Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
準決勝第1試合。
俺・鋼夜ペアと鈴・セシリアペアの試合だ。
「一夏、今日こそはアンタに勝つわよ!」
「勝負ですわ、一夏さん!」
「こちらとて望むところだ。しかし2人掛かりで山田先生にヤラレチャッタお前らが組むとはな……」
「ふふっ、もうあの時のあたしたちとは違うのよ!」
「わたくしたちは5分間しか飛べない天使ではないですわよ!」
セシリア、お前『パルテナの鏡』知ってるんだな。
まぁネタに反応してくれたのは嬉しく思う。
試合開始の合図が鳴る。
俺と鋼夜は二手に分かれ、俺がセシリア、鋼夜が鈴を担当する。
鈴・セシリアペアに対する作戦はこうだ。
まず鋼夜が鈴を相手に時間を稼ぎ、その間に俺がセシリアを撃破して2対1に持ち込む。
タッグマッチの定石は、いかに相手の内1人を撃破して2対1の状況を作るか、だ。
鈴が纏う中国の第3世代IS『
いくら俺でも、縛りを掛けた状態で短時間の撃破は不可能だ。
それにクラス代表トーナメントで1度戦っている以上、
という訳で、俺の最初の
「なるほど。わたくしの相手は一夏さんですか」
「そゆこと。しばらく俺とのダンスにお付き合い願おうか」
「構いませんわ。では踊って貰いましょう、わたくしセシリア・オルコットとブルー・ティアーズが奏でる
そう言ってセシリアはスナイパーライフルを構え、6基のビットを展開する。
BT1号機『ブルー・ティアーズ』。
マドカのサイレント・ゼフィルスの原形となった機体か……。
『SWORD VENT!!』
ドラゴソードを呼び出してセシリアに突っ込む。
「なっ!?射撃型のわたくしに近接ブレードで挑むというのですか!?ならばお望み通り蜂の巣にして差し上げますわ!」
「やれるもんなら……やってみろぉぉぉぉぉ!」
ビームビット4基とライフルから合計5発のビームが放たれる。
俺は機体を掠る程度の3発を無視し、致命弾の2発をドラゴソードで叩き落とす。
「ビームを……切った!?あり得ませんわ!弾丸より高速なビームはISのハイパーセンサーでやっと視認できるものなのですわよ!?」
セシリアの言う通りだ。
ISを纏ってビームを回避出来る者は多々いても、ビームを近接武器で弾くなんて真似は千冬お姉ちゃん以外で他に出来る者を知らない。
だが、前世で読んだラノベでVRMMOにダイブした主人公がライトセーバーを模した武器でアサルトライフルのフルオート射撃を防いだシーンを思い出し、出来るかもと思って練習を重ねた結果、本当に銃弾やビームを防げるようになった訳だ。
「どりゃあっ!」
ビームを防ぎ切った俺はセシリアに肉薄する。
セシリア本人にはすぐ距離を取られたが、ミサイルビット2基の破壊に成功する。
元よりこれが狙いなので全く構わない。
「くっ……まさかわたくし自身ではなくミサイルビットを狙って来るとは予想外でしたわ」
「装甲の薄い
「見事ですわ。ですがまだ終わりませんことよ!」
セシリアはビームビット4基で俺を包囲する。
「一夏さん、お覚悟!」
「まだまだぁ!」
俺はあらゆる方向から放たれるビームを全て回避する。
セシリアやマドカと戦う時のために、
とは言っても、ドラグーンの自動操縦に使ったAIは簡易的なもので、俺やマドカはもちろん目の前にいるセシリアよりも精度が劣る。
実用化への道は果てしなく遠い。
「嘘……まさか全弾回避されるなんて……」
「どうしたセシリア、動きが鈍くなってるぞ?」
シャインブラスターを1丁だけ呼び出し、それでビットを2基破壊する。
そしてドラゴソードでさらに2基破壊。
これでセシリアの武器はスナイパーライフルのみとなる。
『ACCEL VENT!!』
「フィナーレだ、セシリア!」
「まだですわ!『インターセプター』!!」
セシリアが武器名をコールすると、彼女の左手にショートブレードが現れる。
近接武器も積んであったんだな。
だがそれだけでアクセルベントの斬撃を防げるか?
俺はセシリアに向かって加速する。
そこでセシリアは、俺の予想外な行動を取る。
右手にあったスナイパーライフルをこちらに向かって投げつけたのだ。
咄嗟にライフルを破壊してしまい、爆発の煙で視覚が奪われる。
ドスッ。
気が付くと、セシリアに背後からショートブレードで刺されていた。
胴体を狙った一撃なので絶対防御が発動し、シールドエネルギーが6割弱まで削られる。
「いかがですか、一夏さん?英国淑女たるわたくしの実力は?」
「……見事だよ、セシリア」
淑女かどうかは疑問だが、という言葉は飲み込む。
「お褒めの言葉ありがとうございますわ」
そう言ってセシリアは、俺の反撃に抵抗することなくリタイアした。
その時のセシリアの表情は、
さて、鋼夜のところに行かなきゃな。
鋼夜と鈴に視線を向けると、鋼夜はシールドエネルギー残量が3割というところまで追い詰められているものの、十分持ち堪えていた。
それどころか、鈴のシールドエネルギーを2割も削っている。
第2世代の訓練機で第3世代に挑んでいることを考えれば、上出来と言えた。
「鋼夜、お待たせ」
「遅かったじゃないか、一夏」
「悪い。セシリアが思いの外強くてな」
「……そう。セシリアはやられちゃった訳ね。でもあたしは精一杯足掻かせて貰うわよ!」
鈴はそう言うと、
『GUARD VENT!!』
俺が前に出てシャインシールドで防ぐ。
「行け、鋼夜!」
「おう!」
背後からデンショッカーを装備した鋼夜が飛び出して鈴に突っ込む。
「残念だけど、その武器の間合いは見切ったわ。もうくらったりしないわよ!」
「じゃあこれならどうだ!」
『SWING VENT!!』
俺が鋼夜から預かっていたエビルウィップのカードをシャインバイザーに装填する。
鋼夜はデンショッカーを仕舞って空から降って来たエビルウィップをキャッチし、そのまま振り抜く。
バシィッ!
「キャッ!?」
エビルウィップの一撃は鈴の手に当たり、青龍刀を取り落とす。
鋼夜はすぐさま武器をデンショッカーに持ち替え、アッパーで鈴を打ち上げる。
「一夏、トドメだ!」
「任せろ!」
『SHOOT VENT!!』
『STRIKE VENT!!』
「アルティメット・バースト!!」
ナーガキャノンとナーガクローによる砲撃で鈴もリタイアし、俺と鋼夜は決勝戦へ進出した。
「一夏、工藤。あたしたちに勝ったからには必ず優勝しなさいよ」
「応援していますわ」
「ありがとう、2人とも」
「もちろん優勝してみせるさ」
次は準決勝第2試合。
マドカ・シャルペアとラウラ・簪ペアの戦いだ。
どっちが勝って、俺たちと戦うことになるんだろうな……?