Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第24話 戦いの後に

ベルデとの戦闘を終えて、俺とマドカはアリーナの管制室に出頭した。

あのISには人が乗っていなかった。

マドカは何か知っているらしく、後で話してくれるそうだ。

 

「失礼します」

 

俺たちが管制室に入ると、そこには千冬お姉ちゃん、鈴、シャル、セシリア、篠ノ之が居た。

あと、スイッチを切ったモニター越しに光莉がミラーワールドを通して見ている。

 

「来たな、織斑兄妹。では全員揃ったところで話を始めよう。内容は3つだ。まず1つ目、今回の襲撃事件は機密事項として扱い箝口令を敷く。他言した場合は厳罰に処する。良いな」

 

全員が無言で頷く。

 

「次に2つ目。マドカ、お前はわたしたちと離れて今までどんな生活を送っていた?しかもイギリスのISを持ってだ。包み隠さず話せ」

「は〜い。あの日にわたしは両親に連れ出された訳だけど、何年かしたら金策として人身売買の組織に売られたんだ。そこからは流れに流れて亡国機業(ファントム・タスク)っていうテロ組織に身を寄せていたの」

「「ハァ!?」」

 

俺と千冬お姉ちゃんの声が重なる。

俺たちの親ったら何やってんの!?

金目当てでマドカを売り飛ばしたのかよ!?

 

「それで、そこの命令でサイレント・ゼフィルスを強奪したんだ。まぁ返すけど」

「そうか……。なぁマドカ、さっきの所属不明機(アンノウン)について何か知ってるんだろ?そっちを話してくれないか?」

「うん。アレは篠ノ之束博士が開発した無人ISを亡国機業(ファントム・タスク)が強奪して改造したものだよ」

『無人IS!?』

 

この場に居るほぼ全員が驚愕する。

無人ISね……。

束お姉ちゃんったら話してくれても良かったんじゃないのか?

 

「ならマドカ、最後の質問だ。マドカがここに来た理由と、この後どうするかを聞かせて欲しい」

「ここに来た理由はお兄ちゃんたちのところに戻るためだよ。そしてお兄ちゃんたちともう1度家族になりたい!」

「……織斑先生、いや千冬お姉ちゃん。どうする?俺としてはマドカを受け入れたい。だがマドカはついさっきまでテロリストだ。いろいろ問題がついて回るんじゃないのか?」

「いや、マドカがサイレント・ゼフィルスを返還して、他の罪状が無いのであればわたしの弁護で罰は軽くなるはずだ」

「そうなのか?ふむ…………では織斑先生、3つ目の話は何ですか?」

「言わなくてもマドカともう1人を除いてこの場の全員が理解しているだろう?」

「まぁ……そうですね」

 

全員の視線が篠ノ之に集中する。

 

「わ、わたしが何をしたというんだ!?」

「自覚が無いの篠ノ之さん?君は放送室を占拠して一夏の戦いを妨害し、彼を窮地に陥れたんだよ?」

「何を言っているデュノア!わたしは一夏に活を入れようと……」

「貴女があんなことしなければ一夏さんは所属不明機(アンノウン)がガードするよりも先にブランスナイパーによる一撃を決める事が出来ていましたわ。貴女の『応援』は一夏さんの勝利のチャンスを潰したのです」

「ふざけるなオルコット!武士たる者が銃で勝って何になる!」

「アンタ本当に日本人?武士や侍だって銃を使うわよ。日本史を勉強し直したら?それ以前に何一夏を武士って決めつけているの?」

「凰、貴様ぁ!」

 

反省の色がちっとも見えない。

千冬お姉ちゃんは額に手を当てて呆れ果てている。

マドカは『何コイツ?』みたいな感じで篠ノ之を見ている。

光莉はさっきから篠ノ之に向ける殺気がうなぎ登りだ。

 

……………………

 

光莉の感情が(たかぶ)っているから例の金切り音がし始めた。

 

「一夏、お前からも何か言ってやれ!」

「黙れ篠ノ之。被害者の俺が加害者であるお前を何故弁護しなければならない?それと俺のことを名前で呼ぶな、不愉快だ」

「何故だ一夏!わたしとお前は幼馴染だろう!」

「篠ノ之、『幼い頃からの知り合い』と『幼馴染』は別物だぜ。俺とお前は親しい訳じゃないから前者だ」

「貴ッ様ぁぁぁぁぁ!」

 

篠ノ之はどこからともなく木刀を取り出して襲い掛かって来る。

その動きは隙だらけで尚且つ緩慢だ。

これで剣道全国大会優勝など、たかが知れてる。

俺は木刀を回避するとボディへのアッパーで篠ノ之を打ち上げ、落ちて来たところを壁に向かって蹴り飛ばす。

 

「がはっ……ごほっ……」

「話は以上だ。後日、箝口令に対する誓約書に署名して貰う。今日はこれにて解散とする」

 

千冬お姉ちゃんが篠ノ之を無視してお開きとする。

俺はマドカを連れて寮の自室へ入る。

 

「ねぇお兄ちゃん」

「何だ、マドカ?」

「さっきから気になっていたんだけど、あの鏡に映っている女の人って誰?」

 

っ!?

マドカはミラーワールドが見えるのか!?

俺と光莉が硬直していると、マドカは懐から白色のカードデッキを取り出した。

 

「さっきの戦闘でお兄ちゃんが使ったのってアドベントカードでしょ?お兄ちゃんもライダーなんだよね?」

「あ、あぁ……。彼女……光莉は俺の契約モンスター兼恋人だ」

「えっ恋人!?」

「はい。よろしくお願いしますね、マドカさん」

「は、はい……」

 

マドカはポカンとしながら鏡から出て来た光莉と握手をしている。

そこからマドカから亡国機業(ファントム・タスク)やライダーについていろいろ聞いた。

変身した姿を見た訳では無いが、残りの所有者不明のデッキから考えてマドカはファムの可能性が高いな。

あと、亡国機業(ファントム・タスク)には以前会ったスコールさんとオータムさんも所属しており、オータムさんもライダーらしい。

あの性格からして、王蛇しか想像出来ないんだが……。

 

組織内には派閥があるらしく、無人ISにベルデのデッキを持たせてIS学園に送りつけたのは、スコールさんたちとは別の派閥らしい。

誰だか知らないが、世界で13個しか無いカードデッキを使うなんて太っ腹だな……。

まぁとにかく、今はマドカとサイレント・ゼフィルスをどうにかしないとな。

サイレント・ゼフィルスはイギリスのISらしいし、セシリアに相談してみようか……。

あと、このベルデのデッキどうしよう……。

 

SIDE OUT

 

SIDE 束

 

亡国機業(ファントム・タスク)

まさか束さんから盗んだ無人IS『ゴーレム』をあんなことに使うなんて……。

いつか落とし前をつけさせて貰うよ。

 

けど、それよりも今は箒ちゃんのことだ。

いっくんからは龍騎士(ドラグナー)の通信回線で。

ちーちゃんからは携帯電話で。

光莉ちゃんはミラーワールドを通して束さんに直接。

別口ながら3人に同じことを頼まれた。

 

『箒ちゃんがIS学園でどうなろうと関与しない』と日本政府及びIS委員会に通達して欲しい、と。

 

箒ちゃんの日頃の行ないは衛星や学園のカメラをハッキングしてずっと見ていたけど、そう言うのも仕方ないくらい酷い。

束さんとしては光莉ちゃんたち契約モンスターがよく今日まで我慢出来たものだと思う。

普通なら箒ちゃんは今頃八つ裂きになっていてもおかしくない。

そうならなかったのは、いっくんが光莉ちゃんたちを抑えていたからだ。

でもこれ以上は、いっくんを慕うからこそ『箒ちゃんに手を出すな』という命令に従わないだろう。

 

ハァ……。

頼まれた通り、日本政府とIS委員会に連絡しよう……。

減刑は箒ちゃんのためにならないし、そうなったら箒ちゃんは確実に光莉ちゃんたちに殺される。

気持ちがわかる以上、止められない。

どうして箒ちゃんはあんなに歪んでしまったんだろう……?

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