どうぞ。
それからは大騒ぎだった。
突然エリカさんがやって来て僕の家に住むって言い出すのだから。
「叔父様に聞いたら昴今1人暮らしって言うじゃない。
お爺様が亡くなって広い家に一人で住んでるって聞いたの。
1人じゃ寂しいんじゃないかと思って。
ということで、これからお世話になるわ。」
僕が驚きで固まっていると、
「もしかして昴、私と一緒に暮らすの嫌だったかしら?」
そう、うるんだ上目づかいで見られ、
「そ、そんなわけないじゃないですか。
エリカさんの近くにいられてうれしいですよ。」
なんて恥ずかしいことを言ってしまった。
「ふふっ!
嬉しいわ、これからよろしくね。」
そう言って家の中に入って行ってしまった。
慌てて追いかけようとしたら後ろから、
「あの~。」
と、のんびりとした口調で話しかけられた。
確認するとそこには、僕やエリカさんよりも年上であろうメイド服を着た女の人が立っていた。
「私エリカ様の直属の部下のアリアンナ・ハヤマ・アリアルディと申します。
アンナとお呼びください。
エリカ様の身の回りのお世話をさせていただくため、私もこちらでお世話になろうと思っています。
突然の事で驚きでしょうがよろしくお願いします。」
そう言って丁寧に自己紹介をして頭を下げるアンナさん。
僕も思わず、
「こちらこそよろしくお願いします。」
と頭を下げていた。
「それでは失礼しますね。」
そう言うとアンナさんも家の中に入って行った。
僕は突然の事が多すぎてしばらくその場で固まっていた。
数日が経ち今日は城楠学院の入学式。
今エリカさんと一緒に学校に向けて歩いている。
腕を組んで・・・。
「エ、エリカさん。
やっぱり恥ずかしいですよ・・・。」
「昴は私と腕を組むのは嫌なの?」
なんて言われると何も言い返せない。
だって恥ずかしいけど、嬉しいんだもん。
腕にエリカさんの柔らかさが伝わって暖かいし、
それにエリカさんが近いからいい香りが漂ってくる。
しかもエリカさんの胸が腕に押し付けられてるんだ。
周りの視線が痛い。
(入学初日から何してんだよ。)
とか絶対思われてるよ。
エリカさんは城楠学院高等部二年に編入する。
少しでも僕の近くにいる為らしい。
アンナさんは家で家事をしてくれている。
何でもアンナさんは魔術の素養があまりなかったらしく、
途方に暮れいていた所をエリカさんが拾ってくれたらしい。
エリカさんに理由を聞いてみると、
「面白そうだったから。」
だそうだ。
何かエリカさんがどんな人か分かってきた気がした・・・。
この学院に通うことで一つ注意を受けた。
それは何の冗談なのか、この学院に通っているらしい。
日本のカンピオーネが・・・。
まだ準備が出来ていない僕はカンピオーネだとばれる事を避けたい。
でも、日本のカンピオーネ『草薙 護堂』の傍にいる騎士の1人にエリカさんの幼馴染がいるらしい。
エリカさん自身も草薙先輩に会った事があるらしく、接触は免れないみたいだ。
なので僕もカンピオーネだとばれないように注意しなくては・・・。
そう思っていると、
「そのことはあまり心配してないの。
草薙護堂の傍には優秀な霊視能力者がいるみたいだけど、昴の魔術コントロールは完璧よ。
よっぽどの事が無いと気付かれないと思うわ。
でも一様、用心だけはしておいて。」
と言われた。
そう言われたけど注意だけはちゃんとして置こう・・・。
何て事を思っている内にようやく学院に着いた。
学院に着くとエリカさんは僕の腕を離した。
ちょっとさみしくなったのは秘密だ・・・。
「それじゃあここでね。
私は職員室に行かなくちゃならないから。
お昼にアンナがお弁当を作ってくれているから一緒に食べましょう。」
「はい、わかりました。
ならお昼になったら二年生の教室まで行きますね。」
「ええ、待ってるわ。」
そう言ってエリカさんは行ってしまった。
僕も張り出されてるクラスを確認して自分の教室に向かった。
教室に入ると同じ中学だった奴に、
「あの綺麗な人誰だよ。
いつのまに彼女つくったんだよ。」
と、数人に囲まれて質問攻めにされた。
それに耐えきれず、
「あの人は僕の婚約者だよ。」
と口を滑らしてしまい、クラス中が大騒ぎになった。
それは担任の先生が入って来るで続いた。
朝からすごく疲れた。
今日の予定は午前中に学院の説明。
午後は入学式で終わりだ。
授業は明日から少しずつということになっている。
昼休みになり僕はみんなに捕まる前に教室を抜け出し、エリカさんの教室に向かった。
何組か知らなかったが、皆が留学生の噂をしていたからすぐにわかった。
エリカさんのクラスに着き、先輩にエリカさんを呼んでもらう。
すると、すでに草薙護堂に連れられてどこかに行ったらしかった。
そのあと屋上に向かったのを見たというのを聞き、お礼を言って屋上に向かった。
後ろから、エリカさんとどういう関係なのか聞く声が聞こえたが無視した。
屋上に着くと誰かが話してる声が聞こえた。
扉を開け中に入ると、
そこには少し背の高い男子生徒と、
銀褐色の髪をポニーテールに纏めた妖精のように可憐な女子生徒、
そして茶色身が強く長い髪をしたこれぞ大和撫子というような女子生徒が、
エリカさんと話していた。