ありがとうございます。
ガスコインをフランスだと思っていましたのでイギリスに訂正いたしました。
「落ち着いたかしら?」
「はい、大丈夫です。」
そう言いながら僕に水を渡してくれる。
それを受け取りゆっくり飲む。
うん。落ち着いた。
「あの・・・。僕が神殺しっていうのは・・・。」
「その話は後にしましょう。
食事の準備が出来たわ。」
そう言ってエリカさんは立ち上がった。
僕が固まっている間に呼びに来てくれたみたいだ。
僕も立ち上がるためにベッドから降り、エリカさんについて部屋を出る。
しばらく歩いてエリカさんが入った部屋は八人ほどが座れる机と椅子が置かれた食堂のような豪華な部屋。
エリカさんが進んでいき、椅子を引いてくれる。
「さあ、昴。
ここに座って。」
部屋の煌びやかさに圧倒された僕は何も言わずにその席に着く。
エリカさんが僕の隣に座ると料理が運ばれてきた。
「遠慮しないで。沢山食べていいのよ。」
運ばれてきた料理の数々。
そのどれもが輝いて見える。
ぐぅ~~~きゅるる~~~
思い出したかのようにお腹が鳴ってしまった。
僕は羞恥心を隠すかのようにその料理に齧り付いた。
本能に任せるように。
体が訴えている。
この行動に迷いはない。
戦うための体を完成させるために・・・。
出された物を全部平らげた。
スープを、パスタを、肉を、魚を、ピザを、デザートを。
どれもこれもおいしかった。
僕は満足げに椅子にもたれ掛り、ナイフとフォークを置いた。
「満足できたかしら。」
エリカさんが微笑ましげにこっちを見ていた。
もしかして食べてたとこずっと見られてたのかな。
は、恥ずかしい・・・。
「さて、食休みがてらさっきの話の続きをしましょうか。」
エリカさんが恥ずかしがってる僕を見かねたのかそう切り出してきた。
「あ、はい。
あの僕がカンピオーネだって・・・。」
「ええ、そうよ。
昴はさっきの戦闘どれくらい覚えているかしら?」
「アグニとの戦闘ですか?
そうですね・・・。
エリカさんの剣がアグニの手に突き刺さって・・・。
そのあとがむしゃらに攻めた所までは覚えているんですけど・・・。」
そう答えたらエリカさんは少し考え込むようにして、
「そうなのね。
なら、その後の話をしましょうか。
昴が最後に放った一撃がアグニの体を貫いたの。
その一撃のあと昴はその場に倒れこんだ。」
「そう・・だったんですか・・・。」
「カンピオーネを生み出す転生の秘儀はプロメテウスの弟エピメテウスと妻パンドラがあらゆる災厄とわずかな希望を詰め込んだ箱の中から見つけたという伝承があるの。
新たな王の誕生に気付いたのね、その場にパンドラが現れた。」
驚きだ。
あの後また別の神様が現れたなんて・・・。
「エリカさんなにもされませんでしたよね・・・。」
「ええ、私なんか眼中にも無かったわ。
そのあと新たなる王の誕生を祝福。
それに応えるようにアグニもあなたに言霊を授けてその場から二人とも消えたわ。
その後、私がここ<赤銅黒十字>に連れて来たの。」
その話に言葉も出ない。
僕が神殺し?
現実味が全然ない。
「信じられないのも無理ないわ。
でもそれが現実よ。
あなたは新たなカンピオーネとしての生を受けてしまったのよ。」
エリカさんのその言葉を最後に二人に沈黙が落ちる。
そうしてると外から足音が聞こえた。
「あら、帰ってきたみたいね。
さあ昴、行くわよ。」
「え?行くってどこへ・・・。」
エリカさんは僕を引っ張って席を立たせる。
そのまま手を引いて歩き出した。
「あ、あの。エリカさん?」
「これからあなたの今後について話し合うのよ。」
「それってどういう・・・。」
僕はエリカさんに連れられ、一つの部屋の前に到着する。
「叔父様、エリカです。」
『入りなさい。』
エリカさんはドアを開け、僕を引っ張ったまま中に入っていった。
その中には2人のの男性と1人の女性がいた。
二人の男性は似たような顔をしていた。
兄弟かな?
澄んだ青い瞳。
端正な顔立ち。
鍛え抜かれた鋼の肉体。
1人は椅子に座り、もう一人はその横に立っている。
椅子に座った方は軽く肩にかかる長髪。
立っている方は短く刈り上げられオールバックの様になっている。
そして女性の方だが、エリカさんにそっくりだ。
エリカさんがもう何年かしたらそうなるであろう姿かたちをしている。
雰囲気はかなりおっとりしているように見受けられる。
なんて観察していたらエリカさんにの女性の方がこっちに駆け寄ってきた。
そして・・・。
ぎゅっ!!
突然抱きしめられた。
えっ!!ええっ!!
何?どういう事?
ふわっと香る女性特有の甘い香り。
そのやわらかさ。
突然のことにびっくりだけど、いい匂いがしてくらくらしてきた///
「お母様!!何してらっしゃるのですか!!
早く離れてください!!」
エリカさんが何か言っているけど、僕にそんなことを気にする余裕はない。
「なに、エリカちゃん嫉妬?
ちょっとくらいいいじゃない。」
「なっ!!」
そう言ってエリカさんにお母様と呼ばれたこの女性はさらにきつく僕を抱きしめた。
エリカさんは顔を真っ赤にしてこっちを見ている。
「サーシャ、そのあたりにしておきなさい。」
見かねたオールバックの人が助け舟を出してくれた。
「もう、もうちょっとこうしていたかったのに。」
そう言いながらやっと離してくれた。
「それにしても大きくなったわね。
見違えるほどかっこよくなっちゃって・・・。」
そう言いながら僕の顔をまじまじと見てくる。
間近にエリカさんにの綺麗な顔があるため、ドキドキしてしてしまった。
「お母様!!」
「わかったわよ。そんなに怒ると美容に悪いわよ。」
再びエリカさんに怒られやっと離れてくれた。
かなり渋々と言った感じだったが・・・。
サーシャと呼ばれた人が戻ると三人は僕の前に跪いた。
隣にいたエリカさんもいつの間にか三人の方に行っていて、一緒に跪いていた。
え??なに?この状況??
僕は混乱極まりない??
「新たなる王の誕生、心より祝福いたします。
そしてご挨拶が遅れたこと心から謝罪いたします。」
ど、どうすればいいの。
いきなり大の大人たちに頭話下げられ、何やら御大層なことを言っている。
女性二人は肩を揺らしてる。
あれ絶対笑うのをこらえてるだろ!!
「ぷっ!!あははは!!
ごめんなさい。もう無理。我慢できない。」
サーシャと呼ばれた人が我慢できずに声を上げて笑い出した。
それを切っ掛けに全員が立ち上がる。
「いきなり驚かせてすまなかったね。
新たな王へのあいさつだ。こういう事はちゃんとして置かないといけなくてね。」
「い、いえ。確かに驚きましたけど・・・。いったいどうして?」
「カンピオーネという存在はまつろわぬ神に対する唯一の手段と言ってもいい。
そうすると私たち魔術師はカンピオーネに対してさっきのような態度を取らざるを得ないんだよ・・・。」
すると何か?
カンピオーネっていう人達は力があることをいいことに、好き勝手してるってことか?
「まあ、全員がこういう事をさせている訳じゃないんだけどね・・・。
それより自己紹介がまだだったね。
私が結社<赤銅黒十字>の総帥パオロ・ブランデッリだ。」
「私はパオロの弟でブラウ・ブランデッリだ。」
「私がブラウの妻でエリカちゃんの母親のサーシャ・ブランデッリよ。
久しぶりね昴くん。また会えてうれしいわ。」
いつの間にか復活したサーシャさんも挨拶してくれた。
「神藤 昴です。
このたびは助けていただきありがとうございました。」
???久しぶり???
さっきサーシャさん久しぶりって言わなかったか??
「あ、あの、久しぶりって。どういう・・。」
「ああ、昴君が覚えていないのも無理はないよ。
君は小さいとき私達と会っているんだ。」
「ええええぇぇぇーーーーーー」
またしても衝撃の事実だった。