Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

26 / 85
皆さん、メリークリスマス!


第23話 再会

SIDE 千冬

 

『マドカ……マドカなのか……?』

『うんっ。久しぶりだね、お兄ちゃん!』

 

そう言って、一夏の窮地を救った2機目の所属不明機(アンノウン)は顔の上半分を覆っているバイザーを外す。

そこにあったのは、間違いなくわたしと一夏の妹『織斑 マドカ』の顔だった。

かつて両親と共に消息を絶った妹が何故こんなところに!?

それにマドカが纏っているISは一体……?

 

「あれは……BT2号機『サイレント・ゼフィルス』!?強奪された機体が何故こんなところに……!?」

 

背後に居るオルコットが驚愕している。

ちなみにここはアリーナの管制室。

居るのは一夏のピットから自力で来たオルコットとデュノアのみ。

真耶は鎮圧部隊の方に回っているのでここにはいない。

 

しかしマドカが纏っているのは、イギリスから奪った機体なのか……。

わたしたちと離ればなれになってから、マドカはどんな人生を歩んで来たんだ……?

 

『マドカ、お前は俺の味方なのか?』

『そうだよ、お兄ちゃん』

『なら頼みがある。腰のベルトの部分にあるスイッチを切り替えてくれないか』

『は〜い(カチッ)』

 

マドカがVバックルのスイッチを切り替えたことで、龍騎士(ドラグナー)はISモードからライダーモードに変化した。

同時にサバイブも解除されるが、それによって一夏は自由を取り戻す。

 

『ありがとうマドカ。よし、来いブランウイング!』

『ピィ!』

 

所属不明機(アンノウン)に切られた際に投げ出していた狙撃銃(ブランスナイパー)白鳥(ブランウイング)の姿に戻って一夏の背中に貼り付き、一夏の翼になる。

 

『これで空中戦が出来る。ところでマドカ、その機体の武装は?』

『レーザーライフルとビット8基だよ』

『なるほど、俺のドラグーンみたいなものか。なら……』

『COPY VENT!!』

 

一夏はコピーベントでサイレント・ゼフィルスのビットを複製する。

しかし特殊系アドベントカードはISの戦闘だと反則に近いな……。

もしわたしが暮桜に乗って一夏の龍騎士(ドラグナー)と戦う場合、スチールベントで雪片を奪われた瞬間ゲームオーバーだ。

試合では自粛してもらうとしよう。

 

『すごいね、その能力』

『まぁな。……いくぞマドカ!』

『うん!』

 

一夏とマドカは合計16基のビットと共に所属不明機(アンノウン)に立ち向かう。

一夏はシャインバイザーで切りかかり、マドカがライフルで援護する。

 

「嘘……一夏さんも妹さんも8基ものビットを操作しながら動けている。特に一夏さんなんて近接戦闘をこなしていますわ……。2人ともBT適性がわたしより上なんですの……?」

 

オルコットが呆然としている。

オルコットの専用機はBT1号機『ブルー・ティアーズ』。

確かオルコットはビットとライフルの同時操作が出来ないんだったな。

BT兵器を扱う者としての、その心中は測れない。

 

マドカ(織斑妹)はともかく、一夏(織斑兄)はビットと同系統の装備『ドラグーン・ユニット』をイギリスがBT兵器を開発する前から使用している。あまり悲観することは無いぞ、オルコット」

「はい……」

 

オルコットはとりあえず納得した様子だ。

わたしはアリーナに視線を戻す。

一夏とマドカは初めてとは思えない高度な連携で所属不明機(アンノウン)を追い詰めていく。

相手が一夏から距離を取ろうとしたら、マドカが偏光射撃(フレキシブル・ショット)によって曲がったビームで退路を封じる。

相手が腕部のビーム砲でマドカを狙おうとしたら、一夏がシャインバイザーで妨害する。

 

『『トドメだっ!』』

 

マドカが乱入してきた時のように、所属不明機(アンノウン)にビームの雨が降り注ぐ。

ただし、数はさっきの2倍である。

その攻撃を受けて、所属不明機(アンノウン)は完全に沈黙した。

 

「目標ISの完全停止を確認した。直ちに帰投しろ」

『了解です。織斑先生』

『織斑先生?じゃあ通信の向こうにいるのは千冬お姉ちゃんなんだ?久しぶりお姉ちゃん!』

「あぁ、久しぶりだなマドカ。聞きたいことが山程ある。織斑の指示に従ってこちらに出頭するように」

『は〜い!』

 

マドカは元気良く肯定の返事をする。

一夏は所属不明機(アンノウン)のカードデッキを、契約のカードを破り捨てた上で回収している。

 

「千冬さん」

 

呼ばれて振り向くと、いつの間にか光莉が背後に居た。

その表情はかつて世界最強(ブリュンヒルデ)と謳われたわたしですら、恐怖してしまうほど無表情だった。

オルコットとデュノアも軽く震えている。

 

「今回の件、篠ノ之箒にはこれまでの蛮行も含めて適切な処罰を要求します。たとえ日本政府やIS委員会から圧力を掛けられてもです」

 

確かに、篠ノ之は一夏の戦闘を妨害し危険な目に遭わせた。

放送室に元々いた生徒は篠ノ之によって気絶させられている。

もし所属不明機(アンノウン)が攻撃対象を一夏から放送室へ変更していたら、その生徒たちの命も危なかっただろう。

これだけでも、始末書や反省文で許される度合いを越えている。

 

そして篠ノ之の日頃の行ない。

事あるごとに一夏に突っかかっては、軽くあしらわれて癇癪を起こし暴力に打って出る。

何度も注意したし、私物の木刀も没収した。

しかし一夏に歪んだ好意を寄せる篠ノ之の蛮行は一向に収まらない。

一夏が平然としていたので、見落としていたが……。

 

「わたしや部下たちはミラーワールドからずっと見ていました。篠ノ之箒の行ないに、わたしたちはもう我慢の限界なんです……」

 

光莉をはじめとした一夏の契約モンスターたちのフラストレーションが溜まっていたとは……。

一夏を慕う思いに反比例して、一夏に仇名す者への怒りも強い訳か。

 

「今まではマスターの『手を出すな』という命令に従っていましたが、もう無理です。適切な処罰が下されないなら、こちらで『処理』させて貰います。それが織斑 一夏(マスター)の契約モンスターであるわたしたちの総意です」

 

篠ノ之に正しい罰を与えないと、篠ノ之を私刑にする……と言いたいのか……。

わたしでは止められそうに無いな。

一夏も篠ノ之に迷惑を(こうむ)っいる分、光莉たちの意思を尊重すると見て間違い無い。

篠ノ之に罰を与える場合、日本政府やIS委員会は束の報復を恐れて減刑を要求するだろう。

それが(まか)り通った瞬間、篠ノ之は光莉たちの手によって死ぬことになる。

なんとかして束を説得して『篠ノ之箒がIS学園で何をしようと関与しない』と言わせなければならない。

マドカの件もあるというのに……頭の痛い話だ。




すみません、マドカについては書ききれませんでした。
次回に持ち越しとさせていただきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。