これからよろしくお願いします。
出会い
「やっとついた。やっぱりイタリアは遠いな。」
僕『神藤 昴』はイタリア・ミラノの地に降り立った。
中学校を卒業し、新年度から城楠学院高等部への入学が決まっている。
卒業が近づいて来ていたある日の事。
僕の唯一の肉親である祖父『神藤 統一郎』が倒れた。
「すまないのぉ。おじいちゃんもう駄目じゃ・・・。」
「そんな事無い、すぐ元気になるよ。」
「・・・わかっておるよ、自分の事何じゃから・・・。
昴・・・たった今から『神道流当主』はお前じゃ・・・。」
「おじいちゃん、僕何かじゃまだ駄目だよ。
もっと教えて欲しい事、沢山あるんだよ!!」
「何、お前はもう儂もお前の両親も越えておるよ。
自信を持て、昴。
お前なら神すらも殺せる。
そしてその力で・・・誰よりも優しく・・強く・・・生きるんじゃぞ。」
その言葉を最後に祖父は息を引き取った。
道場に通っている人達に手伝って貰いながら祖父の葬式を終え、その後中学を卒業。
道場の事もあり断るつもりだったが、
「中学最後の思い出でしょう。楽しんできてください。」
と道場の皆に送り出され、中学卒業旅行でイタリアにやって来たのだ。
・・・・・・のだが。
「皆ぁ~何処行ったんだよ~~。」
現在皆とはぐれ絶賛迷子中だ。
携帯に連絡しても誰も出ないし、ここが何処かもわからない。
そんなパニック状態に陥っていた時、目の前に女神が舞い降りた。
「そこのあなた、迷子かしら??
・・・大丈夫??」
話し掛けて来たのは160を少し超える身長で、赤みがかった金髪が彼女の繊細な造りの美貌を華麗に飾り立てていた美しい女性だった。
「あ、あの・・え、えっと・・・・。」
ど、ど、ど、どうしよう・・・イタリア語わかんない。
「落ち着いて、日本語で大丈夫よ。」
目の前にいる天使さんが優しく話し掛けてくれる。
「えっ!!ホントだ!!
あ、あの・・僕、卒業旅行に来てて。
そ、その・・・皆と逸れちゃって・・・。」
日本語が通じるとわかりると落ち着きを取り戻し、今の状況を話す。
「そうなの、連絡もつかないのよね・・・。
次に皆で行こうとしいてた場所はわかるかしら??
私で良ければ案内するわ。」
「あの・・そんな・・・ご迷惑じゃ・・・。」
「気にしなくていいわ。
何故だかあなたを放っておけないのよね。
そう言えば自己紹介がまだだったわね。
私はエリカ・ブランデッリ。
あなたは??」
「は、はい。
ぼ、僕は神藤 昴と言います。
よろしくお願いします。」
「スバル・・・昴ね。
こちらこそよろしく。
それじゃさっそく行きましょうか。」
エリカさんは僕の手を取り歩き出した。
僕はいきなり手を繋がれたと事と、その手の柔らかさに終始ドキドキが治まらなかった。
結局皆と回る予定の場所では再開できなかった。
落ち込む僕にエリカさんは観光案内をしてくれた。
地元の人しか知らない場所ばかりを案内してくれた。
だがら僕の見た事の無い景色をいっぱい見る事が出来た。
「エリカさん。今日はありがとうございました。」
ホテルの前まで連れて来て貰い、そこで漸く皆と再会出来た。
「今まで何処行ってたんだよ。」
「そうだよ、心配したんだからね。」
「おい、その綺麗な女の人誰だよ。」
皆に一斉に質問攻めにされる。
「再会出来たみたいで何よりだわ。
それじゃあね、昴。
機会があればまた会いましょう。」
「はい、今日は本当にありがとうございました。」
エリカさんは僕のお礼に微笑み、踵を返し去って行った。
その後エリカさんの事や今日一日何をしていた等、沢山の事を聞かれた。
いっぱい歩き回って疲れていた事もあり、夕食を取ったら今日はもう休む事にした。
ベットの上で眠る前に同室の子と少し話す。
「・・・今日は1日大変だったなぁ。」
「でも良かったんじゃないか??あんな綺麗な人とデートで来て。」
「で、デートって。
そんなんじゃない///」
「とりあえず無事で良かったよ。
明日は逸れて、皆を心配させるなよ。」
「うん、わかってるよ。」
そうして僕は眠りについた。