Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
こんにちは、織斑一夏だ。
此処はドイツ軍の施設。
俺はドイツ軍のIS部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』の女性たちに混じって訓練をしている。
しかし千冬お姉ちゃん……もとい織斑教官は容赦無いな。
動力を切ったISを装着した状態でマラソンや腕立て伏せをやらせるんだぜ?
今までの俺の訓練方法は他国に出掛けた際に知り合ったライダーと模擬戦をやったり、生身で光莉の部下のモンスターと組手をしたりといったものだ。
おかげで勝負勘やテクニックは鍛えられたが、筋トレをやらなかったため体力はあまり伸びなかった。
なので千冬お姉ちゃんが課すトレーニングは非常に堪える。
その分鍛えられていると実感も出来るのだが。
ちなみに学校や友人への事情の説明は光莉にお願いしている。
休憩時間。
部隊の副隊長のクラリッサ・ハルフォーフ中尉に話し掛けられた。
「織斑一夏、少しいいだろうか?」
「一夏でいいですよ、ハルフォーフ中尉。それで、どんな御用ですか?」
「隊長に関することなんだ」
隊長?
あの眼帯をしたラウラ・ボーデヴィッヒって人だよな。
チラッとしか見掛けたことが無いが、クロエそっくりだったため初めて見た時は2度見してしまった。
クロエは試験管ベビーの
まぁそれは置いといて……。
「ボーデヴィッヒ隊長がどうかしたんですか?」
「実は……」
ハルフォーフ中尉によると、ボーデヴィッヒ隊長は周囲とあまりコミュニケーションを取らないらしい。
性格もあまり良くなく、『ドイツの冷氷』という仇名が付くほどだとか。
隊長がそれで良いのかドイツ軍?
シュヴァルツェ・ハーゼの隊員たちとしてはボーデヴィッヒ隊長と親しくなりたいのだが、なかなか妙案が浮かばず男の俺に頼ることにしたそうだ。
「そういう訳ですか……。とりあえずボーデヴィッヒ隊長と話をしてみます」
「そうか。よろしく頼む」
という訳でハルフォーフ中尉と共にボーデヴィッヒ隊長の部屋の前へ。
ちょうどお昼時なので昼食を作って持参して来た。
前世の頃から料理って得意なんだよね。
コンコン。
『誰だ?』
「ハルフォーフ中尉です。入室よろしいでしょうか?」
『構わん。入れ』
「「失礼します」」
俺とハルフォーフ中尉が部屋に入る。
執務机で書類と睨めっこしていたボーデヴィッヒ隊長が振り返る。
面と向かって見ると、本当にクロエと瓜二つだった。
俺の予想が当たっていたら寧ろ当然なのだが。
「む、誰だそいつは?」
「初めまして、ボーデヴィッヒ隊長。俺は織斑一夏だ」
「……そうか、お前が教官の弟にして
「食事を持って来たんだ。ハルフォーフ中尉から聞いたが、隊長は『最低限の栄養が摂取出来れば良い』とか言ってレーションやサプリメントしか口にしてないそうじゃないか。駄目だろそんな食生活」
「貴様には関係の無いことだろう。とっととそれを持って部屋から出て行け」
取り付く島も無いとはこの事だな。
それなら……。
「ならいっそ決闘をして勝った方が相手の言うことを聞かせる権利を得るということにしないか?」
「ほう、面白い提案をするな。わたしは貴様が教官の弟だろうが
「決まりだな。ではハルフォーフ中尉、俺はボーデヴィッヒ隊長と決闘の日程などの細かいことを決めるので部屋の外で待っていて貰えませんか?」
「わたしが居ては駄目なのか?」
「すみません。ちょっと秘密にしたいことが出来たので」
「仕方ないな。ではボーデヴィッヒ隊長、失礼します」
ハルフォーフ中尉が退室したあと、俺は執務机の上に書類と並んで置いてあるものに目を向ける。
虎の顔が描かれた青色の箱。
仮面ライダータイガのカードデッキだ。
こんなところでライダーに出会うとはな……。
俺はポケットから
「それは……!」
「俺の機体『
「ほう……面白い。なら決闘をミラーワールドでやるか?」
「構わないが、どうせなら3本勝負にしないか?1回戦はIS、2回戦は生身での格闘、3回戦はライダーの力でな」
「良いだろう。わたしが3本全勝してやる」
「それはこっちの台詞だ」
更にお互いの都合の良い時間を話し合った結果、決闘は明日の午前となった。
☆
その日の夜。
俺は千冬お姉ちゃんに今日のことを話した。
「ほう、ボーデヴィッヒとの決闘か」
「あぁ。確か千冬お姉ちゃんの教え子でもあったんだっけ?」
「そうだ。ところで一夏はボーデヴィッヒの事情を知っているか?」
「ライダーであること以外は特に知らないけど」
「そうか、では教えてやろう」
そこからは千冬お姉ちゃんの口からボーデヴィッヒ隊長に関することが語られた。
戦闘の為だけに生まれた試験管ベビー。
その目的に応じたかのように彼女の戦闘能力は高かった。
だが、IS適正が高くなかったためISが普及してからは意味が無くなってしまった。
適正を上昇させる為に肉眼にナノマシン『
やっぱりクロエと同じか……。
やりきれない気分になってしまった。
「しかしボーデヴィッヒがライダーだったとは驚きだな」
「俺もだよ。ライダーは世界でたった13人。なのに自分を除いた12人の内、これで5人に出会ったことになる」
「オーディンとボーデヴィッヒ以外の3人は誰だ?」
「1人はアメリカの女性権利団体のリーダーの仮面ライダーインペラー。こいつは俺と光莉の手によって既に死んでいる。あとはイギリスの仮面ライダーゾルダとフランスの仮面ライダーシザースだな。2人とも現実世界ではISの国家代表候補生らしい」
しかもゾルダはかつて俺が救助活動を行った列車事故に居合わせた乗客のとある夫婦の娘で、シザースは以前ミラーモンスターの集団から助けた母娘の娘の方なんだとか。
初めて会った時はお礼を言われたよ。
お互いに素顔と本名は秘密にしているけどな。
「お前はなにかとライダーに縁があるようだな」
「まぁ女尊男卑を少しでも正すために世界中を飛び回っていたらそうなるよね」
「わたしにも何か出来れば良いのだがな……」
「じゃあここでの指導を終えたらIS学園の教師にでもなってみたら?未来のIS操縦者の意識を変えていけば女尊男卑も少しずつ正しい方向に傾いていくんじゃない?」
「そうだな。考えておこう」
そして夜は更けていった。