「ふう・・・いろんなことがあったな。」
僕は今空の上。
日本に向けて空の旅を満喫中だ。
「それにしても皆に悪いことしちゃったな・・・。」
元は卒業旅行に来ていたのだ。
それなのに・・・。
「これからよろしくお願いしますね。」
パウロさんの宣言の後の話。
「昴君、一つ言い忘れてたわ。」
「なんですか、サーシャさん?」
サーシャさんはとてもいい笑顔で爆弾を投下した。
「それがね、昴君とエリカちゃん。
実は婚約者同士なのよ。」
「「えっ!!!!!」」
いきなり何を言ってんだこの人は。
エリカさんと婚約者。
そんな馬鹿な。
「お、お、お母様。
い、いったいどういう事ですか。
私そんな話聞いたことが・・・。」
エリカさんも動揺している。
それに顔を真っ赤にして怒っているみたいだ。
そんなに僕が婚約者なのが嫌なのかな・・・。
何かショックだ。
「あらエリカちゃん。お顔を真っ赤にしちゃって。
これはあなた達が言い出したことなのよ。」
「「えっ!!!!!」」
「私達が仕事から帰ってきたときだったわね。エリカちゃんが昴君の手を引いてやってきたら、
『私昴と結婚するわ。私が傍で守ってあげるの。』ってエリカちゃんが言って、
『僕もエリカちゃんと結婚する。エリカちゃんとずっと一緒にいる。』って昴君が言ったの。」
2人とも絶句である。
お、覚えてない・・・。
そんな恥ずかしいこと言った記憶がない。
エリカさんもいつもの凛々しい顔を崩して、顔をより一層真っ赤にして口をパクパクさせている。
「それでどうせならって、二人を婚約者同士にしちゃったのよ。
まあ、子供の時に決めたことだし二人にすでに好きな人がいたり、嫌いだったりしたらいいのだけれど。」
そう言われて思わずエリカさんの方を向いてしまった。
エリカさんも同じタイミングでこっちを向いて目が合ってしまった。
2人してさらに顔を赤くする。
「っ!!私これで失礼させていただきます。」
耐えきれなかったのか、矢継ぎ早に部屋を出て行ってしまった。
「あらあら、照れちゃって。
それで、昴君はどうかしら。」
「あ、あの。エリカさんみたいに綺麗な人が婚約者なんて夢みたいですけど、今も逃げられちゃいましたし、エリカさんが嫌なら解消した方がいいのかなって・・・。」
その言葉にそこに残っていた三人はあ然とし、
「昴君、それホントに言ってるの。」
そう言ってサーシャさんが僕の肩をつかんできた。
「え、あの、はい。」
肩を揺さぶられながらも返事をする。
「ははは、エリカも大変だな。」
パウロさん達は笑っている。
サーシャさん、そろそろやめてください。
「サーシャ、その辺にしておきなさい。
昴君、まだ体調も万全ではないだろう。部屋まで案内させるから今日はもう休みなさい。」
ブラウさんの言葉でようやくサーシャさんが離してくれた。
「は、はい。
今日はありがとうございました。」
「ああ、ゆっくり休みなさい。」
そう言ってその場を後にした。
そろそろ部屋で寝ようかとしていたときだった。
コンコン
誰かが訪ねてきた。
「昴、まだ起きてるかしら。」
声からしてエリカさんかな?
「起きてますよ。今開けますね。」
扉を開けるとそこにはやはりエリカさんがいた。
でもその格好には驚いた。
風呂上りだろうか、肌はうっすらと赤く色っぽい。
さらに、髪もしっとりとしていて妖艶さを際立たせる。
そしてあろうことか、着ている物はバスローブだった。
「こんな時間にごめんなさいね。
中に入れてもらってもいいかしら。少し話がしたいの。」
「・・・・・・。」
「昴?」
「・・・す、すみません。どうぞ。」
思わず見とれてしまった。
だってとっても綺麗だったから・・・。
エリカさんは部屋に入るとベットに腰かけた。
僕もほかに座るところが無いから少し離れた所に座る。
エリカさんは座ってからじっと僕の顔を見つめて黙っている。
じっと見られると恥ずかしいな・・・。
「あ、あのエリカさん。話っていうのは・・・。」
「ああ、ごめんなさい。
そうねまずは、お礼を言わなくちゃね。
あの時は助けてくれてありがとう。」
突然お礼を言われた。
おそらくアグニと戦った時の事だろう。
「そんな、お礼なんていいですよ。
お礼だったら僕の方こそ。
エリカさんのおかげで倒せたようなものです。ありがとうございました。」
そう思って僕も頭を下げた。
「ありがとう。そう言ってくれると私もうれしいわ。」
そこで僕達の会話は終わってしまった。
どうしよう見なく気まずいと感じていたとき、何かエリカさんが近づいてきているような気がした。
いや、気のせいじゃない。
確実に近づいてきている。
そしてとうとうエリカさんは僕のすぐ近くに来ていた。
そして僕の手の上に自分の手を重ねてきた。
どきっ!!
僕の心臓が跳ね上がる。
エリカさんの手・・・とても暖かくて柔らかい。
・・・じゃなくて。
「エ、エリカさん、どうしたんですか。」
「私ね、初めてあなたにあった時なぜか助けてあげたいって思ったの。
今までも昴みたいに困ってる人を沢山見てきたのに・・・。
私、あなたは助けたいと思ったの。」
エリカさんは強く僕の手を握り締め僕の目を見て話す。とても真剣で、でもどこかすごく女らしい顔で。
「あの時はなぜかわからなかったけど、今ならはっきりとわかる。
私あなたに恋したんだと思うわ。
自分でもびっくりだけど一目ぼれというやつね。」
そう言ってエリカさんはほほ笑んだ。その笑みはまるで天使のようだった。
僕はその笑顔に見とれているのと、突然の告白に呆然とエリカさんの話を聞いている。
「そしてあなたは私の危機を救ってくれた。
貴方の小さいけど大きな背中に、あの見とれるほど華麗な武に、私の心は奪われてしまった。」
エリカさんは興奮したように続ける。
「私はあなたに強さに、その優しさに、あなたにすべてに心を奪われた。
ねえ、昴。私はこのままあなたと結婚してもいいと思ってるわ。
貴方は私のことどう思ってるか聞かせてくれないかしら・・・。」
エリカさんは話している最中も徐々に近づいて来ていて、
今では僕に寄りかかって僕の事を上目づかいで見上げている。
かなりドキドキしてるけど、エリカさんが真剣に気持ちを伝えてくれたんだ。
僕も・・・。
「エリカさん。エリカさんの気持ちはとても嬉しいです。
エリカさんとの観光も楽しかったですし、エリカさんを守るために戦ったから神様にも勝てたと思います。」
僕の言葉に真剣に耳を傾けてくれる。
「それに、エリカさんの横を歩いているとなぜかとても安心しました。
心が落ち着くんです。
あんな感覚は子供のころ以来でした。
といっても、子供のころの事はあまり覚えていないんですけどね・・・。
でも、昔エリカさんに会った事があるって言われて納得しました。
だからエリカさんと一緒にいると安心するんだって。」
そこで一度言葉を切り、エリカさんの目を見る。
「エリカさん。僕も声をかけてくれた時から・・・・。
いいえ、子供のころからあなたに恋をしていたんだと思います。
僕でよかったら・・・・・ンっ!!」
それより先は言えなかった。
エリカさんに口をふさがれたから。
それもエリカさんの唇に。
「んっ!・・・・ちゅ!!・・・・・。
ありがとう昴。とてもうれしいわ。」
そう言ってエリカさんは僕に抱きついた。
僕も恥ずかしかったけどエリカさんを抱きしめ返す。
とてもやわらかくていい匂いがした。
「これからよろしくお願いしますね。」
「ええ、こちらこそ。
私があなたの隣にいて、あなたを全力でサポートするわ。」
「なら、僕は必ずエリカさんを守ります。」
そうしてそのままベットに入り、二人で眠りについた。
「あの後起きたら大変だったな・・・。
起きたらエリカさん裸だったし、それを起こしに来たサーシャさんに見られて騒ぎになるし・・・。」
でもあの後正式にエリカさんと婚約を結んだ。
皆祝福してくれたな・・・。
さて、もうすぐ日本に到着だ。
日本に着いたらまた忙しくなるぞ!!