Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
鈴との試合で、俺が勝ちを確信した瞬間。
何者かが、アリーナのバリアを破って乱入してきた。
『熱源反応を確認。所属不明のISと断定。警告!ロックオンされています!』
所属不明のISだと!?
煙が晴れた後、そこに居たのは黒い
「アンタは何者?所属を答えなさい!」
「…………」
鈴の問いに相手は何も答えない。
山田先生から通信が入る。
『織斑くん、凰さん!すぐに退避してください!教員部隊をそちらに派遣します!』
「了解……と言いたいところですが、生憎とロックオンされてましてね。どちらか片方が
「駄目よ!一夏が残るならアタシだって……!」
「さっきのアリーナのバリアを破る威力の攻撃を見ただろ?あれをくらったら1割程度しか残っていないシールドエネルギーだと、たとえ絶対防御が発動しても生きていられる保証は無いぞ?それに俺との試合で刃こぼれした青龍刀と砲門を潰された衝撃砲で何が出来る?」
『織斑の言う通りだ。凰、すぐに退避しろ』
「織斑先生……。くっ、一夏!死ぬんじゃないわよ!」
「わかってるさ」
そう言い残して、鈴はピットに入って行く。
『現在、学園のシールド遮断システムがレベル4で発動している。恐らく目の前の奴が原因だろう。そのせいで生徒たちの避難が遅れている。観客席に被害を出してはならない、良いな』
「了解」
千冬お姉ちゃんとの通信を終えた俺は右手のナーガクローを外し、サバイブのカードを使う。
『『SURVIVE!!』』
謎のISを観察したところ、武装は両腕のビーム砲のみと思われる。
あれでバリアを破ったのだろう。
サバイブになった俺だが、目的は時間稼ぎなので無闇に攻撃する必要は無い。
シャインソードを構えて様子を見ていると、謎のISは見慣れたカードを取り出し左大腿部にある挿入口に差し込む。
『NASTY VENT!!』
「キィィィッ!」
「ぐぅっ……」
電子音声と共に蝙蝠型ミラーモンスター・ダークウイングが現れ、超音波を浴びせて来た。
動きの止まった俺に、謎のISがビームを放つ。
が、そのビームはサバイブのヤタノカガミ装甲によって跳ね返される。
跳ね返ったビームを相手が回避している間に、こちらもカードを使う。
『『CONFINE VENT!!』』
コンファインベントの効果でダークウイングが消滅する。
……危なかった。
ヤタノカガミ装甲には感謝だ。
しかしアドベントカードを使って来るとは……。
もう1度謎のISをじっくり観察する。
よく見ればISの頭部は見覚えのあるものだった。
「ダークウイングと契約しているベルデのデッキか……」
俺の呟きが聞こえたのか、謎のIS改めベルデは新たなカードをバイザーに挿入する。
『TRICK VENT!!』
ベルデが分身し、あっという間に数が8機に増える。
入試でトリックベントを使った俺だが、使われる側からしたらチートだわこれ。
戦力比が1:1から一瞬で1:8になっちまった。
俺もトリックベントを使うしか無いな。
『『TRICK VENT!!』』
鈴を退避させておいて正解だな。
敵と味方が入り混じったこの状況ではボロボロな状態の鈴は立ち回れないだろう。
大量発生したミラーモンスターが相手の乱戦なら話は別なんだがな。
お互いの分身が潰し合い、俺とベルデは空中で対峙する。
『『SHOOT VENT!!』』
ブランスナイパーを構えて狙いを定める。
『GUARD VENT!!』
ベルデはガードベントで守りを固めようとするが……遅い!
「くら『一夏ぁ!男ならその程度の相手、倒せないで何とする!』ハァ!?何やってんだアイツ!?」
引き金を引こうとしたら、篠ノ之の声がアリーナに響いた。
見ると、篠ノ之が放送室を占拠していた。
観客席に居ないと思ったら……。
先生につまみ出して貰ったのが裏目に出てしまったな。
『武士なら銃などという邪道なものを使うな!正面から剣で戦え!』
力を持たないくせに避難もせず勝手なことばかり言いやがって!
不覚にも俺は、篠ノ之にばかり気を取られて
ザシュッ!
「ぐはぁっ!?」
何かに切りつけられた俺は浮力を失い、地面に叩きつけられる。
そこでやっと
『
高周波ブレードだと!?
してやられた……!
そして装甲はエネルギーを反射するヤタノカガミ装甲。
そんな高い防御性能を誇る
それは物理攻撃だ。
ヤタノカガミ装甲は物理耐性があまり高くない。
せいぜい平均より少し上という程度だ。
これがエネルギー攻撃の究極である暮桜の零落白夜ならまったく問題無かった。
だが真逆の物理攻撃の究極形とも言える高周波の武器が相手では、
俺自身に怪我は無いし、シールドエネルギーも十分に残っている。
だが高周波ブレードのダメージか、それとも落下の衝撃によってか
ライダーモードに切り替えようにも、ISの腕が重くてスイッチまで手が届かない。
ベルデは滞空しながら、高周波ブレードを地上のこちらに突きつける。
ヤバい!
今の状態だと次に来る攻撃は、当たりどころ次第で致命傷になる!
こうなったら一旦、
最後の手段を使おうとした俺だが、それを実行する前に場に変化が起きた。
「わたしの『お兄ちゃん』に何をしている、この鉄屑がぁぁぁぁぁっ!」
どこからともなくそんな声がして、ベルデにビームの雨が降り注ぐ。
まともにくらったベルデは俺から離れた場所に墜落した。
「大丈夫、お兄ちゃん?」
そう言って目の前に降りてきた声の主は、蝶をイメージした青いISだった。
しかし俺のことを『お兄ちゃん』だと?
もしかして……。
「マドカ……マドカなのか……?」
「うんっ。久しぶりだね、お兄ちゃん!」
幼い頃に離ればなれになった妹との思わぬ再会に、俺は唖然とするしかなかった。