Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第34話 準決勝第2試合

SIDE マドカ

 

準決勝第1試合はお兄ちゃんと工藤のペアが勝ち進んだ。

さすがはわたしのお兄ちゃん!

さて、今度はこっちが勝つ番だね。

パートナーのシャルロットと共にアリーナに降り立つ。

そこでは対戦相手の簪とラウラが既に待っていた。

 

『お待たせしました準決勝第2試合!赤コーナー、量産型第3世代ISのテストパイロットのシャルロット・デュノアにIS学園屈指のブラコン織斑マドカ!』

 

と、実況がわたしたちを紹介する。

ふふっ、わたしは周囲にはブラコンと認知されているんだね。

 

「マドカ、どうしてそんなに嬉しそうなの?」

「シャルロット、わたしにとってブラコンは褒め言葉だよ」

「あはは……。本当に一夏のことが好きなんだね」

 

うん、わたしはお兄ちゃんが大好きだ。

もしお兄ちゃんが光莉さんと付き合っていなかったら、お兄ちゃんのお嫁さんになることを真剣に考えていただろう。

 

『対する青コーナー!日本代表候補生の更識簪に織斑一夏のセカンドシスター!?ラウラ・ボーデヴィッヒ!』

 

な、何だって!?

 

「ふっ、どうやらわたしもお兄様の妹だと周囲は思ってくれているようだな」

「むぅ〜。ラウラ!お兄ちゃんの妹はわたしだよ!」

「いや、このわたしだ!」

「ちょっと、2人とも……」

「あはは……」

 

シャルロットと簪をそっちのけでラウラとヒートアップしてしまった。

反省しなくちゃ。

 

「ラウラ、1つ賭けをしようよ。この試合、勝った方がお兄ちゃんに目一杯甘えられる」

「良いだろう、乗った!」

「2人とも、一夏の承諾は?」

「無いよ簪。でもお兄ちゃんはきっと許してくれる」

「そうだな。何せ……」

「「わたしのお兄ちゃん(お兄様)だからね(な)」」

 

わたしとラウラの言葉が重なる。

お兄ちゃんを慕う気持ちだけは認めるに値するかな。

 

ビー!

 

試合開始のブザーが鳴る。

シャルロットとの作戦は各個撃破だ。

ならわたしの相手は……。

 

「勝負だよラウラ!」

「望むところだ!」

 

SIDE OUT

 

SIDE シャルロット

 

マドカはラウラと妹対決を始めてしまった。

いや、こっちの邪魔をするような戦いじゃないから作戦通りなんだけど……。

 

「シャルロット、こっちも始めよう」

「あ、うん。そうだね」

 

簪がこっちに来たので雷轟にキャリバーンパックを装備し、シュベルトゲベールⅡを構える。

このトーナメントで雷轟をお披露目してから、デュノア社には雷轟の注文が殺到しているらしい。

通信で父さんがそう教えてくれた。

設計図とこの試作1号機を提供してくれた一夏たちにはいくら感謝してもし足りない。

 

「いくよ簪!」

 

薙刀を持つ簪にシュベルトゲベールⅡで切りかかる。

僕と切り結ぶ簪はかなりの技量だった。

そういえば、簪の実家って武家屋敷だって一夏が言っていたっけ。

武術の心得があってもおかしくはない。

このまま戦っても押し切れないだろうね。

なら、僕の十八番(おはこ)の戦法の出番かな。

僕は高速切替(ラピッド・スイッチ)を活かし、1秒にも満たない時間で背部の武装をサムブリットパックに変更。

そのまま超高インパルス砲『アグニⅡ』の引き金を絞る。

 

「くっ!」

 

武術の心得があって目が良いのか、簪は掠り傷程度のダメージで回避する。

やるね簪。

でも逃がさないよ。

僕は即座に武装をキャリバーンパックに戻して簪に切りかかる。

相手が近付けば近接射撃。

相手が距離を取れば間合いを詰めての格闘戦。

この戦法こそ『砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)』。

名前の意味は『求めるほどに遠く、諦めるには近く、その青色に呼ばれた足は疲労を忘れ、緩やかなる褐色の死へと進む』というものだ。

このまま撃破する!と思ったら距離を取った簪が薙刀を仕舞い、空中投影型のキーボードを展開する。

何をするつもり?

簪の機体『打鉄弍式』の全身の砲門が開く。

あれは……ミサイル!?

 

「いけっ山嵐(やまあらし)!!」

 

打鉄弍式から数え切れない量のミサイルが放たれる。

雷轟が自動的に計算した結果、ミサイルの数は合計48発。

サムブリットパックのフルバーストでも迎撃し切れない数だ。

僕は武装をスペキュラムパックに変更してミサイルから逃げる。

逃げながらミサイル同士がぶつかって爆発するよう誘導したり、ビームライフルで撃ち落としたりするが、一向に数が減らない。

こうなったら……。

 

SIDE OUT

 

SIDE マドカ

 

わたしとラウラの戦いは熾烈を極めていた。

ラウラの機体『シュヴァルツェア・レーゲン』の慣性停止結界(AIC)は驚異的だ。

アレの力でビットやわたし自身を何度も停められてしまい、シールドエネルギー残量は5割程度、ビットも半分が墜とされてしまい残りは4基。

だがAICはビームなどのエネルギー攻撃までは停められない。

そのおかげでラウラのシールドエネルギーも同じくらい減っている。

お互いに決め手が欠けている戦い。

この場を動かしたのは、わたしでも、ラウラでもなかった。

 

「ラウラ、お届け物だよー!」

「なっシャルロット!?」

 

簪と戦っていた筈のシャルロットが、簪から放たれたであろうミサイルを引き連れて、ラウラの背後に回り羽交い締めにする。

このままではミサイルはラウラに直撃する。

ラウラは止むを得ずミサイルをAICで停める。

 

「今だよマドカ!」

「わかった!」

 

このチャンスを逃がしはしない!

BTエネルギーマルチライフル『スターブレイカー』のエネルギーをチャージし、渾身の一撃を放つ。

 

「ぐわぁっ!」

 

わたしの一撃をまともにくらったラウラは集中力が切れてAICが解けてしまい、再び動き出したミサイルを浴びてリタイアした。

 

「まさか山嵐を利用されるなんて……。でも負けないよ!」

 

そう言って残された簪は薙刀と荷電粒子砲を展開して、わたしとシャルロットに挑みかかる。

わたしは後ろに下がり、キャリバーンパックを装備したシャルロットが前衛になる。

 

「はあぁぁぁっ!」

 

シャルロットが真正面から突っ込む。

そんなシャルロットに向かって簪は荷電粒子砲を撃ち込もうとする。

すかさずわたしは4基の内、1基だけ残っているシールド・ビットでシャルロットへの攻撃を遮る。

後ろ姿で見えないけど、シャルロットが笑ったような気がした。

もしかして、わたしが援護するとわかっていたからあんな無謀とも言える攻撃を?

それだけ信頼されているしたら嬉しいな。

シャルロットのシュベルトゲベールⅡと大型ビームサーベル『カラドボルグ』の2刀流による連撃で、簪のシールドエネルギーは0になった。

 

『試合終了。勝者、シャルロット・デュノア・織斑マドカペア』

 

試合終了のアナウンスが流れる。

ラウラは強敵だった。

シャルロットも軽く息が上がっているところを見ると、簪も手強い相手だったのだろう。

次に待っているのは決勝戦。

お兄ちゃんと工藤のペアとの戦いだ。

お兄ちゃんはギリギリまで龍騎士(ドラグナー)の特殊アドベントカード等を封印するそうだけど、わたしはお兄ちゃんに全力を出させた上で勝ってみたい。

え?

そんなことはIS/EXVSのお兄ちゃんに勝ってから言えって?

それは言わないお約束だよ。

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