Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
「ねぇ一夏、ちょっと相談いいかな?」
ある日、俺とマドカが寮の自室で寛いでいると、シャルが訪ねて来た。
「あぁ、わかった。とりあえず中に入ったらどうだ?」
「うん、お邪魔します」
そう言って入って来たシャルに温かいお茶を出す。
シャルは何やら真剣な表情だ。
それが気になったのか、鏡の中から光莉が出て来てマドカを含めた3人でシャルの言葉を待つ。
「知っているかもしれないけど、僕の実家のデュノア社は今、経営危機に陥っているんだ」
「……欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』か……」
「うん。今のところトライアルに参加しているのはイギリスのティアーズ型、ドイツのレーゲン型、イタリアのテンペスタⅡ型の3種。でもフランス……というよりデュノア社はまだ第3世代が開発出来ていないんだ。もともと第2世代も最後発だからね。時間もデータも圧倒的に不足していて、なかなか形にならなかったんだよ。それで、政府からの通達で予算を大幅にカットされたの。そして、次のトライアルで選ばれなかった場合は援助を全面カット、その上でIS開発許可も剥奪されることになったの」
「随分追い詰められているんだな」
「マスターへの相談というのは、第3世代ISに関することですか?」
「うん。篠ノ之博士と繋がりがある一夏なら、設計図とまではいかなくてもアイデアくらいなら貰えるかと思って……」
言葉の最後はしりすぼみとなっている。
藁にもすがる思いなんだろうな。
一応考えはある。
だがそれは……。
隣の光莉に目を移す。
「マスター、シャルロットさんになら『アレ』をお見せしても良いのでは?」
「……そうだな、わかった」
「これは……設計図?」
「コイツはいずれ発表する予定の量産型第3世代ISの設計図だ。俺と光莉、そして
「それを……どうするの?」
「シャル……お前に渡す。もともとコイツを生産してくれる企業を探すつもりだったしな」
「……本当にいいの?一夏」
「あぁ」
「……ありがとう」
☆
数日後。
シャルの父であるデュノア社社長とも交渉し、デュノア社で俺たちが設計した第3世代ISを開発することが決まった。
そして設計図の対価として利潤の一部をこちらが受け取ることになった。
そしてそのISを公表するのは、IS学園の学年別トーナメントにすることにした。
その行事には各国の上役がやって来るため、お披露目の場に最適だ。
そして機体は、束お姉ちゃんのラボで事前に作っておいた外装にシャルの専用機のコアを移植することで用意した。
当然ながらテストパイロットはシャルだ。
「使い心地はどうだ、シャル?」
「うん、良い感じだよ。もともと僕の機体のコアを使っていたからか、思いの外早く馴染めそうかな」
「そりゃ良かった」
アリーナの1つを貸し切って、シャルが試運転を行う。
立ち会っているのは俺とマドカのみだ。
俺・光莉・クロエが設計した量産型第3世代IS。
その名は『
背部の武装パックを換装することで、高機動・接近戦・遠距離戦の3つを満遍なくこなす万能型ISだ。
早い話がライゴウガンダムである。
とはいっても
そして3つのパックは日本神話の3種の神器をモチーフにしている。
高機動の
接近戦の
遠距離戦の
当然ながら言い出しっぺは、前世でガンダムSEEDを見ていた俺だ。
最初はZOIDのライガーゼロとどちらにするか迷ったが、こちらにすることにした。
ちなみに、俺が転生者だと知っているのは光莉と鋼夜のみだ。
「どうする?試運転も兼ねて軽く
「そうだね、お願いするよ」
「よし、わかった。マドカは下がっていてくれ」
「は〜い」
マドカがアリーナの端に移動したのを確認し、シャルに向き直る。
シャルのもともとの専用機は、山田先生が授業でも使用していた『ラファール・リヴァイヴ』をカスタムしたものだ。
当然ながら戦闘スタイルはラファールに則ったマルチタイプ。
同じく万能型の雷轟を乗りこなすのに時間は掛からないだろうな。
「いくよ、一夏!」
「よし来い、シャル!」
シャルはスペキュラムパックを装備し、ビームサーベルで切り掛かって来る。
「はぁっ!」
「うおっと!くらうかよ!」
回避して距離を取る。
つまりビームサーベルを受け止めることが出来ない。
取れる手段は……。
『『SURVIVE!!』』
サバイブ形態になってシャインバイザーツバイからシャインソードを抜く。
シャインソードは刀身からエネルギー波を放つことが出来る。
そのエネルギーを刀身に纏わせたまま維持すれば、擬似ビームサーベルの完成だ。
「ここからは俺のターンだ!」
「えっ嘘!?きゃあっ!?」
俺は防御を捨てた構えで剣を振るう。
サバイブのヤタノカガミ装甲ならビームサーベルは怖くないからな。
「だったら次はこれだよ!」
シャルは武装をキャリバーンパックに換装し、主武装の大剣『シュベルトゲベールⅡ』を構えて向かって来る。
今度は防御に徹することにする。
武器がビームサーベルから大剣に変わったというのに、技はちっとも劣っていない。
シャルは大抵の武器を使いこなすことが出来るのだろうか……。
『『FEATHER VENT!!』』
フェザーベントでドラグーンを放つ。
「その武装には……これだね」
シャルはすぐさま武装をサムブリットパックに換装した。
なかなか早い判断だな。
普通ならパック換装をするよりも前に多少はダメージを与えられたはずなんだがな。
「いくよ!」
サムブリットパックのプラズマサホット砲「トーデスブロックⅡ」がドラグーンを1基破壊する。
ドラグーンが撃墜されるのは初めての経験だ。
強いな、シャルは……。
一旦残りのドラグーンを回収してエネルギーを補給し、もう1度シャルに向けて放つ。
但し、今度のドラグーンの攻撃手段はビームによる射撃ではなく先端にエネルギーを固定したビームエッジによる格闘だ。
「えぇぇっ!?一夏のドラグーンってそんなことも出来るの!?」
シャルはドラグーンによる格闘が予想外だったのか、あまり良い対応が出来ないままシールドエネルギーを大幅に削られた。
もともと試運転なので、この辺りで終わることにした。
「一夏のドラグーンって、イギリスのBT兵装より高性能じゃない?」
「まぁそうだな。サイレント・ゼフィルスにはシールド・ビットが搭載されているが、ドラグーンもヤタノカガミでコーティングしているし」
「
シャルよ、お前もIS/EXVSをやっているんだな……。
今度誘って一緒にやってみようかな……?