Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
食事を終えて、俺と千冬お姉ちゃんは部屋に戻った。
「なぁ、千冬お姉ちゃん」
「『織斑先生』だ、馬鹿者」
「まぁ良いじゃん。それでさ、『アレ』をやらない?教師の仕事で体が凝っているんじゃないか?」
「ふむ……そうだな、お願いしよう」
布団を敷いて、千冬お姉ちゃんが寝そべる。
ん?
扉の前に人の気配がするな。
千冬お姉ちゃんと顔を見合わせる。
ニヤリ×2
お互いに笑みを浮かべる。
一芝居打つとしますか。
SIDE OUT
SIDE マドカ
わたしは今、お兄ちゃんと千冬お姉ちゃんの部屋に向かっている。
自室にお兄ちゃんを誘って、皆で遊ぶためだ。
部屋に着いたわたしだが、そこには先客が居た。
「何やってるの?」
「シッ、静かに!」
篠ノ之箒が扉に聞き耳を立てていた。
わたしも気になったので、扉に耳を当てる。
『は……初めてだから優しく頼むぞ、一夏』
『わかってるよ、千冬お姉ちゃん。痛くはしないさ』
えぇっ!?
もしかしてR-18な展開ですか!?
お兄ちゃんったら光莉さんはどうしたの!?
『んっ……どうして肝心なところに触れないんだ。切ないぞ……』
『楽しみは最後まで残しておく主義だからね。しかし随分と艶っぽい声を出すんだね』
『言うな、馬鹿……』
あわわわわ。
どうしよう?
どうすればいいの?
篠ノ之は顔を真っ赤にしてフリーズしている。
ガチャ。
「「へぶっ!?」」
内側からドアを開けられ、わたしと篠ノ之は倒れ込む。
「何だ、マドカと篠ノ之か」
お兄ちゃんがわたしたちを見下ろす。
「え〜と、お兄ちゃんたちは一体何を……?」
勇気を振り絞って聞いてみる。
「何って、マッサージだが?」
「「マッサージ?」」
あれってマッサージの声だったの!?
「おいおい、何を想像してたんだ?」
「「…………」」
わたしと篠ノ之は赤面して黙り込む。
恥ずかしくて言えないよ!
「一夏、マッサージで汗をかいただろう。もう1度風呂を浴びて来い」
「え?……あぁ、わかった」
千冬お姉ちゃんにそう言われたお兄ちゃんは、タオル等を持って去って行った。
「さて、マドカに篠ノ之。丁度良い、少し付き合え」
そう言って、千冬お姉ちゃんはわたしと篠ノ之を部屋に招き入れる。
何を話すつもりなんだろう?
「さて、
「く、くれるのですか!?」
篠ノ之の食いつきっぷりが凄い。
まぁわたしもお兄ちゃんがフリーだったら、同じような反応をしたんだろうけど。
「それは不可能だ。アイツには婚約者が居る。来月には結婚だ」
「なっ……。幼馴染のわたしが居ながら婚約者!?しかし千冬さん、結婚って一夏は15歳ですよ!?」
「一夏と工藤は男性IS操縦者ということで、IS学園入学と同時に自由国籍となっている。
「そうですか……。しかしどうして結婚なんて……。ハッまさか政略結婚!?」
「そんな真似わたしがさせると思うか?一夏と
「そんな……。わたしは幼馴染なのに……」
「さっきから聞いていれば幼馴染幼馴染って言っているけど、幼馴染だから何なわけ?」
「マドカの言う通りだ。それに
「なっ……!?わたしは知りませんよそんな女!」
「『ちょっとした事情』があってな。彼女が学校に通い始めたのは小学5年からだ。お前が知らなくとも無理はない」
「そんな……」
「話は変わるが篠ノ之、昼にわたしが話した『お前に足りないもの』の答えは出たか?」
「……いいえ」
「それがわからないのであれば、婚約者の有無に関わらずお前が一夏の隣に立つことは認められん。一夏のことは諦めろ」
「…………」
篠ノ之はそれには答えず、ふらふらと部屋から出て行く。
「お兄ちゃんに突っかかったりとかしなければ良いんだけど」
「一夏と光莉なら、篠ノ之がISを纏ってもそれぞれ生身と人間体でも鎮圧出来るさ。篠ノ之は心も身体も未熟だからな」
生身でISと渡り合えるって……。
いや、前にお兄ちゃんが『6000AP以上のミラーモンスターなら、ISと互角に戦える』って言っていたからあながち間違いでもないのかな?
SIDE OUT
SIDE 一夏
俺は今、千冬お姉ちゃんに言われて風呂に入っている。
せっかくだからミラーワールドの風呂に入ることにした。
俺が入っている露天風呂からは、外の風景がばっちり見える。
外ではライダーの皆の契約モンスターが戯れていた。
ボルキャンサーとアクアギガは、それぞれのハサミでどちらが先に木を切り倒せるかの勝負をしているようだ。
しかしアクアギガの類型モンスターのマグナギガって、設定資料じゃあハサミのパワーが確か50tじゃなかったっけ?
ボルキャンサー勝てるかな?
他にはメタルゲラスとデストワイルダーが浜辺で徒競走をしていたり、ハルピュイアクイーンとバイオグリーザが砂の城を作っていたりと、それぞれ楽しんでいるようだ。
あれ、そういえば光莉は?
「お邪魔します、マスター」
「ご主人様〜!」
光莉と人化したブランウイングが、バスタオルを巻いた状態で風呂に入って来た。
海に居ないと思ったらそういうことか。
「こうしてマスターと一緒にお風呂に入るのは、初めてですね」
「そう言われれば……そうだな」
『はい、あ〜ん』や膝枕や同衾は日常茶飯事だが、混浴は確かにこれが初めてだ。
しかし光莉がバスタオルを巻いてくれていて助かった。
もし裸だったら、俺の理性が崩壊して光莉を押し倒していたかもしれない。
光莉は俺を受け入れてくれるだろうし、来月には結婚なので特に問題は無いのだが、光莉と『そういうこと』をするのは光莉と結婚してからやりたいのが本音だ。
「「「いい湯だなぁ〜」」」
俺・光莉・ブランウイングの声が重なる。
普段は鍛錬をするか光莉といちゃついている俺だが、こうしてのんびりするのもたまには良いと思った。
SIDE OUT
SIDE 箒
『一夏には来月に結婚を控えた婚約者が居る』
『政略結婚などではなく、2人は心からお互いを愛している』
『婚約者は一夏とは篠ノ之よりも旧い仲だ』
何故だ!
どうして一夏はわたしではなく、何処の馬の骨とも知れない相手なんかと婚約しているんだ!
剣道を辞めただけでは飽き足らず、学生の身分で結婚をするほど腑抜けたか!
姉さんから専用機を貰ったら、真っ先に婚約者の女を排除して一夏を更生させてやる!
首を洗って待っていろ、一夏!