Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第51話 姉妹との対話

「さて、恩を仇で返すみたいで悪いけど、あなたたちのことを聞かせてもらうわよ」

「気にすることは無い。貴女には学園を守る義務がある。1度助けられた程度で情を抱くようでは、守れるものも守れないからな」

 

あの戦いの後、変身を解除した俺とカスタムバイザーから抜け出た光莉は、楯無さんと簪に生徒会室に連れて来られた。

楯無さんと簪はタイムベントのおかげで身体もISも完全回復したが、この世界の織斑一夏()や篠ノ之・セシリア・鈴・シャル・ラウラは今頃保健室の世話になっているだろう。

千冬お姉ちゃんと山田先生は、襲撃してきた無人IS5機の解析中だ。

ちなみに、コアは全て俺が破壊している。

 

「まさか尋問対象にそう言われるなんてね……。じゃあさっそく始めるけど、あなたたちは何者?」

 

俺と光莉は正直に、平行世界から来た織斑一夏とその妻だと話した。

 

「平行世界ね……。普通なら冗談だと切って捨てるところだけど……」

「わたしもお姉ちゃんも助けられたからね……」

 

そう言った簪は、机の上に置かれている龍騎士(ドラグナー)のカードデッキをチラチラと見る。

俺はカードデッキを簪に渡す。

 

「ほれ。見たいんだろう?」

「え……良いの?」

「あぁ」

「……ありがとう」

 

頬を朱に染めてお礼を言う簪だが……。

 

「……カードが抜けない」

「ちょっとした仕掛けで持ち主しかカードが抜けないようになっているからな。貸してみ」

 

簪からカードデッキを預かり、パカッと開ける。

ここら辺の仕組みは玩具版と同じだな。

中身のアドベントカードを簪に渡す。

 

「うわ、こんなに沢山……」

「そりゃあ20体以上のモンスターと契約しているからな」

「そんなに!?どうやって養っているの?」

「頑張ればどうにかなるもんだぞ」

「そうなんだ……。あれ?シャインナーガっていうモンスター関連のカード以外のカードがほとんどモノクロカラーになってる。どうして?」

「この世界に連れて来ているのはシャインナーガだけだからな。それ以外のカードはこの世界じゃあ使えないということだ。実際、バイザーに装填したら『ERROR!!』って音声が鳴ったからな」

「へぇ〜……」

「さっきから思ったんだけど、何なのそれ?」

「……簪、説明よろしく」

「うん。あのねお姉ちゃん、このカードとデッキは『仮面ライダー龍騎』っていう……」

 

〜説明中〜

 

「……という訳なんだ」

「俺の世界じゃあ特撮なんかじゃなく実際に存在するけどな。ちなみに楯無さんと簪もライダーだぞ」

「本当!?」

「それは興味深いわね。教えてくれるかしら?」

「良いぜ。百聞は一見に如かず。こちらをご覧あれ」

 

龍騎士(ドラグナー)を起動して、楯無さんと簪に関する戦闘記録映像を再生する。

 

「そのカードデッキって、ISだったのね。よく簪ちゃんにあっさり渡せたものね」

「そこは信頼の証だとでも思ってくれ」

 

映像では、ちょうど簪がスカイブレイダーと契約して、ゼノバイターが現れた。

 

『丁度良い。簪さん、アイツと闘ってみろ』

『うん……やってみる』

『大丈夫なの?』

『ミラーモンスターとの戦闘は良い経験になりますよ。いざとなれば俺たちが助ければいい』

 

そして簪がゼノバイターを撃破する。

 

「強いんだね、そっちの世界のわたしは……」

「それは違うぞ、簪」

「え?」

「これは後で聞いたことだが、あの時の簪はミラーモンスターとの戦闘に凄まじい恐怖を感じていたそうだ。それこそ逃げ出したいくらいに」

「でも、わたしと違ってあんなにしっかり動けて……」

「それは恐怖を乗り越えたからだ。つまり、俺の世界の簪はあの瞬間、弱かったからこそ強くなれたんだ」

「弱かったからこそ、強く……」

「そうだ。誰だって最初から強い訳じゃない。簪だって強くなれるさ」

「……本当?」

「あぁ。俺はつまらない嘘は言わない主義だ」

「……うん、一夏。わたし、頑張る」

 

簪の心に火が灯ったようだ。

元の世界でもそうだが、簪は内気な娘だからな。

誰かが後押ししてあげなければならない。

 

「ところで一夏くんって、元の世界じゃあどれくらいの実力なの?わたしたちが苦戦した無人ISをあっさり倒しちゃってたけど……」

「今のところ元の世界の千冬お姉ちゃんとは勝敗数が五分五分。それ以外の相手には負けたこと無いですよ。追い詰められたことはたまにありますけど」

「織斑先生と互角……」

「あの戦いを見た後だと説得力あるわね……」

 

2人は唖然としながらも納得したような表情をする。

 

「それで、あなたたちはこれからどうするの?」

「わたしと旦那様は新婚旅行としてこの世界に来ましたからね……。拘束や監視はしないでくれるとありがたいです」

「光莉に同じく」

「この世界での滞在期間は?」

「マシンのエネルギーの再充填と行き先の座標の固定とかがあるから……遅くて1ヶ月くらいだろうな」

 

ちなみに元の世界に帰る時は、束お姉ちゃんがマシンを起動させた5分後の時間になるよう設定されているため、滞在期間はあまり気にしなくても問題無い。

 

「……そう、わかったわ。とりあえず織斑先生や学園長と一緒にあなたたちへの対応を決めるわ。それまでは大人しくしていてちょうだい」

「対応次第では確約し兼ねますが、了解です」

 

対応が決まるまでは生徒と同じ寮で過ごしてもらうということで、部屋のカードキーを受け取って簪の案内のもと部屋に向かう。

そして1025号室の前を通りがかった時……。

 

『革命!いや、フランス革命か!』

『『『『『一夏!』』』』』

 

随分騒がしい部屋だった。

しかし篠ノ之・鈴・セシリア・シャル・ラウラの声が聞こえたということは……。

 

「なあ簪、こっちの世界の俺って……」

「乙女心に全く気付かない鈍感。ついた仇名は『唐変木・オブ・唐変木ズ』。今の声の主はみんな織斑くんに惚れている」

「「うわぁ……」」

 

なぁにそれぇ……。

同一人物だと思いたくないし思われたくもない。

この世界に居る間だけ名前を変えようかな……?

簪に案内された部屋で、俺と光莉は風呂に入った後そのまま寝た。

いや、ついこの間結ばれたばかりなのに、神聖な学び舎で事を致すほど俺や光莉は図太く無いんだ。

元の世界じゃあ、いつかやるかもしれないが……。

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