正義の魔王   作:しらこつの

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日常

入学式を終えてからは先輩方との接触はなく、恙なく日々を過ごして行った。

 

朝起きたら道場に向かい日課である稽古を始める。

体全体に意識を集中させ己の氣を高める。

そこから体中に氣を巡らせて体を動かす。

一通りの動きを確認したら朝の稽古は終わりだ。

そのあとシャワーを浴びてスッキリしたら、最近新しく加わった朝の日課に向かう。

 

自分の部屋に戻り気合を入れてドアを開ける。

自分の部屋なので誰もいないはずなのにベッドから安らかな寝息が聞こえてくる。

ベッドに向かい底を覗き込むと、天使のような寝顔をしたエリカさんが眠っている。

 

そうなのだ。

エリカさんが内に来たその日からずっとエリカさんは僕の部屋で寝起きしている。

ちゃんとエリカさんの部屋も用意してあるのに・・・。

エリカさん曰く、

 

「婚約者同士なのだから別に問題ないわよ。それにイタリアでも一緒に寝たじゃない。今さらだと思うわよ?それとも私と一緒に寝るのは嫌かしら?」

 

と言われてしまった。

 

僕は早寝早起きの習慣が出来てしまっているので夜になると、とっとと一人で寝てしまうが、朝目を覚ますと隣でエリカさんが寝ていた。

始めは何か在るな位にしか思ってなかったけど、目が覚めてくるとそれが人だとわかり慌てて布団をめくった。

そこにいたのは何も身に着けずに眠り続けているエリカさんだった。

透き通るような傷一つない肌、魅惑的な胸のふくらみ、扇情的な腰からお尻にかけたカーブ。

高校生になったばかりの僕には刺激が強かったな・・・。

そして思い出した。

イタリアで同じベッドで眠りについた時、朝起きたらエリカさんが裸になっていたことを・・・。

 

エリカさんって寝てる時になんで服脱ぐの???

 

その後毎日毎日僕のベッドで寝起きしている。

そして今日もエリカさんは僕のベッドでぐっすりだ。

いつまでも見ていたいと思ってしまうほどに綺麗な寝顔だけど、

 

「エリカさん、起きてください、朝ですよ。」

 

心を鬼にしてエリカさんの体を揺すり起こしにかかる。

しばらくそうして起こしていると、

 

「ン・・・う~~~ン・・・・もう朝なの・・・もう少し寝かせてくれないかしら・・・。」

 

ようやく目が覚めたみたいだ・・・完全じゃないけど。

起きた時から気付いていたけど、今日も服を脱いでしまっている。

ベッドの周りにエリカさんの服が散乱しているからだ・・・。

 

「駄目ですよ、起きてください。

 アンナさんも朝食を用意して待ってるんですから。」

「・・・昴がおはようのキスをしてくれるのなら起きてもいいわよ・・・・・。」

「・・・またですか。」

 

以前どうやっても起きてくれなくて本当にキスをして起こしたら味を占めたのかそれからは毎日キスを要求してくる。

だから今回も仕方なく(恥ずかしく)エリカさんに顔を近づけていく。

 

「・・・チュ!・・起きてください、本当に遅刻してしまいますよ。」

「ふふ、今日もいい目覚めだわ。

 でも昴、そろそろここにキスしてくれてもいいんじゃない?」

 

エリカさんはシーツで体を隠しながら自分の唇をなぞる。

その仕草がとても官能的で顔を赤くしてしまった。

 

頬っぺたにキスするのだって恥ずかしいのに口にするなんて無理だ!!

キスするのだっていつまでたっても慣れないのに!!

 

そう思いながら悶えていると、いつの間にかエリカさんは着替え終わっていた。

 

「今日も起こしてくれてありがとう。」

 

そう言ってお礼にキスしてくれた・・・頬っぺたに・・・・・。

顔を赤くしている僕に微笑みかけ、

 

「行きましょう。」

 

と言って僕の手を引いて歩き出した。

 

その後、アンナさんが用意した朝食を食べてエリカさんと一緒に登校する。

登校中は周囲の視線、特に男子の視線が痛い。

理由はわかっている。

エリカさんと腕を組んで登校しているからだ。

これも入学式の日から変わらない。

女子の方達はすぐに慣れてくれたが、男子は日に日に殺気立ってきている。

エリカさんにはもう何を言ってもやめてくれないのはわかっているから、この状況はもう諦めている。

もちろん教室に入るとクラスの男子に囲まれて糾弾される。

それを先生が来るまで頑張って耐えるのもここ最近の日課になりつつある・・・。

 

学校の授業を消化していきお昼休みになると、屋上でエリカさんと合流しアンナさんのお弁当を食べる。

最近になって僕達以外に数人その中に加わることがある。

 

それは例の草薙先輩御一行だ。

何でも去年からお昼は屋上で食べていたらしく、最初は邪魔しちゃ悪いと思っていたそうだけど、

 

「せっかくだから一緒してもいいか。」

 

と一緒に食べる事がある。

エリカさん曰く、僕の情報収集が芳しくないんじゃないかって。

そして今日も僕達と草薙先輩たちで食事をとっている。

何も変わったことのない至って普通の食事風景だ・・・・・僕とエリカさんは。

 

最初見た時はどこの夫婦かと思った。

万里谷先輩とリリアナ先輩が甲斐甲斐しく草薙先輩のお世話をしているのだ。

なんだかとっても甘い空間になっていた。

 

そしてさらにもう2人・・・。

 

1人は草薙先輩を睨みつけている。

この子は草薙静花さん、草薙先輩の妹さんでこの学院の中等部3年生だ。

何でも去年から近くに女の人を侍らしているから何かよからぬ事をしないように監視しているらしい。

この間たまたま町で会った時お茶を飲みながら愚痴を聞いてあげた。

とても苦労しているそうだ・・・。

この時の話から、彼女は兄の正体は知らないらしい。

まあ、簡単に話せる事じゃないか。

 

そしてもう1人は草薙先輩達の事を楽しそうに眺めながら食事を勤しんでいる。

彼女は万里谷ひかり、今年入学した中等部の1年生。

そして万里谷先輩の妹さん。

エリカさんによると彼女も優れた巫女さんらしい。

何でも何年かに一人の貴重な魔術を使える逸材らしい。

以前草薙先輩に助けられたらしくて後を追ってこの学院に入学したそうだ。

 

そんなメンバーで食事をしていると時折視線を感じる事がある。

リリアナさんがじっとこっちを見ている時がある。

エリカさんは僕に付いて何か疑っていると言っていた。

ばらす訳にもいかずこればっかりは無視している。

 

昼休みも終わると放課後まで授業を受ける。

放課後はまっすぐ家に帰る。

道場があるからだ。

エリカさんは放課後は用事があり何処かへ行ってしまう。

僕は家に帰ると道場に行き門下生の人達が来るまで掃除をしている。

 

神道流の道場はほぼ毎日開いていて期待時に来て指導を受けられることになっている。

そんなわけで門下生は多いが、毎日人が来るわけでもない。

多い日もあったり、少ない日もあったりする。

 

今日は近くに住んでいる小学生が来て指導してあげた。

こんな僕でも一応当主だからね。

まだ難しい事はできないから簡単なことから。

ここに通うようになってから集中力が上がったと親御さんからお礼を言われたことがある。

指導した回があったってものだ。

 

おじいちゃんが亡くなってからというもの、大人の門下生の方が来ることが減り、代わりに子供たちが多く来るようになった。

まだ信用されてないんでろうね。

これからも頑張らなくちゃ。

 

夜暗くなる前に子供達を家に帰し、今日の道場を終わる。

風呂に入ったらアンナさんの作ったご飯を頂いく。

この時まだエリカさんは帰ってきていない・・・。

僕は明日の予定を確認して先に布団に入る。

これが僕の最近だ。

 

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