Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第17話 入学試験

中学3年の3学期。

束お姉ちゃんに俺が龍騎士(ドラグナー)だということを発表してもらい、俺はIS学園へ入学願書を提出した。

 

そして受験当日。

内容は筆記、実技、面接の3つだ。

午前の筆記試験を終えて、午後の実技試験が始まった。

尚、実技が終わった受験者は自分より後の実技試験をアリーナで見る事が出来る仕組みになっている。

俺はIS学園が入試受付を始めたその日に願書を提出したというのに、何故か実技の順番は全体の8割くらい後だ。

そのことに疑問が浮かんだ俺だが、自分の試験官に会って納得した。

 

「男の分際でISに乗るなんて……。このわたしが直々に叩き潰してあげるわ」

 

典型的な女尊男卑主義者だった。

つまり大勢の受験者の前で俺を晒し者にしたい訳ね。

なんでこんな奴が試験官なんだ?

 

『受験番号00035・織斑一夏、聞こえるか』

 

日本に帰国してから、俺の提案通りIS学園の教師になった千冬お姉ちゃんが、ピットから個人秘匿回線(プライベート・チャンネル)で話し掛けてくる。

 

『はい、こちら織斑』

『お前の目の前に居るのはIS学園の教頭だ。そして見ての通り女尊男卑主義者でもある。あんな奴が居てはまともなIS操縦者が育成出来ん。なのに権力を振りかざして教頭の地位に居座っている女だ』

『つまり、男性IS操縦者の俺がボコボコにすれば良いと?』

『そうだ。あの女が纏っている打鉄は大破しても構わん。束に修理してくれるよう頼んでいるからな』

『用意周到ですね。あの教頭はそんなに腐っているんですか?』

『そうだ。戦っている内にお前も理解することだろう』

『そうですか。とにかく任務了解』

 

千冬お姉ちゃん……もとい織斑先生との通信を終え、実技試験が始まる。

 

「くらいなさい!」

 

試験官はアサルトライフル『焰火』を掃射してきた。

対する俺は1枚のカードをシャインバイザーに装填する。

 

『REFLEQUARTZ VENT!!』

 

龍騎士(ドラグナー)の目の前に出現した光の壁が、銃弾を試験官に跳ね返す。

 

「ぐっ……何なのよ今のは!?」

「答える義務は無い」

『『SURVIVE!!』』

『『FEATHER VENT!!』』

 

サバイブ形態になって8基のドラグーン・ユニットを放つ。

腕は素人なのか、手抜きの操作で翻弄されている。

 

「ええい、次から次へと!」

「おいおい、この程度で音を上げられたら困るぜ?まだまだこれからなんだからな」

『『TRICK VENT!!』』

 

トリックベントで分身を生み出し、龍騎士(ドラグナー)の数が8機となる。

比例して、ドラグーン・ユニットの数も8倍の64基へ増えた。

 

「な……!?」

「「「「「「「「くらえ!」」」」」」」」

 

試験官の打鉄にビームの雨が降り注ぐ。

しかし急所は決して狙わない。

トドメの一撃は決めているからな。

 

「何なのよ実弾銃を跳ね返したり数が増えたり!男のアンタが何でそんなインチキISを持っているのよ!男の分際でISに乗ってISを穢す屑が!」

「ISを玩具のように思っているお前だけには言われたく無い!」

『『ADVENT!!』』

 

シャインヒュードラーこと光莉を呼ぶ。

ISモードで契約モンスターを呼ぶと、ISの武装コールと似た見栄えで側に現れる。

さすが束お姉ちゃんは抜かりが無いな。

俺はシャインバイザーツバイに付属する剣・シャインソードを抜くと、光莉の頭上に移動する。

 

「ギャラクシー・クラッシャー!!」

「ぎゃあああああっ!」

 

光莉の3つの首から放たれた破壊光線と、俺のシャインソードから放たれたエネルギー波が試験官を包み込んだ。

 

余談だが、あの試験官は全治1ヶ月の重症で打鉄はダメージレベルEという大損害だが、俺には一切のペナルティが無かった。

寧ろ入学後に様々な教師からお礼を言われる有様である。

どれだけ人望無かったんだ、あの教頭。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、アレはやりすぎじゃない?」

「とある人物が通信で『やれ』って言ったからやったんだ。まぁ後悔はしてないがな」

 

面接試験が終わって、簪と出会ったのでさっきのことを話している。

学園から日本本土に戻るためのモノレールには長蛇の列が出来上がっている。

これは数時間単位で待つ必要がありそうだな。

 

ちなみに他の受験者は、男であることの珍しさと試験官をオーバーキルするところを見ていたためか、話し掛けて来ない。

しかしその中でも例外が居た。

 

「見つけたわよ、一夏!」

「えっ鈴!?なんでここに!?」

 

約1年前に中国へ帰国した幼馴染が居た。

しかも何やら金髪の女子を2人引き連れている。

わからない事だらけだ。

 

「アタシはこの1年で中国の代表候補生になったのよ。そういうアンタこそなに龍騎士(ドラグナー)だっていう正体隠してんのよ。相談してくれたって良いじゃない!」

「馬鹿野郎、男でISが動かせるだなんて家族と恋人以外に話せる訳無いだろ」

「うっ……。って、光莉は知っていたのね」

「まぁな。それで、そっちの2人は?」

「一夏の居場所を聞き込みしてたら『一夏(アンタ)の知り合いかも』って言うから連れて来たのよ」

「はじめましてかな、織斑くん。僕はフランス代表候補生のシャルロット・デュノアと……」

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットと申しますわ」

「フランスにイギリス……。もしかしてシザースとゾルダか?」

「うん」

「その通りですわ」

 

そう言って2人はカードデッキを取り出す。

マジか。

まぁ代表候補生ということはとっくの昔に聞いていたことだし、頭の片隅で予想していたことではあるけど。

 

「うそ……」

「ここにもライダーが……」

 

鈴と簪が反応している。

簪はわかるが、まさか鈴の奴中国でライダーになったのか?

 

「そういえば、一夏。そっちに居るのは誰?」

「あぁ、彼女は更識 簪。日本の代表候補生だ」

「更識 簪です。よろしく……」

「あたしは凰鈴音よ、よろしく簪」

「うん……」

 

…………………………

 

鈴と簪が握手をしていると、ミラーモンスターの気配が発生した。

金切音に俺、簪、鈴、オルコットさん、デュノアさんが反応する。

 

「鈴、中国に居る間にライダーになったのか?」

「そうよ。その様子だと簪も……」

「うん……、わたしも……」

 

そう言って鈴と簪はお互いのデッキを取り出す。

鈴は龍騎のデッキだった。

 

「とにかく、この5人で現場に向かおう」

「うん」

「わかった」

「おっけー」

「わかりましたわ」

 

俺は代表候補生兼ライダーの4人と共に人目につかない場所へ向かう。

 

「あ、待て!いち……」

 

聞き覚えのあるような声が聞こえた気がしたが、無視する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラーワールドのIS学園。

そこでは、ヤゴ型モンスターのシアゴーストが大量発生していた。

そこに俺たちは降り立つ。

 

「うわぁ、凄い数」

「こんなの初めてですわ」

「良いじゃない、やり甲斐があるわ」

 

シザースとゾルダがシアゴーストの数に圧倒されている中、龍騎(仮)はやる気だ。

鈴が変身しているのは間違いなく龍騎だが、胴体のアーマーは腹筋みたいなものじゃなく普通のライトアーマー状のものになっている。

 

「なぁ鈴、そのライダーの名前って何だ?」

「これ?仮面ライダー赤龍(ウェルシュ)よ」

「ウェルシュ、ウェールズの赤い龍……。ってアーサー王物語じゃねぇか!なんで中国に居てそんな名前になるんだよ!?」

「いいじゃない、格好良いんだから!」

 

いまいち締まらねぇなオイ。

 

「2人とも、集中して」

「わかってるよ、簪。いくぞ、皆!」

「「「「うん/はい!」」」」

『THRUST VENT!!』

『SWORD VENT!!』

『STRIKE VENT!!』

『SHOOT VENT!!』

『SWORD VENT!!』

 

俺はシャインランサーを。

鈴はドラグセイバーを。

デュノアさんはシザースピンチを。

オルコットさんはギガランチャーを。

簪はスカイソードを構えた。

 

「うおおおおおっ!」

 

射撃型のオルコットさん以外の4人でシアゴーストの群れに突っ込む。

 

 

 

結果。

シアゴーストたちを駆逐し終えたのは、サバイブを持つ俺を除く4人の制限時間ギリギリだった。

まぁ全員の契約モンスターが満腹になったから良いけどさ。

戦いが終わったあと、オルコットさんのことは『セシリア』、デュノアさんのことは『シャル』と呼ぶことになった。

 

やれやれ、波乱万丈な入試だったぜ。




シャルロットの変更点

原作のデュノア社社長夫人が、デュノア社社長と結婚する前に女尊男卑主義者として一夏の介入で死亡している。
それでもデュノア社社長は会社のために政略結婚をしなければならなかったが、相手は女尊男卑に染まっていない良妻賢母な女性だったため、シャルロットとシャルロットの母親も含めて円満な家庭となっている。

セシリアの契約モンスター

青色のマグナギガ「アクアギガ」
従って、セシリアが変身するゾルダも青色である。
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