正義の魔王   作:しらこつの

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修正しました。

勝った方が負けた方のいう事を1つ聞くと言うのはいかがでしょう
              
負けた方が勝った方のいう事を1つ聞くと言うのはいかがでしょう


サルバトーレ・ドニ

僕達は今パオロさんの執務室に集まっている。

ここにいるのは僕とエリカさんと馨お姉ちゃん、それとパオロさんとエリカさんのご両親。

後は<赤銅黒十字>の大騎士であるジェンナーロとクラレンスの2人である。

 

「大変な事になってしまった。

 せっかく来てくれたのに本当にすまない。」

「気にしないでください。

 いつかは逢わないといけない人ですから。」

 

僕がそう言ってもパオロさんの顔はすぐれない。

それもそうだろう、僕は結局サルバトーレ卿と決闘をしなくちゃいけなくなったのだから・・・。

 

 

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「さっそくだけど僕と決闘いないかい?」

「はい?」

 

いきなりそんなことを言われても・・・。

サルバトーレ卿の隣にはさっきにスース姿の人もいて、僕の姿を見て驚いている。

 

「あれ?

 君が新しいカンピオーネであってるよね?」

 

戸惑っている僕に助け舟を出してくれたのはエリカさんだった。

膝をついていたエリカさんは立ち上がり僕の横まで来てくれた。

 

「御久し振りでございますサルバトーレ・ドニ様。」

「あれ、君は確か・・・どっかであったっけ?」

「はい、以前も何度か・・・。

 私<赤銅黒十字>の大騎士であり、同時に神藤昴の騎士をしております。」

「へえ・・・・神藤 昴って言うんだ。」

「サルバトーレ卿が仰った様に彼が私の仕える新たなカンピオーネであります。」

「やっぱり。

 そうだと思ったんだよね。」

「それで・・・先程の話なのですが・・・・・。」

「そうそう、何でも新しいお仲間が誕生したって言うし、気になっちゃってね。

 同じ日本人だっていうから護堂に聞いたのに何も教えてくれないしさ。

 どうにかして会いたくてね。

 仕方ないから仲良くしてるって言う<赤銅黒十字>を見張ってたんだ。」

「・・・そうでしたか。」

「そしたら隠れてきてたのにとうとう見つかっちゃってさ。

 しょうがないから正面から堂々と聞きに来たら・・・。」

 

そこまで言うとサルバトーレ卿は僕の目を見据えた。

その眼はとても鋭く、まるで獲物を見ているかのようだ。

 

「丁度彼が来たんだ。

 だから、ね、決闘しよう。

 同じ体質になった君にならわかるだろう。

 もう僕達と対等に戦えるのは同じ神殺しかまつろわぬ神だけだ。」

 

確かにその通りだ。

こんな体質の奴に勝てる人なんていないだろう。

 

「あ、あの・・・。」

「やる気になってくれたのかい。」

「い、いえそう言うわけでは・・・。

 でも、僕も武術家の端くれです。

 『剣の王』と呼ばれているサルバトーレ様と手合せしてみたい気持ちもあります。」

「何だ、君も同じ思いだったのか。

 だったら話は早いじゃないか、さっそく・・・。」

 

サルバトーレ卿は僕の手を取り外に連れ出そうとする。

 

「で、ですが。」

 

僕はその手を振り払う。

サルバトーレ卿は驚いたように振り返る。

 

「僕達が戦えば2人ともただでは済まない事もわかります。

 そんな事に命御懸けるわけにはいきません。」

「僕との決闘に命をかける価値は無いって言ってるのかな。」

 

彼の雰囲気が変わって、彼から凄まじい氣が溢れ出す。

僕はしっかり気を保ちながら、彼から目を逸らさない。

 

「僕もあなたとは闘ってみたい・・・。

 でも、僕にも目的があります。

 こんな所で死ぬわけにはいきません。」

 

ここは僕も引けない。

そんな一触即発の空気の中言葉を発したのはエリカさんだった。

 

「サルバトーレ卿、こんなのはどうでしょう?

 何も命がけの戦いだけが決闘ではありません。

 両者とも手合せを望んでいる事も事実。

 何かしらルールを設けての決闘というのはいかがでしょう。」

「ルール?」

「そうです。

 例えばどちらかが相手に決定打を与えた時点で終了というのはいかがでしょう。

 これならば多少の傷はあるでしょうが、死に至るまでにはいかないでしょう。

 我が王もこれならば決闘に応じるはずです。」

 

エリカさんは僕に目を向けてくる。

僕は頷きながら、

 

「そういう事だったら喜んでお相手いたしましょう。

 やっぱり僕もサルバトーレ様と戦ってみたいですから。」

 

と告げる。

僕の言葉にサルバトーレ卿は悩んでいるみたいだ。

 

「でしたらこう致しましょう。

 負けた方が勝った方のいう事を1つ聞くと言うのはいかがでしょう。」

 

エリカさんの最後の提案で心が決まったみたいだ。

 

「よし、それで行こう。

 ルール有の決闘って言うのも面白そうだしね。

 さっそく・・・って言いたいところだけど、確か今日イタリアに付いたんだよね。

 せっかくなら万全の状態で戦いたいから・・・そうだね、2日後にしよう。

 場所はそっちに任せてもいいかな。」

「お任せください。」

「うん、よろしくね。

 決まったらアンドレアに連絡してくれればいいから。

 それじゃあ、2日後楽しみにしてるからね。」

 

そう言うとサルバトーレ卿はその場を去って行った。

それを僕達は呆然と見送っていた。

 

そんな僕に近づいてくる人がいた。

 

「先程は知らなかったとはいえ失礼いたしました。」

 

頭を下げてきたのはサルバトーレ卿の後ろに控えていたスーツ服の男性だった。

 

「私、サルバトーレ・ドニの騎士をしておりますアンドレア・リベラと申します。

 以後、お見知りおきを・・・。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

「うちのバ・・・我が王が申し訳ありません。」

 

今この人バカって・・・。

 

「御気になさらないでください。

 僕の方こそ先輩であるサルバトーレ様に失礼な事を・・・。」

「・・・・・。

 貴方は面白いお方だ・・・。」

「えっ??」

「いえ、何でもございません。

 それでは2日後神藤様のお力を拝見できることを楽しみにしております。」

 

そう言ってアンドレアさんもサルバトーレ卿を追って去って行った。

 

 

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「でも命懸けにならなくてよかったです。

 エリカさん本当にありがとうございました。」

「騎士として当たり前の事をしただけよ。」

 

エリカさんは口ではそう言っているけど嬉しそうだ。

 

「彼がこの近くに潜伏していることはアンドレア卿からの情報でわかっていたんだ。

 しかし・・・。」

「結局昴君が到着するまでに見つけることが出来なかった。」

「僕達が着いた時誰もいなかったのは・・・。」

「ええ、皆総出でサルバトーレ卿を探していたの。

 彼、お目付け役のアンドレア卿が用事でいない事をいいことに昴君を探すために好き勝手していたらしいわ。」

 

今までの苦労を思い出したのか、そこにいる<赤銅黒十字>のメンバー全員がため息をついた。

 

「決闘か・・・。

 昴君、どうするつもりなんだい。」

「それなりに怪我をすることは覚悟の上です・・・。

 けどそこまで心配していません。」

「というと?」

「恐らく短期決着になるか、サルバトーレ卿の鋼の権能による長期戦のどちらかになると思っています。

 それに・・・今回の戦いでは前回手に入れた新しい力が役立つと思うんです。」

「すでに新しい権能に目覚めていたのか。

 それで・・・どういった権能何だい?」

 

全員から期待した目で見られてる。

でも・・・そんな大した力じゃないんだよな・・・。

 

「権能と呼べるほど強い力ではないんです・・・。」

「確かにそうね。」

「もったいぶらないで、早く教えてくれよ。」

 

いい加減待てなくなったのかジェンナーロさんが急かしてくる。

 

「気配の探知が敏感になったんです。」

「・・・・・それだけか。」

「・・・はい。」

 

全員期待していた分だけ落胆しているみたいだ。

 

「今回の原因は推測の域を出ないけど、ウプウアウトがアヌビスに不完全な状態で召喚されたことにあると思うわ。

 だから手に入った力も微々たる物だったんじゃないかしら。」

「確かにその通りかもしれないな・・・。

 アグニを倒したときに比べたら本当に微々たる力だ。」

「でもこの力便利なんですよ。

 意識して使うとより強く探知できますし、意識してなくても今まで以上に探知能力が向上しました。

 多分ですけど目の前の事に集中すれば・・・。」

「相手の動きを察知して、容易く避ける事が出来るかもしれないと・・・そういう事かな?」

「はい、まだ予想でしかありませんけど・・・。」

「この力だけで勝てるほど簡単ではないでしょうけど・・・。」

「何とかなる・・か・・・。」

「戦いも心配ですけど、心配事はそれだけではないでしょう。」

 

そう言ったのは馨お姉ちゃんだった。

 

「もし負けるような事があれば、サルバトーレ卿が何を言ってくるか・・・。」

「・・・恐らく再戦。

 それも命を懸けた・・・。」

 

ですよね・・・。

あの人戦いに飢えてる感じだったし・・・。

 

「私が言える事じゃないけど・・・頑張ってね。」

「昴君、負けるなよ。」

 

皆が口々に声をかけてくれた。

 

「別にエリカさんのせいだ何て思っていませんよ。

 あの状況を切り抜けられたのはエリカさんのお蔭なんですから。

 それに・・・僕は負けませんよ。」

 

珍しく強気な発言をする僕を頼もしそうに全員が見つめているのだった。

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