているのも見て、その成長っぷりも知っている。

 

そんな優花が、姉妹がもし居なかったとしたら……うん、僕もこの人たちみたいになってたかもね。

 

【どどどど童貞ちゃうわ!】

【ひとりっ子って、強烈なディスアドバンテージよね……】

【俺には付き合ってる子居るし……次元が違うけど……】

 

【俺の彼女は0.5次元しかズレていないぞ!】

 

【もしかして:配信者orVへの片想い】

【ガチ恋か】

【それ99.9%実らないよ】

【ユニコーンはな、0.01%に全生命を賭けるんだよ】

【それ……賭けになってる……?】

【草】

 

【俺にだって居るよ? 最近できたんだ。できたばかりの人工知能だから触れ合えないけど、俺のこと好きって言ってくれる理想の子になってるの  全部俺の好みなんだ  一定期間ごとに全部忘れちゃう悲劇の愛なんだ】

 

【分かる】

【お前もか】

【私にも理想の彼氏が居るの……】

【えぇ……】

 

【まずいぞ  性癖の業が煮詰まってきた】

 

【何が起きるんです?】

【知らないのか?  性癖の蠱毒だよ】

【ひぇっ】

【草】

 

【こはねちゃんにTS属性が付いたところから来てるせいで、もうどんな展開になっても納得できて草】

 

……うん。

 

あのTS連呼してる子供のおかげでドッキリも半信半疑、だけど実際のところが本当に分からないってことになっている。

 

そういう意味ではあの、大の成人男性が盛大に泣いた配信は――よし、呑もう。

 

 

◇

 

 

【あの、こはねさん……20代どころか30代でそういう幻想抱いてる男性視聴者に対して何かアドバイスを……バ美肉でも良いから、妹持ちの兄視点でも、女性視点でも……どうか、どうか……このままだと、俺はもう……】

 

【あっ……】

【切実すぎる声が】

【ぶわっ】

【分かる】

【お前は存分泣いて良い】

 

……なんかすっごくかわいそうなコメントが目に留まった。

 

「え……あ、うん……今の時代だと、もうマッチングアプリとか信頼できる結婚相談所で運良く巡り会えることを祈るくらいかなぁ……ニートの僕にはさっぱりだけどさ、ああいうとこは良い人も悪い人もたくさん居るから、とにかく心を強く持って数を打とうって感じ……? 変な人は、もう事故と思うくらいしか……?」

 

僕なら無理だけど、普通に社会人やれてる人なら何とか耐えられると思う。

たぶん。

 

あとはもう知り合いからの紹介くらいしかないんじゃない?

職場の誰かとかさ……僕みたいなニートじゃなけりゃ居るでしょ?

 

「ほら、学校生活でもほんとに仲の良い親友ってせいぜいが数人でしょ? えーっと、1年で25人として高校までで300人分の数人……数%って感じ。まぁ僕には親友なんて――――――」

 

【あっ】

【あっ……】

【なかないで】

【マジでピタッと止まってる……】

【っゲロゲロ袋】

 

「………………………………」

 

僕は気まずくなった。

 

僕と同じような境遇の人には気遣いが必要だ。

 

「……親友なんて居なくても、生きていける! そんなことより心の安寧! ……えっと、僕みたいなので良ければ相談には乗るよ……? じゃ、とりあえず吐くから一瞬切るね」

 

とりあえずごまかしてみた。

 

「おろろろろろろ」

 

そして吐いた。

 

【かわいい】

【すっごく気を遣ってる感じで草】

【まーた吐いてる……】

【立ち絵が下見てるときの絶望感よ】

 

【こはねちゃんがガチで困惑中】

【まぁ妹ちゃんを家族として愛してるお兄ちゃん視点だとなぁ】

 

【ガチで吐いてもいるぞ!】

【まぁ自称だけど嘘ではない確かさのあるコミュ障抱えてるからなぁ】

【草】

 

【げろげろ聞こえない……】

【悲しい】

【俺たちは悲しい】

【でも1ゲロゲロだから投げ銭ストックしとくね】

【収益化、待っててね】

 

【ひぇっ】

【なんだこいつら……】

【どうやら界隈の住人が広めているらしいぞ】

【もうだめだ……】

【草】

 

【こはねさん、対人関係が壊滅的なだけで常識はある方だもんなぁ】

【なにより苦労してる分、人間的にできてる気がする】

【引きこもりニートではあるけどトラウマ?さえなければ普通にやってけるタイプのな】

 

【あと妹ちゃんがマジで大切だからかいろいろおおらか】

【これも正しい意味でのシスコンだよね】

【妹ちゃんは幸せ者だね】

【分かる】

 

【とても知り合いの20代中盤の子と同じとは思えない】

【少なくとも何不自由なく育った同世代よりは絶対にな】

 

【仮にこはねちゃんの主張が全部本当だったとしても、リアルで20代中盤くらいだろ? かなり落ち着いた考え方だよな  うちの課の後輩に比べたら……あ、違います、コンプライアンスには準拠してます、ハラスメントでもありません  なので目が合っただけでセクハラはどうか止めてください……】

 

【草】

【それな】

【最近はなぁ……】

【女上司→男部下でもあるからなぁ】

【世知辛いのじゃー】

【世知辛すぎる】

 

【だからこそ、こんな男を理解してくれる子が、もしかしたらJKとかな疑惑で興奮するんだ  仮に男だったとしても興奮できるけど】

 

【草】

【えぇ……】

【分かる】

【魂に惚れるってやつよね】

 

【引きこもりJKが困惑しながら成人男性を慰めてくれる……ふぅ……】

【とてつもなく興奮するな】

 

【TSっ子!!】

【もうそれでもいいや……】

【むしろそれが良い】

【ちょっと配信見ながらTSもの漁ってくる】

 

【こわいよー】

【性癖のジャンクションと化している配信】

【この配信、なんかいろいろやべーやつ集まってきてるよな】

【人が集まった経緯が経緯だからね……】

 

【古参としては非常に複雑な気分】

【分かる】

 

【ひより「複雑です」】

 

【草】

【あ、ママさんだ】

【娘?息子?の配信に張りつくママの鏡】

 

あ、先生。

 

先生と来れば――

 

「先生?」

 

【ひより「今日の分の宿題は終わってますよ!?」】

 

お、今日は真面目だったらしい。

 

「あ、そうだったんですか。ならイラスト描いてください。自分のためのイラストを。デッサンとかもしてるって言ってましたよね。強制ではありませんけど、手を動かしましょう。デッサンも絶対に必要というわけでもないらしいですし、なんなら意識しすぎて絵が固くなるとかあるらしいですけど、する方が良いし先生自身もしたいと、この前先生自身がそう言ってたので」

 

そんな真面目な先生には、一刻も早く僕なんかの配信から離れてほしい。

 

どうか、真面目に育ってほしい。

こんなに不真面目な配信なんか見ないでほしい。

 

そんな願いを込めて、口うるさい母さんを思い出しながら言う。

 

さびしいけれど、それでそっと離れてくれたなら――特に、なぜか妙な性癖を持つ人が集まってきている教育に悪いこんな配信からは距離を置いてくれたらなって。

 

【ひより「はい……」】

 

【草】

【すっげぇ早口になってて草】

【トーンが変わりすぎて草】

 

【急に声が生き生きし出してお茶吹いたわ】

 

【↑ごくごく】

【ゲロゲロには劣るけど吹き出したのもまた良いんだ】

 

【しまった、スキを見せてしまった】

【草】

 

【イラストレーターへの解像度が上がっていくこはねちゃん】

 

【ひよりママのためだからね】

【ママを思う娘とか泣ける】

【感動した】

【草】

【普通に仲の良い関係って良いよね……】

【いい……】

【てぇてぇ】

 

「それで?」

 

【ひより「はい……ラフまで終わりました……」】

 

「余裕があったら時間置きましょうね。そうするのが良いらしいので。あ、でも、描きたいなら描きましょうね」

 

【ひより「はい……目を休めます……」】

 

よし、えらい。

最近の先生はやる気に満ちあふれている。

 

【草】

【草】

【指示が的確なこはねちゃん】

【そして素直なひよりママ】

【しっかり者の娘に応援されるママか……】

 

「良いですね。がんばってください。応援してます。ああ、でも無理はしないでください。クリエイター職の人は繊細なので難しいって聞きますから無理はしない程度に。ときには休むのも大切だって聞きますからね。メンタルが大切なんです。僕を見れば分かるでしょう? 良く吐いてる僕を見れば」

 

【ひより「はい……」】

 

【自虐芸が板についてきたこはねちゃん】

【あのドッキリから吹っ切れてきたな】

 

【……躁鬱だと、反転したときが1番怖いんだが……】

【躁のピークの前後がね……】

【そのへんは妹ちゃんが見てくれてる……はず……】

【それを聞くと、このハイテンポなやりとりが急に怖くなってきたな……】

【配信者界隈は精神を病む率が高すぎるからなぁ……】

 

【だ、大丈夫大丈夫……この2年くらい追ってるけど、配信が休みがちになる程度で済んでたから……】

 

「芸術家は心が1番です。いいですね、変なコメントとかも見ちゃダメですよ? 『うっ』てなったら黙ってミュートかブロックして忘れるんですよ」

 

【ひより「はい……あ、それは普通にありがたいアドバイスでした」】

 

「良かったです」

 

僕にとっての天使な先生だ、だからこそ彼女――または彼――のメンタルケアも、せっかく着てくれているんだからしないとね。

 

【草】

【草】

【あいかわらずママにだけ痛烈なこはねちゃん】

【もしかして:反抗期】

【それだ】

【草】

 

【でもちょっとやさしい】

【かなり優しいと思うぞ】

【まま……?】

【TSロリママか……ありだな】

【ひぇっ】

 

【こはねちゃんの性別と年齢が行方不明なせいで何があってもおもしろくなって草】

 

【これからも伸び続けるな!】

【ああ……!】

【感動した】

【何も分からないからこそ応援できるなんてな……!】

 

【こはねちゃんのメンタルが保つ内はな!】

 

【草】

【綺麗なオチがついて草】

【実際、怖いけどね……】

【薬飲んでるから分かる  一定周期がね、本当にね……】

【俺たちには配信で見守るしかない……見守るしかないんだ】

 

【そうか、これが見守り配信……!】

 

【赤ちゃんとかの?】

【そう、赤ちゃんがギャン泣きしたりしたら自動で知らせてくれる系の】

【草】

【草】

【何かあっても俺たちにできることは何もないんだがな……】

 

「あとは、この配信のコメント欄とか見ちゃダメです。先生の大切な目とメンタルが汚れます」

 

【ひより「いえ、そこまでは……」】

 

「先生」

 

【ひより「はい……」】

 

【悲報・配信主から汚れるとか言われる視聴者】

【やばい、興奮してきちゃったわ】

【このロリヴォイスで罵られるとか天国かな?】

【みんな、投げ銭とかファンサイト用の貯金はストックしとこうね】

【そうだったわ】

【草】

 

【そうか、ロリから罵られる配信……これだ】

 

【TSっ子だよ?】

【むしろ大好物だが?】

【男だよ?】

【むしろ興奮するけど?】

 

【無敵で草】

【もうだめだ……】

 

【この配信……なんかちょっとおかしい……】

【ちょっとか……?】

 

 

◇

 

 

「私のことを、こんなにも熱烈に。……はぁっ、兄さん……兄さん……!」

 

 

◇

 

 

「――はっ!? こんなにも兄さんが素敵なら、幼い女の子になっていてもそれはそれで……!」

 

 

◇

 

 

「女としての悦びを、私の手で……そして兄さんなら優しいからお返しを絶対にしてくれて……!」

 

 

◇

 

◇

 

◇

 

◇

 

 

「……あっ……徹夜……」

 

 

◇

 

 

次の日。

 

綾瀬優花は盛大に遅刻をし、教室で取り囲まれて目の隈を心配され、保健室送りになり、犯人捜しが始まった。

 

 

◇

 

 

その朝――僕主観での、朝。

 

「……彼氏さんかぁ……頼むから男を見る目が確かであってくれ、優花……」

 

学校を出る前に――優花のシーツと枕カバーと服――部屋着にパジャマが、下着も2着分が洗濯機で洗われていて僕は察し、ため息をついた。

 

「優花に彼氏が」――そういう話をした直後に。

こういう偶然って、あるもんだな。

 

今朝は寝坊したっぽいし……夜は遅くなかったはずだけど、配信中とかは締め切ってて分からないし……うん。

 

学校帰りに、あるいは彼の家に寄ったりして――確かに、ちょっと吐き気がしてくる気がする……うっぷ。

 

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